かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市大倉山保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市大倉山保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 神奈川県匡済会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0003
港北区大曾根1丁目7番地1
tel:045-542-5632
設立年月日 1975(昭和50)年07月07日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の概要 
施設の特徴 


横浜市大倉山保育園は、1975年7月7日に60名定員の横浜市立保育園として開園し、2011年4月1日からは神奈川県匡済会の運営となり、移管の直前に東日本大震災があり、当時築35年の園舎の老朽化が心配され、すぐに園舎建て替えの準備に取り掛かりました。保護者会や近隣の方々の協力を得て、仮園舎での保育を経て、2014年3月10日に新園舎が竣工。園舎は、三角形の地形を生かした穏やかな扇型の白亜の鉄筋コンクリート2階建てとなり定員も90名に拡大しました。東急東横線大倉山駅から徒歩7分の所に位置し、周囲は東京・横浜市内に通勤する人の住宅地域となっており、近隣には大倉山梅林等公園も多いあり、園舎は日当たりが良く、閑静さと相まって良好な保育環境下にあります。保育目標「のびのびと元気にあそぶこども・ともだちと育ち合うこども」を掲げ、園姿勢は一人一人を大切にするとともに、豊かな経験を通して成長・発達を保障し、また保護者や地域の方と一緒に楽しく子育てすることを基本としています。具体的な育の内容としては、「からだづくり」「異年齢保育」「食育」「保護者会・地域と共に」の取り組みを特色としています。

特に優れていると思われる点
1.利用者本人を尊重した保育を実践しています。
子ども一人一人のありのままの姿勢を受け入れ、のびのびと元気で安心して生活できる環境を作っています。まず施設面では2014年3月に新しい園舎が竣工し、園舎の中は明るく広い空間を有するモダンな施設となっています。園の屋内外とも常に清潔に保たれており、また施設内の温度や湿度についても日々管理されており快適な施設環境が確保されています。このような快適な環境の下、各々の子どもの個性や成長に合わせて保育を実践し、一人一人を大切にして発達状況に応じて個別に対応するよう心掛けています。保育課程に基づいた指導計画を基本としつつ、子ども一人一人の状況に応じ対応を変えています。その際にはクラス内で日々話合い、結果をミーティングで全員に周知し、全職員が同じ対応ができるようにするとともに一人一人の状況に柔軟に対応できるよう努めています。
子どもが自発的、意欲的に過ごせるような環境づくりにも努めています。その時々の子どもの状況に合わせて玩具の配置を置き換えています。また保育室内はそれぞれの年齢に合った玩具等の配置になっています。幼児クラスでは子どもが好む絵本からごっこ遊びや劇遊びに発展させ、それに必要なものをつくる造形活動へとつなげ、自主性を育んでいます。
2.異年齢の子ども同士により、互いに認め合い共に育ち合うことを大切にして保育を実践しています。
  異年齢保育については年間計画に基づいて積極的に運営しています。異年齢の子どもたちがぶどうの房のように仲良くくっつきあって共に成長できるように異年齢保育を「なかよしぶどう」と称し、異年齢の集団で生活することがあります。特に夏の期間は幼児を「かき氷グループ」と「アイスグループ」の2つの縦割りグループをつくり日常生活の中で異年齢保育を行っています。また運動会、お楽しみ会、おみせやさんごっこ、異年齢手つなぎ散歩等定期的に多くの交流の場を設けています。
ホールで乳児が遊んでいると2階から幼児が降りてきて年下の子どもにやさしく接し、いたわり、自分のできることを自然な形で教えています。異年齢の交流により年長児はお兄さん、お姉さんとしての関わりやお手本を自覚し、年少児は年長児をまね、憧れの存在として認め、お互いに良い関係を築きながら、共に育ちあう保育を実践しています。他方保育士にとっても交流を通して他のクラスの子どもを理解する絶好の機会であり保育士どうしで情報を共有しながら保育の質を高めています。
3.給食を充実することで食事の楽しさを伝え、子どもの健康管理に配慮しています。
