かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わくわくの森保育園(3回目受審)

対象事業所名 わくわくの森保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ICA
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0022
鶴見区市場東中町12-27
tel:045-508-1858
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 わくわくの森保育園は、社会福祉法人ICAが運営主体として平成18年に開園、今年13年目を迎えた保育園です。現在、0歳児から5歳児までの児童71名(定員60名)が在籍しています。
 京浜急行線鶴見市場駅から徒歩5分の住宅地にあり、近隣には神社、地域ケアプラザや大小の公園が点在し、子どもたちの散歩の場所となっています。園庭には大型遊具、築山、花壇などがあり、「わくわくの森」の園名のように、ケヤキや楠が夏には木陰をつくり、銀杏、椎、桜、ヤマモモなど種々の実のなる木々を植えています。
・園の特徴
 保育目標として、「人と関わる力の育つ保育・子どもの主体性を尊重する保育・自主性を育む保育・ありのままを受容する保育」を掲げ、子どもたちがのびのびと自分を発揮できるように、また、異年齢集団の環境で共に育つ心が育成されることを願って、職員はチームを組んで見守り、保育にあたっています。


【特に優れていると思われる点】
1.子どもの主体性を重んじ、やりたいことがのびのびとできる環境づくり
 子どもがやりたいことを自由にできる環境が設定されており、3歳から5歳の子どもたちは、自分で遊びを選択して活動しています。毎朝、外遊びをしたい子どもには、散歩と園庭遊びのどちらをしたいかを尋ね、子ども自身が選択しています。室内遊びでは、絵を描いたり折り紙、粘土などの製作コーナー、ままごと用具や人形、電車などを備えた見立て遊びや積み木、ブロックのコーナー、型はめやパズルのコーナー、穴通しやぼたんはめ、絵本のコーナーなどで子どもたちはじっくり遊び込んでいます。職員は傍らで見守り、子どもが納得できるまで遊べるよう配慮しています。
 職員は毎日、昼のミーティングで子ども一人一人の遊びの情報を共有し合い、「子どもが何に気づき、遊びに集中しているのか」「遊びの発展のために何が必要か」を確認し合い、環境構成の工夫や子どもとの関わり方について職員同士が意見を出し合って、子どもにとっての物的環境と人的環境を常に振り返り、翌日の保育に備えています。


2.時間で拘束しない保育の実践
 子どもたちの園生活は、デイリープログラムにあわせてその日の活動が行われ、職員からの子どもたちへの指示の言葉はありません。幼児クラスでは当番が米を磨ぎ、保育室内に炊飯器を置いて、ご飯が炊け、いいにおいが園内に漂うと、子どもたちはそろそろ給食の時間だと感じとり、三々五々自分で片付けをして部屋に戻っています。テーブルに5人が揃うと、それぞれにお盆にのせた給食を自分の席に運び、テーブルごとに「いただきます」の挨拶をして食べ始めます。
 職員は時間で区切って遊びを中断することはありません。昼食や午睡も一斉とせず、子どもが納得できるまで遊べるよう配慮しています。その結果、子どもたちは満足感をもって自ら次の行動に移る力を培っており、子どもたち一人一人の情緒の安定が図られています。


3.子どもたちの豊かな感性と様々な動きを楽しめる園庭環境の工夫
 園舎はケヤキ、楠、銀杏、柏、椎、桜、山桃などの樹木に囲まれ、サクランボや山桃、柿などの果実の収穫を楽しみ、木の実や落ち葉を拾ってままごとや造形活動を楽しんでいます。菜園では種まきや水やりをして成長を観察し、収穫してみんなで食する楽しみを味わっています。
 園庭の中央には築山を、奥の一段高くなった場所には木製の大型固定遊具を設置し、丸太のブランコ、砂場、鉄棒などを備えて、0歳児から幼児期までの子どもの発達が保障される園庭環境を整えています。子どもたちは倉庫から砂場遊びの用具や縄跳び、三輪車などを持ち出して、それぞれが遊びを工夫し、全身を使って遊びに興じています。3歳児以上は草履を履いて遊び、土踏まずの形成にも配慮した取り組みがなされています。


4.保護者に子どもの育ちを伝え、園と保護者が共感を伝え合う取り組み
 0、1歳児クラスは毎日、個別の連絡帳で保護者とやりとりをし、クラスの様子は玄関の週ボードで写真をいれて伝えています。連絡帳のやりとりが無くなる2歳児は、毎日ボードでクラスの様子を伝え、3〜5歳児は週ボードで伝え、ホームページでも見ることができます。また、毎月発行する「わくわくだより(園だより・クラスだより・きっちんだより)」では、園で大切にしていること、各クラスの様子、異年齢で見られた子どもの姿などのエピソードを載せています。毎月の予定表の欄には「保育参加の受入れ可能日」を記載して、保護者が保育士と共に保育に参加できることを呼びかけています。
 乳児期から毎月1枚、絵の具で描いた絵を残し、数点を順番に額縁に入れ、描いているときの子どもの様子を添えて保育室内に飾っています。また作品展では、一人の子どもの絵を縦につなげて成長が感じられるように展示し、横には異年齢の子のものを展示し、保護者に我が子の成長の様子を見てもらえるように配慮しています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者面談の設定
 保護者との個人面談は、保護者が申請すればいつでも受け付けるとしていますが、自分から言い出せない保護者との個人面談は行わない状況にあります。予め日程を設定して、全ての保護者に面談の機会を設けることが期待されます。


