かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク大倉山保育園(7回目受審)

対象事業所名 アスク大倉山保育園(7回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0037
港北区大倉山4-1-1 BROTE大倉山1F
tel:045-549-5282
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 アスク大倉山保育園は、東急東横線大倉山駅から徒歩約9分の横浜市地域子育て応援マンション、プローテ大倉山の1階に位置しており、週辺は閑静な住宅街になっています。園の近くには公園も多くあり、散歩や園外での遊びに恵まれた環境になっています。
 園は平成23年4月に開園し、園の定員は90名で、現在92名が在籍する中規模保育園です。
 法人の運営理念は「@安全&安心を第一にAいつまでも想い出に残る施設であることB利用者のニーズにあった保育サービスC職員が楽しく働けること」を掲げています。


≪優れている点≫

1. 職員は他のクラスの子どもの様子も把握し、子どもへの配慮が丁寧に行なわれています

 すべての職員が全園児の発達状態などを把握しており、担当クラスに限定せずにどの職員も、延長保育、他のクラスに入って保育の対応ができます。個々の子どもの情報は会議内での報告や記録の確認などで周知しており、個別のきめ細やかな対応ができています。それぞれの子どもを知ることで、子どもの特性に見合った声のかけ方、伝え方などをして、子どもとの信頼関係を築いています。これらは、保護者との信頼関係につながり保育の質の向上にもつながっています。
 さらに、法人には発達支援課という部門があり、職員は子どもの発達、生活状況のさまざまなケースに対してアドバイスを受けることができます。クラスごとの人数は少人数でもあり、全職員が全クラスの子どもの様子を把握して保育に当たっていることで、個々の子どもの個性や、すばらしい点を園全体で情報共有して、園の保育理念の一つでもある子どもが「自ら伸びようとする力」「後伸びする力」を育てる保育を実施しています。


2. 子どもの可能性を育むプログラムを実施しています

 1歳児から5歳児は週に1回、英語、リトミック、体操のプラグラムを取り入れています。3つの活動は音楽を使う、身体を使うという共通の部分があります。子どもたちは身体を使って、自分で感じたことを表現しています。英語は講師のパフォーマンスからその表情、声色などから相手の気持ちを感じ取ることから、言葉の意味するものに対する好奇心と、言葉の意味を感覚的に感じることができます。これらの取り組みを、在園を通じて体験することで、保育理念にも掲げられている子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす「五感で感じる保育」につながっています。


3. 効率的な事業運営のため、組織全体で連携して取り組んでいます

 法人の中期経営計画の重点項目となっている「保育サービスの量的・質的向上」のための情報収集に力を入れています。重要な情報については、定期的に開催される園長会で報告して意見交換をするほか、より迅速に情報を伝達するため、社内のネットワークシステムが導入されています。
 園長が各クラスに入って打ち合わせを行う「ラウンド」や職員会議で職員に情報を伝えています。園では、運営面での改善課題として、残業削減とサービス向上のための効率的な運営について話し合っています。保護者が記載する「与薬依頼書」の様式や薬の預かり方の見直しを法人の担当課と連携して検討しています。また、法人と協議して園児の登園システム導入を始めるなど組織全体で連携して課題に取り組む仕組みが出来ています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.環境への考え方などを明文化して示すことが期待されます

 食べ残しを少なくする努力や省エネの取り組みを積極的に行っています。子どもも廃材を使用した遊びも行っています。子どもたちに自然や環境に興味を持ってもらう活動も行っています。
 積極的な分別などのエコ活動、環境活動を展開していますが、環境への考え方や取り組みについての明文化が課題となっています。福祉事業を行う事業者には、地球環境においても社会を率先することが期待されていますので、園の考え方などを明文化して公表することが期待されます。


2.保護者への伝達方法の工夫が期待されます

 園では、保護者への伝達は連絡帳、掲示、お手紙、伝達アプリを使うことで周知を図っています。様々な方法を用いて保護者へ情報提供の徹底を行っていますが、保護者からは連絡が急である、事前に知らされていないなどの意見もあります。
 園では環境問題と連絡の効率化を図って2種類のアプリを活用してペーパーレスをすすめています。しかし、すべての保護者への浸透が難しく、保護者の入力が徹底されていないようです。懇談会でアプリの活用や入力方法の事例紹介などの工夫により、保護者に啓発・周知されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

