かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市中有馬保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市中有馬保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0003
宮前区有馬3−2−10
tel:044-854-0425
設立年月日 1978(昭和53)年02月01日
公表年月 2018(平成30)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

○施設の特色や努力
川崎市中有馬保育園は、田園都市線宮前平駅から約15分の住宅地に位置しています。園舎の前は国道246号線です。園の設立は昭和53年で約40年の歴史のある保育園です。園の周囲には、住宅のほかにブルーベリーの栽培もおこなわれています。園児たちは、近隣の有馬や東有馬を中心に馬絹、高津等から来ています。この地区は坂が多く、生活するうえで日常的に車が使われており、車での送迎が多く見られます。近隣とは、朝夕の送迎時の駐車に関する取り決めを結び対応しています。
保育定員は120名で現在の在籍者は122名です。鉄筋2階建ての園舎は建設後約40年を経過していますが、職員の日常での工夫や清掃、メンテナンスなどの手入れが行きとどき、園児が安心して過ごせるように整備されています。園庭も整備され、園児が、元気に走り回っていますが安全性が保たれています。園の保育で大事にしている考えは、3つの保育目標として掲げています。「心も体もげんきな子ども」、「感じて考えて表現できる子ども」、「自分も友だちも大切にする子ども」この3つ保育目標を大事に日々の保育を進めています。

○工夫点や特に優れていると思われる点
1.経験の豊富な職員たちの対応や安心感のある保育内容、園の姿勢が保護者の信頼を得ています。
保護者からの高い信頼と安心が寄せられています。経験豊富な職員の対応や安心感のある保育内容、園の姿勢が保護者の信頼を得ています。今回の利用者調査では園の姿勢や職員の対応に関わる項目で高評価を得ています。日頃の保護者との意見交換等での対応や経験に裏打ちされた保育活動など職員の対応について信頼感や安心感を持っています。園長等の指導や職員が自由に提案できる雰囲気、グループでの職員間の連携が保護者の高評価に結びついています。子どもたちの製作物を大切に扱う姿勢や保護者の意見を取り込む活動も信頼を得ています。
2.保育の手順はマニュアルにまとめています。職員にはマニュアルありきの保育でなく子どもの思いを大切にした保育も伝えています。
保育の手順は、園独自のマニュアルとしてまとめられています。マニュアルの作成や改定は職員が主体的に活動しています。毎年12月から1月頃に職員が分担し、見直しを進めています。マニュアルは、運営に関すること、保育の内容、地域支援、緊急時対応等日々の保育に必要な内容が整備されていますが、マニュアルに沿った保育でなく、子どもに沿った保育が大切なことも職員に指導するなど、人を育てる大切さを職員に伝えています。職員一人ひとりが保育に関する考えをしっかりと持って日々の保育にあたっていることが職員面談で感じられました。
3.子どもの思いや気持ちに寄り添う保育を進め、職員もいろいろなアイデアを出し合うなど子どもたちも職員も楽しめる雰囲気が醸成されています。
子どもの最善の利益を保育の基本に子ども一人ひとりの思いに寄り添いありのままの姿を大切に日々の保育を進めています。全体で子どもの意思や考えを尊重した保育について共通の認識を持つためにケース検討会議を行い子どもの気持ちに寄り添い職員全員が同じ思いで保育に関わるようにしています。毎月の会議では「キラキラエピソード」ケース検討会議では「元気がでるカンファレンス」などを行っています。日々の保育や行事でも職員が創意工夫を行い職員も楽しみながら保育を進めています。楽しい園の雰囲気が保護者等にも伝わっています。

○課題及び特に工夫・改善が望まれる点
1.有給休暇の未収得や就業時間の削減など更なる就労環境の改善が望まれます。
