かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク高津えきまえ保育園(6回目受審)

対象事業所名 アスク高津えきまえ保育園(6回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0001
高津区溝口3-8-17
tel:044-833-5590
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
<施設の概要>
 アスク高津えきまえ保育園は平成24年4月1日に開所された1歳児から5歳児までの定員60名で、現在58名在籍の中規模園です。園は、東急田園都市線高津駅より徒歩5分、6階建て民間マンションの1、2Fにあり、裏通りの静かな環境に立地しています。園庭がないので、天気の良い日は、積極的に近隣公園などに散歩に出かけるようにしていますが、野菜などの栽培は、2Fベランダでプランターを利用するなど、工夫して行っています。
<施設の特徴>
  園は「すなおで元気で明るい笑顔・あいさつがきちんとできる子」を職員の総意で園目標として打ち出し、これを保育課程、指導計画に展開して位置づけ、全職員一丸となって保育にあたっています。また設置法人から派遣された「英語教室」「体操教室」「リトミック」などの専門講師によるプログラムに加えて、幼児教育プログラム、工夫されたクッキング保育などは保護者から大好評です。


【特に優れていると思われる点】
1.工夫された避難訓練
 消防署の協力のもと毎月実施する火事や地震を想定した避難訓練では、屋内で子どもたちは卵の殻やブロックをまき散らした床の上をよけながら歩き、靴を履かずに避難すると大変なことを体験し、さらに、2歳児以上は週に1回、各部屋に備えてある避難靴を履く練習を行っています。また、身を守る姿勢として、日頃訓練している頭を抱えて身を低くする「ダンゴ虫のポース」が、みな、しっかりと身に付いています。


2.人とのかかわり方の立案と実践
 指導計画には、「やさしい言葉で友だちと関わるように保育者が見守りながら適切な言葉を示し促す」「それぞれの思いを受け止め言葉を添えたり代弁していく」「仲立ちをしていく」「相手の気持ちを一緒に考える」「子どもたち同士で解決していけるように促し見守る」など、発達過程に応じた計画を立てています。他の子を押してのトラブルでは、押した子と押された子の双方に気持ちを聞き、押した子とは、押された子の気持ちがどうなのかを一緒に考え、その後二人に仲直りの声かけすると、二人はハグをして仲直りをする場面がありました。


3.全職員一丸となった、事業計画の実行
 平成29年度事業計画では、園長は全職員に備品、写真、ホームページ、食農、誕生会、避難訓練、行事など複数の仕事を分担させ、全員で園の運営を支える体制を構築しています。重点課題の@「地域との交流」で24項目、A「異年齢保育」で20項目の具体的行動を打ち出して、一つ一つの行動について責任担当職員及び補佐職員を指名して、計画の実行にあたっています。職員会議、ミーティングでは各課題の進捗状況を全職員で確認し合い、協力し合って、園一丸となって計画を進めています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.地域ネットワーク内での協働のさらなる推進
 現在、園では地域関係機関の諸集会・諸行事に出席して、地域の課題解決のための諸活動に参加しています。高津区内での認可保育園は40保育園で、アスクはその中で5保育園が存在することからも、子どもたちの抱える共通的諸課題の積極的な解決に向けて、アスクがさらに一層その役割を果たされることを期待いたします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・基本方針が、「子どもの『自ら伸びようとする力』を育てる保育」「こどもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす『五感で感じる保育』の充実」など、子どもを尊重したものとなっており、玄関に掲示をして、懇談会の時に保護者へ説明をし、職員の行動規範となっています。運営理念「安全・安心、子ども・保護者本位、想い出に残る保育、職場環境の充実」は、設置法人の目指す、子ども本位の保育方向を読み取ることができます。


・職員会議では、虐待防止マニュアルに沿って、事例研修を行っています。何気ない動作や名前の呼び方、保育士の声の大きさなど、子どもの気持ちに配慮した支援を行っています。今年度は園の事務方の主導による「職員教育」を立ち上げ、子どもたちを適切に支援していくためには、職員の立ち居振る舞いが大切であるとの考えを実行に移しました。今後も続けていく計画です。


