かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

えぶちにしや園(2回目受審)

対象事業所名 えぶちにしや園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 パピーランド
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0052
保土ヶ谷区西谷町909-1
tel:045-373-7333
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 相鉄線西谷駅から徒歩3分、商店街を入った住宅地にあります。隣には、西谷地区センターがあります。平成24年4月開設した定員60名(0〜5歳児)の保育園で、現在55名が在籍しています。園舎は木造2階建てで、一階部分を保育室としています。西谷駅近くに同一設置法人の、えぶち保育園、分園があります。近隣に大小様々な公園があり、散歩や戸外活動に積極的に利用しています。
・園の特徴
 園目標は「個性豊かな子ども」「情緒豊かな子ども」「思いやりのある子ども」「何事にも挑戦できる子ども」「主体性・自主性のある子ども」「自分の意思をはっきり伝えられる子ども」「あいさつができる子ども」としています。

【特に優れていると思われる点】
1. 日常的な異年齢交流
 0〜2歳児の保育室は低い仕切りや棚を利用して、隣のクラスの様子が分かるようになっています。3〜5歳児はそれぞれ年齢ごとのスペースで活動しています。クラス合同で「朝の会」や「英語の時間」の活動をしたり、一緒に散歩に出かけたりしています。0〜2歳児クラスでは、食事や午睡の時間帯は、声の大きさなど、お互いに気遣ったりするように職員が子どもに伝えています。隣のクラスの電気が消え午睡が始まると、自然に子ども同士話す声が小さくなったり、トイレへ行くときも静かに移動しています。  幼児クラスでは、日常的にクラスを行き来したりし、子ども同士で言葉を交わしています。縦割りで一斉活動をすることもあります。また年長児が0歳児のクラスに、布団たたみなどのお手伝いに行ったりしています。「○組のAちゃん」「Bちゃん」と名前を呼びあっています。クラスを超えた自然な異年齢交流ができています。

2. 職員の連携によるきめ細かい対応
0〜2歳児、3〜5歳児クラスはそれぞれが、隣接しているクラスと連携して活動内容を調整したり、同じ活動を行ったりしています。クラスとして、集中した活動に取り組みたい場合は、職員同士でこまめに打ち合わせして、ほかのクラスが園外活動を行っている間に活動したり、ほかのクラスが合同で過ごし、十分なスペースを確保できるようにしています。
毎週、週末会議(職員会議)で各クラスの子どもの様子を報告しあい、子ども一人一人について把握し、対応できるよう話し合いをしています。日常保育の中で、ほかのクラスの子どもに話しかけたり、援助をしています。また保護者にも、クラス担当に限らず会話をしています。勤続年数の長い非常勤職員も、子どもや保護者と顔なじみになっており、安心感が持てる存在となっています。第三者評価の利用者家族アンケートでは「職員が話しやすい雰囲気、態度であるか」「保護者からの相談事への対応」には100%の保護者が肯定的な回答を寄せています。

3.地域との関わり
地域に開かれた園として、いろいろな人との交流の機会を大切にしています。園行事の「生活発表会」や「運動会」「卒園式」に近隣住民や老人会、お世話になっている方などを招待しています。毎月の「誕生会」の音楽演奏や出し物、クリスマス会のサンタクロース役、「英語の時間」講師は地域ボランティアの協力を得ています。
散歩や、園外活動で地区センター、地域ケアプラザなどを利用する際には施設を利用している地域の人から、日常的に声をかけてもらったり、会話を交わしています。近隣の複数の老人会と子どもたちが定期的に交流しています。芋ほりやハロウィンの活動に地域の未就園児の参加もあります。近隣の保育園とはプールを借りたり、園に招待されて一緒に遊んでいます。また、年長児は年3回、近隣10園でドッジボール大会やお正月遊びなどで交流しています。年明けには地域のお囃子や、獅子舞が来てくれます。
子どもは、さまざまな地域の人との交流や豊富な体験、地域とのつながりの中で育っています。
 
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.室内遊びの環境設定の工夫
 年齢や発達に応じたおもちゃ、素材などは用意されていますが、一か所に保管管理しており、職員が子どもから聞いて取り出し提供しています。また、保育室で机を片付け、遊びのスペースを確保していますが、それぞれの子どもの興味に応じて、遊び込める環境設定になっていません。子どもが主体的に遊びに取り組めるように、おもちゃなどを自分で取り出せるような工夫や、遊びのコーナーの設定などが期待されます。