予定表を使用し休暇を計画的に取れるよう取得率向上に向けた工夫をしています。5日間の夏休みは協力しあって全職員が取り、毎週水曜日はノー残業デーとし、月4日はハピネスデーとし職員の会議への参加を容赦したり、20年・30年勤務者には5日間のリフレッシュ休暇制度を設けるなど、就業条件の改善に努めています。しかしながら、有給休暇の未収得や残業時間の削減などさらなる工夫が必要です。国の施策として働き方改革が掲げられており、組織としての抜本的な改善を検討する時期に来ていると思います。
2.保育指針の改定内容が保育者に具体的に見えるような全体的な計画の策定が必要となっています。
保育指針が平成30年4月に改定されるあたり、実施に向けて職員が学び「全体的な計画」の策定が求められており、緊急の対応が必要となっています。改正内容についての共通理解を得るための勉強会が行われており、保育課程への取組が進められています。施行時期が迫っており、保育指針の変更が保護者に具体的に見えるように工夫していくことが課題となっています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもの最善の利益を保育の基本に、子ども一人ひとりの思いに寄り添い、ありのままの姿を大切に日々の保育を進めています。子どもの人権の尊重への取り組みでは、保護者へは、年1回、懇談会で人権についての説明や「子どもの権利条例」の冊子配布、話し合いの機会を設け人権に対する理解を深めています。職員の意識向上の取り組みでは、職員会議での話し合いのほか、「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を活用し、意識向上に取り組んでいます。職員が園の取り組みをしっかり理解していることが職員ヒアリングにて確認できました。
・園全体で子どもの意思や考えを尊重した保育について共通の認識を持つためにケース検討会議を行い子どもの気持ちに寄り添い職員全員が同じ思いで保育に関わるようにしています。毎月の会議でキラキラエピソードをケース検討会議では元気がでるカンファレンスなども行っています。キラキラエピソードでは、子どものキラッと光ったところを職員一人ひとりが発表しています。職員がしっかりと日常の保育で子どもを見ることにつながっています。職員みんなの元気が子どもの保育につながるとの考えで、元気が出るカンファレンスも行っています。        
・入園時には保育説明会や一人ひとりとの面談時に説明し園内の掲示については同意書を得ています。園外での研修報告会等での写真使用については都度使用確認をおこなっています。発達巡回相談や専門機関との相談については保護者の同意が必要ですが、同意を得ることが難しい場合もあり時間をかけた対応を行っています。今後同意を得るため対応について学ぶことが課題となっています。保育要録など園外に情報を出す場合にも必ず保護者の同意を得ています。園外での活動時には個人情報は外部に漏らさないことを職員に周知・徹底しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保護者の意向は、多様な方法で把握しています。行事や保育参加、保育士体験などの取り組みでは、終了後アンケートを取り、思いや意見を確認しています。保護者からの意見や改善提案などは、お便りや口頭にて返答しています。改善が難しい内容や時間がかかる内容についても、口頭で返しています。行事等については、アンケートを基に話し合いをおこない保護者の思いを把握し次回の改善に結びつけています。日頃から保護者の声に耳を傾けるほか、懇談会や役員会等で把握しています。緊急の対応を要する場合保護者メールの活用も行っています。   
・プロジェクト活動や異年齢交流で保育の質を高めています。環境プロジェクトでは定期的に会議を持ち室内外の環境の見直しを行い、子ども達が落ち着いて生活し意欲的に遊べる環境づくりをしています。表現プロジェクトでは0歳児から自分で表現することを大切に、職員の共通理解のもとに表現活動を行っています。異年齢交流でも、3・4・5歳児で3人組になり8組約24人を1グループとして3グループを作り、協働で運動会でのゲームやお店屋さんごっこを行うなどの取り組みを行っています。このような取り組みで子どもの成長を促しています。   
