かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市南浅間保育園

対象事業所名 横浜市南浅間保育園
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0074
西区南浅間町23-3
tel:045-312-0866
設立年月日 1982(昭和57)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
 昭和57年4月に開設し、現在は0〜5歳児定員95名(在籍106名)です。相模鉄道線西横浜駅から徒歩3分の住宅街に立地し、園舎は2階建て鉄筋コンクリート造りで1階に3〜5歳児の保育室、2階に0〜2歳児の保育室があります。様々な実のなる木が植えられた1088.80uの園庭と、目の前に社宮司公園があり、自然豊かな環境に囲まれています。季節の変化を感じ、かつ、多くの公共施設や近隣住民との触れ合いを通じて社会性を育める環境があります。

・園の特徴
 西区に唯一の横浜市立保育園として、育児支援センター園の機能を備え、園庭に約70uの育児支援室があります。専任のネットワーク担当保育士を配置し、西区のネットワーク事務局園を担っています。
 
【特に優れていると思われる点】
1.創造力を育む保育
子どもたちのつぶやきや、遊びの中から生ずる疑問や発見を職員が読み取って、適切な環境構成や働きかけをして、意欲や創造力を育んでいます。
子どもたちから園庭の桜の木の巣箱にこびとが住んでいるという発想が生まれ、職員が、こびとが使う小さなテーブルを用意したり、子どもたちと手紙のやり取りを演じました。また、2歳児クラスは、絵本に出てくるかんかんおこり虫が大好きで、公園の木の上にかんかんおこり虫がいると思ったことでさらに盛り上がり、運動会の種目に発展しています。夏季の3〜5歳児が参加するお化け屋敷ごっこでは、子どもたちの好きなお化けが出現しました。
また、園庭の豊富な植栽や近隣の公園の四季折々の変化を子どもたちは肌で感じ、花びら、落ち葉、木の実などを見つけて、ままごとや、ごっこ遊びを展開しています。
子どもの興味関心に共感できるような豊かな感性を職員自身が持ち、より心豊かな楽しい園生活になるように支援しています。

2.様々な勤務形態の職員間の連携を図る工夫
職員の多様な職種・勤務形態があるなかで、情報を共有し、園としての方向性を合わせるために、様々な工夫をしています。非常勤職員の勤務時間が様々なのでそれぞれにあったミーティングを1日3回行い、伝達漏れを防いでいます。また、担当業務の細分化と内容の明文化をして、業務に漏れが無いようにしたり、全職員の個々の業務量を把握して連携しやすくしています。さらに、年度末の引き継ぎは、職員同士、また職員と嘱託職員間で、いつ言ったか発信・受信を記録して伝達漏れがないようにしています。

3.研修を通じた職員の資質向上
非常勤職員を含め全職員は、乳児保育、リスクマネジメントなど、横浜市こども青少年局、西区などの外部研修に積極的に参加し、ミーティングや研修報告会で発表して共有し、保育に活かすべく努めています。また、内部研修は、各種マニュアルの理解、CS(顧客満足度)向上、保育理念、健康、リスクマネジメントなどをテーマにして行っています。これら研修参加と実務への反映をし、「保育士人材育成ビジョン」「保育士キャリアラダー」に沿い、次期研修計画に反映して職員の資質向上に努めています。

4.育児支援センター園としての地域の子育て支援事業
西区の唯一の公立保育園として、区が取り組む子育て支援サービスの中核の役割を担っており、南浅間保育園子育て支援事業「カンガルークラブ」として、多様な地域への子育て支援を行っています。育児相談、園庭開放、育児支援室(かんがるーむ)開放、カンガルー文庫(絵本の貸し出し)、おはなし会、出張文庫、子育てほっとタイム、お誕生会、交流保育、ランチ交流の育児講座の開催のほか、西区出前合同育児講座を提供しています。園行事の収穫祭に地域住民を招待したり、地域ケアプラザ、子育てサークル、町内会館に出かけて出前育児講座を行っています。また、「西区子どもを育てる地域連絡会」「子育て関連施設連絡会」「社会福祉施設連絡会」など多くのネットワークを通じ地域の子育て支援ニーズについて検討し、情報提供や意見交換をしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.感染症発生情報に関する保護者理解への取り組み
保護者アンケートでは、「感染症の発生状況や注意事項などの情報提供」について、34%(どちらかといえば不満28%、不満6%)が否定的意見をもっています。園で感染症が発生すると、その感染症について気をつけることや、予防対策など、最新情報を合わせて直ちに全保育室に掲示をして知らせていますが、保護者からはクラス名・人数も知りたいとの要望があります。一方、園としては、流行の兆しがあったら保護者として子どもにしてあげられることは誰も同じであるとの思いがあり、クラス名を掲示することにより保護者間の詮索による個人名の特定や、心配をあおってしまうことなどが考えられ、敢えて公表していません。園と保護者、相互理解のためのさらなる取り組みが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園内研修で保育理念、保育方針、保育姿勢及び総合的な人権について学んでいます。子どもにとって最善の利益とは、保育はどうあるべきか、園の保育は何を大切にすべきかを園長が講師となり、全職員が受講できるよう4回行っています。

