かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク上大岡保育園(12回目受審)

対象事業所名 アスク上大岡保育園(12回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0002
港南区上大岡西3-3-1 コーラルハイム1F
tel:045-840-3581
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 アスク上大岡保育園は、12年前、平成18年4月1日に設置法人である株式会社日本保育サービス系列が神奈川県内における第1号の保育所として開設された、0歳児から5歳児クラスまで、定員56名、現在の在籍数56名の中規模園です。最寄り駅の京浜急行線、横浜市営地下鉄ブルーラインの上大岡駅からは徒歩8分で、大半の保護者の就業先は東京圏や川崎・横浜の京浜圏であり、子どもの送迎に便利な場所にあります。
 園の周辺には、大小さまざまな、自然豊かな公園が多く、子どもたちの成長に合わせて公園を選択し、天気の良い日はもちろんのこと、梅雨時の雨天でも、子どもたちはカッパを着て地区センターなどに出かけるなど、戸外活動を重視した保育を行っています。


・園の特徴

 園は、全職員と、さらに保護者の意見も取り入れて園目標、「生きる力のあるこども〜元気な子・考える子・優しい子〜」を打ち出し、職員の行動規範として保育にあたっています。また、設置法人から派遣された「英語教室」「体操教室」「リトミック」などの専門講師によるプログラムに加えて、職員による幼児教育プログラム、クッキング保育など多様なプログラムを取り入れています。


【特に優れていると思われる点】
1.日々の保護者に対する情報伝達
 保護者アンケートでは、96%の保護者から「送迎の際の子ども情報の伝達」について、「満足」「どちらかといえば満足」の評価を得ております。これは、園長が自らの子育て経験から保護者の気持ちを代弁して、機会あるごとに職員へその気持ちを伝えており、全職員が日々、子どもの様子を保護者に伝える努力につながっています。


2.職員同士の連携の良さ
 園の各クラスの保育スペースはお互いに密接しているため、職員同士のプログラムの進め方の調整が重要になっています。隣のクラスが散歩などでの戸外活動時に、音が大きく出るプログラムを実行することが日常的に行われており、指導計画はこの連携に配慮して作成されています。また、保育の中でも職員同士、頻繁に声かけを行って補完し合い、連携して保育にあたっています。


3.縦割り異年齢保育を利用した、保育室の工夫した使い方
 2〜5歳を3つの縦割りのチームに分け、それぞれが室内・園庭・戸外の散歩などに分かれて活動する時間をつくっています。異年齢の縦割りチームに分けることで年少児は年長児から遊びを教わることができます。また室内チームはより広いスペースを使って遊ぶことやブロックなどを通常より多く使って遊びこむことができています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.積極的なボランティア、実習生の受け入れ努力を
 ボランティアの受け入れは、子どもたちの生活の広がりに寄与し、実習生の受け入れについては、保育事業将来の保育士育成支援につながります。園にはスペースの余裕がないなどの物理的ハンディはありますが、子ども保育の専門家集団としての受け入れ努力が望まれます。


2.園庭のさらなる充実を
 園では、園庭(約80u)遊びも重視したプログラムを実行しています。夏場の園庭ではプールと滑り台を結合し、上からホースで水を流し、ウォーターシュートとしたりして工夫して活用していますが、四季を通して活用できる、子どもの喜ぶ遊具の導入など、さらなる努力が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・日々、職員はコミュニケーションをしっかりとり、全職員が子どもを尊重した言葉かけや態度をとれるように相互に配慮しています。子どもの年齢や発達に応じて丁寧な対応を心がけ、子ども の気持ちが乱れているときには、落ち着くまで待ち、話をするようにしています。


・全職員は入社時研修で守秘義務や個人情報の保護について説明を受け、誓約書を提出しています。個人情報の取り扱いについては入園説明会で保護者に伝え、ホームページ・ブログの写真掲載について、入園時に書面で確認しています。保護者がビデオや写真撮影する際や、SNS投稿についても個人情報への注意喚起をしています。


・遊びや行事の役割を分ける場合は男女混合で子どもの意見を優先し、性差による区別をしていません。名簿は50音順にし、背の順で整列したり、グループ分けにおいても男女別にはしていません。子どもや保護者に対して、父・母の役割を固定的にとらえた話し方はせず、表現内容に気を配っています。父の日母の日の行事はせず、ペアレンツデーを設けて保護者に製作のプレゼントをしています。


・職員は登園時や着替え時に、子どもの表情や体に傷がないかを観察しています。虐待が疑わしい場合は担任から園長へ、園長から設置法人と横浜市南部児童相談所へ第一報として報告後、観察をして記録し、職員間で話し合いをしています。虐待が明白になった場合は改めて、横浜市南部児童相談所へ通報する体制を整えています。


