かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク馬車道保育園(8回目受審)

対象事業所名 アスク馬車道保育園(8回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0006
中区南仲通4−47 馬車道L2ビル
tel:045-650-6588
設立年月日 2009(平成21)年12月01日
公表年月 2018(平成30)年08月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・【施設の特色】
・立地および施設の概要
 アスク馬車道保育園は、みなとみらい線馬車道駅から徒歩3分、官庁街、オフィス街に立地しています。平成21年12月に現設置法人(株)日本保育サービスが経営を引き継ぎ、9年目の保育園です。鉄筋コンクリート造り5階建ての園舎で、屋上園庭は幼児のプール遊びに使っています。定員90名のところ、0〜5歳児が90名在籍しています。

・園の特徴
 「あかるく なかよく たくましく」を園目標に、子どもたちにできるだけ様々な体験ができるようにしています。専門講師による体操・リトミック・英語のレッスン、クッキング保育、散歩や季節ごとの行事のほか、電車で舞岡公園に出かけて、コメ作りの体験などもしています。


【特に優れていると思われる点】
1.自然や地域に触れる体験
 オフィス街に位置するビル内の保育園で、地域には自治会も無く、自然に触れたり地域の人たちと交流したりする機会は限られています。そのため、園では、天気の良い日はほとんど毎日近隣の公園や文化施設へ散歩に出かけて、青空の下で子どもたちが土や木、花に触れ海を見るなど地域に触れたり自然を感じたりできるよう、またその行き帰りには近隣商店の人たちと挨拶などの交流ができるよう工夫しています。
 横浜公園での中区民祭り「ハローよこはま」に参加したり、赤レンガ倉庫での「ヨコハマストロベリーフェスティバル」に遊びに行ったり、ハロウィンでは馬車道商店街をまわったりしています。5歳児は中区保育園交流事業の駅伝大会に参加しています。


2.五感で感じる保育の実践
 電車で舞岡公園「小谷戸の里」に出かけて、年間を通してコメ作りを体験しています。代かきは5歳児が、田植えは4、5歳児で子どもだけで行い、稲刈り・脱穀は4、5歳児親子、餅つきは3歳児も加わった親子で楽しみました。田んぼのどろんこ遊びは、最初は気持ち悪いと言っていた子どもたちも、次第に感触を楽しむようになり、カエル探しに発展しています。
 野菜の納入業者の職員が野菜を持ってきて子どもたちに見せたり触らせたりしながら、野菜に関する話をして一緒に食事をするという交流を通じて、子どもたちへ野菜への興味を持たせています。


3.地域の子育て支援
 地域の子育て家庭に対して園見学も兼ねて、親子ふれあい教室「ひよこクラブ」を年間10回程度開催しています。0歳児との交流保育、「ぞうきんのうた」など親子のふれあい遊び講習を行うとともに、離乳食や体調管理などの育児相談なども受けています。
 ほかに、中区の子育て支援のための「グランマ保育園事業」に参加し、絵本の貸し出しと育児相談を行い、地域子育て支援サービスを提供しています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.子どもの気持ちに配慮した環境の整備
 2歳児以上の保育室にはコーナーがなく、特に3、4歳児室は合同で、誕生会など全園児が使うこともあるため、仕切りやコーナーを作ることが難しくなっています。子どもが落ち着いて好きなことをして遊べ、一人でいたいときや周囲から声をかけてほしくないときなどに、職員の目が届きながら一人で過ごせる場所を保育室内に設ける工夫が期待されます。


2.送迎時の保護者への情報伝達の工夫
 今回実施した「利用者家族アンケート」の項目「送り迎えの際のお子さんの様子に関する説明について」の満足度が、比較的低い結果となっています。送迎時に子どもの様子を伝えるよう配慮はしていますが、園として保護者の満足度を向上させるための工夫が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の運営理念は「安心・安全を第一に」「いつまでも想い出に残る施設」「本当に求められる施設」「職員が楽しく働けること」であり、保育理念は「子どもの自ら伸びようとする力、後伸びする力を育てる」「五感を感じる保育の充実」であり、子どもを尊重したものになっています。


・子どもを呼び捨てや独自の愛称で呼ばないよう留意するとともに、大きな声を出さないことなど、子どもの人権尊重について職員会議で具体的に周知しています。


・設置法人作成の虐待防止マニュアルがあります。何が虐待にあたるかの虐待チェックテストを実施し、全職員に虐待の定義を周知しています。職員の言葉かけや接し方などの研修もしています。傷がないか毎朝子どもの観察をし、特に0、1歳児は生活記録簿(保育日誌)に観察結果を記録しています。