2.保護者との連携、交流の工夫  
 園では、保護者の負担感を考慮し、保護者懇談会、保護者向けアンケート、個人面談、保育参観・参加、試食会などの機会は設けていません。園での子どもの様子はライブカメラ設置、園だより、お知らせボード、連絡ノート、送迎時の会話などで伝える努力をしています。
今回の第三者評価の利用者家族アンケート結果の「保護者懇談会や個別面談などによる話し合いの機会」についての項目では、23%が不満となっています。懇談会を実施することは、保育内容などの情報提供を図り、保護者同士の情報交換の場としても有効です。また保育参観・参加などで保護者が子どもを理解し、子育てのヒントを得る機会ともなります。園と保護者がともに信頼しあって、一緒に子育てしていけるような取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念、運営理念は児童福祉法・保育所保育指針に基づき、子どもの人権、主体性を尊重し、分け隔てなく保育を行うとしています。保育方針は「子どもを一人の人間、人格者として認める」「子どもの立場・視点に立って物事を考え共感できること」など7項目としています。保育目標は「個性豊かな子ども」「情緒豊かな子ども」「思いやりのある子ども」など7項目とし子どもを尊重したものとなっています。

・子どもに対しては、丁寧に声のトーンなどにも気を付けて話すようにしています。子どもに話しかけるときは、子どもが自分の気持ちを表現できるように、否定語から入らないように、また、断定的な言葉遣いにならないように配慮しています。

・職員倫理規程に個人情報の取り扱いについて定めています。守秘義務の意義や目的は、個人情報保護方針に則り、全職員に伝え、入職時に誓約書を取っています。

・入園説明会で、ライブカメラを設置していることを保護者に説明し、ライブサービス利用同意書をもらっています。また写真撮影についても入園説明会で保護者に説明しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は、保育理念、保育方針、保育目標に基づき、子どもの最善の利益を第一義に作成しています。保育課程に基づき、年齢ごとにクラス担当職員が話し合い、指導計画を作成しています。子どもの様子、クラスの状態を見ながら、子どもの意見を取り入れています。週末会議で、話し合い、計画には柔軟性を持たせています。

・低年齢児クラスは、月齢や発達に応じ、活動の場や食事の場を敷物や、机、椅子の配置を変えるなど工夫しています。食事、午睡は同じ保育室内ですが、衛生面に留意して機能別の空間を確保しています。4歳児クラスの午睡は5歳児の部屋を使っています。

・子どものおもちゃは十分用意されていますが、保管場所で管理しており、子どもが自由に取り出したり、好きな遊びに落ち着いて取り組めるような環境になっているとは言えません。子どもが主体的に遊びに取り組めるように、おもちゃを子どもたちの目に触れるよう配置したり、自分で取り出して遊べる環境設定、コーナーの設定などが望まれます。

・園庭で、トマト、ナス、枝豆などの野菜を育て、観察日記を描いたり収穫した野菜を食育に使っています。公園で見つけた小動物を園に戻って図鑑で調べています。クワガタやカブトムシを飼育して観察したり世話をすることが、命の尊さを知る機会となっています。

・近隣商店街を通って散歩に行っています。複数の公園から目的に応じた公園を選んで出かけ、季節の移り変わりを知ったり、実のなる木を見たり、川沿いの道を通りカモを観察したりして、自然と触れ合っています。

・職員は、全クラスの子どもの様子を知っており、どの子どもにも丁寧な言葉遣いで接するようにしています。子どもとは、目を合わせて話しかける、スキンシップをとる、声のトーンに気を付ける、まずは子どもを受け止めて話を聞くなどを心がけ、子どもとの信頼関係の構築に努めています。

・食事は子どもの様子を見ながら、子どもに盛り付け量の希望を聞き、減らすなど個々に対応し、完食の喜びを感じられるようにしています。年齢ごとに食育計画を作成し、年齢に応じて、配膳の手伝いや、調理体験を通し、調理の楽しさや、作ってくれる人への感謝の気持ちを持てるようにしています。

・午睡は眠くなくても体を休める必要性を伝え、布団の上で休むよう促しています。乳幼児突然死症候群対策として、0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとに、子どもの体に触れて呼吸と顔色をチェックし、2歳児は20分ごとに目視で呼吸と顔色を確認し、午睡シートに記録しています。年長児は年明けから午睡時間を短縮し、2月からは一斉活動とせず、就学に向けてリズムを整えています。

・トイレットトレーニングは子どもの個人差を考慮し、保護者と連携を取りながら、個々のペースで進めています。

・地域の施設利用や交流については、西谷地区センターや川島地域ケアプラザ、川島公園こどもログハウスを利用しています。地域になじみの園として、老人会や、近隣の保育園、小学校との交流を頻繁にしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

ならし保育については、入園説明会で保護者に説明しています。保護者に配付する「重要事項説明書」にならし保育の日程を記載してありますが、各家庭の都合を考慮し、時間などを決めています。

・「児童健康台帳」「児童票」「面談アンケート」を個人別ファイルにまとめています。入園後の、毎月身長・体重の記録は「児童身体測定記録」に記録し、健診結果はクラスごとの「健康台帳」に綴じこんでいます。子どもの個別ファイルは事務室の書庫に保管してあり、職員は必要時いつでも、事務室内で確認できます。