法人の運営理念の基に、保育方針は子どもの「自ら伸びようとする力」「後伸びする力」を育てる保育を、子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす「五感で感じる保育」の充実を目指すとあります。これらは日々の園での活動、保護者との関わりを通じて利用者本人を尊重したものとなっています。玄関ホールには法人の運営理念、保育理念を掲示しています。職員の理念の確認は保育課程の見直しの時期に、読みあわせをするなどしています。


業務マニュアルには、子どもへの接し方や言葉使いなどについて記載されています。特に言葉使いについては具体例をあげ、子どもの自尊心を傷つけて、人権を否定するような言動をしないように周知しています。園長は、職員会議で日常の保育の中で事例を挙げて人権について話をし、職員は日ごろから人権に関する意識を高めています。職員は、穏やかな声で子どもたちに話しかけ、子どもの発達に応じてわかりやすい言葉で話をするよう努めています。職員間で相互に言葉使いや言動に注意を払っています。


業務マニュアルには、保育業務の基本として、「園児への言葉がけ、対応について」として記載する中に、ジェンダーフリーについての記載があります、男の子だから、女の子だからということで劇の配役を決めて、使いたい色を制限することはありません。園では大人も子どもたちも固定観念を持たない保育を実施しています。劇の配役でも性別で決めることはせず子どもが希望する「○○したい」という気持ちを尊重しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育理念に沿って作られた保育課程は、保育の基本方針と保育目標に沿って、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。保育課程には園の理念や保育方針、保育目標などが明記されています。そして、保護者支援、地域への支援も考慮し保育の実施などに取り組んでいます。保育課程は年度始めにクラスごとに話し合いをし、職員会議で検討されたものを元に、園長が園の保育に合うようにしています。保育課程をもとに作成された目標や計画は年度初めの懇談会で保護者に説明をしています。また、玄関ホールに掲示し保護者への周知をしています。


子どもの発達や集団の状況、また季節にも合わせて保育室の設定を変え、ブロックやままごと遊びなど安全なおもちゃを子どもが自主的に取り出しやすい場所に置いています。例えば0、1歳児は、指先を使うもの、音の出るもの、柔らかくつかみやすいものなどを用意し、職員と言葉のやり取りを大切にしながら遊んでいます。また、敷物や机でコーナーを作り、子どもが遊びこめるようにしています。朝と夕方には自由に遊べる時間を設定しています。


一人一人の排泄のリズムをとらえ、個人差を尊重しています。0〜2歳児では、保護者に排泄の様子についてお迎え時に口頭で伝えて、連絡帳に記入しています。トイレトレーニングは、トレーニングパンツを使用する時間帯、綿パンツにする時間帯などを保護者と相談するなどして家庭と連携して実施しています。職員は排尿間隔を把握して、活動の区切りや子どもの様子を見て子どもに声掛けをしてトイレ誘うようにしています。子どもが自分から排泄を伝えたりした時は褒めて、排泄に対する自信を持てるようにしています。排泄で汚した場合は、子どもの自尊心を傷つけないように言葉がけをしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

年間、月間、毎週の指導計画は担任が作成しています。そして、保育のねらいをもとに評価・反省の欄を活用して次の指導計画を立てる際の見直しに役立てています。そして主任、園長と複数の職員がかかわって評価・見直しをしています。クラス内の子どもの様子は会議にて情報交換をしています。保護者とは、連絡帳や日々の会話、面談や相談を通じて要望、意向を得ています。トイレトレーニングや、離乳食などの個々の発達による個別の対応が必要なものは、保護者の意見、意向を指導計画に反映させて家庭との連携がとれるように配慮しています。


「入園のご案内」「重要事項説明書」に相談、苦情の窓口について記載があります。さらに、園内に苦情相談窓口として苦情受付担当者は主任、苦情解決責任者は園長、第三者委員2名を記載し保護者に伝え、要望や苦情の受付方法や解決の体制、解決の通知や公表の仕組みなどについて、「苦情申し出窓口のおしらせ」を掲示しています。かながわ福祉サービス運営適正化委員会の連絡先も明示し、直接苦情が申し立てられることを保護者に知らせています。保護者から意見や要望を受け付ける「意見箱」を設置しています。


