かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

キディ石川町・横浜

対象事業所名 キディ石川町・横浜
経営主体(法人等) 社会福祉法人伸こう福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0024
中区吉浜町1-6
tel:045-222-0880
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年08月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 キディ石川町・横浜は、社会福祉法人伸こう福祉会が平成25年4月1日に開園した、5年目を迎える保育園です。満3か月から就学前児童を対象とし、定員は60名で、現在68名が在籍しています。園は、JR根岸線石川町駅北口(中華街口)から1分の石川町駅高架下に位置し、園前には中華学校、周辺には横浜スタジアム、中華街などの観光地のほか横浜公園、日本大通りなど緑の多い環境にあります。園舎は2階建てで、敷地内に74uの園庭があります。
・園の特徴
 目標は「心身ともに健康で明るい子ども」で、保育援助として「個性を認める」「可能性を伸ばす」「個別に接する」「愛を注ぐ」を掲げています。専任講師による英語でリトミックと体操を行う保育プログラムがあり、子どもたちは英語に触れながら、運動したり、音楽に合わせて表現活動を楽しんだりしています。駅前という立地を生かし、地域の商店や学校、石川町駅の職員などと交流が行われています。


【特に優れていると思われる点】
1.活発に行われる異年齢交流への取り組み
 オープンフロアの特性を活かし、朝夕の合同保育のほか、乳児クラスは一緒に食事をし、0、1歳児クラス、2〜5歳児クラスが同じ場所で午睡をしています。他のクラスのピアノに合わせて一緒に歌を歌ったり、カード遊びでは、4歳児クラスの子どもが5歳児クラスに行き、真剣勝負をしています。低年齢児クラスでは、活動に合わせて棚を移動したりホールを使用し、子どもがしたい遊びごとにグループ分けをするなど、日々の食事、午睡、遊びの場が異年齢児間の交流の場となっています。


2.子どもが落ち着いて遊び込める時間の確保
 子どもたちはそれぞれに興味のある玩具を取り出して、ひも通しやブロックなど一人で遊びに集中したり、マットを敷いたままごとコーナーでは数人の子どもが集まって、買い物に行く子ども、お料理を作る子ども、お客さんになる子どもなどごっこ遊びを楽しんでいます。図書コーナーでは保育士に絵本を読んでもらった後、子どもたちはそれぞれに自分の好きな本を選び自由時間に読むなど、子どもが自分の好きなことをして遊び込める時間を十分確保しています。


3.保護者からの相談への継続的なフォロー
 保護者からの相談は、個人記録にして個人ファイルに保管しています。また日々の会話の中でちょっと気が付いたことを拾い上げて「ちょっと気が付きましたシート」「ご意見などの受付書」に記録し、職員間で話し合い、園運営に活かしたり、保護者への継続的なフォローに役立てています。


4.地域との交流
 近隣との友好的な関係を築くよう、地域交流担当者を決め、ハロウィン、勤労感謝の日などに地域交流を図っています。JR石川町駅の駅長や駅員を園の運動会や卒園式に招待し、運動会の競技にも参加してもらっています。また七夕ではJR石川町駅から笹飾りを作ってほしいとの依頼を受け、子どもが製作した七夕飾りを改札口に飾っています。ハロウィンパレードでは、子どもたちが訪れた時に菓子を手渡ししてもらえるように、事前に近隣の商店に園で用意した菓子を届け、子どもたちは「トリック オア トリート」と言って、商店を訪れ菓子を受け取ったり、勤労感謝の気持ちを込めた手作りのプレゼントをJR石川町の駅員や商店に届けています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.発達が著しい乳児期に適した環境構成(玩具)の提供
 発達が著しい乳児期においては、その段階にふさわしい遊具の提供と環境構成の工夫が期待されます。子どもの意欲を引き出す発達に応じた玩具の提供が望まれます。