・設置法人には個人情報保護マニュアル、プライバシー保護規程があり、職員は入社時研修やその後の園内研修で子どもや保護者のプライバシー保護について学んでいます。職員は園外では子どもの名前を出して話はしないなど、普段からこまめに伝えています。子どもや保護者に関する情報を他機関(療育センターなど)とやりとりする必要が生じたときは、必ず事前に保護者の同意を得ています。


・赤は女の子、青は男の子など色のイメージを付けることはしない、男の子でも、おままごとでスカートをはいたり、劇でおばあさん役をやりたい子どもにはしてもらうなど、性差に先入観を持たせないようにしています。


・外国籍の子どもがいた時は、ハロウィンやクリスマスの際にその国の話をして、普段から世界にはいろいろな人がいることや、その国の文化などを伝えています。


・登園時に観察を行い、午睡の着替え時には傷の有無を確認して虐待予兆の早期発見に努めています。虐待の事例を、虐待防止マニュアルに沿って職員会議や昼礼で取り上げ研修を行い、「話せる人いますか」「ひとりで悩まないで」など虐待防止の相談の受付のポスターなどを掲示し、虐待の予防体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・各月の行事後に保護者アンケートを行い、行事以外の意見も自由に記載してもらい、また、毎年受審する第三者評価の利用者アンケートでも、保護者満足度を把握しています。送迎時などの保護者との会話の中でも、保護者からの要望があれば園長に報告します。保護者懇談会、個人面談の際にも、保護者の意向や要望を聞いています。直接言いにくいことは、玄関の意見箱に意見を入れることが出来ます。


・子どもが一緒に遊ぶことができるように、各クラス内にカーペットや机でコーナー分けをし、同じ玩具やスペースでゲームを通じて友達関係やルールなど社会性を学べる環境を設定しています。遊具や絵本は子どもの成長・発達や関心に合わせてクラス内に取り揃え、子どもたちは自由に選んで遊びます。自由遊びの時間には、子どもたちが思い思いの素材を自由に使うことができるように、牛乳パックや新聞紙、画用紙、空き箱、粘土、のり、セロテープなどを用意しています。


・幼児は定期的に異年齢保育を実施し、朝や夕方の時間、土曜日は乳児・幼児が同じ部屋で過ごしたり戸外活動をしています。幼児は異年齢の子どもが各12人の3グループに分かれ顔合わせをし、遊びを通して絆を深めるところから始めます。1月からは「お店屋さんごっこ」を子どもたちで考え、実際に販売するまでを取り組みました。異年齢保育では、年長児が自主的に年少児の世話をするなど関わりを深めてゆく場面や、年少児が年長児にあこがれ、真似をしようとする場面もあります。


・食事をゆっくりと楽しんで食べるために、遊んでいた部屋を清潔にし、席の並びもゆったりできるようにしています。時にはクラシック音楽も静かに流しています。3歳児以上は配膳も子どもたちがします。子どもが楽しんで意欲的に食事をとれるようにするために、盛り付けも量を本人に確認して盛るようにしています。


食育の実施に当たっては、子どもたちが食物に関心を持てるように、ベランダでオクラや葉物の栽培を行って収穫し、クッキング保育では、子どもたちの成長に見合った段階でのそれらの調理を行って、食物に対する関心を持てるようにしています。試食会と親子クッキングを、2年に1回交互に行っています。親子クッキングでは幼児クラスから取り組んでいる味噌作りを紹介し、一緒に試食をしたり、味噌をこねたりしています(「天地返し」もしています)。


・1、2歳児については、毎月作成する個別月間指導計画での子ども一人一人の観察に基づき、食事・トイレ・衣類の着脱などについて保護者とも緊密な連絡をしながら行っています。特に、トイレットトレーニングは、1歳後半より子どもに無理のかからないように、家庭と連携し、月齢や発達に配慮しながら進めています。


・午睡に関しては、子どもの状況をよく観察して、発熱(微熱)や元気がない状態などの場合、子どもの年齢・発達状態に応じ、休息や午睡の時間を長くするなどの対応をしています。状況によっては午前寝もさせています。5歳児は就学に向けて、9月から午睡を無くしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・見学、入園説明は、パンフレット「入園のご案内(重要事項説明書)」を用意し、対応しています。ホームページには、保護者からの掲載承諾を得たうえで、子どもたちの園での様子を写真にて掲載しています。見学は原則、希望者の都合に合わせるようにしていますが、園からは、午睡後の遊びの時間帯での見学を勧めています。


