かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ゆめいろ保育園(2回目受審)

対象事業所名 ゆめいろ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 夢工房
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0001
鶴見区矢向3-11-48
tel:045-573-9582
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年09月 〜 2018(平成30)年03月
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
●ゆめいろ保育園の立地・概要
ゆめいろ保育園は、JR南武線「矢向」駅から歩いて6〜7分ほどの落ち着いた静かな住宅街の中に位置し、鶴見川の東側にあり、ほぼ川崎市に近い地域ですが、飛び地的に横浜市鶴見区となっています。環境は、新川崎駅、矢向駅と路線も使いやすく、横浜・東京への利便性に比較的恵まれ、近年ファミリー世帯も増え、子育て支援センターも充実している地域です。
ゆめいろ保育園は、社会福祉法人夢工房(以下、法人という)の運営です。法人は、保育園や特別養護老人ホーム等を兵庫県中心に展開し、関東圏には保育園が横浜市内に3園、東京都に2園を経営しています。ゆめいろ保育園は、2009年(平成21年)4月1日に開設した定員120名(0歳児〜5歳児)の大規模保育園であり、現在、児童は141名在籍し、月曜日から土曜日の7時〜20時(土曜日は18時まで)を開園時間としてサービスを提供しています。園舎は、道路、横須賀線、JR職員の官舎に囲まれた3角形の土地に陽光を上手に取り入れ、鉄筋2階建のコンクリート打ちの洒落た建物です。趣きのある玄関の扉を開けると、玄関ホールは開放感に溢れ、入ってすぐ左には事務室があり、来訪者に誰もが声かけができるようコミュニケーションが取りやすくなっており、明るい雰囲気が印象的です。
園舎内は、玄関を入って右奥には広いホール(ランチルーム)があり、隣接して厨房が設けられ、ホール手前左奥に0歳児、1歳児の保育室となっており、デッキからそのまま芝生の庭に出られるように配慮されています。2階への階段との狭間には坪庭に石を敷いた風情のある一空間が設けられ、心地良い環境と共に感性を刺激する拘りを垣間見ます。2階は、2歳児〜5歳児の保育室になっており、無垢の木の床が温かい雰囲気を醸し、天井裏にはロフトが設けられ、子どもたちの秘密基地のようです。また、デッキと一面芝生の屋上園庭が一体となり、木で作られた東屋は遊具としても活用されています。評価調査訪問日は雨でしたが、子どもたちはホ−ル(ランチルーム)でのびのびと元気に活動している姿を見ることができました。
●ゆめいろ保育園の保育の方針
ゆめいろ保育園の保育理念は、「子どもの最善の利益を考慮し、利用者主体を根幹に、行政・地域・保育園の密接な連携を強化し、地域の子育て支援の核となる。」であり、保育方針として、「子どもは豊かに伸びてゆく可能性をそのうちに秘めている。その子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくりだす力の基礎を培う。」、「見るもの、聞くものに好奇心を誘発され、人に認められ、誉められ、喜ばれることにより、自分自身が生きている意味を子どもなりに感じたり、愛情をたくさん注がれた「人間」の生きる力の大きさを大切にできる保育と、人から守られるだけでなく自立していく過程で、困難なことや悲しいことに立ち向かう勇気と気力を育てていくために、成長過程で課題を解決しようとする自立意欲を助長し、それを実践できる機会を大切に考えられる保育を目指す。」を掲げています。また、具体的な保育目標として、「他人の気持ちがわかる子ども」、「自分らしく生きる子ども」、「感情豊かな子ども」を目指し、日々温かな保育を実践しています。
<優れている点>
1.【系統図による毎月の保育分析】
ゆめいろ保育園では、月案の反省を「系統図」を用いて毎月実施しています。通常、前月の事象を反省して次月の計画に反映し、計画・実行の反省に止まりますが、ゆめいろ保育園の系統図を用いた反省では、事象の反省に加えて「体質の改善」にまで踏み込んでいるところは素晴らしく、これは第三者評価のねらいそのものです。また、系統図での反省の基となる月案には、子どものねらい・保育士のねらいを設け、子どものねらいではテーマに対して実施する目標を明示し、保育士のねらいの展開に対して系統図で検討しています。例えば、1月の系統図では、テーマ「1月」に対して考えられる展開として、「お正月」、「正月遊び」、「挑戦」等の項目に、展開として「正月遊び」では言葉遊び・自分で作る等の展開を順次考え、子どもの目標として言葉、文字、数字、挑戦、挑戦における感情(悔しさ)等のテーマにつなげています。この取り組みは、保育士の体質に論理的展開が積み重ねられ、一人一人の資質向上につながっており、とても良い取り組みです。
