かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

明徳二俣川保育園(2回目受審)

対象事業所名 明徳二俣川保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 明徳福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0821
旭区二俣川1−6−1 二俣川北口ビル6階
tel:045-360-8544
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 明徳二俣川保育園は、平成18年4月1日に開園しました。設置法人は社会福祉法人明徳福祉会で、横浜市内に3保育園を運営しています。定員は90名で、現在106名が在籍しています。園は、相鉄線二俣川駅から徒歩2、3分の利便性の良い駅前商業地域にある6階建て複合ビルの6階にあり、保育室に面して、かけっこをしたり夏には水遊びやプール遊びができる、大型遊具を備えた350u超の園庭もあります。
・園の特徴
 保育目標として「基本的な生活習慣を身につけ、集団の中で元気な体・考える頭・愛する心を育てる」を掲げています。周囲には商業ビルが立ち並んでいますが、少し足を延ばすと緑豊かな公園も多く、子どもたちが年齢発達に応じた活動、探索活動、季節の移り変わりを楽しめるような散歩コースがたくさんあり、園庭遊びのほか、日常的に周辺の公園や広場などに出かけています。また、2歳児クラスから毎週、外部の講師による英語遊び、リトミック、運動遊びを取り入れ、表現活動を楽しんでいます。


【特に優れていると思われる点】
1.子ども一人一人の育ちを丁寧に見守っていく仕組み
 全園児(106名)の個別指導計画を作成しています。発達の個人差を踏まえた上で一人一人に見合った保育が行われるよう、2歳児クラスまでは毎月「乳児・児童票」に、3〜5歳児クラスは3か月ごとに「個人別記録」に、個別計画・目標を明示しています。また、それらの記録を児童票(発達記録)とし定型化することにより、子ども一人一人の育ちを丁寧に見守っていく仕組みをつくっています。
 全クラス2名以上の担任がおり、担任同士で子ども一人一人の伸ばしていきたい部分や、子どもたちの心に寄り添う保育などについて話し合っています。また、日々の子どもの姿や保育実践について職員会議などで話し合い、職員はより良い保育をめざして次期の計画に反映させています。


2.工夫された環境設定
@落ち着いて過ごせる室内環境の整備
 保育室は0、1歳児クラス、2〜5歳児クラスがオープンフロア保育で、低い棚などで仕切ってクラスをつくっています。子どもたちは日々お互いの様子を感じ合い交流できる環境になっており、職員は、各クラスの保育内容を確認しながら保育を進めています。職員の声も環境と考え、必要以上に大きな声を出さないように注意をしています。また、廊下の一角に机のコーナーやフリールーム(子ども2、3名が入れる小屋)を設置したり、保育室内に他の視線や声を遮ることができる特注の机を配置し、子どもたちが他の視線を意識せずに落ち着いて過ごせる場となっています。子どもたちは自ら、一人になりたい時や、気持ちを落ち着かせたいときに利用しています。
A遊びの環境の工夫
 各クラスはマットや机などを使用し、椅子に座って遊ぶスペースやマットの上で自由に遊ぶスペースを作り、コーナー遊びの環境を整えています。おもちゃなどは、子どもたちの興味のあるもの、量、種類などを考慮しながら入れ替えをしています。そして子どもがわかりやすいようにかごに小分けし、低い棚に置き、棚には写真を貼っています。子どもたちは自分で見て選んだり片付けており、自主的に、落ち着いて遊んでいます。自由遊び後、次の活動に移る場合などは、製作途中の物を棚に置き、継続することができるようにしています。職員はお互いの立ち位置に気を配り、子どもたちの遊びの妨げにならないようにしながらも、すぐ対応ができるようにしています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.職員の人材育成計画の策定
 職員は、「キャリアアップ」「インクルージョン保育」「遊びの大切さ」など、横浜市主催をはじめとする外部研修を積極的に受講しています。研修報告会を毎月開催することで、研修成果を話し合い、わらべうたや運動など保育に速やかに取り入れ活かしています。しかし、職員の経験・能力や習熟度に応じた役割を期待水準として明示した文書は策定されていません。各職員の持つ知識や経験に照らし、目標を明確にした人材育成計画を策定し、職員のキャリアやスキルアップに見通しを持って取り組むことができる仕組み作りが期待されます。


