かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

めいとく保育園

対象事業所名 めいとく保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人明徳福祉会 
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0008
南区庚台48
tel:045-231-8498
設立年月日 1974(昭和49)年05月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
「めいとく保育園」は、京浜急行線南太田駅から徒歩8分の住宅地にあります。社会福祉法人明徳福祉会が平成22年2月に旧明徳乳児保育所の園舎を改築して「めいとく保育園」と名称も変更し、定員を54名に増員して運営しています。現在は0歳児から5歳児まで53名が在園し、一時保育も受け入れています。

園舎は3階建てで、屋上をテラスとして幼児の遊びに利用しています。立地が住宅街であることから近隣に配慮し、屋外活動は庚台公園を園庭代わりに利用しています。近隣には多くの公園があり、時間や目的に合わせた散歩や戸外活動を取り入れられる環境にあります。

各クラス9名という小規模園の特徴を活かし、2階の1、2歳児クラスと3階の幼児クラスはオープンフロアで、異年齢の縦割り保育を中心に、年齢ごとの活動も行っています。基本的な生活習慣を身につけ、集団の中で「元気な体、考える頭、愛する心」を育てることを保育目標にしています。
 
【特に優れていると思われる点】
1.子どもと保護者への職員の連携した関わり
 一人一人に丁寧に関わり、職員配置を厚くして、子どものことを把握している職員が常にいることで、降園時には保護者に子どもの様子を伝えられようにしています。また、連絡帳や職員間の引き継ぎ用ノートも、できるだけ子どものことを伝えられるように工夫しています。職員は子どものことだけでなく、保護者にも寄り添えるように、南区の研修で学んだ「保護者支援の四つの原則(保護者に対する保育に関する指導など)」を携帯して心がけ、登降園時には園長・主任も玄関で保護者対応をし、保護者の意見や相談を聞き取るようにしています。

2.地域に根差した保育を目指し、地域のネットワークを広げる取り組み
 開所から40年の伝統を受け継ぎながら、地域住民との関係を築いています。地域住民・卒園児保護者・在園児保護者などが快く力を貸してくれる環境にあり、高齢者施設の繋がりなども仲介してくれています。小規模園ではあるものの他園や他施設との関わりを多く持ち、子どもたちは多くの人に囲まれ、様々な体験の機会をもらいながら育っています。近隣商店や交番とも長い期間をかけて信頼関係を築き協力を得ており、勤労感謝の日には子どもたちが感謝のプレゼントを届けています。

3. 保育の質の向上のための取り組み
 職員の経験や職能に応じた研修計画を策定し、園内外の研修に参加しやすいようにシフト調整をして、積極的に受講しています。特に園内研修は、非常勤職員も参加できるように、勤務時間を配慮したり、感染症対応の嘔吐処理研修では、「使い捨てエプロンを作る」という実技研修を取り入れています。また、今年度は第三者評価受審のため、10回以上の会議をもって丁寧に自己評価に取り組みました。外部研修受講後は職員会議で報告会を行って発表し、職員が情報共有できる体制もあり、保育に活かせるようにしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保育士人材育成計画の策定
 人材育成の一環として、職員は園長との個別面談で研修目標を定め、研修計画を策定し、積極的に研修に参加していますが、職員の経験年数ごとの役割と期待水準が明文化されていません。職員の「目指すべき姿・目標」「目標達成のための具体的な取組方法」などを定めた保育士人材育成計画を策定し、職員がキャリア形成やスキルアップに、見通しを持って取り組めるような仕組みを作ることが望まれます。

2.施設運営の方向性を定めた中長期計画の策定
 中長期計画の策定はしていますが、施設運営の方向性を定める内容になっていません。持続可能な施設運営のために、常に先を見据えた課題設定や外部変化に対応できる環境を整えるような、園が進むべき方向を明確にするための中期計画の策定が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念には「子どもの人権や主体性を尊重し、保護者や地域社会と力を合わせて、子どもの最善の幸せのために努力する」を、保育方針には「子どもの健康と安全を基本とし、豊かな人間性といきいきした子どもを育成する」を掲げており、子ども本人を尊重したものとなっています。

・職員に配付している業務マニュアルや職員室に掲示している全国保育士会倫理綱領には、職員の倫理や人権について明示しています。日頃から職員間で、子どもの人権を尊重することを意識し合い、子ども一人一人の気持ちに寄り添いながら、受け止めるように努めています。また、園内研修でも「人権に配慮した保育」を取り上げ、子どもの人格を尊重した保育を行うことを全職員が認識しています。