事故防止、対応マニュアルが作成されています。毎朝法人全園のアクシデントについての報告がメールで送られ全園で情報共有しています。子どものけがについては、軽症であっても必ず保護者に報告しています。事故やけがについてはアクシデントレポートを作成しています。また、ヒヤリハットはクラス別に毎日気がついたことは付箋に記載し事務室内のボードに掲示して事故防止に対する意識を高めています。アクシデントレポートの内容は職員間で周知され、改善策を検討し、全職員で情報を共有しています。緊急時に保護者にすぐに連絡がつかないときのために、第一連絡先のほかにも連絡先を登録してもらい、確実に連絡が取れるようにしています。救急医療機関や近隣の医療機関、専門機関の連絡先のリストを作成し事務所に掲示しています。

4 地域との交流・連携

地域の方には、保育園の夏祭りや運動会に招待した際に話を聞いています。園の見学、ベビーステーションの利用、絵本の貸し出しなどの場で、育児相談をしています。「子ども110番の家」のステッカーを玄関に貼り出して地域に開放された保育園を目指しています。毎年、港北区内保育園、港北区役所、港北区社会福祉協議会と連携して「わくわく子育て広場」を開催して地域の子育てを応援しています。また、港北区内保育園の園長会では、「子育てニーズ」をテーマに情報交換をしています。


職員会議で、年2回「子育て支援」について話し合い、職員間で情報共有しています。誕生会などの園行事に、地域の保護者と子どもを招待して園児と交流をしており、身体測定もしています。地域内の保育園と合同でドッジボール大会を行うなど地域内の保護者や子どもとの交流を進めています。また、毎年「離乳食講座」を開催し、地域の方を招待して地域の子育て支援をしています。


連携する関係機関・地域団体の資料は、ファイルをして事務室内の分かりやすい場所に保管しており、園長が連携の担当をしています。障害、虐待、ケガ・病気対応など、必要に応じて、横浜市総合リハビリテーションセンター、地域療育センター、区役所、社会福祉協議会、民生委員、医療機関と連携しています。民生委員・児童委員には、入園式に招待しており、日常的な連携を進めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

法人の運営理念・基本方針は、玄関、事務室に掲示して職員に周知しています。また、職員が大切にすべきことを「約束」「しるべ」「こころざし」「宣誓」にまとめ「クレド」として職員に配付しています。職員は、入社時研修で説明を受け、保育の現場でも職員会議等で運営理念・基本方針に立ち返りながら意見交換をしています。園長は、職員会議の場や定期的に行われる職員との面談の場で職員の理解度を確認しています。


法人本部のスタッフが中心となり必要な情報収集・分析をしています。特に、法人の中期経営計画の重点項目となっている「保育サービスの量的・質的向上」のための情報収集に力を入れています。最近では海外での保育拠点の整備のための情報収集もしています。重要な情報については定期的に開催される園長会で報告して意見交換をするほか、社内に導入したネットワークシステムで園に迅速に伝えられています。園長は、「ラウンド」や職員会議で職員に伝え、情報共有しています。運営面での改善課題としては、職員の健康管理等のため残業削減やサービス向上のための効率的な運営に取り組んでいます。


「保育サービスの量的・質的向上」などの重点目標と、数値目標も掲げた中期経営計画を策定し、法人のホームページで公表しています。これらの目標達成のため、園長候補を計画的に育成するための研修を進めています。より迅速、確実な情報伝達のため、社内のネットワークシステムを構築し、園児の登園システム導入を始めています。障害児保育に関しては、市の専門機関である横浜市総合リハビリテーションセンターと連携し、防災に関しては消防署の研修を受け、保育要録の書き方について区役所の講習を受けています。

6 職員の資質向上の促進

実習生受け入れマニュアルに基づき考え方を職員や保護者に説明しています。受け入れ時には、職員に周知し、保護者には掲示板でお知らせしています。受け入れ時には、実習中の注意事項を説明し守秘義務の誓約書の提出を求めています。実習担当は、園長、主任が当たり、実習内容は、本人の意向を尊重してアドバイスをしています。実習生は、毎日の実習後に、園長または主任と反省会を行った上で日誌を書いています。


法人として、階層別の研修計画が策定されており、職員には受講が義務付けられています。別途、自由選択研修も用意されており、非常勤の職員も希望により受講することができます。しかし、非常勤職員は、勤務時間の関係で自由選択研修を事実上受講できない状況になっています。研修受講後は職員会議で報告するなど職員は研修成果を共有しています。法人の研修担当は、職員の研修レポートを参考にして研修ニーズを把握し、研修計画の見直しに反映しています。

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