2.地域コミュニティへの働きかけの継続
 日々の散歩や園外活動時には積極的に地域住民に挨拶をしたり、近隣の保育園や小学校との交流の機会を持ったりしていますが、駅前にあるビルの6階という場所的なことから、ポスターやお知らせ掲示などに制限があり、地域に保育園を知ってもらうことが難しい面があります。商業地域との交流もありますので、園の存在をアピールしながら地域コミュニティへの働きかけを継続されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人3園で共有している保育理念「子どもの人格や主体性を尊重し、保護者や地域社会と力を合わせて子どもの最善の幸せのために努力する」保育方針「子どもの健康と安全を基本にし、豊かな人間性と生き生きとした子どもを育成する」保育目標「基本的な生活習慣を身につけ、集団の中で『元気な体・考える頭、愛する心』を育てる」とし、保育にあたっています。園長は保育目標を常に念頭に置いて保育に臨むよう職員に話し、職員は実践につなげています。


・子どもに対して威圧的な言葉遣いや無視、名前の呼び捨てや罰を与えるような不適切な保育が行われないよう、職員間でも他の職員に目を配るなど、意識して保育を行っています。


・常勤職員及び非常勤職員は、入職時に守秘義務について研修を受け、誓約書にサインをしています。重要事項説明書には個人情報保護についての記載をし、保護者から承諾書を得ています。外部との交流などで写真を撮る際などは、その都度保護者の確認をとっています。


・性別に関係なく、同じ環境の中でいろいろな遊びに興味を持ち、子ども一人一人がのびのびと遊べるようにしています。名簿の順番は月齢順や五十音順にしており、グループ分けも保育活動の流れや交流状況に合わせて決めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程に基づき、年齢ごとに前年度の反省をふまえた年間指導計画を作成しています。月案、活動予定・記録(週・日案に相当)を作成する際は、日々の子どもたちの考えや発言、興味関心を反映するようにし、子どもが意欲的に活動できるようにしています。


・全園児個別指導計画を作成しています。個別指導計画を児童票(発達記録)とすることで子ども一人一人の育ちを丁寧に見守っていく仕組みをつくっています。


・おもちゃなどは、子どもがわかりやすいようにかごに小分けし、低い棚に置いており、棚には写真を貼って自分で見て選んだり片付けられるようにしています。またコーナー遊びの環境を整えることで子どもたちが落ち着いて遊べるようにしています。


・職員は子どもの自由な発想を受け止め、ままごとや見立て遊びから劇遊びなどに移行し、行事などへ繋げられるようにしています。一斉活動などを通し、職員が子どもの年齢や発達に応じて、ルールを守ることや社会性を伝えるようにしています。


・天気が良ければ毎日、園庭遊びや公園・園周辺の散歩に出かけるようにしています。室内でマット運動や跳び箱をしたり、公園では固定遊具の活用や鉄棒や縄跳びで遊ぶなどして、運動能力を高められるようにしています。


・0、1歳児クラス、2〜5歳児クラスはオープンフロアで、子どもたちは日々お互いの様子を感じ合い交流できる環境になっています。子どもが落ち着きたい時は、廊下の一角に置いた机のコーナー、フリールーム(子ども2、3名が入れる小さな小屋)や、前方、左右からの視線や声を遮ってくれる特注の机を用意しています。


・食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。


・食事について、月1回の給食会議で食材の味付けや刻み方、ゆで方を検討し食事作りに反映しています。職員は、苦手な物がある子どもには「一口食べてみよう」などと声かけし、食べられた時は褒めるなどして、食べる意欲につながるように配慮しています。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。


・個別の連絡帳、送迎時のやりとり、懇談会、個別面談、保育参加、園行事など保護者との交流の機会を設けています。園だよりなど毎月の配付物で情報提供をしています。年度末の保護者アンケートで保育方針や保育全体に関する意見を聞いています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園時に把握した生育歴を始め、入園後の子どもの成長発達記録は、乳児・児童票、個人別計画(幼児個別指導計画)、健康管理票に記録し、全園児まとめてファイルしています。0〜2歳児は個別計画書式が個別日誌にもなっており、毎日記録をしています。3〜5歳児は3か月ごとに発達状況を確認しています。記録内容は書庫に保管し、全職員が共有できるようにしています。進級時には、食事、健康、情緒など申し送り表を作成し、新旧の担任で申し送りを行っています。