・乳児クラスではパーテーションなどで小さな空間を作り、活動に応じて分けています。幼児クラスでは、パーテンションやカーテンで仕切り、ほかの子どもの視線を気にせず過ごせるようにしています。子どもと一対一で話す必要がある場合には、事務所や一時保育室を利用することができます。

・守秘義務については、年度初めに業務マニュアルや重要事項説明書の読み合わせを行い、職員に周知を図り、設置法人に誓約書も提出しています。個人情報取扱規程があり、職員には入職時に説明し、個人情報に関する書類やUSBの持ち出しなどを禁止し、指導もしています。個人情報に関する記録は、職員室の施錠できる書棚で保管しています。保護者には、重要事項説明書に個人情報の取り扱いを記載して伝え、園での写真などのネット掲載についても注意喚起をしています。

・子どもたちが性別に関係なく、同じ環境の中でいろいろな遊びに興味を持ち、子どもが考えて自由に遊べるように努め、職員の言動から子どもが固定概念を持たないように、言葉に気を付けています。業務マニュアルには「男女共同参画社会に向けて」の記載があります。常に職員間で声をかけあえる関係性ができていますが、性差について無意識にならないように、職員会議や内部研修などで振り返る機会を持つことが期待されます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・おもちゃや絵本は、子どもが出し入れしやすいように小分けにして低い棚に置いています。また、年齢や発達に応じて入れ替えをしています。保育室はゴザやパーテーションを使用して、子どもが落ち着いて遊べる環境を整えています。

・職員は子どもの遊びや発想を保育活動に活かせるように、子どもの自由な発想に寄り添い共感するように努めています。幼児クラスでは、子どもが絵本や紙芝居の内容を理解し、劇遊びをする中からお楽しみ会の題材を決めています。

・散歩や体育指導のほか、子どもの年齢や発達に応じて公園の遊具を利用したり、室内遊びの中にも体を動かすことを取り入れています。子どもたちの体調を考慮して散歩コースを選んだり、室内遊びにするなど臨機応変に予定を変更しています。

・幼児クラスでは、テラスで野菜や植物を栽培し、育てることの大切さや慈しむ心が育つようにしています。玄関では職員がエビやウーパールーパーを飼育しています。保育室には図鑑や生き物の絵本も置き、子どもが生き物に関心を持てる環境を整えています。

・幼児クラスでは縦割り保育を行っており、日頃から異年齢児の関わりを持つことができています。

・子どもの食べたい・食べようという気持ちを大切にし、職員が声かけや援助をしています。年齢ごとに食育年間指導計画を策定し、幼児クラスではクッキング活動を取り入れています。幼児クラスでは合同で食事をし、異年齢児が組んで当番活動をしています。5歳児クラスでは給食室見学もしています。

・トイレットトレーニングは、「トイレに興味を持って座ることができる」 など園で始める目安を定めており、保護者へクラスだよりで伝えています。また、始める前には保護者にお知らせの手紙を渡しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程は子どもの人権や主体性を尊重するという理念の下、子どもの発達過程に沿い年齢ごとに子どもの発達成長を支援していくように作成されており、子どもの最善の利益を第一にし、各家庭の状況、地域の実態や環境への配慮などを考慮しながら作成しています。

・新入園児受け入れ時の配慮として、慣らし保育の必要性を保護者に説明しています。5日間を目安に徐々に在園時間を伸ばしていますが、保護者の都合を考慮し、期間短縮、延長は柔軟に対応しています。0、1歳の新入園児に対しては、クラスの職員全員で対応しており、個別に主担当保育者を決めていません。

・0〜2歳児については、一人一人の発達に合わせて月間指導計画に基づいた個別月間指導計画を作成しています。また、幼児で特に配慮が必要な子どもについては、個別指導計画を作成しています。

・保護者には、入園説明会・保護者懇談会・クラス懇談会で保育理念や保育方針を説明しています。行事後アンケートや年度末アンケートを匿名式で行い、年度末アンケート実施後は集計し、書面で保護者に報告しています。

・乳児クラスでは連絡帳を使用し、家庭と園の様子をきめ細かく伝えあうようにしています。10項目に分けて園の様子や家庭からの様子などを記載しています。連絡帳の項目の説明は入園時に行い、連絡帳の使い始めには書面も添付しています。

・幼児クラスでは、子どもと保護者の会話の中から子どもから様子を聞いて欲しいという前提で、幼児の活動は「クラスノート」に記入して保育室に置き、保護者に伝えています。天候や感染症などの緊急連絡は、メールシステムを利用して保護者全体に配信しています。

・進級時の引き継ぎは、担任が児童票を基に子どもの特徴や配慮すべき事項を次の担任に口頭で伝え、新担任が聞きとることで、より主体的に把握して所定の引き継ぎ書を作成しています。