・2月の入園前説明会には保護者に子ども同伴で来園してもらい、園長、本部担当者、栄養士が「入園のご案内(重要事項説明書)」をもとに、延長保育料や補食代、夕食代、3歳児以上の主食代など、毎月の費用明細について詳しく説明し、他の職員が子どもの様子を丁寧に観察し園長にレポートしています。


・保育課程は各年齢別に養護・教育についてクラス担任が関係する職員合議で作成し、園長が全年齢についてまとめています。年齢別の指導計画は保育課程をもとに、クラス担任が担当職員との協議の上作成し、園長が承認して確定しています。指導計画には事前に把握できた保護者や栄養士、必要に応じて本部発達支援担当者の意見なども取り入れています。栄養士は各クラスの育ちに合わせ、食育計画をつくり、ねらいや職員・栄養士の関わり方、食に関する保護者との連絡などを行っています。


・年間指導計画は4〜6月、7〜9月、10月〜12月、1〜3月と期間を区切り、年4回定期的に見直し、月間指導計画は月末に、週案は週末に、クラス担当職員間で振り返り、見直しを行っています。クラスリーダー、クラス担当職員による日案、週案、月案の変更の必要性が生じた場合には、園長に報告の上、変更しています。天候・子どもの体調や遊びの発展状況に応じて週案の計画を変更し、赤ペンで計画を修正して全職員が把握できるようにしています。修正した指導計画は各保育室にも貼りだし、保護者にも見てもらっています。


・入園時に保護者を通して把握した家族構成や家庭環境・発育・疾病・アレルギー・投薬状況などは、個人個人の違いを尊重して、日々の保育で活用しています。食物アレルギー対応は、医師の指示書、川崎市健康管理委員会からの承諾書に従った食事の提供を行っています。なお、誤食管理には調理段階、受け渡し段階、配膳段階でチェックに万全を期しています。


・嘱託医による健康診断、歯科健診などの健診結果はクラスごとの「個人健康記録票」と「すこやか手帳」に記載しています。健康診断の結果は、お迎え時に伝えるとともに、すこやか手帳に記録をし、家庭に返却し、確認してもらっています。すこやか手帳は園の施錠できる書庫に保管しています。園では、健康診断・歯科健診の結果を必ず保健計画に反映させ、必要な保育内容の変更などを行っています。


・年齢に関係なく散歩時には歩道の歩行、横断歩道の渡り方、交通信号の見方などを、交通ルールを実地に覚えるように支援しています。


・感染症対策として、園でも家庭でも、手洗い、うがいの大切さを教え、園では「黴菌チェックマシン」を使って手洗い方法を指導しました。子どもの成長・発達に従って行動範囲が拡大するため、拡大した行動範囲の安全性に留意しています。


・火事や地震を想定した避難訓練を消防署からの助言を受け、毎月実施しています。子どもたちは訓練時の合言葉「お・か・し・も・ち」(押さない、かけない、しゃべらない、戻らない、近づかない)が身に付き行動が素早くなっています。避難訓練では、屋内で卵の殻やブロックをランダムに並べた上を歩かせ、靴を履かずに避難すると大変なことを体験させ、2歳以上は週に1回避難靴を履く練習を行っています。また、身を守る姿勢として、日頃訓練している頭を抱えて身を低くする「ダンゴ虫のポース」が身に付いています。


・玄関に、園の苦情受付責任者、第三者委員2名の案内や、高津区の子ども支援室のポスターの掲示、行政からの相談窓口のお知らせを玄関に置き、複数の相談方法や相談先があることを分かりやすく伝えています。保護者には送迎時に積極的に声かけをしています。保護者より相談や苦情を受けた際は、個別にゆっくり安心して話が出来るように事務室や空き保育室で対応をしています。