2.目標を明確にした人材育成計画の策定
 非常勤を含めた全職員は、各職員の持つ知識や経験に応じた研修に参加できる体制がありますが、主任をはじめとした各職員の資質向上に向けた人材育成計画が策定されていません。職員一人一人の保育知識、保育技術に応じた人材育成計画の策定が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の保育理念「子ども一人ひとりを大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園」と、保育方針に「心身ともに健康で明るい子ども」、保育援助の行動指針として「個性を認める」「可能性を伸ばす」「個別に接する」「愛を注ぐ」を掲げており、子ども一人一人を尊重したものとなっています。全職員は設置法人の研修「全スタッフカレッジ」を受け、理念、基本方針、保育目標を理解した上で、実践につなげています。


・職員は子どもをせかしたりせず、子どもの年齢に合わせて、穏やかに分りやすい言葉で話をしています。また、職員は子どもの目線に合わせて語りかけ、子どもの気持ちや発言を受けとめるようにしています。子ども同士のトラブルがあった場合は、お互いの気持ちを受け止められるよう援助しています。


・個人情報の取り扱いや守秘義務については、全職員に周知しています。個人情報の入った書類は施錠のできるロッカーに収納しています。個人情報の取り扱いについては、保護者には「個人情報使用同意書」を取り交わしています。


・遊びや行事の役割、持ち物や服装などで、性別による区別はせず、子ども一人一人の好みや意向を尊重しています。保育中に性別を意識した声かけはしないようにしています。不安を感じる時は園長や上司に相談することとしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念、基本方針、保育目標を理解し、実践するためにそれらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画、週案を作成しています。職員は乳クラス、幼児クラスごとに話し合いや振り返りの時間を設け、子どもの様子を共有し、保育に活かしています。


・「意見箱」や「理事長Box」の設置、行事後のアンケート、個人面談、クラス懇談会などで意見や要望を聞く機会があります。「ご意見・ご要望の受付書」のほか、園児・保護者用と対応用の「ちょっと気が付きましたシート」を用意し、気が付いたことを気軽に書けるよう工夫し、解決に繋がるようにしています。保護者に対しては個人面談の時に話を聞いたり、担任や園長から積極的に声をかけるようにしています。


・保護者と意思疎通が困難な場合は、横浜市通訳ボランティア制度を活用し、市民通訳ボランティアを依頼しています。


・第三者3名の氏名・連絡先は「キディガイド」に記載し、玄関に掲示しています。外部の権利擁護機関として、かながわ福祉サービス運営適正化委員会を紹介しています。


・設置法人の「苦情処理に関する規定」に基づいた対応をし、園で対応困難な場合は第三者委員も交え、解決する仕組みを作っているほか、設置法人のエリア長、中区こども家庭支援課と連携して対応する体制を整えています。


・保育内容の遊びでは、子どもの目線に合わせた低い棚に、名前や写真を表示しておもちゃ、教材、廃材、絵本を置き、子どもが自分で取り出したり、片付けができるようにしています。活動や遊びに合わせた遊び込める保育環境を作っています。


・天気の良い日は公園や園庭など積極的に戸外活動を取り入れています。


・カブトムシの世話をする取り組みから、新聞紙でカブトムシの立体物を製作したり、海賊の映画から宝箱を作る案が出て、空き箱を集めて宝箱の作成に取り組むなど、子どもの発想を受け止めて集団活動に取り入れています。


・食事、排泄、睡眠については、子ども一人一人の発達状況、健康状態や生活パターンを把握、考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心かがけ、個別に対応しています。クリスマスランチなどの会食では、子ども達がそれぞれに製作したランチョンマットをラミネートして用いるなどして、楽しく食べるための雰囲気づくりをしています。


・0〜2歳児は個別の連絡ノートがあります。その他送迎時の保護者との情報交換、園だよりなど毎月の配付物で情報提供しています。幼児はホワイトボードで、その日の子どもの活動の様子を伝えています。また、各クラスで活動の様子を写真に撮り、インターネットで毎日発信しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園時に把握した子どもの成育歴や家庭の状況をはじめ、入園後の子どもの発達記録は児童票、発達記録、健康調査表、けんこう記録に記し、個別にファイルしています。記録は事務室の書庫に保管し、全職員が共有できるようにしています。進級時には、新担任は個人記録を確認し、前年度の担任が口頭で申し送りを行っています。


・保育方針に沿った指導計画を作成し、保育対する姿勢や取り組み方で気づいたことがあった場合は、その都度話し合いをして理解を深めています。保育課程は保育理念、保育方針、保育目標に基づいて作成しています。


