かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市土渕保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市土渕保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0038
多摩区生田2−14−5
tel:044-933-8942
設立年月日 1979(昭和54)年02月01日
公表年月 2018(平成30)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

○施設の特色や特徴


1.特色
川崎市土渕保育園は、JR南武線中野島駅徒歩15分の府中県道沿いに位置しています。園舎は、鉄骨2階建てで昭和54年開設の公営の保育園です。定員は120名で、生後43日目の産休明け保育やH(平成)29年度より医療的ケアの必要な児を受け入れており、地域の働いている保護者に大切な役割を果たしています。
2.特徴や努力している点
多摩区のセンター園として、経験豊富な保育士や多種の専門職員が配置されています。保育目標では「にこにこ」「きらきら」「すくすく」を掲げ元気で意欲を持ち思いやりのある子を目指しています。広い園庭で子どもたちは元気に走りまわっていました。園では、在園時の保育と共に地域支援事業に力をいれています。地域に開かれた園として様々な保育支援に取り組んでいます。園庭開放、室内開放、絵本の貸し出し等や地域支援ルームでの様々な子育て相談等を行っています。良い保育園というのは「職員」であり、良い保育園とは、「人」であると考え、子どもの最善の利益を考えた保育に職員全員で取り組んでいます。
○工夫点や特に優れていると思われる点
1・経験豊かな職員の知見を活かした良好なコミュニケーションにより、快適な保育環境が整備されていました。
職員間の良好なコミュニケ―ションにより快適な保育環境が整備され子どもたちが元気に明るく生活を楽しんでいました。日常の保育では、クラス会議や乳児・幼児会議、全体会議等で保育を進めるうえでの課題や問題点などを共有しています。議題によっては、小グループでの話し合いも行っています。これらの会議だけでなく日々の保育の中での話し合いを大切にしています。他のクラスとの連携を大切に良い点を学ぶなど職員間で話し合いができる雰囲気づくりを心がけています。職員間の良好なチームワークが保育の基本と考え取り組んでいます。

2.4つのプロジェクト活動を実施しています。各プロジェクトでは保育の質を高めるための取り組みを進めています。
園では環境整備(園内に関する)、防災、園内研修、地域支援の4つのテーマを定めプロジエクトを構築して進めています。職員はこの複数のプロジェクトの内どれかに所属して活動する事が求められています。各プロジェクト活動では、センター園として区保育支援担当と連携し情報収集し、収集した内部・外部情報から複数の課題を選定の上、順序付けを行いメンバー全員で話し合いを行っています。1つの課題の対応方法が決まれば全体会議等で提案し全職員で取り組みを共有しています。この活動で、職員の園全体の運営に関する理解を深めています。
3.職員の質の向上のために、各種研修を計画的に行い保育に活かしています。また、センター園としての活動でも知識や技能の習得に結び付けています。
園では職員の資質向上のための外部研修、内部研修を計画的に行っています。又センター園として「民間保育園との連携」「地域の子ども・子育て支援」機能の充実を求められています。民間連携では保育を公開し民間園と共に保育の質の向上に努めています。園内では離乳食講座、救急法講座、保育体験、プレママ・プレパパ等を複数の日程で開催、地域団体の要請で多くの講師派遣活動も行っています。これらの活動を担当する保育士は計画を立て実践結果チェック次の計画作りと日常の保育だけでは得られない知識・技能の習得に役立てています。

○課題及び特に工夫・改善が望まれる点
1.保護者には、保育説明会や保育参観等多様な取り組みで丁寧な関係づくりに取り組んでいますが伝わっていない部分も見られました。