利用者アンケートから「給食の献立」、「給食を楽しんでいるか」については「満足」「どちらかといえば満足」を合わせると95%を超える高い満足度の状況にあります。クッキングのお手伝いや栽培した野菜の調理、また親子クッキングの機会を設けて食に対する興味を深めていますが、それ以上に給食室の設備等が充実しているところが当園の特色です。給食室はホール横に大きく位置し全面ガラス張りで解放感があります。子どもは調理室の様子が見えるので、日頃から調理の様子や食材のにおいなどを感じとり旺盛な食欲につなげています。厨房からも子どもの様子がわかるので、アイコンタクトを通してお互いに親近感が育まれています。調理員は保育士と連携し苦手な食材などは事前に減らすなど個別ごとの対応をすることで「完食した」という達成感が得られるよう配慮しています。また栄養士は個人毎の栄養表で子どもの栄養状況をチェックし健康管理にも大いに貢献しています。
4.地域に開かれた保育園を目指し、地域との絆を深めています
保育園は、町内会・自治会である「あけぼの会」に賛助会員として参加し、平素から地域の方々と交流しています。毎月発行する「地域だより」を自治会の回覧板や掲示板に掲示していただき、園児が楽しく過ごしている写真、育児相談、交流保育、園庭・施設開放、育児講座などを地域の方々にお知らせし、来園を呼びかけています。本法人匡済会のホームページ内に園のページを設けて情報発信をしています。さらに、匡済会のブログ内に園のブログを設け、イベントの様子などの情報発信をしています。 園庭開放は週1回、7月〜8月にかけてプールを5日間開放します。交流保育は、テーマに「色水遊び」「楽器を作って遊ぼう」「バルーンで遊ぼう」「ふれあい遊び」「リズム遊び」を選び、年5回実施しています。食育講座「保育園で港北野菜をいただきます!」を毎年実施し、今年は給食室で調理したサツマイモなどを味わいました。絵本の貸し出しやベビーステーション事業に参加し、子どもを抱える保護者に利便性を提供しています。港北区役所で開催される「わくわく子育て広場」や樽町ケアプラザで開催される「にこにこ広場」に参加し、未就園児を抱える親に情報を発信しています。
 育児相談は、毎週木曜日に実施しています。主に来園された方との触れ合い、ちょっとした会話、相談などから地域の子育てニーズを把握するように努めています。園は、七夕、スイカ割り、運動会、お楽しみ会などの年間行事に、地域の方々を招待して交流を深めています。年長児は、大曽根第二公園の公園清掃に、毎月参加し、地域の高齢者の方々と交流をしています。大曽根南公園で開催される地域のお祭りには、子ども神輿が出されるので、神輿の担ぎ手として、園児が参加しています。大倉山公園の観梅会では、近隣保育園と合同での発表や園単独での発表など、園児たちがステージで演じています。このように園では、地域の方々との触れ合いを大切にし、地域との絆を深めています。
5. プリセプター制度は、新人だけでなく、先輩の能力向上にもつながります
   新入保育士を育成するために、プリセプター制度を取り入れています。同じクラスの先輩保育士が新入保育士に業務の進め方や業務の心構えを指導するとともに、職場の人間関係や社会生活における不安や悩みを聞き、アドバイスを行う人材育成制度です。年間保育期の4期に合わせる形で振り返りシートがあります。新入保育士が振り返りシートに学習目標を自己申告、結果を記入、先輩からの適切なアドバイスで、知識や保育技術が身につくようになります。年4回繰り返します。新入保育士は、先輩職員とやり取りする中で親近感を感じ、フランクな気持ちで、様々なことも相談できます。先輩保育士も、新入保育士に尋ねられ、曖昧な知識であったなら調べるなどをして返事をします。先輩保育士も、新入保育士に教えることで、曖昧な知識や技術をより確実なものすることができます。

更なる改善努力が期待される点
1. 各種マニュアルについて使い勝手の良い整備が望まれます
保育園では職員の保育に関わる共通理解、判断基準、サービスの標準化などのために事故防止・事故対応マニュアル、衛生管理マニュアル等多種類の業務マニュアルを備えています。毎年度末には職員が当該年度の活動状況を振り返りますが、その際にマニュアルの見直しも行っています。マニュアルを見直した経緯などは、どの職員が見てもわかるように変更履歴などで引き継いで行くことが必要と考えられます。引き継ぎの連続性を維持することで、より使い勝手の良いマニュアルづくりが期待されます。
2.主任クラスの誕生で、保育相談がより深まることが期待されます
