かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスクさいど保育園(6回目受審)

対象事業所名 アスクさいど保育園(6回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0008
港南区最戸1-16-3
tel:045-730-6123
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
アスクさいど保育園は京浜急行本線・横浜市営地下鉄ブルーライン上大岡駅から徒歩15分で、住宅街を抜け、マンションや大手スーパー、ドラッグストア、大手企業などが立ち並ぶ一角にあります。平成24年4月に開設し、定員60名のところ現在0〜5歳児87名が在園し、障がい児も受け入れています。
園舎は鉄筋コンクリート造りの2階建てで、約290平方メートルの園庭と、屋上にも園庭があります。1階保育室には地中エネルギーを利用した空調システムを導入し、屋上には太陽光パネルを設置して自然エネルギーを活用しています。

・園の特徴
園目標は「ひとにやさしく ものにやさしく みんな なかよし」としています。統合保育を行う上で、障がいのある子どもの特性の理解に努め、子どもが集団生活の場で共に認めあい、育ちあえるように配慮しています。絵本から始まる知育プログラム・クッキング保育、専門講師による英語教室・体操教室・リトミックを取り入れ、子どもの楽しむ心や学ぶ楽しさを育んでいます。

【特に優れていると思われる点】
1.課題解決に向けた職員の取り組み
  園では毎年第三者評価を受審しており、職員の自己評価を基に園の自己評価を行い、課題を明らかにしています。課題解決のために話し合う時間が限られているため、職員意見箱を設置して園長が事前に意見をまとめ、職員会議で検討しています。「散歩の機会が少ない」という数年来の課題は、散歩時に引率する職員を増やすように職員配置を変更することで、子どもの安全に配慮できる体制を整え、回数を増やしています。また、遊びの充実のために、現在も子どもの年齢や発達に合わせた公園、遊具、遊び方を検討しながら新しいお散歩マップの作成を進めています。

2.子どもの様子を保護者に伝える工夫   
職員は、一人一人をよく見て、保育日誌や月間指導計画の個別配慮欄に記載し職員間で情報共有して保育にあたっています。職員間の申し送りや引き継ぎ用として「担任伝言表」を使用し、受け入れ時や日中の子どもの様子を記載して、送迎時に担任以外でも子ども一人一人の一日の様子を保護者に伝えられるように努めています。連絡ノートは0〜2歳児全員と、要望のある幼児に使用していますが、職員は子どもの、褒めること・配慮すること・保護者への返信などをきめ細かく記載しています。幼児クラスではクラスノートや写真の掲示で子どもの様子を伝えています。また、年長児のお泊り保育の様子や子どもの表情を新聞形式で作成し、当日の保護者のお迎え時に配付しています。

3.子どもの自由な発想を伸ばす活動
「どろんこ遊び」や「絵本からはじまる知育プログラム」を取り入れて、子どもの自由な発想を伸ばすようにしています。「どろんこ遊び」は、職員が年齢に応じた遊び方を考えて、週案に計画的に取り入れています。保護者にも同意を得て、子どもたちが汚れることを気にせずに思いきり遊んでいます。また、知育プログラムの中で、職員がたくさんの生き物がでてくる絵本を読み、職員が想像した絵を描いてみせると、子どもたちも自由な発想で絵を描いていきます。また、模造紙や襖紙を保育室の壁に貼り、子どもが自由に描くことができるようにするなど、自由に発想し表現していけるようにしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.「子どもに寄 り添う言葉がけ」への取り組み
平成29年度は「職員の子どもに寄り添う言葉がけ」を園の課題に上げています。前年度の園内研修を踏まえて、職員の声の大きさや子どもの人権の尊重については、園長が職員会議で取り上げたり、直接声をかけて指導しています。職員が子どもに対して感情的になりそうな場合の対応策も講じながら取り組んでいますが、まだ全員に成果が見られていないようです。今後さらに、子どもと信頼関係が築けるように、職員間で継続して学びながら言葉遣いや接し方を習得していくことが期待されます。

2.職員体制の整備
 今年度は、職員の休職があり非常勤職員に内部研修を行えない、栄養士や調理師が子どもの食事の様子を見られない、地域への栄養相談が実施できないなど、例年通りに計画を進められないことがありました。予期せぬ職員不足にも対応できるように、設置法人とともに体制を整備しておくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の運営理念「安心・安全を第一に」「いつまでも想い出に残る保育を」「本当に求められる施設であること」「職員が楽しく働けること」、基本方針「子どもの『自ら伸びようとする力』『後伸びする力』を育てる保育を」「子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす『五感で感じる保育』の充実を」、園目標「人にやさしく ものにやさしく みんななかよし」は子どもを尊重したものとなっています。