保護者との関係づくりを大切に考え保育を進めていますが、一部保護者に伝わっていない部分が見られました。園の保育内容は、保育説明会や保育参観、保育参加等多くの場で伝えています。保護者との会話や行事終了のアンケート、お迎えの前の時間を活用したホットカフェの場等、多様な取り組みで保護者の意見や要望を丁寧に把握しています。多様な取り組みで保護者の理解を深めていますが、伝わっていない部分が見られます。保護者への伝え方等について検討が必要と思われます。

2.地域社会の一員として安全確保への対応促進が望まれます。
評価分類にあるように保育園は地域社会との適切な関係の確保が求められています。行事前に近隣にお知らせを配布し、保育園の活動の理解、協力をして頂けるようにしています。安全の確保が重要になって来ており、保護者の重大関心事です。今後警察署及び町内会等と交流を深め、地域全体での安全確保をより一層積極的に進めて行く事が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもの意思を尊重した保育については、毎年、川崎市で行っている人権に関する研修に参加し、研修後に職員会議等で研修内容を話し合い意識の向上に結びつけています。全体職員会議や乳児・幼児会議等で、定期的に日頃の保育について振り返りを行っています。園の運営方針でも、子ども最善の利益を守ることや気持ちを受け止める保育について掲げています。また、日々の保育では、子どもがどのように思っているのか聞き、受け止めることを大切にしています。経験豊富な職員の対応で、子どもたちがのびのびと活動している姿が見られました。
・園での虐待防止への取り組みは、保護者とのコミュニケーションを基本にしています。日頃からの保護者との関りを大切に家庭の環境や保育に関する考えを把握しています。保護者からの相談には耳を傾け想いや悩み等を聞いています。職員は、専門的な立場から丁寧な傾聴を心がけ隠れている本当の想いを聞き未然防止につなげています。朝夕の送迎時に子どもの様子(機嫌、情緒、食事、入浴、睡眠等をとっているか)等の確認をしています。職員には、虐待防止マニュアルで疑われるケースへの対応、チェックシート等について学習しています。  
・個人情報やプライバシーの保護については、入園時には、重要事項説明書で説明し、保護者の承諾を得ています。重要事項説明書では、個人情報使用同意書にて子どもや保護者に関する情報のやり取りについて同意を得ています。研修等外部での写真の使用については、その都度写真に写っている園児の保護者に同意を得ています。近年は、SNS等で保護者からの流出も懸念され、クラス懇談会等で注意喚起をしています。子どもにも権利や人権があることを職員間で共有しています。職員は、子どもの代弁者であることも自覚しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保護者の意向の把握は、保育参観や保育参加、懇談会、個人面談にて把握しています。また、行事終了後にアンケートにて感想をいただいています。お迎えの前の時間を活用したホットカフェにて気楽に相談できる場を設けるなど、多様な取り組みで保護者の意見や要望を把握しています。保護者の意見は、職員会議等での話し合いも行われ園の運営や行事に活かしています。このような園の活動が十分に保護者に伝わっていない部分も見られました。素晴らしい活動を、保護者に伝える取り組みが必要と感じます。  
・保護者の意向は、職員会議等で検討し、懇談会や口頭で保護者に伝え理解を得ています。これらの意見や要望は次年度の計画立案時に活用しています。子どもたちについては、保育園生活を楽しめているかを大切に考え、日々の保育の中で子どもたちの生活を見守っています。日々の保育の現場では、担任だけでなくチームで保育に取り組み、子どもの状況を複数の目で確認し、子どもたちへの保育をサポートしています。チームでの保育により安心感や信頼性の高い保育が進められています。   
・3歳未満児は個別の計画を作成し一人ひとりに応じた保育を心がけています。幼児は発達年齢に合わせた当番活動等のグループ活動や集団遊びなどを取り入れ社会性の拡充や自己肯定感を育む保育を行っています。日々の保育では異年齢保育活動、リズム、散歩等で異年齢との関わりができるような経験をさせています。園庭での栽培物や草花などから自然への興味を引き出し、食育、季節感を感じ、豊かな感性が育つような配慮をしています。制作物はリアルタイムな掲示、写真等で視覚に訴えるような掲示を行い、親子会話のきっかけを作っています。
