かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ベネッセ本郷台保育園

対象事業所名 ベネッセ本郷台保育園
経営主体(法人等) 株式会社 ベネッセスタイルケア
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 247 - 0007
栄区小菅ヶ谷1-1-6
tel:045-897-3056
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 ベネッセ本郷台保育園は、JR根岸線本郷台駅から3分ほどの駅の近くにあります。大通り沿いにあり、隣接する市営本郷台住宅を始めとして、周囲には商店やマンションが並んでいますが、近隣には緑豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースとなっています。
ベネッセ本郷台保育園は、平成25年(2013年)4月に株式会社ベネッセスタイルケアによって設立されました。運営法人は、首都圏を中心として保育園事業を数多く展開しています。    
 鉄筋コンクリート2階建ての園舎は、ビルに挟まれていますが、内部は自然色を用いていて、明るい印象です。園庭として砂場があり、一角では子どもたちがプランターで花や野菜を育てています。
 定員は、60名(0歳児〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時30分〜18時30分です。
 保育理念として「『よりよく生きる力=Benesse』の基礎を育てる」、保育目標として「自分で考え、すすんで行動する子ども」「友だちと楽しく遊ぶ子ども」「感性豊かな子ども」、保育方針として「子どもの 『個性と人格を尊重』し、主体性を育てます」「自然な生活の営みの中で子どもが『安定感・安心感・落ち着きを持てる室内環境』をつくります」「深い信頼関係に根ざした『豊かな人とのかかわり』を重視します」「身の回りの『社会・自然を通しての学び』を大切にします」を掲げています。


◆高く評価できる点
1、保育士に優しく受け止めてもらい、子どもたちはのびのびと自分を表現しています 
 子どもたちが主体的に遊び込めるよう、保育室を低い棚やソファー、カフェカーテンなどで仕切ってコーナーを作り、子どもが遊びたい場所に行って好きな遊びを選んで遊べるよう環境構成しています。自由遊びの時間には、子どもたちは、絵本読み・お絵かき・積み木・ブロック遊び・汽車遊び・人形さんごっこなどで、自由に好きな遊びを楽しんでいます。また、ドッジボールや鬼ごっこなどの遊びを子どもの年齢や興味に応じて取り入れ、みんなで一緒に遊んだり競い合ったりする楽しさとともに、遊びのルールを守ることや友達を気遣う優しさの育ちを学んでいます。
 0歳児〜2歳児は育児担当制を取り、保育士との個別の関わりの中で愛着関係を築けるようにしています。
 職員は決して否定語を用いず、穏やかな態度と優しい話し方で子どもに接し、子どもの言葉や表情、態度などから子どもの気持ちを汲み取っています。保育士は、乳児クラスの、単語にならない1音2音からも子どもの思いを的確に受け止め、言葉にして返し、子どもが言葉で表現できるように働きかけています。子どもたちは素直に自分の思いを言葉や態度で表現していて、幼児になると自分たちで話し合って活動内容を決めています。子どもが給食で出た果物の種に興味を示したことから様々な野菜や果物の種を植えてみたり、神奈川県立地球市民かながわプラザで見た恐竜に関心をもった子どもの希望から夏祭りで幼児が恐竜のお神輿を作るなど、子どもの意見や要望を集団活動につなげています。子どもの想像する力から表現力を育てられるよう、制作の時間には、みんなで同じものを作ることを目的とせず、テーマだけを決め、子どもが自分が感じた作りたいものを、好きな素材や用具で作っています。集大成としての「お店屋さんごっこ」では、動物園で見た触るコーナーがあるペットショップや段ボールで作ったパトカーなど、子どもの発想がうかがえる企画がたくさんあります。
 晴れていれば毎日、子どもたちは散歩に出かけ、身体を思いっきり動かしたり、季節の自然に触れたりしています。散歩では、駅前商店街の人々や途中で出会う地域の人々と親しく交流しています。子どもたちは地域住民と笑顔で会話を交わしたり、駅前商店街では1人ずつ抱き上げて挨拶してもらったりと、様々な地域住民とふれあっています。
 このように、子どもたちはのびのびと自分を表現し、一人一人の子どものペースで園生活を楽しみ、成長しています。