・年2回の健康診断と年1回の歯科健診を実施し、記録しています。健康診断や歯科健診の結果は、異常があっても無くても全員に書面で渡しています。身長体重計測結果は、0歳児は書面を連絡帳に添付し、1歳児以上はカード式で保護者へ渡して伝え、確認後に戻してもらっています。また、保護者からの事前質問に対しても書面で回答しています。

・苦情などがあった場合の対応の内容を「苦情記録簿」に記入し、職員会議や毎日の「報告会」で伝えて解決策を話し合い、全員で対応できるようにしていますが、日常寄せられる細かな要望、苦情の記録についての蓄積や整理は不十分な状況です。

4 地域との交流・連携

・近隣住民との日常の関係を大切にしており、散歩中に地域の住民と挨拶を交わす際に、園からの情報を伝えるとともに、園に対するニーズや園見学者の育児相談に応じて、地域の子育てニーズの把握に努めています。

・一時保育の受け入れと貸出図書を行い、地域での子育てを支援するためのサービスを提供しています。南区保育園合同育児講座に職員を派遣し、他園の職員と一緒にふれあい遊びや親子で楽しめるプログラムを提供しています。

・園見学者に園行事など情報提供し育児相談を受けていますが、相談日を設けて定期的には対応していません。

・園は地域の自治会に加盟しており、行事に地域住民を招待し、卒園児や民生委員などが参加しています。

・地域ケアプラザのデイサービスや特別養護老人ホームの高齢者と交流としています。また、横浜市南区幼保小連携事業に参加し、5歳児クラスは近隣の小学校と交流し、就学に向けて給食交流や学校案内交流などを行っています。近隣の高校生企画で商店会協同組合後援の絵画展(ぬり絵)に協力しています。

・ボランティア受け入れマニュアルがありますが、園の姿勢を明確に記載していません。在園児の遊び相手としての卒園児やハーモニカ演奏者などをボランティアとして受け入れ、記録していますが、ボランティアの感想や意見を園運営に反映するには至っていません。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が守るべき法・規範・倫理などは各自が所持している「業務マニュアル」や「就業規則」で明文化されており、常に確認できるようになっています。職員は入社時の「入社時誓約書」「秘密保持に関する誓約書」を提出しています。

・設置法人のホームページで園の経営、運営状況を公開しています。

・設置法人の園長会でとり上げられた他園の不適切な事例を、園で起こりうるリスクとして、職員会議で未然防止に向け話し合い対応策を検討しています。

・園長は南区園長会や横浜市社会福祉協議会社会福祉部会などに出席し必要な情報の収集を行っています。また、設置法人の園長会議でも情報を収集し、職員会議で職員に周知しています。改善課題については全職員で話し合い、保育所全体の取り組みとしています。

・園の中長期的な方向性として、平成29年度〜平成31年度までの中長期計画を策定していますが、中長期的な展望のもとに施設運営の方向性を定める内容になっていません。

6 職員の資質向上の促進

・人材育成の一環として、園長、主任が職員個々の経験年数を踏まえて研修参加計画を策定し職員は研修を受講していますが、人材育成の計画はありません。

・園内研修を実施し、非常勤職員も研修に参加できるように勤務体制を考慮しています。研修受講後は研修報告書をもとに代表会議で報告し、情報、知識を共有して、保育に活かせるようにしています。報告書と資料はファイルし閲覧できるようにしています。

・業務マニュアルは非常勤職員を含む全職員に配付されています。非常勤職の指導担当者は、配属されたクラスの常勤職員があたり、園長、主任も他の職員とのコミュニケーションが円滑になるように配慮しています。

・主任は学校法人主催の「主任保育士講座」を受講し、主任としての役割を学び、スキルアップを図る体制ができています。

・年間指導計画、月間指導計画、週案、保育日誌に評価反省欄があり、計画立案時に計画のねらいを記入し、みずからの実践がその狙いに沿っているか、保育実践を振り返り自己評価できるようになっています。

・「業務マニュアル」職務分担表があり、職種別に職務内容は明示されていますが、経験年数ごとの期待水準が示されていません。

・保育所としての自己評価は、保育理念、保育方針、保育課程に沿ったうえで、学び合う大切さ・その学びの上で全職員が連携して子どもたちの育ちに携わっていくものだという意識の下に行っています。毎年「第三者評価の評価票」を使用して職員一人一人の自己評価を行い、自己評価に基づいて園としての自己評価を行い、園のアピールポイントと課題を抽出し記録しています。保育所としての自己評価は、今年度の課題と取り組み状況並びに次年度の課題を記載して、保護者に配付し公表しています。  

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