・外国籍の子どもの保護者に対しては、入園時に言語や食事マナー、生活習慣など、日本の文化・習慣で行って良いかを確認しています。毎週、英語教室があり、外国人講師と英語に親しむ機会があり、子どもたちは日本以外の国があり、言葉や文化に違いがあることを理解しています。保護者が毎月保育予定時間を記入して園に提出する「予定表」やプールカードは英語版があります。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育方針は入園説明会や年初のクラス懇談会で、日常の保育や行事の中でどのように子どもの力を育んでいくかを年齢や発達段階に合わせて説明しています。行事の後にアンケートを実施し、保護者意見結果を園だよりに掲載して次年度に生かしています。


・子ども自身が取り出しやすいようにおもちゃは低い棚にしまい、高い場所に収納してあるおもちゃも子どもの希望があれば職員がその都度取っています。おもちゃの種類は年齢や発達にあわせたものを用意しています。また、成長に合わせて定期的におもちゃの入れ替えをしています。


・食事では、苦手な食べ物は一口食べて終わりにしようねと声かけし、食べられたら十分にほめています。食欲のないときや偏食のある子どもには量を減らして無理のないようにし、安心して食事の時間が過ごせるようにしています。授乳は保護者とも相談し子ども一人一人に合わせた間隔や量で与えています。授乳は職員が一人ずつ抱っこし、目を合わせ、声をかけながら行っています。


・3歳児から配膳の手伝いをして食事に関心を持てるようにしています。3〜5歳は月1回のクッキング保育で調理の楽しさを感じられるようにしています。2歳児は給食の野菜をちぎったり、皮むきの手伝いをしています。


・午睡では、眠れない子には強要しませんが、絵本を読んだり、マットに横になるなど体を休める時間が取れるようにしています。乳幼児突然死症候群への対策として、0歳児は5分に1回、1、2歳児は10分に1回呼吸チェックをし記録しています。うつぶせ寝になる子はあおむけに直し、家庭でもうつぶせ寝をしないように推奨しています。年長児は就学に向けて体調を考慮しつつ、秋ごろから午睡の時間を減らしていき、1月ごろには午睡をやめています。


・トイレットトレーニングでは、職員は子ども一人一人の排尿間隔に応じてトイレの声かけをしています。トイレは無理強いせず、行きたくないときはおむつで過ごすなど柔軟に対応しています。トレーニングに不安を感じている保護者には進め方を直接話し、無理のないように進めています。おもらしをしたときは、職員はそっと子どもをトイレに連れていき、ほかの職員が速やかに床をふくなどして、子どもの気持ちを大切にしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・保育課程は各年齢別に子どもの発達過程に沿って、ねらいを定め、子どもの最善の利益を最優先にして作成しています。また、園目標「生きる力のあるこども〜元気な子・考える子・優しい子〜」をベースとして、子どもや保護者の状況、食育、衛生管理、地域の状況などを考慮して作成しており、働く保護者の実状を考慮し、急な延長保育も可能な限り受け入れるようにしています。


・保育課程に基づき、クラスごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成し、0〜2歳児については個人別の月間指導計画を作成しています。言葉でうまく表現できない乳児には、子どもの態度や表情から子どもが何をやりたがっているかを汲み取り、幼児には自分でやりたいと主張したときは、可能な限り聞き入れて見守ったりして子どもの意思を尊重しています。


・食物アレルギー疾患のある子どもについては、入園時に保護者から医師が発行する「保育園におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、栄養士と面談して対応を協議し、園長、担任に伝えています。全職員は「アレルギー疾患」に関する横浜市や港南区の外部研修を受講し、疾患の原因や症状、対処法などの知識を学んでいます。食物アレルギーのある子どもの保護者との連携を密にして、医師の指示にそった除去食を提供しています。


・マニュアルにより、子どもの健康に関するデータは記録して個人ファイルに保管しています。熱性けいれんの既往症のある子どもには毎日数回の検温をしています。うがい手洗いの正しいやり方を子どもたちに伝え、習慣づけていて、子どもが自分の健康について興味がわくようにしています。


・健康診断は年2回、歯科健診は年1回行っています。健診は嘱託医により行われ、結果は個人ファイルにとじて保管しています。また、結果は保護者に配付しています。


・感染症の対応と登園停止基準については重要事項説明書に記載しており、全保護者に配付しています。発病後、登園するときは、医師の登園許可証を提出してもらい、感染症拡大を防いでいます。


・玄関や各保育室に手指の消毒液を常備し、保護者や園の見学者にも消毒をお願いしています。各保育室には空気中に散布する消毒液が常備してあり、子どものいないときに、こまめに噴霧・消毒をしています。嘔吐処理セットを各クラスに常備し、迅速に処理できるようにしています。清掃はチェック表に基づいて行っています。園内外・おもちゃの消毒も行い、清潔を保っています。


・園内の家具は転倒防止の対策をしており、滑り止めマットも使用しています。毎月1回避難訓練・通報訓練を行っており、子どもたちは散歩で広域避難場所まで歩き、災害時に備えています。