・保育園業務マニュアルには、子どもとの話し方・接し方の規定があり、子どもの人権を尊重することは職員に周知しています。また、子どもと話をする時は、わかりやすい言葉で穏やかに話をするように努め、「保育士の虐待」や「子どもの人権尊重」については園内研修や職員会議で話し合いをしています。言葉遣いや対応が気になる職員には、その場で園長が直接指導したり、職員間でも注意し合っていますが、一部では感情的な言葉遣いをする職員が見受けられます。

・友だちや職員の視線を意識せず過ごせるように、パーテーションや本棚の裏を利用してコーナーを作っています。また、必要に応じて事務室や相談室も使用しています。オネショなどの対応については、ほかの子どもに知られないように手早く対応して、子どもの羞恥心にも配慮しています。

・個人情報の取り扱いや守秘義務については、職員に入社時研修があり周知しています。また、職員は入社時に誓約書を提出し、保護者にも入園時に個人情報の取り扱いやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)投稿の注意点を説明しています。

・虐待については設置法人作成の対応マニュアルがあり、職員は入社時研修で周知し、非常勤職員にはオリエンテーションで園長から説明しています。また、職員は港南区こども家庭支援課の虐待研修も受けています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・おもちゃは子どもの目線の高さの棚に置き、各保育室に絵本のコーナーがあります。子どもは自由に取りだすことができ、主体的に活動できるようにしています。

・年齢・発達・興味にあわせた知育玩具やごっこ遊びが広がる小物もそろえ、子どもの発達や興味にあわせて港南区や南区の図書館から絵本や紙芝居を多数借りています。模造紙や襖紙を保育室の壁に貼り、子どもは自由に描くことができるようになっています。

・園庭には細菌が繁殖しづらく、どろんこが作りやすい土を敷き、「どろんこ遊び」を年齢に応じて週案に入れて取り組んでいます。

・5歳児の子どもたちが話し合って、お店や販売する物を決めて製作し、ほかのクラスの子どもが買い物に来る「お店やさんごっこ」を主活動に取り入れています。

・園庭の畑でサツマイモやジャガイモ、ほうれん草、稲などを子どもたちと一緒に栽培し、毎日の水やりや成長を観察しています。収穫した野菜は給食で提供したり、クッキング保育で調理して食育にフィードバックしています。

・4、5歳児クラスはパーテーションをなくして、いつでも異年齢で交流できるようになっています。運動会などでは、意識的に異年齢の活動を取り入れています。

・食事を豊かに楽しむため、職員は一人一人の食べる量を把握し、最初から盛り付けを少なくしたり、苦手なものは減らしたりして、少しでも食べられたら「頑張ったね」と褒めるなど完食の喜びを感じられるように配慮しています。

・午睡については、眠れない子どもには午睡を強制せず、横になって静かに休息するように促しています。5歳児は、就学に向けて午睡をなくしてからは、園で統合保育を行っていることから安全面を考慮し、静かに保育室内で過ごしています。

・トイレットトレーニングについては、保護者に1歳児クラスの年度初めの懇談会で、発達に応じて家庭と一緒に進めて行くものであることを伝えています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程は基本方針に基づき、各年齢の子どもの発達に沿って、園が把握した家庭環境・地域環境を含め、子どもの最善の利益を考慮して作成しています。

・乳児クラスの新入園児は、保護者に説明し数日間「慣らし保育」を行っています。0、1歳児クラスの新入園児には、慣らし期間中に基本的な生活の個別主担当を決めています。1、2歳児クラスでは、新年度当初は新入園児と在園児の生活を分けて保育を行い、子ども一人一人の不安や負担が最小限になるようにしています。

・0〜2歳児は、一人一人の月齢や発達に合わせた個別指導計画を策定しています。また、幼児クラスでも特に配慮を要する子どもには、個別指導計画を策定し必要に応じて柔軟に変更をしています。

・特に配慮を要する子どもや障がいのある子どもの個別指導計画は、子ども一人一人の特性を把握するよう努め、ねらいをしぼり、子どもが達成感を持てるような計画にしています。子どもへの取り組みとして、職員会議の中でケース会議を行って丁寧に話し合われ、記録しています。

・障がいの有無にかかわらず、子どもが集団生活の場で共に認め合えるように、職員がほかの子どもの前で関わり方を見せています。また、保護者には、保護者同士の理解につながるようにクラス担任や園長から説明しています。

・食物アレルギーのある子どもについては、入園時にかかりつけ医の「食物アレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、栄養士が保護者と半年に1回面接し、かかりつけ医だけでなく園の嘱託医とも連携して除去食を提供しています。幼児クラスでは、命に係わることなのでアレルギーのある子どもの食事中に走り回らないことや、そばに持って行ってはいけないことを伝えています。

