かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

美しが丘どろんこ保育園

対象事業所名 美しが丘どろんこ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人どろんこ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0002
青葉区美しが丘1-23-6
tel:045-511-7240
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は東急田園都市線のたまプラーザ駅から徒歩10分くらいの場所に位置しています。たまプラーザは東京の都心部や川崎、横浜などに通勤するのには便利な場所で、東急田園都市線の開通時から住宅地として発展してきました。園の周りは閑静な住宅地で大きな一軒家や団地が立ち並んでいます。計画的に開発された住宅地ですので園の周りには、整然とした住宅が立ち並び、大きい公園、小さな公園が適当な間隔であります。園はそうした公園を毎日、散歩で利用しています。園は開園して3年目と、比較的新しい保育園です。また、受け入れ定員60名と小規模な園ですが、小規模の利点を生かし子ども一人一人に手厚い保育を行っています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○絵本で子どもたちの心を育てることで、保育目標の達成を目ざしています
 法人の保育理念「にんげん力。育てます。」のもと、保育目標「センス・オブ・ワンダー」や「人対人コミュニケーション」を育てるため、日ごろから自然の不思議に触れ合う機会をたっぷり作り、散歩のときは地域の方々と積極的にあいさつを交わすことを大切にしています。こうした取り組みは法人本部で定めた基本方針です。当園もそうした基本方針に沿った保育をしていますが、それらにプラスして園独自で絵本を楽しむことで子どもの心を豊かに育てることを大切にしています。玄関には「おすすめのえほん」と称して、絵本紹介のコーナーを設けています。保護者の若かったころの絵本体験記も掲示しています。また、玄関のお知らせの黒板に「毎日、子どもを膝にのせて絵本を読んであげましょう」の掲示もしていました。保育目標を達成するため絵本も活用しています。


○乳幼児がよく罹る感染症について、その症状と予防法を示したカードを作り、職員が活用するとともに保護者にも情報提供するために使用しています
 保育園は免疫力の少ない乳幼児を受け入れています。感染症を最大限予防していても、場合によって流行してしまうことがあります。感染症が流行したときには、保護者に正確な情報提供が必要です。そこで当園は看護師が乳幼児のよく罹る感染症について、その症状と予防法を示したカードを作りました。カードは10センチ×15センチ大の大きさで、隅に穴をあけ円形リングでまとめて、各保育室に備えました。子どもが体調を崩し症状が現れたときは、どんな病気か職員が調べるために使っていますし、保護者にも正確な情報提供をするために使っています。そのため、今回の評価の利用者調査では「インフルエンザや胃腸炎などの流行があまりなく感謝しています」という意見がありました。


○給食は子どもたちがおいしく、楽しく食べられるように工夫していますし、保護者の満足度も高くなっています
 給食は当園の自慢です。おいしく、楽しく食べられるように工夫しています。縁側で食べたり、ランチルームで食べたり、遠足のときは外でお弁当を食べたりして、季節やその場の雰囲気にふさわしい給食の提供をしています。食材は旬のものを中心に、お米は米どころの新潟県から仕入れています。盛り付けも子どもたちが喜ぶ盛り付けを、また時には子どもの苦手な食材も切方を工夫するなどして何でも喜んで食べられるようにしています。給食会議は栄養士、調理師、各クラスの職員が参加して決めています。今回の評価の利用者調査の回収率は60%ですが、給食の献立内容については、95.8%の保護者が満足と答えていますし、給食を楽しんでいるかについては、100%全員が満足と答えています。玄関にはこれまでの給食の写真ファイルを置いて保護者に開示しています。


