かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

エルアンジュ保育園

対象事業所名 エルアンジュ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 なつめの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0043
保土ヶ谷区坂本町167-5
tel:045-442-7830
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
  エルアンジュ保育園は「社会福祉法人なつめの会」が運営する保育園で、平成27年4月1日に開設された、3年目の園です。相模鉄道線「上星川駅」から徒歩5分の丘陵地の住宅街の一角に立地し、近隣には横浜水道記念館があります。鉄骨造り2階建ての園舎で、0才児から5歳児まで56名(定員50名)の子どもたちが在籍しています。約100uの園庭は全面芝生化しており、乳児の遊び場となっています。平成30年4月から近隣に0〜1歳児を対象とした分園を開設予定です。
・園の特徴
  「ひとりひとりの個性を大切にする保育」を理念とし、子どもの主体性を尊重した保育を心がけています。毎月、ボランティアによる「読み聞かせの日」を設け、幼児クラスでは毎週、外部講師による「リズムダンス」や、月1回の「造形教室」を開催し、希望者は月2回の「スイミング教室」に通っています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの自主性を尊重した保育
  園だよりで「子どもたちの“やりたい”をたくさん芽生えさせる保育を目指す」ことを保護者に伝え、職員会議では「子どもの声に耳を傾け、子どもにとって何が大切かを考えて行動すること」を確認しあっています。毎日の保育では、子どもたちが興味や関心を持っていることを見逃さず、様々な遊びに広がるよう援助しています。乳児クラスでは、「大きなかぶ」の紙芝居から、大きなかぶを抜いてみようということで、劇遊びに発展しました。幼児クラスのお店やさんごっこでは、子どもたちの意見から紙粘土でクッキーをつくりました。年長児の卒園製作は子どもたちで話し合い、絵本の「ぐるんぱのようちえん」からヒントを得てゾウの造形を製作しています。今回の保護者アンケートの「子どもを大切にし、子どもが園生活を楽しんでいる」の項目で高い評価を受けています。

2.クッキングや栽培活動を通しての食育活動
   子どもたちが、食材に興味を持ち、食べることの楽しさを知ることをねらいとした「食育計画」を作成し、月別の活動内容にそって食育活動を進めています。子どもたちは小松菜、オクラ、ナスなどを栽培し、収穫したサツマイモの絵を描いたり、野菜スタンプをしたり、給食で食べたりしています。野菜を育てることで収穫の喜びを知り、苦手な野菜も食べられるようになっています。毎月、クッキング保育を行い、乳児クラスではじゃがいも洗いをしておやつの時間に食べ、幼児クラスではきのこを裂き、給食できのこスープを食べたりしています。また、小松菜の再生栽培に挑戦し、野菜を育てる楽しさを体験しています。園では12月にブリの解体ショーを行い、給食で照り焼きを食べ、子どもたちは魚が食べられる過程を学びました。子どもたちは様々な形で食に関わる体験を通して、食べ物への興味・関心を高めており、クッキングや栽培活動の様子は、毎月のクラスだよりで取り上げ、保護者に伝えています。

3.職員手帳「ステートメントブック」の活用
  設置法人では、理念、職員の基本行動、就業規則、保育マニュアル、危機管理マニュアルなどを一冊にまとめた「ステートメントブック」を作成し、非常勤職員を含む全職員に配付しています。新人の電話応対などの研修時のテキストとして活用したり、職員会議で理念・保育方針の確認をしたり、子どもへの話し方・接し方や人権尊重についての話し合いの場で活用しています。また、法人全体研修時に食物アレルギーについて、テキストとして活用しています。設置法人では毎年、「ステートメントブック」の見直しを行っています。職員は「ステートメントブック」を職員手帳として常に携帯し、あらゆる場面で取り出し確認し、活用しています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.苦情・要望に対する受付体制の整備
  保護者からの苦情・要望は「苦情要望ノート」に記録していますが、最近2年間の受け付け記録はありません。日常、保護者から寄せられる細やかな意見・要望についても受付記録し、データを蓄積・整理して、一つ一つ丁寧に対応することにより、園運営に活かしていくことが望まれます。
 
2.職員一人一人の資質向上のための目標設定を
  人材育成を効果的に進めるためにも、年度初めに個々の職員の知識や技術などについて目標を設定し、達成度の評価に繋げることが望まれます。

3.地域住民との交流を通しての子育て支援サービスの提供
  園開園時の地域住民との話し合いで、地域住民を含めた集客を伴う行事開催は難しい状況にありますが、運動会など他の施設を利用して開催する機会を活かし、地域住民と接点を持てるよう、働きかけることが望まれます。地域住民との交流を通して、地域の子育て支援ニーズを把握し、一時保育や交流保育などの子育て支援サービスを提供していくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園の理念は「ひとりひとりの個性を大切にする保育」で、運営方針は「ひとりひとりの個性を大切にし、さまざまな体験を通して生きる力と豊かな感性を養うことを心がけています」からなり、子どもの個性を大切にする利用者尊重の精神を表しています。

