かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスクさぎぬま保育園(10回目受審)

対象事業所名 アスクさぎぬま保育園(10回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0004
宮前区鷺沼1-22-6
tel:044-860-2708
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 アスクさぎぬま保育園は、平成20年4月に開園しています。園は東急田園都市線「鷺沼駅」から徒歩5分ほどの住宅街にあり、鷺沼小学校の向かい側に位置しています。園舎は鉄骨2階建で優しいピンク色の外壁に覆われ、1階を乳児の保育室、2階を幼児の保育室としています。現在、0歳児6人、1歳児10名、2歳児11名、3歳児9名、4歳児12名、5歳児12名の計60名の定員数の園児が通園しています。
 徒歩圏内には、乳児から幼児まで楽しめる鷺沼公園や他にも大小の公園があり、日常の散歩コースは目的によって選択することができます。
 運営法人の株式会社日本保育サービスは首都圏を中心に全国179の保育園や学童・児童館施設などを幅広く運営しています。 
 園の目標には「げんき!やるき!ゆうき!を育てよう!」を掲げ、子どもたちが一日を楽しく元気に過ごし、日々の保育活動からやる気や勇気が育まれる保育を目指しています。外部専任講師による体操・リトミック・英語プログラムを取り入れ、楽しむ心や学ぶ楽しさを育むプログラムとして実施しています。


<特によいと思う点>

げんき・やるき・ゆうきを育む実践活動

 保育園の周辺には、遊具やアスレチックを備えた公園がたくさんありますが、天候に左右されることなく、広い保育室を利用し、子どもたちの運動機能を十分に活用できるようボルダリングを取り入れています。
 壁面に設けられたカラフルなボーダリングウォールは、子どもたちのお気に入りの活動です。ただ壁面を登りきるだけでなく、パズル的に挑戦する気持ちやホールド(突起物)に掴まって、どう登るのかの思考力・集中力・忍耐力・そして登りきる達成感や自信にも繋げることが出来ます。子どもたちにとって「げんき・やるき・ゆうきを育む」刺激的な活動の一つです。  


入園時に配布する「入園のしおり」・「入園のご案内」の配慮

 入園は保護者も園児も新しい環境に不安を感じる時期ですが、不安軽減のために「入園のしおり」などに、園の方針、保育の内容や必要な持ち物など、丁寧に記載し、口頭でも説明を加えています。
 特に子どもが成長していく過程で、避けて通れない子ども同士のトラブルについて成長過程の通過点とする園の考えを事細かく記載しています。年齢ごとの子どもの成長の特徴に合わせながら危険のないよう仲立ちをし、子どもたち同士が問題に気づけるよう支援をすることやトラブルが発生した場合には、保護者の理解や協力も仰ぎながら共に子育てをしていきたいと伝えています。


職員のチューター制度

 法人では、新入保育士に対して先輩保育士が半年間、マンツーマン方式で指導を行うチューター制度を取り入れて、きめ細かな指導を行っています。配属された園では先輩保育士と組み、保育に関する知識、技術を身につけていきます。保育についてはもちろんのこと、入社時の不安やストレス軽減のために相談やアドバイスを行い、新人保育士の育成とサポートを全面的に行っています。
 この仕組みにより、新人保育士の育成とともに先輩保育士のスキルアップにもつながり職員の資質向上につながっています。


<さらなる改善が望まれる点>

地域との積極的な交流と連携

 年度事業計画の「地域との交流と連携」では、毎年、園の行事招待客の参加が少ないことが課題です。受身的な交流活動だけでなく、園の専門性を活かせる取り組みとして「保育士が勧める絵本」など、日常の保育で子どもたちが好きな活動を目に止めやすい場所に掲示することが求められます。
 また、敬老の日に高齢者施設へ訪問、自治会主催の行事などに園児らと一緒に参加するなど、園からも地域住民と積極的に交流する機会が望まれます。 


ノウハウが活用できる記録方法・ファイリング方法

 園では業務ごとにマニュアルを整備して、全体をまとめた「業務マニュアル」をファイルして活用しています。保育内容に応じて、内容を詳しく記録・記載したファイルを数多く整えています。
 しかし、記録が多岐におよび詳細に記載されているため、確認したい時は、それぞれ1枚ずつ検索し、判読していかなければならず活用するのに手間取る場合があります。貴重な事例を活用するためにも、記録方法に「分類」や「進捗状況」、「今後の対策」などの検討が望まれます。記録する際の表紙に工夫するなどの標準化により、全体を把握でき、貴重な情報を活用できるような工夫が期待されます。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