2、保育士は目指す方向性を共有し、連携して保育に取り組んでいます
 保育理念、目標、方針を園内に掲示するとともに、「ベネッセの保育の考え方」に記載して全職員に配付し、入職時の研修で周知しています。また、園内研修や全体会議などでも折りに触れて取り上げ、確認しています。保育士はチャレンジシートを用いて目標設定と中間期、年度末の振り返りをし、年3回の園長面談で評価を受けるとともに、保育の専門性チェックリストを用いて自身の保育を点検し、理念や方針に沿った保育の実践を目指しています。
 研修も盛んで、毎月の園内研修や、運営法人による職務や等級別の研修を実施しています。また、職員は、横浜市や栄区などが主催する外部研修に積極的に参加し、自己研鑽に努めています。
 クラスのミーティングや全体会議では、一人一人の子どもの配慮事項について話し合っていて、全職員で全園児のことを把握しています。これらの取り組みを通して、職員は、子どもの人権を尊重した保育の姿を理解し、目指す方向性を共有していて、気になる事例が合ったときには、さりげなく声をかけたり、他の保育士が交替するなど、お互いに注意し合う関係が出来ていて、チームとして保育に取り組んでいます。


3、職員は、保護者とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係の構築に努めています
 園は、年2回、懇談会、個人面談を実施するほか、5歳児クラスまでの全クラスで「成長の記録」(連絡帳)を用いて、毎日、保護者と情報交換をしています。また、0歳児・1歳児のクラスだよりには個人別に前月の姿と、次月のねらいを記載する欄を設け、保護者と指導計画を共有し連携して取り組めるようにしています。
 口頭でのコミュニケーションにも力を入れていて、送迎の保護者とは、各クラス担当職員はもとより、事務室のある玄関では園長・主任・事務職員、及び調理担当者など、園全体で保護者との会話を持つように心がけています。保護者の悩みには、随時個人面談を設定するなどして対応し、保護者が安心して子育てが出来るように支援しています。
 このように細やかに保護者とコミュニケーションを取ることで、保護者と信頼関係を築き、連携して子育てができるようにしています。


◆改善や工夫が望まれる点
1、地域に対して園の専門性を還元していくことが期待されます
 隣接する高層の市営住宅自治会とは、園児の安全確保のためのハード面での協力依頼をするなど話し合いの機会を多くもち、市営住宅の集会室を、園の保護者懇談会などに貸してもらうなど、友好的な関係が構築されています。また、毎日の散歩の通り道となっている駅前の商店街とは日々の挨拶を通して温かな関係作りを行い、鮮魚店で給食に使う大きな魚を、子どもたちの目の前でさばいてもらい一人分ずつの切り身になるまでを見せてもらうなど、大変良好な交流があります。
 ただし、地域の子育て支援サービスについては、地域住民におむつ替えや授乳をする場所の提供サービスを昨年度から始めていますが、子育て支援講座や定期的な育児相談は実施してなく、今後の課題となっています。地域との交流の中から地域の子育て支援ニーズを把握し、園の夏祭りの時に地域住民向けに育児相談ブースを設置するなど無理のない育児支援を工夫して園の専門性を地域に還元し、双方向での地域との交流を実現されることが期待されます。