・一人一人の子どものペースに合わせた言葉のかけ方、声の大きさにも留意し、子どもに伝わりやすい言葉を選んでいます。子どもの気持ちに寄り添うことを大切にし、思いをしっかり受け止めるよう努めています。

・子どもとの丁寧な関わり、日々の保育の積み重ねの大切さを全職員が認識をしています。必要に応じて職員同士、子どもとの関わり方や無意識で使っている言葉などについて意見を出し合う時間(職員会議・園内研修)を持っています。

・園の伝統として、子どもの誕生日にクラスごとに誕生会をしています。その日は1日ワッペンをつけて過ごし、ほかのクラスの職員や子どもたちからも「おめでとう」とたくさん声がかかり祝ってもらいます。

・入園説明会、懇談会、個人面談などで、保護者に個人情報の取り扱い、適正管理についてお知らせをしています。保護者会から依頼があった子どもたちの写真撮影については、保護者会カメラのみを預かり、撮影枚数、画像を確認後返却をしています。保護者が個人的に撮った写真や動画の取り扱いについても、他児が写り込んだ写真をSNSなどに掲載しないよう注意を促しています。

・さらに職員の意識レベルを上げるために、虐待防止推進月間、人権週間といった機会も振り返りとして活用しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・入園説明会で、スライドで写真や図も使って保育課程の内容を保護者に説明しています。改定時には、随時園だよりで保護者に伝え、改定版を掲示しています。

・言葉でうまく表現できない乳児の場合は、表情、声、しぐさ、喃語などから思いを汲み取り、応答的に対応しています。

・子どもの今の姿をよく観察し、興味・関心・心の変化を把握して、子どもたちの様子から汲み取った思い、発想を大切にして指導計画に反映したり、柔軟に変更し、子どもの主体性を育てています。

・保護者に「児童票」「児童健康台帳」「アレルギー疾患生活管理指導表」などを提出してもらい、生育歴や家庭の状況を把握しています。0、1歳児や、アレルギー疾患児の場合は調理職員も同席し、ミルク、離乳食、アレルギー食の状況を把握して、入園後に安定して過ごせるように配慮しています。
    
・清掃チェック表に従いトイレを毎日清掃し、清掃確認表で園舎周囲、保育室、階段、廊下を朝夕清掃しており、園内は清潔に保たれています。

・0〜2歳児の各保育室はサークル、衝立などでコーナーを作り、遊びを中心にした小集団保育を行っています。月齢によって発達の差が出やすい0、1歳児は高月齢・低月齢の二つのグループに分け、コーナー設定を工夫しています。

・廃材、紙、鉛筆、筆、木の実、葉っぱなどを子どもが使いたい時に使えるよう用意をしています。園庭の栽培物の千日紅、綿、サツマイモのツルは乾燥させ、製作の材料になっています。水、砂、土は大変上等な遊びの素材と考え、子どもたちが大好きなどろんこ遊びが十分にできる環境を作っています。

・日々園庭遊びを通して、異年齢での関わりがあり、その他合同散歩やリズム遊びなど異年齢保育の時間も設けています。お店屋さんごっこのような総合活動にも取り組んでいます。園の伝統である5歳児クラスの運動会の竹太鼓は、子どものあこがれの種目になっています。毎年、5歳児の一所懸命さが染み込んだ太鼓のバチは、運動会終了後に4歳児に引き継がれていきます。

・毎月1回発行の園だよりや、園長通信「笑顔」で随時理念・方針に基づいた思いを寄せています。また、職員一人一人が保育理念・方針などを理解した日々の保育の実践を通し、保護者の理解向上に努めています。

・職員の顔写真を掲示したり、日頃の子どもの様子を撮った写真を保育室に掲示したり、随時行事の活動の様子をホールにA4版の大きな写真で掲示、保護者に知らせています。

・保護者会組織があり、定例会、卒園対策実行委員会、行事の打ち合わせなど活発に機能しています。保護者会主催のシャボン玉ショーなどのイベントがあり、綿密な打ち合わせをして、職員は当日の手伝いなどで協力をしています。その他、写真販売は保護者会が行っていますが、保護者会の依頼を受け、職員が写真を撮影しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・横浜市中部地域療育センター、横浜市西区福祉保健センター、横浜市中央児童相談所と連携し、特に配慮を要する子ともを積極的に受け入れています。日々の保育の中で自然にクラスの子どもたちと関わりを持ち、たがいに育ち合うことを大切にしています。