2.衛生管理マニュアルの見直し
 細菌性嘔吐下痢の対策や処理方法、消毒液の使用、トイレ掃除の手順、保育室の衛生など、研修や職員へのOJTで実践されていますが、全職員が統一した同じ対応ができるように、マニュアルに記載しておく必要があります。マニュアルの定期的な見直しが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・全職員は、子どもの人権を尊重し、子どもの気持ちに寄り添うことを大切にして否定的な言葉や命令口調にしないことを、互いに確認しています。大声を出さず、子どもの発達に応じて穏やかにわかりやすく話しかけ、大人主導の発言をしないことを厳守しています。


・保育室内のコーナーや、ホールやサロン、リビングなどは、子どもと落ち着いて一対一で話せる場所となっています。


・業務マニュアルに個人情報の取り扱い・守秘義務について明記し、ボランティアや実習生には受け入れ前の面談時、職員には入職時に説明して周知し、誓約書を提出してもらっています。保護者には入園時に、「入園のしおり」をもとに園の個人情報の取り扱いについてと、ホームページへの写真の掲載などの説明し、了解を得ています。


・子どもの興味・関心によって活動を行っているので、遊びや役割、服装など個人を尊重し、性別による区別はしていません。グループ分けなど、子どもたちと話し合って行い、性別ではありません。保育に性差の観念をいれないことはもとより、職員間でも性差による役割分担をしないよう心がけています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育室内は、それぞれの遊びに集中できるようにおもちゃの棚や仕切りなどで区切り、カーペットや畳などを敷くなど、複数のコーナーづくりをしています。おもちゃや絵本、製作やお絵かきの道具などは、子どもの手の届く低い棚に収められており、子どもが自由に取り出して遊べるようにしています。


・毎朝、外遊び、室内遊び、製作など、子どもたちは「何をして遊ぶか」を自分で選択して活動を始めています。昼食や午睡も一斉とせず、子どもが納得できるまで遊べるよう配慮しています。


・クッキング、リズム遊び、プール遊び、散歩などは年齢別や異年齢の小集団で行っています。幼児にはカードゲームや、散歩先のグランドではドッジボールやゲームをするなど、ルールのある遊びを取り入れています。


・職員は、子どもの手本となるような立ち居振る舞いを心がけ、目線を合わせて穏やかに話をするようにしており、どんな場面でもせかすことなく、子どもの気持ちを尊重した態度で接し、信頼関係を築くことに努めています。


・2歳児からセミバイキング方式で配膳し、子どもは自分の食べられる量を申告して目の前でよそってもらっています。完食の喜びを感じられるようにして、楽しく食べることを大切にしています。


・月末に翌月の献立表「わくわく森のメニュー」と「きっちんだより」を保護者に配布して、旬の食材や栄養についての情報を提供しています。今年度は、毎月季節の食材でできるおやつのレシピを園だよりに掲載し、希望者には給食のレシピを渡しています。玄関ホールに給食のサンプルを毎日展示しています。


・原則としてうつ伏せにしないようにしていますが、うつ伏せで寝てしまった子は無理に直さず、SIDS(乳幼児突然死症候群)防止策として、0歳児は5分、1〜2歳児未満は10分ごとに呼吸チェックをしています。


・トイレットトレーニングは、子どもがトイレに興味を持ち始めて、それぞれの発達状況と園での排泄状況を保護者に伝え、保護者と連携して行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・基本理念は「こどもたちが健やかな身体とやさしい気持ちを持ち、人の和の中でいきいきと育つことのできる環境を追求する」であり、保育目標は「人と関わる力の育つ保育」「子どもの主体性が尊重される保育」「自主性をはぐくむ保育」「ありのままを受容する保育」「チーム保育・異年齢保育」として、子どもを尊重したものになっています。


保育課程は保育指針をもとに運営理念、保育の基本方針と保育目標を掲げ、子どもの最善の利益を第一義として作成しています。


・子どもの年齢別に年間指導計画、月間指導計画を作成しています。週案については0、1歳児、2歳児、3〜5歳児は異年齢での作成をしています。0、1歳児は個別指導計画を作成しています。年間指導計画は四半期毎、月案は月末、週案は週末に振り返りを行って計画の見直しを行っています。評価、見直しは各クラスミーティングで行い、職員が意見を出し合って作成しています。


・入園後の子どもの成長発達記録は、園児管理システムの園児台帳に、身体測定、肥満度判定表、ケア経過記録などが記録されており、職員は出勤時に必ず園児管理システムに目を通す仕組みになっています。重要な記録は園児管理システムのケース記録に記録されており、進級時にはクラスミーティングで申し送りを行っています。就学前に提出する「保育所児童保育要録」は小学校に持参しています。