子どもが自由に発言し、自分で考えて行動できる機会を多く設けています。職員は子どもの人権を尊重し、一人一人の思いを受け止め、決して無理強いをせず、気持ちを汲み取り、受け止める保育に努めています。自分の思いを伝えられない子どもには、落ち着いて話せる場所や話しやすい職員が寄り添うなど、子どもの気持ちに配慮した支援をしています。


虐待の防止・早期発見の取り組みには、法人策定の「虐待対応マニュアル」があります。虐待の疑いがある場合は、速やかに園長に報告をし、相談できる体制を整えています。衣服の着脱時や保護者と子どもの様子なども観察し、小さな変化もつかむように努めています。また、職員の言葉遣い、言動や対応が気になる場合は、園長が個別に気づきを促し、園内研修や職員会議で取り上げるなど振り返りの機会を設けています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

日頃から、意見箱を玄関の人目を避けた場所に置き直接意見を言いにくい場合を考慮して保護者の相談、苦情を受けやすい配慮をしています。毎日の送迎時に伝達事項やその日のエピソードを伝える際など気軽に声掛けして話を聞くようにしています。親子行事(運動会、生活発表会、夏祭り、遠足)後には無記名アンケートを実施し、保護者の行事に対する感想や要望を聞き取り、その内容を職員会議での検討を経て次年度の改善策に繋げて保護者に結果を伝えています。


ゆったりした広い保育環境を利用して、保育室を柔軟に区切って合同保育をするようにし、異年齢での交流が展開されています。また、各年齢ごとの保育室も食事、活動、午睡のそれぞれの場を区別して子どもの自由な活動、自由な動きを大切にしています。2歳以上の園児には1人に1冊自由画帳が用意され、自由遊びの時間のお絵かきに使われています。行事後には個性あふれた絵が描かれています。保育室には子どもの絵が飾られ、互いの絵を見ることで、表現を広げることに繋がっています。


「入園のしおり」(重要事項説明書)は、イラストを入れるなど、保護者にわかりやすい工夫がされ、園生活の様々な点に細かく配慮した内容になっています。保育中の子ども同士のトラブルについても、園の対応をわかりやすく説明しています。


各保育室には、掲示物として年齢に応じた危険への対応の仕方を記載した文章、配布物を保護者自らチェックする表、食べ物の産地を知るための県名など、年齢に応じて貼る工夫がみられ、安心、安全第一の運営方針に沿った具体的取組が表れています。各保育室入り口は、それぞれのデイリープログラムが貼ってあり、その時の保育状況が確認できます。4、5歳の保育室には、水道付近に手洗い、うがいがきちんと行われるようにとのイラストが貼ってあり、子ども自身が気付いて生活習慣を身に着けられるように配慮しています。


保育園の周辺は、遊具やアスレチックを備えた公園に恵まれ、晴天時には散歩をしたり、公園でのボール遊び、ランニングなど、積極的に体を動かす活動を取り入れ活用しています。出かけられない日にはマット運動を行う等体を動かすように努めています。園の壁面に設けられたカラフルなボルダリングは子どもが手足を使い、自由に考え、工夫しながら登ることで、やろとする意欲を生み、上まで行かれた達成感を味わうことができ、他児の様子からも学ぶことができる遊具とし、人気の活動となっています。


子どもの登園時に体調や様子を保護者から聴き取り、伝達ノートに記載します。前日休んだ子や、発熱した子どもについては特に詳しい聴き取りを行い、静かな活動にしたリ、牛乳をお茶に変更するなどの対応を行っています。日中はクラスの伝達ノートにそれぞれの子どものその日のエピソード書いて知らせています。お迎え時には遅番職員より、保護者にその伝達ノートの内容が伝えられます。伝達漏れがないようにチェック欄で職員が確認して家庭との連携が図られています。子どもの様子を保護者に確実に伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

入園時に配布する「入園のしおり」や「ご案内」では、園の方針、保育の内容や必要な持ち物(帽子やカバンは実物を見せ、洋服などの名前の記入場所は挿絵付きで説明)など、園生活の内容を解りやすく説明しています。特に子どもが成長していく過程で避けて通れない子ども同士のトラブルには、それぞれの発達年齢に合わせた子どもの姿や園での対応、保護者の対応なども細かく明記し、成長過程の通過点として寄り添いながら支援していくことを伝えています。