《事業者が課題としている点》
 園内の環境整備について課題としている点がいくつかある。例えば、その一つとして、おもちゃ・絵本の種類、置き場所を検討しなおすとともに、片付いていないところを整頓し、遊びこめる室内環境を目ざし、職員間で話し合いを重ね、実現していくことがあります。また、子どもだけの空間、ひとりになれる空間を作り、安心して過ごせるようにすることと、「絵本を大切にする」ことを伝え物を大切にする気持ちを育むため、集中して読める「絵本コーナー」の設置についても実現を検討しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  法人全体の保育理念や保育目標、園独自の目標は子ども本人を尊重したものになっています。「保育品質マニュアル」には理念や目標についての説明があり、全職員に配付し、園会議の中で読み合わせを行って理解を深めています。さらに、「児童・保護者の人権に関するチェックリスト」を使って、年2回、全職員で人権について確認しています。子どもが「にんげん力」を身につけ、自分で考えて行動する力をはぐくむという理念の実現のために、日々の散歩では地域の方と挨拶を交わし、畑仕事で土に触れ、金魚などの生き物を育て、裸足保育や銭湯でお風呂の日、遠足、商店街ツアー、高齢者施設訪問などを、年間計画を立てて実施しています。
 「保育品質マニュアル」の中で、個人情報の取り扱いや情報開示について詳しく説明しています。マニュアルは全職員に配付し、入職の際には守秘義務についての誓約書を提出してもらい、法人で保管しています。ボランティアや実習生にもオリエンテーションの際に個人情報の取り扱いについて説明しています。保護者へは入園の際に個人情報の取り扱いについて説明し、承諾書を提出してもらいます。園では特に、ホームページなどへ掲載する子どもの写真の取り扱いに細心の注意を払い、ガイドラインに沿って撮影した写真をチェックし、写真係が再確認し、施設長が最終確認を行っています。園では個人情報の書類は事務室のロッカーに保管し、施錠して管理しています。
 子どもに対して「小さい声でわかりやすく短い言葉で話す」ことを、保育目標を達成するための3つのポイントの一つとして事業計画のなかに明記し、特に力を入れて取り組んでいます。子どもたちをせかさないように活動時間を確保し、子どもの自主性を大切にしています。職員の都合で機会を排除するような「だめ」という言葉を使わず、子どもたちの思いや声に耳を傾けて保育計画を立てたり、日々の生活に取り入れたりしています。職員は年2回、「児童・保護者の人権に関するチェックリスト」で、保育の環境や内容、育児支援について振り返って、個々の職員や園全体の改善点などを明らかにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  各クラスの職員は保育課程を確認しながら、子どもたちの姿を大切にして指導計画を作成しています。3〜5歳児には活動内容について説明し、当番の決め方や散歩の行き先、高齢者施設訪問での発表内容など、みんなで話し合って決めているので、職員は子どもたちが自由に意見を出せる雰囲気を作るようにしています。その際、少数の意見やつぶやきにも耳を傾け、実現できるように援助しています。言葉で意思を表現しにくい年齢の子どもには、表情やしぐさを見ながら取り組みを調整し、子どもの気持ちに寄り添って何に興味を持っているか見つけるように心がけています。また、今日はここへ行きますと言って公園の写真を見せ、保育の見通しを立てられるように工夫して子どもの興味を引き出すこともあります。
 異年齢のかかわりを大切にし、0、1歳児、1、2歳児がいっしょに散歩に出かけたりしています。子どもの日や七夕、クリスマス、節分などの季節の行事の際には、全クラスが集まりいっしょに楽しめるよう計画的に取り組んでいます。2歳児は、年度の後半から3〜5歳児との異年齢保育を行っています。保育室は仕切りのないオープンスペースで自由に異年齢の交流ができるよう環境を整えています。子ども同士のけんか等については、年齢に応じて危険のないよう見守っています。3〜5歳児では、意見が違ったときには子どもたち同士で解決できるような場の設定をしたり職員が仲立ちをしたりして助言をしています。子ども一人一人の育ちに必要なことは何かを第一に考え、職員が一丸となって子どもたちが遊びたくなる環境作りに取り組んでいます。
 地域にはどんな施設があるのか、散歩のときは子どもたちが確認できるように指導しています。駅前の商店や交番、消防署、そして駅などを観察しています。区の図書館にも行って絵本を借りたこともありました。散歩のときは、出会った方々とは親しくあいさつをするように指導しています。他園との交流として5歳児が訪問したり、日常的に散歩に出かける公園では他園の子どもたちともいっしょに遊んでいます。町内会のお祭りは、子どもたちが参加できるようにお知らせを玄関に掲示しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