2.【ムーブメントの展開】
ゆめいろ保育園では、3歳〜5歳児の一斉活動として「ムーブメント」を導入し、訪問当日は年齢ごとに時間差で実施していました。ムーブメントは、ルールの説明を受け、リーダーの動きに呼応して瞬時に対応する集団遊びであり、鶴見区役所の指導者により保育士が習得し、園で展開しています。子どもたちは、ムーブメントの説明に合せて決められた行動を同じように集団で動き、とても楽しそうに行っていました。昨今、評価の項目に子どもの意向に沿ったコーナー遊び等が強調されていますが、このように子どもが楽しみ、前向きな一斉活動は大いに参考になります。ムーブメントでは、ホールに複雑なラインを引き、リーダーがそのラインをまっすぐ歩いたり、走ったり、隣のラインに飛び移ったり、方向展開する等、様々な動きに合わせて子どもたちも楽しそうに動き、また、フリスビーを投げたり、キャッチする等、広いホールを生かし、のびのびと行われていました。園では、子どもの自主性、 発達性を尊重しながら子ども自身が「動く」ことを学び、その動きを通して、「からだ(動く)」と「あたま(考える)」、そして「こ
ころ(感じる)」の発達を育んでいます。
3.【ランチルームの活用について】
横浜市の同系列3園は全て広いホール(ランチルーム)を保有し、ホールがあることで、クラス活動とは別の展開が図れ、園庭で遊ぶ以上の利用価値・有効性も高く、ランチルーム方式として活用されることも大きな特徴の1つです。ホールの別名に「ランチルーム」とし、昼食は専用のランチルームを設けていることを意味し、隣接して厨房を設けています。ランチルームでの昼食は、時間差で低年齢から実施し、厨房からランチルームへ直接食事が提供され、幼児は好きな席に着いて、仲良く話をしながら、楽しく食事を摂っています。食事時間は子どもたちの楽しみとなっており、時間差の中で異年齢の交流もあり、年長になり、当番が給仕するのも食事の楽しみの1つになっています。話をしながら、楽しい食事を異年齢で一緒にとっています。基本的にはクラス別で、時間差でクラスが重なった時には異年齢が混在しますが、園でのランチルーム方式はクラスがある程度中心になるように工夫されており、良い方法で実施されています。
<さらなる期待される点>
1.【さらなる職員の資質向上に向けて】
ゆめいろ保育園の良い点とした系統図による毎月の保育分析、ムーブメントの展開等、先進的な取り組みにより職員全体としての体質改善は他に比して進んでいることが確認できました。また、職員が全体的にボトムアップされていることが十分理解できました。園では、個々の職員の評価について以前の評価方式の変更を検討中であり、各職員の目標を設定し、期末に反省する体制の改善を目指していると聞き及び、さらに、全体のボトムアップと個人別のレベルアップが両輪となり、益々職員の質が向上していくことを大きく期待いたします。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●保育理念は「子どもの最善の利益を考慮し、利用者主体を根幹に、行政・地域・保育園の密接な連携を強化し、地域の子育て支援の核となる。」とし、利用者本人を尊重としたものとなっています。ゆめいろ保育園では、保育士のねらいとして、自分でできること、得意なっことを把握し、新たなことでできることを増やす、「できる喜び」につなげています。
●個人情報の取り扱いや守秘義務については、法人に「個人情報管理規定」があり、採用時(契約時)に職員は誓約書を提出しています。保護者には、入園説明会にて、保育園のしおりで個人情報の取り扱いについて説明し、同意を得ています。ボランティア、実習生の受け入れの際も守秘義務・個人情報取り扱いについて説明を行い、誓約書を交わしています。
●性差に関する配慮では、遊び、行事時の役割、順番、グループ分け、整列等では区別はしていません。職員は、無意識に性差による固定観念で保育を行わない等、人権の研修を通して性差に対して考える機会を設け、ジェンダーフリーについても研修を行い、職員間で共通認識を深めています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●保育課程に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。見直した箇所については青で修正して示し、年度末に最終確認の上、次年度の計画に反映させています。子どもからの意見は、幼児では日々子どもたちの話を傾聴し、乳児は、日々の生活・様子を受け止め、意思を汲み取るようにしています。