職員間の情報共有として子どもの健康状態や周知したい連絡事項などを「スタッフノート」に記入し、事務室に掲示しています。出勤時には必ず確認のサインをしています。また、各クラスには、個々の子どもの様子を伝える「伝達ノート」があります。職員や非常勤職員が交代しても確実に引継ぎが出来る体制が出来ています。このノートを基にお迎え時には、その日の子どもの様子を伝え、保護者との信頼関係に繋げています。


園内で起きた怪我や事故はアクシデントレポートに記載して本部などの関係部門に報告しています。レポートに記載されない軽微なことも保護者に連絡しています。保育中の発熱や体調不良、怪我などの対応、保護者への連絡について評価を得ており、保護者とより信頼関係を築いています。また、職員会議で事故原因・再発防止策を協議しています。


苦情については「入園のしおり」(重要事項説明書)内に運営本部、園の受付、責任者、第三者委員2名を載せ説明しています。また「入園のご案内」には、苦情解決の仕組みが丁寧に説明されています。入園時に保護者に配布して、園内にも掲示しています。

4 地域との交流・連携

地域の民営保育園の職員らと相互的に園見学や共通課題などの情報交換を定期的に催しています。同じ小学校に通う子ども同士の交流会を他園と共同で年3回開催し、進学に向けての子どもたちの不安解消に繋げています。


年度事業計画の「地域との交流と連携」では、園の行事招待に参加者が少ないことを課題としていますが、受身的な交流活動だけでなく、地域の親子世代に園の特性を活かした「保育士が勧める絵本」などの掲示や子育ての相談・アドバイスなど定期的に開催して、園児らと敬老の日に高齢者施設の訪問や自治会主催の行事に参加するなど、園から積極的に地域住民と交流する機会を設ける工夫が期待されます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

中、長期計画に基づいて毎年事業計画を毎年作成して@保育の質の向上A地域との交流と連携B職員のスキル向上C食育の4つの柱を基に上半期、下半期で振り返り、反省を行い計画を着実に進めています。子どもの発達に合わせて玩具、素材を提供し、子どもの主体的活動、選択に効果を上げています。夏祭り、運動会に招待して地域の方との交流を目指しました。より多くの方の参加を増やすという課題が見えてきましたが、4、5歳児の消防署見学が実現し、計画が進んでいます。


園長は、環境の整備や、業務の簡素化を進めています。不用品の処分、備品の置き方の工夫、保育室のコーナー設定等環境整備を実行することで安全な保育環境を目指しています。また、保育内容の充実を考慮し、現状分析を行い、分担を決めた取り組みを実施しています。実施に際しては、進み具合を見て、各職員のスキルを見極めながら支援しています。職員会議では変更内容や改善点を話し合い、評価に努めています。


園長は、卒園式には在園時の保護者も参加する本園のよき伝統を継続するとともに保護者が意見を積極的に出し、シフトを公平に、休暇を取りやすくすることに努めて、理念として「職員が楽しく働けること」を目指しています。また、一人一人のスキルに応じた役割を複数分担するようにして、状況に応じてはアドバイスしたり支援したりして、全員が園を支えるのだという意識を高めるように気を配っています。

6 職員の資質向上の促進

法人は年間数多くの研修を実施しています。職員の質の向上に向けて全職員が参加できる自由選択研修と義務付けの新卒・2年目・中途入社・主任・園長の階層別研修があます。自由選択研修と社外研修には、職員自身が個人別年間研修計画を作成しています。職員は、前期・後期ごと研修計画の振り返りを行います。園長は本人の保育技術の習得度や能力を見極めながらアドバイスをし、次の研修計画に反映できるようにフィードバックしています。


「実習生・ボランティアの受け入れ」のマニュアルがあります。受け入れの体制は整えられ、過去の実績はありますが、今年度の実習生受け入れ実績はありません。実習生の受け入れは相手のあることで実績につなげることは難しいことですが、次世代育成支援の他に園の新たな発見や振り返りが出来る学びの機会になり、職員の資質向上にもつながります。過去には実績もありますので、今後も積極的に取り組むことが期待されます。

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