・苦情解決については、一人ひとりの話を聞くことを大切に考えています。窓口は園長補佐、責任者は園長と決めています。苦情や意見は職員会議等にて話し合いを行い情報の共有を進めています。保護者へのフィードバックは、利用者や保護者等のプライバシーにも配慮しつつ発達支援コーディネーターや担当のほか保護者が話しやすい職員も参加し個室のつくしんぼルーム等で行われています。第三者委員を選出して苦情や要望を言いやすい体制を整え保護者に明示しています。保育説明会でも、第三者委員の立場や背景等を説明し理解を深めています。
・経験の豊富な職員たちの対応や園の姿勢が保護者等の信頼を得ています。今回の利用者調査では園の姿勢や職員の対応に関わる項目で高評価しています。日頃の保護者との意見交換等での対応や経験に裏打ちされた保育活動など職員の対応について信頼感や安心感を持っています。4月の保育総会での説明は、図や写真等を活用しビジュアルな表現で保育のポイントや年間保育計画、給食等について保護者にわかりやすく説明しています。年2回の懇談会や年7回の保護者役員会でも保護者等の意見を丁寧に聞いています。
・年齢によるグループや座る場所を決めるなど落ち着いて食べることや友だちと楽しく食べる配慮をしています。年長児では食事開始後5分間は食事に集中させるために音楽をかけおしゃべり禁止その後は楽しく会話も行い食事するなど工夫しています。食の細い子には少しずつ盛る工夫も行っています。食事中の子どもたちの表情も明るく楽しく食事しています。園で取れた栽培物はジャムにして食しています。調理保育やおにぎりパーティ、クッキーパーティのほか年4回行事食に取り組み子どもたちが食に関心を持つ工夫をしています。
・子どもの健康管理については保護者と連携をとり健康保持に努めています。健康診断の結果はその日に保護者に伝えています。必要に応じて相談を受け、対応を検討しています。個々の健康状態については看護師が毎日視診にて確認しています。いつもと様子が違う時は、保護者に連絡し重症化しないように早めの受診を勧めています。子供たちには、年2回健康講座を実施し手洗い・うがい、園庭の安全な使い方などを伝えています。また、年4回、保育士・看護師・栄養士が連携し、年間計画に基づいて集会を開き、健康について子どもに知らせています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・利用希望者には園庭開放や体験保育を実施しています。園の見学も年間を通し、いつでも受け入れる体制で対応しています。子育て講座宮前区のSNSを活用し地域に広く情報提供しています。ホームページでも情報提供しています。園の案内やつくしんぼカレンダーで園の保育内容や年間の活動内容を伝えています。入園時の保育説明会では、説明内容をビジュアルに表現するなど、保護者等にわかりやすい工夫をしています。園の掲示板でも、利用者等や地域に園の行事等をお知らせするなど多様な方法で園の活動を伝えています。
・日々の保育の手順は川崎市と宮前区のマニュアルを参考に、園独自の保育園マニュアルとしてまとめられています。マニュアルの作成や改定には、職員が主体的に参加しています。毎年12月から1月頃には職員が分担し、見直しを進めています。マニュアルは必要に応じ、確認することができるように各クラスに常備されています。マニュアルに沿った保育でなく、子どもに沿った保育が大切なことも職員に指導するなど、人を育てる大切さを職員に伝えています。このような取り組みにより、保護者からも、信頼できる落ち着いた保育園の声が聞かれました。
・子どもの家庭等での状況は、朝夕の送迎時に保護者からの聞き取りを中心に把握しています。聞いた内容は毎朝のミーティングで情報共有しています。ミーティングでは、前日の保育での問題点や当日の保育内容についての確認も行っています。ミーティングの内容は、ミーティング用紙に記録し回覧で情報共有しています。日々の保育の内容は、口頭での連絡のほか乳児クラスでは連絡帳、幼児クラスではクラス別の保育記録にて保護者に伝えています。保育実施の記録は、児童票・面談記録・ケース検討記録等に定められた書式にて記録されています。