2、ボランティアおよび実習生受け入れの体制を整備していくことが期待されます
 過去にボランティアとしてインターンシップの受け入れを行っていますが、主任が口頭で注意事項の説明を行い、利用者の個人情報の扱いや守秘義務遵守に関して誓約書を提出してもらっています。ただし、受け入れのマニュアルや注意事項を記載したボランティア向けのしおりの作成などは実施していません。また、実習生に関しても、受け入れの実績はあるものの、マニュアルの作成などの体制作りは今後の課題となっています。
 園としては、今後もボランティアや実習生を受け入れていく姿勢がありますので、受け入れマニュアルの作成など、ボランティアや実習生受け入れのための体制を整えていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「『よりよく生きる力=Benesse』の基礎を育てる」、保育目標は「自分で考え、すすんで行動する子ども」「友だちと楽しく遊ぶ子ども」「感性豊かな子ども」で、利用者本人を尊重したものとなっています。保育理念、目標、方針を「ベネッセの保育の考え方」に記載し全職員に配付するとともに、入職時の研修や園内研修で周知しています。
・職員は決して否定語を用いず、穏やかな態度と優しい話し方で子どもに接し、子どもの言葉や、気持ちの発信を受け止める力を養っています。乳児クラスの、単語にならない1音2音からも子どもの思いを的確に受け止めています。
・運営法人で「ベネッセの保育の考え方」として、保育に関わる人の姿勢について明記しています。子どもの人権を尊重した保育の姿を記し、全職員に配付しています。「ベネッセスタイル宣言」と合わせ、職員の保育に向き合う姿勢の根幹となっています。
・守秘義務の意義や目的、個人情報の取り扱いに関しては、運営法人で定めたプライバシーポリシーがあり、全職員に周知しています。ボランティアや実習生に対しても事前に説明し、これらについて遵守する誓約書を提出してもらっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育室内は、子どもが遊びたい場所に行って好きな遊びを選択できるように、4・5か所のコーナーになっています。絵本・人形・ゲームなど、コーナーごとにおもちゃ類を分ける構成です。
・子どもたちは、絵本読み・お絵かき・積み木・ブロック遊び・汽車遊び・人形さんごっこなどで、自由に好きな遊びを楽しんでいます。また一斉活動では、みんなで一緒に遊んだり競い合ったりする楽しさとともに、遊びのルールを守ることや友達を気遣う優しさの育ちを学んでいます。
・毎日散歩に出かけている子どもたちは、駅前商店街の人々や途中で出会う地域の人々と親しく交流しています。丁寧な挨拶を心がける職員の姿が子どもたちにも伝わっています。地域の人と顔なじみとなり子どもも地域住民も笑顔で話しかけあったり、小さな子どもたちが1人ずつ抱き上げてもらったりなどの姿が見られました。
・制作の時間には、みんなで同じものを作ることを目的とせず、テーマだけを決め、子どもが絵本や実物を観察し自分が感じた作りたいものを、好きな素材や用具で作っています。子どもの想像する力から表現力を育てる目的です。またリトミックや楽器演奏などの時間も取り入れています。 
・子どもが好きなものを食べてもらうことを基本とし、苦手な食べ物については“試してみる”程度にとどめ、完食を目的としていません。成長に伴い、子どもは自分で「いる」「いらない」や「もっと」「へらして」などを申告しています。また年間の食育計画をたて、子どもたちが食事に関心を持つように工夫しています。
・送迎の保護者とは、コミュニケーションを丁寧に行っています。各クラス担当職員はもとより、事務室のある玄関では園長・主任・事務職員、及び調理担当者など、園全体で保護者との会話を持つように心がけています。
・5歳児クラスまでの全クラスで「成長の記録」(連絡帳)による保護者との情報交換をしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に応じて、年間指導計画、月案、週案の作成、評価、見直しをしています。異年齢クラスの3〜5歳児は異年齢指導計画と年齢別指導計画を作成しています。0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。幼児についても、特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成するほか、全員、個別のねらいと配慮、振り返りを記載しています。