 慣れ保育については、入園時説明会で基本的な考え方や具体例を説明しています。慣れ保育は必須とせず、保護者からの希望や、園が必要と判断する場合にのみ、園と保護者が相談のうえ実施しています。特に0歳児の場合は、乳幼児突然死症候群(SIDS)を含めリスクが高いことをていねいに説明し、保護者が判断できるように配慮しています。実施する場合は、子どもの様子や保護者の心情、仕事の状況を尊重しながら、無理のないように日々調整して進めています。新入園の子どもが安心できるよう、心のよりどころとなるタオルなどを預かって個人用ロッカーに備えたり、特に0歳児は抱っこやおんぶをしたりして愛着関係を築いています。また、在園の子どもたちにも配慮し、進級直前には移行期間を設けて、新しく担当する職員が保育に入るなど環境変化をゆるやかにしています。
 「入園のしおり」に苦情解決の体制について、園の苦情解決責任者と受付担当者、第三者委員と、5通りの受付方法などを明記し、入園前に必ず保護者に説明しています。受付方法として、法人のご意見・ご提案デスクへの電話やメールによる申し出、連絡帳や面談、アンケートによる申し出、また第三者委員へは直接申し出ることができることを記しています。園では保護者からの申し出を待つだけでなく、保護者の様子に職員が配慮し、気づいたことを昼礼で報告して、降園時に施設長が声をかけるなど速やかに対応しています。青葉区や横浜市の各種相談窓口の情報が載っている子育てワクワクMAPを、保護者が自由に持ち帰れるよう玄関に設置しています。
 「入園申込(健康等調査票・生育歴)」には、保護者の連絡先及び「緊急連絡時の連絡順」として5名まで記入してもらっています。事故が発生した場合は速やかに応急処置を行い、受診が必要と思われるときはマニュアルに沿って法人本部に連絡して指示を仰ぎ、医療機関と連携して対応しています。受診をした場合は事故記録簿を作成し、緊急事故防止委員会を開催し状況を共有するとともに再発防止策を検討し改善に努めています。けがの大小にかかわらず、保護者に謝罪し状況をていねいに説明しています。ヒヤリハット報告書、インシデント報告書、事故記録簿はファイリングし全職員が読んで内容を把握しています。