・障がいの特性や障がい児保育、アレルギー、人権(虐待を含む)、インクルージョン保育についてなど研修で学んだことは、研修報告会や、園内研修で共有し、すべての職員が同じ認識を持って保育にあたれるようにしています。


・保護者が要望など訴えやすいように玄関に意見箱を置いています。懇談会、行事後のアンケート、年度末のアンケートなどで進んで保護者からの要望や意見を聞いています。さらに園長以下職員は送迎時に保護者に積極的に声をかけています。話しやすい雰囲気を作るため、子どものエピソードなど伝え信頼関係を築きながら本音や要望を聞くように心がけています。苦情を受け、園のみで解決できない場合は区こども家庭支援課と連携して対応することとしています。


・健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など関係機関一覧表を事務室に掲示し、全職員に周知しています。

4 地域との交流・連携

・園が実施している地域向けの子育て支援サービスは、園庭開放、一時保育、絵本貸し出し、交流保育(誕生月の地域の子どもを招いての誕生会)です。遊びや食事についての育児講座も年2回予約制で実施しています。育児相談は、毎週木曜日の13時30分〜15時で対応しています。


・散歩の際には地域住民に挨拶して交流を図れるように努めています。年長児は、お泊り保育の際に近隣スーパーで食材などの買い物をし、地域との関わりができるようにしています。年長児は近隣の保育園とイベントを通して交流を持ち、継続した関りが持てるようにドッジボール大会やバルーン遊びなどを行っています。


・園利用希望者や園見学者の問い合わせなどは、各クラス担任または主任が対応しています。園見学希望者には、子どもの様子が見られる午後4時前後を勧めていますが、日程や時間は可能な限り希望に応じています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が守るべき法・規範・倫理などは「就業規則」、全職員に配付している「業務マニュアル」で明文化されており、職員に入職時の説明で周知しています。


・設置法人のホームページで経営、運営状況を公開しています。


・設置法人本部の園長会議で出された不適切な事例や、新聞やニュース報道などを職員会議で取りあげ、話し合っています。


・設置法人内の3園園長が、各区の園長会、社会福祉協議会や私立園長会に出席し、事業運営にかかわる情報の収集をし、法人内の園長会で分析をしています。次世代の組織運営に備えては設置法人理事長と法人内3園の園長で検討しています。出された課題は検討の上改善に努めることとし、園全体で取り組む体制を整えています。

6 職員の資質向上の促進

・職員のスキルアップにつなげる研修体制としては園長・主任が毎年職員個人計画・管理表を作成しています。「キャリアアップ」「インクルージョン保育」「遊びの大切さ」など横浜市主催をはじめとする外部研修を積極的に受講しています。非常勤職員も外部研修の受講が可能です。外部研修で学んだわらべうたや、体操などを保育に取り入れています。研修報告会を毎月開催することで、研修成果を話し合い、保育に速やかに活かせる仕組みを作ってます。


・「アレルギーについて」、「普通救命講習」などの園内研修は、全職員が参加できるよう何回かに分けて行っています。


・職員による年間・月間・週案の指導計画の実施結果に対する評価・反省、および毎年自己評価を行い、自分の保育を振り返っています。また、横浜市第三者評価評価票を活用し、毎年職員一人一人が自己評価をしています。


・園長は全職員との個人面談を年1回行っています。面談にあたっては、職員が事前に記載をした園独自の面談シート(今年度を振り返って、思い・常に心がけていること、取り組みたい事など項目あり)を参考に、職員の満足度・要望などを把握しています。また、いつでも相談に乗れる体制をとっています。


・実習生の受け入れ担当は主任とし、「実習生記録」に記録しファイルしています。学校担当者との事前のオリエンテーションで実習のねらいを確認し、実習生の希望を聞きながら配属クラスや実習内容を決めています。


・実習期間には、その日の保育実習の振り返りの場を設け、受け入れクラスの担当職員が実習生と意見交換をしています。意見交換は、実習生の疑問や質問に答えるだけでなく、職員も日々の保育を客観的に見たり、保育の見直しや改善点に気づく機会となっています。最終日には園長も含め実習生の振り返りや総括的な反省も行っています。また、実習生の意見については、今後の保育に繋がるように職員間で報告し話し合っています。

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