・食物アレルギー、発達の遅れなど特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。発達障害について、保護者支援、障がい児との関わりなどの外部研修や、横浜市西部地域療育センターでの講習で学び、受講後は有効な点、保育に活かせる点を週末会議、カリキュラム会議、ケース会議で伝えています。

・虐待防止マニュアルがあります。虐待の定義は、園長や主任が週末会議で、具体例をあげながら説明をしています。園長と主任が「保土ヶ谷区児童虐待防止連絡会」の構成メンバーとなっており、事例や報告事項を全職員に伝えています。虐待が明白になった場合は、保土ヶ谷区こども家庭支援課、横浜市西部児童相談所に通告・相談する体制となっています。

・要望、苦情受付け担当は主任、解決責任者は園長としています。入園説明会で保護者に説明しています。第三者委員2名の連絡先を「重要事項説明書」に記載しています。園内掲示板に苦情申し出制度の案内が掲示されており、第三者委員2名・保土ヶ谷区こども家庭支援課の連絡先が明記されています。さらに保土ヶ谷区の行政機関、関連機関連絡先リスト、横浜市福祉調整委員会、かながわ福祉サービス運営適正化委員会のちらしが掲示されています。

・健康管理、衛生管理、安全管理に関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や、訓練、内部研修、見直しなどを行っています。

4 地域との交流・連携

・園見学時、一時保育利用者の日常の具体的な育児相談に応じ、ニーズの把握をしています。園長が、西谷地区社会福祉協議会、保土ヶ谷区の認可保育所園長会、主任が近隣保育園主任ミーティング、地域連絡会などに出席し、意見交換、情報交換をしています。

・生活発表会や運動会に地域の高齢者を招待しています。地域の老人会や、小学校との交流の機会を多く持っています。年長児が小学校入学に向けて、近隣10園との交流活動「がやっこ」を年3回行っています。

・ボランティアとして、地域の英語講師受け入れ、サンタクロース役、毎月の誕生会の出し物の提供や、本の読みきかせをしてもらっています。

・入園の問い合わせがあった場合は、重要事項説明書の一部を印刷して、説明しています。基本方針や利用条件・サービス内容などについての問い合わせに対しては、主任・副主任・保健師が対応することになっています。見学については子どもが活動している9時30分からと15時45分からを勧めていますが、見学者の希望も考慮して対応しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園のホームページや、「入園案内」リーフレットで園の情報を提供しています。
設置法人のホームページに、事業報告、財務データ、運営状況について公開しています。園玄関内掲示板に、財務データを印刷した冊子を置いています。保土ケ谷区地域子育て支援拠点のチラシや、保土ヶ谷区子育て情報誌に園情報を提供しています。

・「就業規則」「えぶちにしや園運営規定」に職員の守るべき倫理、服務規程を明文化し全職員に周知しています。

・ゴミ減量化、リサイクル分別をしています。牛乳パック、ラップの芯など廃材を使用し、手作りおもちゃの製作に利用しています。給食の残飯をゴミ処理器で乾燥後、園庭の畑の肥料として利用しています。節電節水に努め、子どもにも伝えています。環境への取り組みは、「入園案内」「重要事項説明書」「保育課程」に明文化され、運営に活かしています。

・事業運営に影響のある情報は設置法人で収集、分析しています。園においては、園長が保土ヶ谷区園長会議や行政機関から情報を収集しています。改善課題については、週末会議で、職員に周知するとともに、保育所全体の取り組みとして話し合っています。

6 職員の資質向上の促進

・人材育成については、キャリアアップとして「求められる役割 アカウンタビリティ」に見合った研修計画があります。年に2回、職員は「自己評価票」を使って、自己評価を行っています。

・個々の職員が「自己評価票」をもとに、目標・課題を設定し、「課題票」に記載しています。半期ごとに振り返りを行っています。主任・副主任が面談するほか、年3回の園長面談においても、目標の達成度について評価を行っています。

・研修計画担当は園長となっています。横浜市青年局、保土ヶ谷区、神奈川県子育て支援員研修、療育センター研修などに職員が参加しています。非常勤職員も参加できる体制となっています。研修受講後は報告書を提出し、週末会議で、報告や保育に活かせる点、参考になった点の説明をしています。資料、報告書は回覧したり、いつでも確認できるようファイルにしています。園内研修として、「心肺蘇生法」「救命救急対応」「おむつ替え」「おう吐処理」などを取り上げ非常勤職員も参加しています。

・年間指導計画、月間指導計画、保育日誌に評価反省の欄があり、定型化された書式となっています。子どもの育ちや、意欲、活動への取り組みを重視して、振り返りを行うようにしています。

・経験・能力や習熟度に応じた役割は、「求められる役割 アカウンタビリティ」に記載しています。考課基準として全職員に周知しています。職員は年に2回「自己評価票」で自己評価を行っています。

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