●年間指導計画は、毎月1回のカリキュラム会議にクラス主担任が出席して見直しを行い、修正箇所を青で印し、主任、園長が確認し、年度末の反省につなげています。年度内の見直しは、原則、毎月の月案で行い、毎週、職員会議で話し合っています。保護者の意向は、懇談会、行事後のアンケート、入園式でのアンケートの実施や、日々の送迎時を通じて意見や要望を把握し、意向等を反映するよう努めています。
●施設環境については、園内外の清掃は、「安全・清潔点検チェックリスト」に基づき、常に清潔に保っています。各保育室は陽光を取り入れて十分に明るく、換気は、強制換気と自然換気を行い、温・湿度は設定範囲内に保つよう管理し、エアコン、空気清浄機、加湿器等を設備し、快適な室内環境を提供しています。
●子どもたちが落ち着いて遊べるよう、コーナーや多様なスペースを作り、空間を有効に利用して工夫しています。異年齢交流では、基本的に、異年齢での散歩や、朝夕の延長保育時に異年齢で交流を行い、幼児は週1回、異年齢で過ごす日を設定しています。玩具や教材は、子どもの発達や興味に合わせて入れ替え、子どもの成長に合わせた棚にきちんと整頓されて収納し、子どもが自由に出し入れして遊べるよう配慮し、自発的な活動につなげています。
●食事は、幼児はランチルームで一緒に摂り、基本的に時間差で低年齢から食べ始め、順次高年齢の子どもと交代して摂る食事体制を整え、楽しい時間になるよう配慮しています。食事は厨房から直接配膳し、数箇所に配膳台を設置し、グループごとに配膳を行っています。乳児の授乳では、保育者が抱っこして、1対1で授乳を行い、離乳食は献立表を作成し、家庭と連携を図り、子どものペースを尊重して進めています。
●献立は、季節の旬の食材や季節の行事食を取り入れ、季節の行事食を大切にしています。また、12月には東京の郷土料理「深川めし」を提供したり、新メニューにも挑戦し、「たこ焼き風おにぎり」等、子どもが楽しめる献立を工夫して提供しています。
●園生活での様子や活動内容は、0歳、1歳児は個別の連絡帳で子どもの状況を伝え、2歳〜5歳児は日々の活動状況を「Today’s memory」に記載して知らせるようにし、口頭でも伝え、送迎時に担任、他職員から子どもの様子が伝えられるようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●特に配慮が必要な子どもについては、個別の年間指導計画を策定し、計画の実施記録に記入欄を設けて記録を行い、職員会議等で配慮点やかかわり方について話し合い、職員間で共有しています。また、鶴見区の保健センターの保健師から相談・助言を受け、家庭と密に連携を図りながら保育を進めています。
●虐待の定義については、「虐待防止マニュアル」に基づき、子ども虐待の予防・早期発見の支援のためのチェックリストを備え、全職員に周知し、職員は理解をしています。保育園のしおりに「よこはま子ども虐待ホットライン」を掲載し、保護者に周知しています。早期発見では、朝の受け入れ時や着替えの際の視診を心がけ、母親の様子にも配慮する等、虐待の未然防止に努めています。
●アレルギー疾患の対応については、マニュアルを備え、かかりつけ医の指示を受けて対応しています。食物アレルギーがある場合は、栄養士が保護者と面談を行い、情報はクラス職員間で共有するよう体制を整えています。除去食・代替食については、誤飲誤食事故防止を徹底しています。
●苦情解決の仕組みについて、保育園のしおりに沿って保護者に説明を行い、苦情受付体制、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を明示し、対応する仕組みを整えています。園では、「ヤギさんポスト」(苦情箱相当)と称して親しみやすいよう目のつきやすい場所に設置し、要望や苦情は記録し、職員会議等で話し合い、回答を掲示し、園運営に生かすようにしています。
●感染症等については、感染症登園停止基準、感染症の一覧、手続き方法について、保育園のしおりに示し、入園説明会時に保護者へ説明しています。感染症が発症した場合は、玄関に掲示し、感染症に関する情報を保護者に伝え、保健だよりで注意喚起を図り、園内感染拡散の防止を図っています。