・園での子どもの健康状態で気になることがあった場合は、お迎え時に乳児は連絡ノートと口頭で、幼児は口頭で伝え、必要に応じて受診を勧めています。翌日登園時に受診結果や経過を聞くことにしており、結果を管理システムに入力して、全職員で情報を共有しています。


・職員が、毎年アレルギーや感染症対策の研修を受けて、職員に報告して共有しています。その他細菌性嘔吐下痢の対策や処理方法は、毎年研修を行って周知徹底しています。経験2、3年の職員が新人に対してOJTで乳児のお尻洗い、トイレ掃除の手順、消毒用次亜塩素酸ナトリウムの使用、保育室の衛生などについて指導しています。


・保育室内の家具は、高さ、幅、奥行き、重さなどが地震対応に設計されたもので、その他大人が使う書棚などは突っ張り棒など転倒防止策を講じています。ガラスはすべて強化ガラスを使用しています。昨年全ての蛍光灯を飛散防止膜付きLEDに変更しました。安全点検表をもとに、職員が交代で園庭の安全確認をしています。


・毎月火災・地震などを想定した避難訓練を実施しています。年1回、消防署との合同訓練で通報訓練を行い、一時避難場所であるグラウンドには日常的に散歩で出かけています。津波警戒時には、近隣の工場に避難させてもらえるように依頼しています。


・子どものケガは、医療機関にかかる必要のあるときはすぐに、軽傷はお迎え時に保護者に報告をし、管理システムの「事故記録」欄に記録しています。昼ミーティング、クラスミーティング、全体職員会議などで共有し、再発防止策や改善策を検討しています。


・特に配慮を要する子どもを、鶴見区こども家庭支援課と連携して受け入れています。ケース会議は幼児・乳児ミーティングや職員会議で個々の状況が報告され、園児管理システムに記録されています。臨床心理士の定期的な巡回訪問があり、相談できる仕組みになっています。


・相談・苦情受け付け担当者は主任、解決責任者は園長となっており、園玄関に掲示し、重要事項説明書、入園のしおりに記載して保護者に説明をしています。保護者には、事務室は開放していつでも相談にのることを話しています。園長や職員から声をかけることで、話しやすい雰囲気を作る努力をしています。

4 地域との交流・連携

・情報提供は園のホームページや園出入り口の掲示板で行っています。育児相談は随時受付を行っており、電話での相談があります。また、毎週水曜日に開催している園庭開放時に相談を受けることがあります。


・鶴見区社会福祉協議会主催の「地域ケアプラザゆうづる」で行う市場地区地域子育て支援事業を、近隣6園と分担・協同で年2回担当しています。地域ケアプラザの縁日やじゃがいも堀りに招いてもらい、お囃子保存会の方が獅子舞で園に来ています。自治会や幼保小連絡協議会、PTA連絡協議会に参加して、地域の情報を得ています。


・利用希望者から問い合わせには、園のパンフレットに基づいて、園長、主任が説明しています。予約制で見学できることを伝え、日程はできるだけ希望者の都合に合わせますが、平日の10時過ぎからとし、1日5組まで受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園のホームページ、パンフレットに保育園の情報を記載しています。鶴見区地域子育て支援拠点「わっくんひろば」や、保育研究会のWEBサイトに、園の情報を掲載しています。地域の回覧版のバインダーや駅構内の地図に園名を載せています。


・就業規則に服務規程があり、不正・不適切な行為を行わないよう入職時の研修で周知しています。不適切な事例について園長が収集し、更衣室に掲示をしたり、全体職員会議やクラスミーティングなどの機会に伝え、自園のルールを再確認しながら、職員のモラルアップを図っています。


・事業運営に関する情報は、横浜市、鶴見区の会議、研修などを通じて提供があります。関係機関との連携の中でも地域の情報や専門機関の情報収集ができており、設置法人内で共有しながら取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・園長は園運営に必要な人材構成を常に把握し、必要な場合は人材確保の対策を立てています。「職員人材像」が作成されており、経験・年齢に応じた人材育成のため、職員個別研修計画を立てています。個別研修計画は、昨年度の研修受講実績、職員本人の希望から今年度の予定を立てています。また、園では、毎月経験年数別のグループ勉強会を開催し、職員が学びたいことを提案し、その都度タイムリーなテーマで話し合いをしています。


・非常勤職員はシフトにより、クラスの割り当ては事前に決まっており、常勤職員とチームを組んで保育に当たっています。非常勤職員は保育環境セミナーや安全管理講習に参加しています。非常勤職員に対する日常指導はチームリーダー、主任、園長が行っています。


・指導計画の評価・振り返りをチーム毎に行って、主任がチェックしています。その結果をクラスミーティングで話し合っています。自己評価の結果から、園としての強みや弱み、改善すべき課題を見つけ改善しています。園の自己評価は4月の園だよりで、保護者に公表しています。

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