・3歳未満児については個別の指導計画を作成し、担任が評価・見直し行っています。離乳食やトイレットトレーニング、課題がある場合の配慮の方法など子どもの状況に合わせて保護者に説明し、同意を得ています。


・職員は発達支援、虐待、アレルギーなど特に配慮を要する個別のケースについてはクラスの話し合いや全スタッフミーティングで報告し話し合い、記録しています。設置法人の看護師や横浜市中部地域療育センターのソーシャルワーカーの来訪時に指導、助言を受け、子どもとの関わり方などについて一緒に考えています。


・健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルがあり、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。保護者への緊急連絡体制や、医療機関など緊急連絡先をリストにし、事故や災害時などの緊急時にはすみやかに対応できる連絡体制が確立しています。

4 地域との交流・連携

・2か月に1回開催される中区園長会議に園長が参加して地域の子育てニーズについて話し合い、検討をしています。


・園は中区で取り組んでいる「グランマ保育事業」に参加しており、園内に場所を用意し、地域住民に向けて貸し出しサービスを行っています。


・職員は中区区民祭り「ハローよこはま」の実行委員として手伝いを行っています。5歳児クラスは本牧山頂公園で行われる駅伝大会に参加し、小学校ごとのグループに分かれ、じゃんけん列車や駅伝で交流しています。各小学校の校長、教頭も参加し連携を図っています。また本町小学校で行われる幼保小交流会に参加して、1年生から七夕飾りを教えてもらっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・法人の中期テーマ「地域のお役に立つ」「地域との協働」に沿った中期計画を策定しています。


・園のパンフレットを中区こども家庭支援課、地域子育て支援拠点「のんびりんこ」に置いています。また設置法人のホームページ、中区のホームページに園の情報を掲載しています。


・園としての自己評価は、理念や基本方針、保育課程に沿って行っています。また第三者評価の自己評価に取り組む中で、課題の抽出を行い、全スタッフミーティングで話し合い、改善に取り組んでいます。年度初めの懇談会で、保護者に口頭で伝えています。


・設置法人の全社会、月1回のエリア長と園長の打ち合わせで他施設での不正、不適切な事例などの説明を受け、園に持ち帰って全スタッフミーティングで話し合い、不適切な行為を行わないよう意識を高めています。


・園の運営規定に職員が守るべき倫理規定、服務規程を明記しています。設置法人は運営に関して、弁護士や会計士、各分野の専門家の意見を取り入れ、運営に反映しています。


・コピーでの裏紙使用、牛乳パックや菓子の空き箱を集め工作に使うなど、ゴミ減量化・リサイクルの取り組みを行っています。一部の照明にLEDを使用し、職員は節水を心がけ、子どもたちにも呼び掛けています。


・実習生、ボランティアの受け入れマニュアルがあります。受け入れにあたり、職員に受け入れの考え方、方針、留意事項などを説明しています。保護者には玄関に掲示して知らせています。

6 職員の資質向上の促進

・常勤・非常勤職員に関わらず、全スタッフカレッジ、新入職カレッジ、エキスパート研修、自由選択研修などの法人研修が実施されています。職員は年度初めに成長目標を設定し、年2回の成長目標シートを基に振り返り、半期ごとに園長と面談をして、目標に対する達成度を確認し、次期の計画に反映しています。


・非常勤職員にも、常勤職員と同じ各種マニュアルを配付しています。非常勤職員も常勤職員と同様に全スタッフミーティングに参加し、園の状況を把握出来るようにしています。また設置法人の研修に非常勤職員も受講することができます。


・計画立案時に計画の狙いを記入し、子どもの育ちや意欲、取り組む過程を重視しています。また職員も前月の振り返りの中で、自己の保育内容、保育技術を評価し、翌月の計画に反映させています。


・現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう可能な限り、権限を委譲し、解決できない課題は園長、主任に報告し、判断を仰ぐようにしています。主任や園長に連絡や報告をすることで最終的な責任を明確にしています園長は職員からの業務改善提案や意見を全スタッフミーティングや日常会話の中で把握し、いつでも職員と個別に話ができる環境を整えています。

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