・門から園舎までスロープがあり、階段に手すりを設置しています。保育室内は段差のないようにしてあります。また、子どもが落ち着いて過ごせるようなコーナーづくりや、必要に応じて絵カードなどを作成しています。

・入園時に保護者から慣習の違い、宗教上の除去食など配慮すべきことを確認して対応しています。横浜市作成の多言語に対応したパンフレットがあり、説明会や懇談会の際には通訳を依頼できるシステムがあります。

・苦情受付・解決責任者は園長であり、第三者委員を交えて要望や苦情を解決する仕組みがあります。第三者委員の氏名・連絡先と共に重要事項説明書に明記し、また、玄関に掲示して保護者に周知しています。

・職員会議などで事故やケガについて、原因を検証後、職員の立ち位置・人数、遊び方の見直しなど具体的な改善方法を検討しています。

4 地域との交流・連携

・地域の子育てを支援する「カンガルークラブ」(南浅間保育園子育て支援事業)の取り組み、収穫祭など地域の人々を招待する行事を通し、園に対する地域のニーズの把握に努めています。

・西区は、子育てを航海に例え、親子ふれあい会、地域子育てサロン、親と子の集いの広場など地域の居場所を「笑顔のみなと」と位置付けています。

・年度末の職員会議で当該年度の子育て支援の実際を振り返り、子育て支援事業利用者から得たアンケートを参考資料として、地域ニーズに応えられる次年度の子育て支援事業の年間計画を立てています。

・入園を祝う会、運動会、おたのしみ会、卒園式を祝う会などの行事に地域の町内会長、民生委員、小学校校長、第三者委員を招待しています。収穫祭は地域の民生委員、町内会役員のお手伝いを得て行い、子どもたちと交流しています。

・近隣の小学校1年生と年長児が年5〜6回公園でゲームをしたり、手紙を届けるなど交流しています。近隣の保育園の子どもたちと園庭で交流したり、夏にはプールを利用してもらったり、音楽コンサートに招くなど積極的に交流を図っています。

・絵本の読み聞かせとわらべうた、お話会などのボランティアを毎週積極的に受け入れています

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念、園目標を玄関ホールや保育室内に掲示し、全職員3〜4か月ごとに会議で読み合わせて確認し合っています。また、園長が7月に園内研修で説明し、園として何を大切にするか全職員で話し合っています。

・年に1度、人権研修やコンプライアンス研修、個人情報保護研修、窓口対応研修、CS研修を職員全員で受けています。また、他園の不正、不適切な事例などを横浜市、西区役所から得て、会議で職員に伝え、不適切な行為を行わないように意識を高めています。

・「保育園の自己評価」などをもとに園における課題を抽出し改善に取り組んでいます。保護者向けに保育園の自己評価結果について、3月に掲示して公表しています。

・横浜市公立園としてヨコハマ3R夢プランに取り組み、保護者にも発信しています。ごみの分別を明文化し、図で表記して、子どもとともにごみの減量化、資源の再利用に取り組んでいます。

・重要変更事項を保護者に知らせる場合は、必ず変更実施前に文書にして示し、保護者会や懇談会などで数回にわけて理由や経過も含め丁寧に伝え、意見交換し、理解を得られるように努めています。職員には、リーダー会議にて意見交換し、全体会議で全職員に周知しています。

・主任はクラスの様子を察知して、職員の補助に入るなど職員の心身の健康状態に配慮し、職員が働きやすいようにしています。

6 職員の資質向上の促進

6.職員の資質向上の促進 ・横浜市制定の「保育士人材育成ビジョン」「保育士キャリアラダー」に基づき人材育成が推進されており、横浜市が年間研修計画を企画実施しています。職員・非常勤職員はアルバイト職員も含め、横浜市こども青年局および西区の研修を受けることができます。

・横浜市制定の「目標共有シート」に能力開発・能力活用等に関する目標欄があり、職員は年度初めに同シートを作成しています。園長が職員と面談して、立案内容、実施状況を確認しています。

・職員は、キャリア分析表に従って自己評価をし、カリキュラム会議で結果を報告・意見交換し、互いにアドバイスをしています。

・毎月のカリキュラム会議ではプロジェクターを使用し、職員全員で全クラスの指導計画を画面で確認しながら検討しています。欠席した職員も会議内容を把握できるように、予備会議を設けて主任が内容を報告しています。

・職員は日々の子どもの姿や保育実践について、クラスで話し合い、環境設定や子どもへの対応の仕方を検討して改善し、より良い保育をめざして次期の計画に反映させています。

・保育専門学校、保育大学、看護学校、歯科衛生士育成学校の学生を実習生として受け入れています。今年度上期は、計10名を受け入れました。事前に職員に受け入れの考え方、方針、留意事項などを説明し、保護者には受入れ予定をクラスノートで知らせています。


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