・子どもや家庭の個別の状況や要望は、入園時に保護者に児童票に記載してもらっています。入園後の子どもの成長発達の状況は、0歳児は毎月、1歳児〜5歳児は4期に分けて児童票に記録しています。保育日誌には、全園児の記録欄があり、必要時に記載しています。
・「ベネッセ保育園安全衛生基準」として、業務マニュアル集を作成し事務室と各クラスに備えています。このマニュアル集に健康管理・衛生管理・安全管理マニュアルも含まれています。
・医療機関を含む救急機関への連絡先は一覧にして事務室に備えています。また、事故やケガの発生時の対応をフローチャートにしたり保育室内の電話機横には非常時の連絡手順を掲示したりするなどの体制を整え、落ち着いた適切な対応が出来るようにしています。
4 地域との交流・連携 ・地域の子育て支援サービスについては、昨年度よりどのようなところから実現可能なサービスがあるかの検討を始めています。この検討から地域住民におむつ替えや授乳をする場所の提供サービスを昨年度から始めています。地域住民に子育て支援の講座などを開催も今後の課題となっています。
・園の建設段階から、隣接する高層の市営住宅自治会とは何度も話し合いの機会を持ち、園児の安全確保のためのハード面での協力依頼などをしています。こうした交流の中で、市営住宅の集会室を、園の保護者懇談会などに貸してもらう程の友好的な関係が構築されています。
・栄区内保育所のエリア交流として、近隣園と公園で待ち合わせをして一緒に遊ぶことや、神奈川県内の運営法人系列園で行うドッジボール大会への参加、就学に向けた小学校との交流、高齢者施設の訪問などを、年間を通して行っています。
・ボランティアや実習生受け入れの為のマニュアルがありません。過去に高校生のインターンシップを1名、実習生を1名受け入れていますが、受け入れ時は主任が口頭で注意事項の説明を行い、利用者の個人情報の扱いや守秘義務遵守に関して誓約書を提出してもらっています。今後も受け入れの姿勢があり、体制整備のスタートとして受け入れマニュアルや、ボランティアや実習生に向けたしおり作りなどが望まれます。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・「ベネッセスタイルケア宣言」の「5つの行動宣言」、「10の行動基準」の中で守るべき法、基本、倫理等を明文化し、全職員に配付するとともに、年1回読み合わせをしています。また、就業規則、マニュアル「ベネッセの保育の考え方」にも記載されています。運営法人や神奈川県、横浜市などから得た他施設の不正、不適切な事案は、職員更衣室のホワイトボードに掲示し、読んだ職員がチェックすることとしています。内容によっては全体会議でも取り上げ、職員に注意喚起しています。
・年1回の運営委員会で事業計画の報告はしていますが、経営・運営状況を積極的に公開することはしていません。
・今年度、幼児保育室の模様替えにあたっては、保育士と栄養士、看護師などが職種を超えて話し合いを重ねたなど、部門を超えた職員が話し合い組織をあげて取り組む姿勢があります。
・園の3カ年計画を作成しています。運営法人は次世代の組織運営に備え、新たな仕組みを常に検討しています。運営法人は、幹部職員を計画的に育成しています。運営法人は大学教授や保育や給食の専門家等、外部の専門家の意見を積極的に取り入れています。
6 職員の資質向上の促進 ・理念・方針を踏まえた人材育成計画があり、人材制度ガイドブックに記載し、職員に配付しています。保育士はチャレンジシートを用いて目標設定と中間期、年度末の振り返りをしています。年3回の園長面談で目標設定と達成度の評価をしています。
・毎月、保護者対応、不審者侵入防止、絵本の読み聞かせ、わらべ歌、ムーブメントなどのテーマで、園内研修を実施しています。職員は、横浜市や西区などが主催する外部研修に参加しています。また、運営法人によるレベルアップ研修、新人研修、等級別研修等様々な研修があり、該当する職員が参加しています。
・保育士はチャレンジシート、保育の専門性チェックリストを用い、自己評価しています。
・職員は、研修などで得た良い事例や改善した事例をクラス会議や全体会議で報告し、改善に向けて話し合っています。よこはま港南地域療育センター、大学教授、臨床心理士などに、保育の様子を見てもらいアドバイスを受けています。

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