・年2回の健康診断と年1回の歯科健診を行い、子ども一人一人の「児童健康調査票」に記録しています。健診結果は書面と口頭でそれぞれの保護者に伝えています。

・保護者が保育の基本方針を理解できるように、入園説明会や年度初めの保護者会、クラス懇談会で運営理念・基本方針を保護者に説明しています。園目標は玄関に掲示しいつでも目に触れるようにしています。

・保護者からの相談は、相談室を利用して受け入れています。記録を残し、必要に応じて職員会議で対応策を検討し、継続的なフォローが出来るようにしています。

・行事後アンケート・年度末アンケートや送迎時に保護者の意向を聞き取り、指導計画に反映するように努めています。

・園舎内外は清潔適切な状態が保たれています。毎日、週間、月間、使用ごとの項目に分けて記録する清掃記録用紙には、記録がない部分があります。

・苦情・要望の対応方法はマニュアルに沿って行い、第三者委員を交えて対応する仕組みや、園で解決が難しい問題は、設置法人や港南区こども家庭支援課と連携して解決に繋げる体制がありますが、他機関の苦情窓口の紹介がありません。


4 地域との交流・連携

・保育所に対する理解促進のための取り組みとして、地域の町内会に加盟し、町内会長や大家に行事の招待状を持参したり、近隣マンションなどに年長児が行事のポスターを届け、園の玄関に掲示して地域の方に参加を呼びかけています。夕涼み会には卒園児を含めて30名ほどの参加がありました。

・交流保育として、地域の未就園児に対する交流の場「にこにこクラブ」で園行事の際に在園児と予約をした未就園児親子が一緒に製作をしたり、月1回大きな絵本の読み聞かせの「おはなしかい」を開催しています。また、週2回園庭開放をしています。栄養士が講師を行う「栄養相談会」は平成29年度は実施できていません。

・育児相談は園の門に掲示したり港南区こども家庭支援課に情報提供し、毎週水曜日午後2時〜3時の予約制で対応する体制があります。定期的な相談日での実績がありませんが、地域の未就園児親子の行事参加の際に育児相談を受けています。

・「ボランティア受け入れガイドライン」があり、対応する体制があります。クリスマス会には園の大家の知り合いが来園し、手品をしたりサンタクロース役で参加していますが、ボランティア受け入れと捉えていませんでした。

・「実習生受け入れガイドライン」があり、受け入れ体制はありますが、今年度は実習生の受け入れがありません。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・設置法人の就業規則には倫理規定・服務規程が明記されています。また、設置法人はコンプライアンス委員会を設置し、不正を通報できる制度があります。

・経営や運営に関しては設置法人が管理し、経営・運営状況を公開しています。

・事業運営に影響のある情報は設置法人で収集して分析し、設置法人園長会議で検討した内容を各園の全職員で話し合い、取り組むべき重要取組課題としています。

・重要な意思決定にあたり、園長は運営委員会や保護者懇談会で保護者と意見交換できる場を設け、職員の異動や退職に関しては、園長から説明し必要に応じて設置法人本部から保護者に説明を行うこともあります。

・平成29年度は設置法人が「働き方改革」に取り組み、全職員対象に「良い職場推進委員会」のアンケートを実施し、園でも行事や保育内容の見直しをしています。

・平成27 〜平成29年度の長期計画・中期計画を策定し、中期計画では年度ごとに各項目に沿った計画内容を決め、1年を2期に分けて反省・改善点を上げています。

6 職員の資質向上の促進

・園長は園運営に必要な人材や配置状況を把握し、必要に応じて設置法人に要請し
人材補充を行っています。

・設置法人作成の「保育士育成ビジョン」に基づき、階層別に経験年数に応じた人
材育成計画を策定しています。

・設置法人の人事考課制度があり、職員は自己査定シートを基に年2回自己評価を
行い、園長と個人面談して評価基準に基づいた達成度の評価を受けています。

・内部研修は「職員の意見箱」を利用して研修テーマを集め年間計画を作成して
いますが、今年度はシフト調整ができず非常勤職員が参加できていません。

・港南区ネットワーク事業の他園の実地研修に職員たちが参加したり他園の保育士
を受け入れ、相互間で日々の保育について振り返る機会となっています。

・3分という限られた時間内で共有すべきことや報告事項をまとめることを意図し
て、園長・クラスリーダーで朝の3分ミーティングを行っています。

・職員は各指導計画のねらいを明確にし、自己の反省・評価や意見交換を行ってい
ます。園長は子どもが興味を伸ばせるような計画を策定できるよう助言し、すぐに
修正はせず、次期計画に反映できるように付箋でコメントを付けています。

詳細評価(PDF729KB)へリンク