・前日の保育の状況を保健日誌やミーティングノートで確認し保育を進めています。登園時には保護者から状況を聞き、担任への引継ぎを行っています。健康面での対応は正規職員が対応するように徹底しています。除去食児の持参食の時も、ミーティングノートで確認し給食室で保管にしています。保育園の生活だけでなく家庭での生活も考慮し保育活動に静と動をバランスよく取り入れています。年齢の小さいクラスは午前寝も含めて睡眠時間を考えています。年齢が大きくなるにつれて睡眠時間が一定になるようなリズムを作っています。
・食育への取り組みを大切にしています。食育計画は保育内容説明会等で説明しています。子どもたちには食事の中で音や色、味を感じてもらう楽しい時間になるよう取組んでいます。各年齢で空腹を感じ美味しく食べるように保育の活動や食事時間の設定を工夫しています。年度の前半と後半では食事時間を見直しています。後半では午前中の活動時間を増やすため食事時間を15分程度ずらしています。個々に合った食事量やおかわりにより完食の満足感が味わえるようにしています。栽培物は喫食のほか親子で収穫し家庭でも味わってもらっています。
・看護師を中心に健康集会や指導を実施し病気や怪我の予防をしています。健康集会では子供たちに、目で見てわかるような工夫を行っています。骨の大切さを教える時は骨がないとふにゃふにゃになること、くしゃみでは(くしゃみは)遠くまで飛ぶこと、手洗いではしっかり洗わないと汚れが残ることなどを体験等にて子供たちが理解できるような工夫をしています。毎日の園内の健康状況はインフルエンザに限らず掲示にて保護者にも連絡しています。感染症が発生した場合、速やかに玄関や該当クラスでの掲示や健康だより等で知らせています。 
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・園での保育内容を丁寧に説明し保護者の理解を深めています。保育見学の際には、園のパンフレット等で、保育理念や方針、園の特徴などを知らせています。入園時は、重要事項説明書で保護者に説明しています。保育説明会では、その年の保育の内容や保護者参加の行事についても説明しています。年末保育や休日保育、病児・病後児保育等の利用の際には丁寧な説明をしています。ホームページ等で広く地域に情報提供しています。
・保育に関する計画は、市の保育指針をもとに、保育課程を作成しています。園の特徴である異年齢保育やリズム、食育等の内容を含め、年間指導計画や月案・週案を作成しています。年間指導計画は、クラスの年間計画を乳児・幼児会議で調整し策定しています。振り返りは、クラスでの反省後、乳幼児会議で改善アドバイス検討し次回の計画策定に結びつけています。年度末にも、養護と教育の観点から保育が進められているか、子どもの発達を促す人的・物的環境が整えられているかなどを全体会議等で確認し評価や改善点を次年度につなげています。
・事故等が発生した場合迅速な関係機関への連絡や事故発生報告書ヒヤリハットで原因や改善点を記録検討しています。防災プロジェクト等で未然防止について検討しています。防災プロジェクトでは毎月の避難訓練の内容を工夫し実施しています。年に1回消防署の参加を得て訓練内容を見直しています。職員が月1回園内の安全環境点検を行い子どもが安全に過ごせる環境を整えています。散歩時の災害対応は事前に散歩コースを決め職員が駆けつけられる体制で進めています。今後保護者と防災意識を高めるために防災カード等の取組を検討しています。
4 地域との交流・連携 ・川崎市土渕保育園は川崎市多摩区のセンター保育園となっており、その事に伴って各種活動が行なわれています。保育園の情報は市のホームぺージの一部として施設概要や運営内容の案内等を行っています。保育園独自のものとしては、正門脇に掲示板を設置し、各種行事や事業の内容と応募方法等を案内しています。センター保育園として保育園外での講演や各種支援活動を行っており、活動の場でのチラシ等の配布や関連した公的施設でのチラシの設置等で情報の開示を行っています。又チラシの作成は職員の人材育成にもなっています。