・個人情報の取扱いについては、管理マニュアルがあり、職員会議などで周知を図っています。保護者には、入園時に個人情報の利用について説明しています。ホームページへの子どもの写真掲載については保護者から承諾書を受け取っています。


・遊びや製作で使用する色などは子どもが自由に選び、行事の役割も子どもたちの話し合いで決めて、順番、グループ分け、整列なども性別にしていません。子どもが性差への先入観による役割分業意識を持たないよう配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・苦情対応のマニュアルとして、設置法人作成の「苦情解決に関する要綱」が整備され、園単独で解決が困難な場合は、設置法人、中区福祉保健センターを交えて話し合える体制があります。


・保護者には、個人面談、懇談会で要望を聞き、玄関に意見箱を置き、行事後に無記名アンケートをするほか、日常の送迎時に意見・要望を聞いています。


・保育課程に基づいて、クラスごとに各指導計画を作成しています。子どもの様子や意見、保護者の要望を参考に、指導計画を作成しています。子どもの様子や要望により指導計画の見直しをすることがあり、計画には柔軟性を持たせています。


・0〜2歳児は、毎月、個別指導計画を作成しています。保育上の配慮点を記載し、一人一人の発達に沿った内容になるよう心がけています。


・おもちゃや絵本を子どもの手が届く棚に置いて、写真を貼り、取り出しやすく片付けやすくなっています。1歳児の絵本棚は、表紙を見て取り出しやすいような棚を牛乳パックで職員が手作りしています。


・主活動前の朝の時間と帰りの会のあとの時間は、自由に遊ぶ時間となっています。4、5歳児の当番同士で話し合って遊びを決めることもあります。


・子どもの興味・関心から、5歳児では生活発表会で「金のガチョウ」の劇をすることになり、衣装や背景も子どもたちが考えて作っています。


・散歩では、、年齢や発達に合わせた公園を選んでいます。バッタ・蝶々などを捕り、日本丸ほか多くの船や水陸両用車、熱気球などを見に行っています。


・体操教室以外にもマットや平均台、跳び箱などで遊んでいます。乳児はトンネルくぐり、風船などで遊び、運動能力を高めるようにしています。


・食事は無理強いせず、食べられる量を盛り、嫌いなものを食べられたら褒めるようにし、楽しく食べることを大切にしています。時間内に食べられない子どもも、自分のペースで完食できるように見守っています。


・授乳や離乳食は子どもの食べるペースを尊重し、眠くなって食べられない場合は、ミルクを与えたり、おやつを多めにするなどの対応をしています。


・トイレットトレーニングは子どもの発達に合わせて、無理強いはしないようにしています。園での排泄状況を保護者に伝え、保護者とよく話し合って進めています。


・お迎え時に、保護者にその日の子どもの体調や園での様子などを、乳児は保育連絡ノート、幼児はクラスノートなどを使って伝えています。保護者との個別面談は、年2回実施しています。


・園実施の「年間を通した米作り」に保護者が参加できる機会を作り、園と保護者、保護者同士のつながりができるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園時に配付する重要事項説明書、入園のご案内、ホームページに運営理念、保育理念を記載し、年度初めの保護者会などで、保育の基本方針を説明しています。


・保育課程は、子どもの利益を第一義に考え、子どもの発達に従って一貫性のあるものになるよう作成しています。年度末の職員会議で反省を含めて次年度の保育課程の見直しをしています。


・3月の入園前説明会のときに、園長と担任予定職員が保護者と面接をしています。離乳食やアレルギーなど配慮が必要な場合は、栄養士とも面談しています。


・0〜2歳児は個別連絡ノートがあり、家庭や園での子どもの様子が記入され、保護者とのコミュニケーションに役立っています。


・入園時に保護者に生育歴や家庭の状況を各種書類に記入してもらい、入園後の成長発達は、「児童票」「健康調査票」「身体測定表」に記録しています。


・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れ、設置法人の発達支援チームなどの助言を踏まえて職員会議や昼礼で個別のケースについて話し合っています。


・食物アレルギーのある子どもについては、入園前面談で栄養士とも面談し、除去食申請をしてかかりつけ医による「生活管理指導表」の指示のもと、誤食がないよう適切な対応をとっています。