●安全管理では、地震等を想定して、保管庫などは作り付けになっており、低い家具を採用して、備品等は安全対策を講じています。安全管理に関するマニュアルを備え、毎月、避難訓練を実施し、地震・火災等、様々な場面を想定して訓練を行い、年1回、区内の消防署の協力を得て訓練を実施しています。職員は、救急救命法およびAEDの使い方を受講し、緊急時に備えています。
●外部からの侵入に対して、出入り口は施錠し、見守りカメラを設置し、警備会社と契約をして不審者等の侵入防止策を講じています。保護者にはインターホンにより確認ができるようにしています。年1回、不審者訓練を行い、職員共通の合言葉を決めて対応に備えています。
4 地域との交流・連携 ●地域の子育て支援では、一時保育、園庭解放、育児講座を実施し、地域の子育てニーズの支援を行っています。一時保育、園庭解放では天候状況、月齢の低い子どもには室内で遊んでもらう等、配慮しています。定期的に育児講座を実施し、地域の子育てを支援し、育児講座後は個別に育児相談を実施しています。
●地域住民に対する園の情報提供では、鶴見区の子育て情報サイト、広報よこはま鶴見区版等に掲載して情報提供し、園で作成している冊子でも情報提供をしています。育児相談については、随時応じられる体制を整え、鶴見区の「わっくん広場」に参画し、情報を提供しています。また、鶴見区の広報誌で案内し、園のホームページからも発信しています。
●地域への園の理解促進の取り組みとしては、園の運動会、夏祭り、生活発表会等の行事に町内会長や一時保育利用の親子、地域の方々を招き、園の理解を促す機会につなげています。幼保小連絡会へ参加し、定期的に地域の保育園、小学校との交流や連携を図っています。地域のボランティアでは、矢向地区のボランティアグループを積極的に受け入れ、自治会とも連携を図り、中学生の体験学習も受け入れ、交流をしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●職員の守るべき法・規範・倫理等は、就業規則に明示し、研修等で周知し、職員は守るべき倫理を遵守しています。リスクマネジメント・コンプライアンスについては、法人の職務会議等で話し合い、職員会議で事例等の報告を周知し、職員は守るべき規範について再確認しています。
●環境整備では、横浜市の条例に基づきゴミ減量化や、分別、廃材のリサイクル、緑化に取り組んでいます。省エネルギーの促進では、節電・節水を心がけ、エアコンの設定温度等、省資源に取り組み、全体で励行しています。法人、園の基本理念の上位に児童憲章の3項目を置き、その中の「児童は良い環境の中で育てられる」を環境目標として守り、展開を図っています。
●スーパーバイズのできる主任クラスの育成では、法人にプログラムとして、副主任・主任試験の実施、幹部研修会等を設け、主任クラスを計画的に育成しています。主任、副主任は、各クラスを巡回し、職員一人一人の業務状況を把握し、個々の精神面、肉体面に配慮し、職員一人一人の能力や経験に応じて的確な助言や指導を行い、気軽に相談を受ける存在となるよう努めています。
6 職員の資質向上の促進 ●職員、非常勤職員の研修体制については、研修計画を策定し、法人本部・関東地区主催の研修に参加し、園内研修も法人研修での階層別に沿って年齢別に対応するようにしています。外部研修の受講後は、必要に応じて園内ミーティングやクラスミーティングで伝達研修を行い、職員間で知識を共有し、保育に生かしています。
●保育士の自己評価は、年度目標設定の反省・評価および、年間指導計画に照らし合わせて振り返りにより実施しています。振り返りでは、子どもの育ちや意欲、取り組む過程等を重視して評価を行っています。また、公開保育、学年別ミーティング、法人内会議等を行い、質の向上を図っています。
●保育所の自己評価は、年間指導計画の反省・評価に基づいて実施しています。今年度の第三者評価受審により園の課題、改善に向けて取り組み、次期につなげていきます。法人系列園全体では、学年別ミーティングによる研修を実施して研鑚を図り、法人内の役職別会議で各園の事例検討(工夫・改善)を話し合い、園の職員会議で事例の報告を行い、園全体で改善に生かすよう努めています。また、法人系列保育園間で公開保育を実施し、より良い園作りに取り組んでいます。
●各階層別に期待業務を明文化し、行事分担表により担当を定め、現場の職員に可能な限り権限を委譲し、責任を明確にしています。園長は、職員との面談において、満足度、要望や希望、意向を吸い上げ、より良い園・職場環境作りに努め、職員のやる気につなげています。また、「報連相」を都度伝え、円滑な園運営に尽力しています。

詳細評価(PDF281KB)へリンク