4 地域との交流・連携

・設置法人のホームページや園ホームページでは、施設の紹介や、活動情報を写真入りでわかりやすく伝えており、高津区役所にもパンフレットを置いて情報を開示しています。「入園のご案内」には運営理念、一日の流れ、施設見学の案内、日々の健康管理などを掲載し、園の見学者、行事参加者などに配布しています。今年度より保育園のブログも始め、保育園の様子を分かりやすく伝えています。


・地域の商業スペース(溝の口)への七夕飾りの出展や、作品展のウエルカムボードの出展、お菓子の家などの立体作品、ハロウィンの行進に参加しています。


・育児相談の案内をエントランスに掲示し、地域の子育て世代に門戸を開放しています。年間100件を超える見学者を受け入れ、見学の折には育児相談にのっています。後日、手紙にて回答するケースもあります。


・園は、毎年1回、地域の方々を招いて人形劇観賞や地域のNPO団体による演奏会を開いています。


・ボランティア受け入れに関するマニュアルがあり、積極的にボランティアを受け入れています。「ボランティア受け入れガイダンス」により、開始前に守秘義務やプライバシーの尊重などを説明しています。本年度は1人の方が季節ごとに、夏祭りの手伝いやクリスマスでのサンタ役などを演じてくれました。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・就業規則内に職員の守るべき服務規律、倫理規律が定められ、「保育園業務マニュアル」「個人情報管理規定」には、法令遵守、個人情報の安全管理が規定されていています。職員への周知及び法令・服務規律・倫理の遵守では設置法人の入社時研修や園内研修があり、その他設置法人のコンプライアンス委員会の案内を職員の更衣室に掲示し、職員の法令遵守の徹底に努めています。


・設置法人の保育に対する基本方針「自ら伸びようとする力、後伸びをする力を育てる保育の実践」に関して「入園のご案内(重要事項説明書)」、パンフレット、保育課程に記載し、職員の行動規範としています。


・理念・基本方針については、入社時研修や階層別研修を全職員が受講し、職員全員に周知しています。園長は毎月の職員会議や昼礼に出席し、会議の中での討議内容を見て、錯綜しかけた議論を整理する意味で、議論のベースを理念へ立ち戻らせることを提唱したりして、理念の再認識を働きかけています。


・理念・基本方針について、入園説明会や運営委員会では、設置法人により分かりやすく構成された「入園のご案内(重要事項説明書)」により説明しています。


・園は理念・基本方針の実現を踏まえて、5年後の園のあるべき姿を長期目標として定め、それに到達するために3年間の中期計画を設定しています。5年後の長期目標「明るく誰からも愛され、人にやさしくできる子」「ルールを守れる子」から、「地域交流」と「保育内容を充実させる」を課題として、中期計画の各年度に振分けています。具体的課題として@「いろいろな人と交流し、自園の存在を広く知ってもらうこと」、A「子どもたちが、地域の方々と交流して、いろいろな人がいることを知る」、B「園内研修で知識を深める」、C「異年齢交流」を取り上げた上で、各年度に具体的アクションを振り分けています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人制定の「保育士人材育成ビジョン」の中で、保育士として求められる役割や能力、専門技術や資格は職員の経験年数や役職に応じて示されています。


・職員一人一人について、新入社員や年次、資格に応じて設置法人で階層別研修や、自由研修が組まれ、社員研修が行われています。園長は職員一人一人の保育スキルや経験能力から、その職員が受講すべき研修項目を自由研修スケジュールから選択して受講を勧めています。個別研修計画は園長の助言、指導を受けて、前期実績から次期受講研修を見直しながら進め、受講後はレポートの提出をさせています。研修報告書の書式には、「役に立ったか?何を学んだか?どのように保育に活かしたいか?」などを問う記述欄があり、受講した本人は、本研修の意義の有無を判断し、その点もレポートしています。


・園長は毎月、職員の出勤状況、残業状況などを本部に報告しています。また毎月有給休暇消化率や休憩時間実態、トータル時間外勤務などを把握しています。職員の残業時間などが過剰になりそうなときには、日中の保育シフトを調整して、少しでも日中に事務処理ができるように配慮します。


・園では将来の保育人材の育成を目指して、積極的に保育実習生を受け入れており、実習にあたっては、学校側の要請や実習生の希望を聞いたうえで、保育士実習プログラムを作成しています。本年度も1名の実習生を受け入れています。

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