・年間を通して行っている園庭開放や夏場でのプール開放等ハード面の提供をしています。ソフト面では保育士、看護師、栄養士等の専門的知識・技能を活かし各種事業の実施や他の団体・施設への保育士派遣による支援活動を行っています。親子で食事を含む保育体験をする「親子でランチ」これからママ・パパになる人達への子育て体験を行う「プレママ・プレパパ」等を行っています。園外では児童施設「すかいきっず」での「ママと遊ぼうパパもね」への保育士派遣等を例とした多くの機能提供計画に基づく支援活動を行っています。
・次世代育成支援の観点から実習生受入マニュアルを作成し、受け入れ体制を整えています。ハード・ソフト両面を活用して中学生、保育士養成機関の学生、地域限定保育士、地域子育て支援員、潜在保育士等を対象とした保育園体験や実習等の提供を行っています。受け入れ時には担当者を定めオリエンテーションでの基本的活動の説明だけではなく、実践に伴う様々なアドバイスを行い体験内容がより深まるようにしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・理念・基本方針は玄関・2階の廊下、職員室に掲示し関係者の理解を得るようにしています。年度初めに理念・基本方針に基づいて年度毎の運営方針を定め文書化して毎月の全体会議で職員全員の理解を深める話合いを行っています。運営方針に基づいて実施される各種の運営活動に対する役割分担を決め、年度を通した活動を進めています。行事計画の中で園児が関わるものは、初めに実施内容を定め、それを基にした具体的活動内容は、子どもの意見を組み入れた計画内容とし、全体会議で説明の上実施しています。
・当該保育園は市営なので基本的職務は職務分担に記載されています。園個別に対応すべき、運営方針や保育の質の向上等の活動については、プロジェクトの組織化とクループワーク等での役割の下に職員としての責任を果たしています。プロジェクトは地域支援、防災、園内研修、環境整備の4種類があり、年6回以上話し合いを行っています。保育の質の向上については、全体会議等の中で市が定めた「川崎市保育の質のガイドブック」で求めている内容に関しグループワークを行い、互いに共有する事で保育の質の向上についての理解を深めています。
・保育内容の自己評価は保育のクラス毎及び看護師、調理師等の担当毎に行っています。クラス及び担当毎に話し合いの下に自己評価を行い、その結果を全体会議で報告し、他の意見を加味してより良い改善内容にまとめています。看護師は1人なので全体会議の場で、衛生や感染症等保育士に知ってもらいたい内容に関する説明等を行っています。出席できなかった職員は、会議議事録を必ず確認する事で周知を図っています。保護者等からの苦情や意見についても上記の手順で対応を進めています。
6 職員の資質向上の促進 ・人材構成は川崎市の基準に従った構成になっています。園の運営を進めていく段階で職員の不足が生じた場合は市の担当課に要請し補充の依頼をしています。但し、市だけでは確保しにくい臨時職員は園で探す場合があります。時差勤務等の時間帯を補う等の目的で臨時的・一時的な要員は、園単独での確保は可能となっており、速やかな人材の確保を可能にしています。
・職員の資質向上のため人材育成計画の中から適切な研修科目を選択し活用しています。研修科目内容に応じて区の計画も利用して外部研修を行っています。市や区の研修科目数は豊富で階層別研修科目もあるので、園が希望する外部研修計画を作成する事ができています。計画は、人事評価を活用し年3回の上司との面談の時に職員の希望を収集すると共に園の将来の人員体制を考慮して作成されています。外部研修終了後は園内研修の講師として報告し、職員への周知を図る等体系的な資質向上活動が行われています。
・職員の就業に関する意向は人事評価やキャリアシートを使用し上司等との面談時に確認しています。日常的な職員の意向や健康状況の把握は、保育現場や休憩時での様子他職員からの情報を園長、園長補佐、看護師が連携して確認しています。福利厚生は市の制度に組み込まれ園独自のものはないが、年間行事後年数回の親睦会を開催しリフレッシュの機会を作っています。またメンタル面での対応は、産業医や市の担当部署の職員が年1回職場巡視や相談機関で対応しています。職員の心身の状況が園児に反映するので園では積極的対応を図っています。

詳細評価(PDF908KB)へリンク