・乳幼児突然死症候群に対して、職員は入社時に研修を受けています。0歳児は5分おき、1、2歳児は10分おきに呼吸チェックを行い、うつぶせ寝になっている子どもは仰向けにしています。3歳児以上は30分おきに状況を確認しています。


・子どものケガは、小さなケガでも保護者に報告するとともに、大きなケガは記録し、職員会議で話し合いを行い、改善策を検討して実行しています。


・事故や災害に対応したマニュアルがあります。地震時の備えとして、転倒やケガ防止の安全対策を講じています。


・毎月、避難、消火、通報訓練を行っています。防災の日には、災害用伝言ダイヤルを利用して、保護者による子どもの引き取り訓練も実施しています。


・AED(自動体外式除細動器)を設置し、毎月心肺蘇生法の訓練を行っています。

4 地域との交流・連携

・親子ふれあい教室「ひよこクラブ」は、年10回程度実施し、園見学や交流保育、「ぞうきんのうた」などの親子のふれあい遊び講習を行っています。


・中区グランマ保育園事業では、絵本の貸し出しや育児相談などの地域子育て支援サービスを提供しています。


・5歳児は近隣小学校を訪問して1年生と交流し、中区保育園交流事業の駅伝大会に参加しています。


・地域の商店とは、ハロウィンの際に協力を依頼し、子どもたちがお店を訪問してお菓子をもらったり、お礼に子どもたちが訪問してプレゼントを渡したりするなど友好的な関係を築いています。


・積極的に散歩に出かけ、近隣商店の人たちと日常的に挨拶を交わすとともに、日本丸メモリアルパーク、赤レンガ倉庫、山下公園など地域の文化施設を利用しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・運営理念について、入社時に全職員が説明を受けています。年度初めには、職員が基本理念について再確認できるように園長が説明しています。職員は、保育の計画を作成する際には、基本方針に沿った保育ができているかを振り返っています。


・守るべき法・規範・倫理などが明記された就業規則があり、年度初めに、設置法人作成の「クレド(約束、行動準則)」を職員間で読み合わせをして、不正・不適切な行為を行わないよう確認しています。設置法人にコンプライアンス委員会があり、職員が直接連絡を取ることができます。


・牛乳パック、などの廃材を、保護者の協力も得て集め、子どもたちの製作や手作りおもちゃなどに使用しています。保育課程の中に廃材利用を入れ、環境への取り組みを具体的に示しています。


・重要な意思決定、たとえば園長・主任の異動については保護者会で説明し、職員の異動や出産・育児休暇などは掲示で保護者に知らせています。行事日程については保護者の意向も確認して決定し、保護者に説明しています。


・主任は出勤簿や残業簿を管理して個々の職員の業務状況を把握して、シフトの調整をしています。ほかに、指導計画作成の指導・助言、保育技術や知識など具体的に指導・助言を行っています。


・今年度、5年長期目標として「地域交流」「保育環境の整備」「人材育成」を定めています。29年度の中期計画として、保育の環境整備と職員の資質向上を重要な改善課題として挙げ、園全体で取り組んでいます。


・設置法人は、将来を見据えた運営やサービスプロセスについて検討しています。今年度は、保護者との情報管理システムのAI化に取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・職制と経験別の期待水準を明文化した「保育士人材育成ビジョン」に従って、設置法人の研修プログラムが組まれています。


・個別研修計画があり、目標を定めて研修の計画を立て、達成されたかどうかの職員の反省・感想と、園長のアドバイス・評価が記入されています。


・園内研修では非常勤職員も、救命救急やアレルギー対応、衛生マニュアル、ダイアップ(熱性けいれん予防の座薬)などの研修を受講しています。

・職員は年2回自己査定をしています。年1回第三者評価を受審し、職員が自己評価した結果を基に、園としての自己評価を行っています。園としての自己評価は玄関に掲示し、運営委員会で保護者に説明しています。


・保育日誌や各指導計画には評価・反省欄があり、子どもの心の育ちや意欲、取り組み過程などの視点をもって記入するように指導しています。


・職員一人一人の自己評価をもとに、子どもの成長に応じた保育ができているかクラス内で話し合い、次の計画に反映させています。


・職員会議などで、職員に業務改善の提案を聞いています。修繕の必要や仕事の分担などの提案があります。行事ごとに反省会をして、改善案を募っています。

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