・重要事項説明書に苦情・相談受付連絡先として、苦情受付担当者(リーダー職員)、苦情解決責任者(園長)、設置法人、港南区こども家庭支援課をあげ、入園説明会で保護者に説明しています。また、親子行事後にアンケートを行い、行事以外のことも書けるスペースを設けて意見・要望を把握しています。

4 地域との交流・連携

・港南区ネットワーク事業の一環として「保育園であそびましょう」を実施しています。地域の子育て家庭を「一緒に遊ぼう会」「誕生会」「七夕集会」「クリスマス会」に招待しました。参加者にはアンケートをとり地域の子育てニーズの把握に努めています。


・港南区主催の「こどもフェスティバル春」に毎年参加し、地域の子どもたちと遊んで交流を図っています。「子どもフェステイバル春」の開催にあたっては、園長はフェスティバルの実行委員長として地域の交流に努めています。また、パラバルーンなどの遊具の貸し出しを行っています。


・夏祭りのポスターを園入口に掲示し、地元の掲示板や花屋の店先に貼らせてもらったりして、地域住民5〜10家族の参加を得ています。園内で今年行った保護者会のバザーでは、地域の方々をポスターなどで招いています。


・散歩の際には、上大岡公園、港南ふれあい公園、笹野橋公園などを利用しています。幼児クラスではちょっと遠い、広域避難場所でもある「横浜市立久良岐公園」に出向いたり、近隣の「港南スポーツセンター」の体育館を借りて、運動会の練習を行ったりしています。散歩時に職員が地域の人に積極的に挨拶するのを見て、子どもたちも一緒に挨拶をしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・倫理規律、服務規律については就業規則、社会人としての心構えやコンプライアンスについては保育園業務マニュアルに明記され、職員は入社時研修で理解しています。また、設置法人にコンプライアンス委員会を設置し、職員の不正を直接通報できる内部通報制度があります。


・園では保護者に協力してもらい、エコキャップを回収し、リサイクル活動を行っています。ゴミの分別を行い、ゴミの減量化とリサイクルのための取り組みを行っています。コピー用紙の裏紙を再利用したり、保護者から牛乳パックやペットボトル、新聞紙などの廃材を提供してもらい、製作や手作り玩具、コーナー作りの材料として利用しています。


・園目標「生きる力のあるこども〜元気な子・考える子・優しい子〜」を玄関に掲示し、また、理念・基本方針を事務室に掲示し、明文化したものを職員全員に配付しています。設置法人作成の「クレド」を全職員に配付し、職員は常に携帯し、全員で内容(約束ごと、こころざしなど)確認しています。職員会議やミーティング時に、園長が理念・基本方針に対する職員における理解度を確認し、業務マニュアルの内容をテーマに取り上げるなどして、再認識を促しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人は採用した人材について、「保育士人材育成ビジョン」に基づく職員の研修計画を通して、人材の育成を進めています。職員は、「保育士人材育成ビジョン」から導かれた各スキル項目について自分で自分を査定する「自己査定シート」を、年2回実施し、園長との面談において園長による査定を受けて、目的とする研修を受講するなど自己研鑽を積み、資質の向上に励みます。


・職員の研修には、各職員は受講義務のある「階層別研修」と、自由受講の「自由選択研修」があり、職員自身の研修受講計画に沿って研修を受講し、資質の向上を目指しています。さらに本年度よりスタートした、厚労省の「保育士等キャリアアップ研修」や、神奈川県の「保育士エキスパート等研修」の受講も加わり、各職員は、トータルでバランスを計りながら受講を計画しています。


・設置法人の自由選択研修には非常勤職員も参加が可能となっています。横浜市、港南区などの園外研修はアレルギー疾患や嘔吐物の処理など、必要に応じて非常勤職員も参加しています。研修参加後、職員は研修レポートを作成し、ミーティング時に報告し、職員間で情報を共有しています。


・年間指導計画(期ごと)、月間指導計画、週案、保育日誌には評価・反省欄があり、評価・反省は、子どもの発達過程に応じて明記したねらいと関連付けて、子どもの様子や指導結果について行っています。指導計画の評価・反省は「次はこうしたい、こう続けていきたい」という子どもの意欲を大切にし、取り組み過程について詳しく観察して記録しています。


・主任は全職員のシフトを調整しながら日々対応しており、自ら保育に入ったり、実際に現場を観察することで、職員の業務状況を把握し、シフトに反映しています。主任は職員の個々の業務状況を把握し、シフトの調整をしたり、職員の事前の休暇希望を取り入れてシフトを作成するなど、職員の精神的・肉体的な健康面に配慮しています。


・「実習生受け入れマニュアル」があり、園長が実習生に対し、園の保育方針、利用者へのプライバシー保護や守秘義務について説明します。園長が受け入れ担当となり、学校側からの受け入れの依頼書、本人の履歴書を保管します。終了時に園長、主任、クラス担任、実習生で反省会の場を持つことにしていますが、本年度は実習生を受け入れていません。

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