4 地域との交流・連携 ・地域との連携を深めるため、地域にある子ども文化センター、老人いこいの家、民間保育所と交流し情報を共有しています。つくしんぼカレンダーを発行し、園主催のみんなであそぼう会、絵本の貸し出し、園庭開放や、区の事業としての親子でランチやあそびの広場などの年間スケジュールをお知らせして、ブランチ園としての役割を果たしています。栄養士、看護師による食育講座、健康講座や、体験保育、父親の子育て体験講座、プレママ・プレパパ保育見学会、つくしんぼサロンなどを開催し園の有する機能の地域への提供に努めています。
・保育園・幼稚園・小学校・中学校の園長校長会議に参加し地域の課題を共有しています。幼保小連携事業として、区内の公立・私立保育園や幼稚園の実務担当者会議や、保育園の年長担当者同士の情報交換会に参画しています。子育て支援団体、民生委員、主任児童委員、民間保育所、小学校などとの連携で課題を共有しています。園長間では、集団生活で落ち着かないという小学校小1プロブレムや、集団生活をしていない子どもの就学などの課題について話し合い、保育園でどこまでできていればよいのかなど検討しています。
・ボランティアに対しては内容について確認し申請書を提出して貰って積極的に受け入れています。受け入れ時にオリエンテーションを実施し守秘義務の確認をしています。地域の中学校3校から5〜7人を2日間受け入れ、職業体験実習を行っています。またボランティアによる年長向けお話会を月1回定期的に開催しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・理念・基本方針を基に保育計画を立て、子どもたちが自分でしてみたいという気持ちを引き出すための「感じて考えて表現できる子ども」を重点目標として掲げ、日頃の保育に取り入れています。表現活動について各クラスで実施状況をチェックしながら、クラス懇談会で保護者に繰り返し説明しています。見える保育を心がけており、表現活動の取組状況が分かるようにビデオにとり写真にして掲示し保護者に伝えています。保護者からもポストイットを使い掲示物に貼り付けてもらいコメントをいただくなど、意見の収集に努めています。
・保育課程を基に各年齢の保育計画をその年度の子どもの姿や季節に合わせて作成しています。保育指導計画、食育計画、保健計画、行事計画など各担当者を決め、フリー、リーダー会で業務内容を検討し効率よく計画しています。実施後は関わった職員が課題を検討し、全職員に周知するようにしています。全職員に役割を持たせ、4月から5月に各職員の人事評価の目標を設定し、9月に中間フォローとしてやり方のアドバイスをして、1月に達成の確認をしています。人材育成研修、園内研修を時間内研修を含め積極的に行い全職員の資質向上に努めています。
・保育指針が平成30年4月に改定されるあたり、実施に向けて職員が学び「全体的な計画」の策定が求められており、緊急の対応が必要となっています。改正内容についての共通理解を得るための勉強会が行われており、保育課程への取組が進められています。保育指針の変更が保護者に具体的に見えるように工夫していくことが課題となっています。
6 職員の資質向上の促進 ・職員が自ら学習する姿勢を大切にしており、人材育成の観点から適切な教育の機会が保障されています。研修計画は受講表を作り管理し、平等に機会が与えられるように工夫しています。経験年数や立場により適切な研修の年間計画が子ども未来局や宮前区により策定され、これに基づき受講しています。また、園内独自に職員が必要とする技術や知識の取得のための園内研修を計画し実施しています。園内研修のために講師を探して講演会を開催し、近隣の保育園の職員も誘って一緒に学ぶ機会を設けています。
・毎年職場巡視を受けて、産業医による就業状況の改善を実施し、非常勤・臨時職員を含めて全職員が働きやすい職場環境を整えています。市のえらべる倶楽部などの福利厚生事業や、健康診断を全員が受けるようにしたり、年齢に達した場合人間ドックを受けるようにしたり、健康の維持に努めています。
・予定表を使用し休暇を計画的に取れるよう取得率向上に向けた工夫をしています。5日間の夏休みは協力しあって全職員が取り、毎週水曜日はノー残業デーとし、月4日はハピネスデーとし職員の会議への参加を容赦したり、20年・30年勤務者には5日間のリフレッシュ休暇制度を設けるなど、就業条件の改善に努めています。

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