4 地域との交流・連携  地域の子育て支援ニーズについては、園の子育て支援担当者が中心になって、「ちきんえっぐ」の参加者の様子や活動内容を振り返り、今後の参考にしています。また、横浜市の同法人系列園の「地域子育て支援年間計画策定会議」には施設長が参加して情報交換しています。一時保育は急に用事ができて一時的に子育てができない保護者のために、その保護者の子どもを受け入れています。「ちきんえっぐ」は毎月計画的に開催し、クッキングやこいのぼり製作、おもちゃの広場、ベビーヨガ、水遊びなどを行っています。こうした子育て支援事業のお知らせは、情報誌「ちきんえっぐだより」を園の掲示板に貼って、地域の方々にお知らせしています。また園のホームページでも発信しています。
 ボランティアについては、絵本の読み聞かせやフラダンス、音楽演奏などを受け入れています。また、将来の保育士を目ざす学生のボランティア体験者も受け入れています。今年度は高校生を2日間受け入れました。受け入れにあたっては、「ボランティアオリエンテーションシート」に従って、園での守るべき事柄を施設長が説明し承諾を得ています。説明は施設長が行っていますが、実際の活動はクラス担当者が指導しています。最終日には感想文の提出をお願いしています。今年度の高校生は、給食に出たみょうがを子どもたちが嫌がらず食べているのに驚いたと感想文に記していました。
 相談内容によって、相談者に正確な情報提供できるように関係機関の連絡先をリスト化して事務所に掲示しています。病気については園の嘱託医などの医療機関を、配慮の必要な子や障がい児については青葉区の地域療育センターあおばを、虐待については横浜市中央児童相談所や横浜市神奈川福祉保健センターを、また、子育て全般については青葉区のこども家庭支援課をリストに載せています。こうした関係機関との連携は施設長が担当し、会合にも出席しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園の利用希望者には「入園のしおり」やホームページで情報提供しています。来園者には「入園のしおり」を配付し、園の保育内容を詳しく説明しています。園はどんな願いをもって子どもたちを保育しているのか、また、どんな子どもに育てたいのか、その保育理念や保育目標をまず説明し、一日の活動内容や園が力を入れて取り組んでいる保育の特徴などを紹介しています。こうした情報は、横浜市や青葉区にも園の情報を提供していますので、市や区のホームページからも園の事業内容を確認できます。また、地域の子育て支援事業についてもおたよりを発行し、入園前に参加できるよう情報を提供しています。
 保育に携わる者としての守るべき法・規範・倫理は就業規則や「保育品質マニュアル」、法令遵守規程に示されています。特に「保育品質マニュアル」には、個人情報保護や保護者・子どもの人権、虐待防止など考え方を掲載しています。新人職員は法人本部の新人研修会で教育を受けていますし、在職の職員も必要に応じて園会議で再確認しています。特に他施設での虐待の報道があったときは園会議を開き、子どもの人権について考えを新たにしています。また、園で子どもがけがをした場合は、法人本部に報告し適切な処置をとるように指導しています。財務状況は法人としての情報をホームページで公開しています。
 園では重要な意思決定をした場合、保護者にていねいな説明をしています。例えば、法人で今年度、保護者への連絡をスマートフォンで行えるようにしました。導入直後は不備な点があり混乱がありましたが、その都度改善策を説明し徐々に問題を解消しました。今では保護者から便利になったという感想を得ています。また遠足の行き先を動物園に変更した事案も、事前に保護者に説明しました。事業計画の策定にあたっては、異なる部門の職員で検討会を開いて決定しています。
6 職員の資質向上の促進  研修受講については、年度初めにアンケートを行い、職員の希望を聞いています。その希望に沿って職員に必要な研修受講を認めています。研修受講にあたっては勤務シフトを調整し、必ず受講できるようにしています。非常勤職員も希望すれば内部研修や外部研修の受講を認めています。内部研修は今年度は絵画指導の研修を行いました。また系列園と合同で、「子どもの心をのぞいてみよう」と題して、気になる子についての研修を実施しました。研修受講後は報告書を作成し、報告会を行い研修の成果を園全体で共有します。
 「スキルアップシート」に記載されている自己評価のためのチェック項目は職員の達成すべき期待値を示しています。階層別に用意されていますので、職員は自らの経験やスキルに応じて、自己評価を行っています。保育活動に取り組むにあたり、基本行動は「保育品質マニュアル」に示されています。ただし状況によってマニュアルで判断できない場合は、職員の判断に任せています。しかし、事後、どのような判断をしたのか、施設長や本部に報告を義務付けています。保育業務の改善を職員から募るため、「プロポーザルシート」を活用しています。今年度は遠足の行き先について職員から提案がありました。施設長は年2回、職員と個別に面談し職員の満足度や要望を聞いています。
 保育業務にあたっては各職員が適正に業務を行えるように、法人では「保育品質マニュアル」や「コンピテンシー(高業績を達成するための行動特性)」を作成し、各職員に配付しています。非常勤職員にも配付しています。業務遂行にあたって、正規職員と非常勤職員を組み合わせていますが、それぞれに過重な負担がかからないように配慮しています。当園の非常勤職員は意欲の高い職員が多く、自らのスキルを磨いています。そこで非常勤職員にも園内研修や外部研修の受講を認め、ともに向上するように援助しています。施設長は非常勤職員も正規職員と平等に扱い、楽しく業務に取り組めるようにしています。

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