・職員に配付される「ステートメントブック」に子どもとの話し方や子どもの接し方について書かれており、子どもの呼び方を含む言葉遣いや子どもの人権を尊重することなどを、職員会議などで確認しています。子どもに注意する場合でも多様な言葉かけがあり、子どもを傷つけることにならないように、子どもや場面に応じて使い分けることを、園長が指導したり職員間で確認しています。

・守秘義務の意義・目的や個人情報の取り扱いについては「ステートメントブック」に記載し、全職員に周知しています。個人情報の取り扱いについては、子どもの写真や名前などの園内掲示について懇談会で説明し、保護者から承諾書をもらっています。

・虐待が疑わしい場合は、朝の受け入れ時に傷やあざなどをチェックし、保護者に確認し、昼礼で対応を協議し、園長の判断で保土ヶ谷区こども家庭支援課や横浜市西部児童相談所へ連絡・通報しています。支援の必要な保護者に対しては、出来るだけ声かけして相談に乗り、虐待の予防に努めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・乳児クラスでは、子どもの表情や仕草から気持ちを読み取り、幼児クラスでは子どもにやりたいことや遊び方を聞いたり、散歩や遠足の行先の希望を聞いたりして、子どもの意思や主体性を尊重して指導計画に反映しています。

・「園施設安全点検チェック表」に基づき、毎日保育室、廊下、トイレ、園庭、園周辺など園の室・外とも清掃され、清潔さを保っています。全保育室に加湿器付空気清浄機が設置され、24時間換気システムが作動して、通風・換気が確保されています。

・0歳児クラスには畳とフローリングがあり、ベビーガードを利用し小集団保育が行われるようにしています。1、2歳児クラスはフローリングの上にシートを敷いたりして、少人数で遊んでいます。

・0〜2歳児については毎月、個人別に子どもの姿、保育内容、配慮支援事項、家庭との連携などについて指導計画を作成し、幼児についても特別に配慮が必要な子どもに対しては毎月、個人別の指導計画を作成しています。

・園では小松菜、オクラ、ナスなどさまざまな栽培を行い、収穫した野菜はクッキング保育で使用しています。また年長児が蚕の飼育をして、繭にして製作し、保護者からいただいたカブトムシの幼虫を育てて観察しています。

・3歳児より月1回造形の時間を設けており、絵の具や筆など様々な素材を使って自由に表現できるようにしています。

・天気の良い日には、園庭での遊び、散歩など、積極的に戸外活動を取り入れ、季節や自然を体感できるコースを選んで出かけています。乳児は毎日園庭で遊んでいます。

・給食は旬の食材を使用し、季節感のある献立を用意しています。七夕、ハロウイン、クリスマスなどの行事食のほか月1回のお誕生日会にはケーキやゼリーなどを用意しています。

・3歳児からは食事は席を固定せず、毎日好きなメンバーで座って食べています。職員もいろいろな席に座り、子どもたちと楽しく会話をしながら食事をしています。行事食のときにはランチョンマットをしいて雰囲気を変えています。

乳幼児突然死症候群を防ぐため、0歳児は5分、1歳児は10分ごとに呼吸チェックをして記録しています。 

・子どもの送迎時には、口頭で必ず一人一人の子どもの様子を一言添えて伝えるように心がけています。2歳児までは連絡帳で子どもの様子を伝え、3歳児以上の希望者にも連絡帳を用いています。また玄関にお知らせボードを設置し、その日の活動を知らせるようにしています。

・保護者との個別面談は年2回行い、希望者には随時行なっています。クラス懇談会では、クラスの目標や年間行事計画、保育の様子を伝え、年度末の懇談会では、園での活動の様子をビデオや写真に撮り、成長の様子を伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前説明会で「ならし保育」について説明し、1週間程度の期間を取り、子どもの様子と保護者の就労状況により「ならし保育予定表」を一人一人に配布して、保護者の理解のもと行っています。

・入園後の子どもの成長・発達記録は、乳児については毎月の個別指導計画、幼児については3か月ごとに経過記録に記入しています。

・障がいのある子どもについては、年に1〜2回、横浜市西部地域療育センターや区こども家庭支援課の保健師の巡回相談を受け、アドバイス・助言や情報を得ています。障がいの特性に応じた個別の指導計画を毎月作成しています。

・アレルギー疾患のある子どもの保護者からは、医師が発行する「生活管理指導表」を年1回提出してもらい、毎月作成の「アレルギー献立表」について、保護者と担任・調理担当が確認して、除去食や代替食を提供しています。

・入園前説明会で、保護者に「入園のしおり」(重要事項説明書)を配付して、苦情受付担当者は主任(副主任)、苦情解決責任者は園長であること、さらに第三者委員2名の連絡先を説明しています。

・苦情・要望があった場合は、担任から園長に報告し、昼礼などで職員に周知して、その日の内に対応を保護者に伝えるようにしています。

・保育中に感染症が疑われた場合には、速やかに保護者に連絡をとり、他の子どもとの接触を防ぎ事務室で過ごすようにしています。園内で感染症が発生した際は、園の玄関ボードに感染症名と人数を掲示し保護者へ知らせています。

・安全管理マニュアルがあり、「ステートメントブック」に記載して全職員に配付するほか、事務室に置き、いつでも閲覧できるようにしています。職員の緊急連絡網があり、保護者には緊急時一斉メールで連絡できるようになっています。消防署と連携を取りながら、大規模災害を想定した引き取り訓練や通報訓練を行っています。

・ケガをした場合には事故記録簿に記録し、昼礼や職員会議で共有し、再発防止に努めています。また、ヒヤリハット記録に発生状況、処置、受診結果、原因、対策などを記載し、職員会議や昼礼で話し合い再発防止に努めています。

4 地域との交流・連携

・地域住民を対象とした赤ちゃん教室のベビーマッサージの講習参加者などから、子育ての悩みに対する支援ニーズが高いことを把握しています。また園見学に訪れた保護者より、離乳食や子育てに関する相談を受けています。

・保土ケ谷区保育園合同育児講座に、遊びやベビーマッサージ、離乳食などの講習に職員を派遣しています。その際に子育ての悩みや、遊びなどについてのアドバイスをしています。

・ 区で発行している「にこやかほがらか通信」に育児相談の情報を載せています。育児相談は毎週木曜日に実施し、それ以外でも随時受け付けています。

・年に数回、近隣小学校の生徒の教育活動や中学校の職場体験を受け入れています。年長児は地区年長交流会「がやっこ」で年数回、近隣10園の子どもたちとドッジボールや正月遊びをしたり、近隣小学校の1年生や5年生と、給食交流や折り紙を教わったりして交流を図っています。

・ボランティアの受け入れ担当は園長が行っており、毎月「絵本の読み聞かせの日」に地域のボランティア2名を話し手として迎えています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育所としての自己評価は、経営・組織、研修、情報、施設・設備、開かれた保育所づくりなどの項目に沿い実施しており、本年度より、ホームページに「園の自己点検・自己評価」として公表しています。

・設置法人制定の就業規則に服務規律を定めています。また、全職員に配付する「ステートメントブック」に基本行動や就業規則を掲載して、職員に周知しています。

・園のパンフレットやホームページでは、職員体制、クラス構成、行事、給食、ディリープログラム・特別プログラムなどの情報を提供しています。パンフレットは常時、区役所に置き、「合同育児講座」開催時に配布しています。

・設置法人の中長期計画(平成29年度〜33年間)が作成され、組織運営、事業管理、財務管理、人事管理、保育園の管理の5項目を重点計画としています。

6 職員の資質向上の促進

6.職員の資質向上の促進 ・職員の人材育成のため、階層別に職務内容や求められるスキル、資格・研修などをまとめた設置法人作成の「人材育成計画(キャリアパス)」があります。

・年度末には「保育士自己評価表」に沿って自己評価を行い、振り返り結果を記入しています。各職員の自己評価結果について、園長が達成度合いを評価し、職員との面談時にアドバイスしています。

・園長が研修担当責任者となり、職員の研修ニーズや希望を把握したうえで、幼児及び乳児各リーダーと話し合い、外部研修への参加を決めています。

・横浜市や保土ヶ谷区、横浜市西部地域療育センターなど主催の外部研修に職員が参加し、研修終了後は研修レポートを作成し、職員会議で研修結果を報告し、保育に活かせるものは日々の保育で実践しています。

・非常勤職員の指導には各クラス担任があたり、乳児クラス、幼児クラスの副主任がそれぞれ責任者として総括し、職員とのコミュニケーションが円滑にいくよう配慮しています。

・年2回、職員に対して園長面談を行い、次年度への要望や進退について聞き、職員の仕事に対する満足度や要望を把握しています。

・実習生受け入れの際には、園の保育目標・方針、執務態度・守秘義務などについて説明しています。保育専門学校から実習生を受け入れ、育成プログラムは本人の希望も入れ、園がスケジュールをたてて効果的に進めています。


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