当法人の人事体系は初級から始まり、知識や経験を積み重ねることで、中堅、熟練、運営、経営職へと進んでいきます。今年度は主任が不在なことから、リーダー会議(クラスのリーダー、栄養士、フリー、事務で構成)を設定し、実質的に主任の役割を担うようにしています。保育士が保育に関する相談をしたい場合には、中堅クラスのフリー保育士やクラスのリーダーに相談をしますが、お互いに遠慮があり、十分に意を尽くせぬこともあります。1月には、2人の中堅保育士が熟練職に昇格し、副主任に任命されました。副主任職には、保育士への指導が正規の職務に組み込まれるので、保育相談がより深まることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・「あらゆる人の尊厳を守り、常に人が人として 文化的生活が営まれるよう その自立に向けた支援に努める」を社会福祉法人神奈川県匡済会の基本理念として掲げ、それに続く保育理念、保育方針、保育目標および保育の姿勢が一貫性を持ち、分かりやすい表現になっています。年度末の職員会議で、正規社員全員で保育方針の振り返りを実施し、見直し、修正する仕組みはできています。保育方針や保育目標は園のしおり等に記載され、また保護者や職員が常に目にする場所に掲示しています。
・人権研修で園目標について検討し保育に生かせるよう理解を深めています。
・「虐待防止ファイル」を作成し、専門機関への通告方法、園内での情報共有の重要性について定期的に確認するとともに、毎日の健康管理時等の視診で小さな変化を見逃さず観察しています。個人情報取り扱いマニュアルに沿って、重要書類・記録などは施錠出来る書庫に保管・管理されています。個人情報が含まれる「カード」「連絡帳」はマークや名前を二重に確認して渡しています。個人情報や守秘義務について園内研修を実施し、保護者やボランティア・実習生を受け入れる際にも伝えています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程は家庭の状況・地域の状況(小学校運動会や町内会のお祭りなど)・周囲の環境(近隣への挨拶や公園散歩・園畑での収野菜収穫等)などを考慮し、各クラスで話し合いミーティングを重ね、職員会議等で検討し作成しています。保育課程は入園時や年度当初及び改定時には必ず保護者に説明しています。食育については栄養士・調理士・保育士で話し合い、計画・立案・実行しています。
・進級当初は在園児、新入園児を分けて生活したりし双方に配慮し関われるようにしています。安心できる物の持ち込みは柔軟に対応しています。子どもの様子や保護者の都合に合わせて短縮保育を行っています。保護者が消極的な際には、幼い子が新しい環境に適応するためには必要であることを丁寧に説明し理解を得るようにしています。
・子どもの発達に応じ、間仕切りや衝立を活用して広さや機能を確保しています。また死角ができないように配慮もしています。異年齢保育については年間計画に基づいて積極的に運営しています。異年齢の子どもたちがぶどうの房のように仲良くくっつきあって共に成長できるように異年齢保育を「なかよしぶどう」と称し、異年齢の集団で生活することがあります。 
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に応じた指導計画は、保育課程・年間指導計画・月カリキュラムに基づき、カリキュラム会議にて全員で検討し、毎月振り返りをし、内容を次月に活かす、という流れが定着しています。適宜保護者との面談を受付け、個別の指導計画に反映しています。特に配慮を要する子どもの受け入れについては、月に一度カリキュラム会議で必要な情報を共有し、具体的な事例をあげ、全職員間で学習し次の保育につなげています。担任以外の職員からの気づきも出し合い、配慮点やかかわり方が適切かどうか話し合っています。共有する情報は記録され、いつでも確認できるようファイリングされています。障害児保育については、月一度のカリキュラム会議で個別指導している子について状況を報告し方針や状況について全体で共有できるよう努力しています。横浜市総合リハビリテーションセンターの巡回相談を利用しアドバイスを受け、それを生かして個々の指導に当たっています。
・入園説明会で苦情・意見の申出として第三者委員の存在をお知らせしており、園の分かりやすい場所に掲示すると共に、意見箱も設置しています。そのほか保育士体験や保育参観等で保護者意見・要望を聞いています。苦情に対応する体制や対応フローが出来ており、ご意見や苦情があれば対応フローに従って、ミーティングや会議で報告し全体の共有に努めています。
・【健康管理】健康診断前に気になることを保護者に事前に聞き取りをしています。子ども一人一人の診断結果を健康台帳に記録し、保護者に連絡することで改善に向けて対応していただいています。歯科健診の結果は歯科健康診断結果のお知らせにて保護者に知らせています。
・【衛生管理】衛生管理マニュアルは年度ごとに見直しをしています。マニュアルにもとづき清掃が行われ衛生状態の確認を行っています。年に一度、嘔吐物処理の確認をしています。職員の手指からの感染を防ぐため汚物処理の際は手袋を使用し、手拭きもペーパータオルを使用しています。各保育室に手指消毒のための薬剤を備えると共に定期的に害虫駆除をしています。
・【安全管理】安心伝言板を活用し毎月の避難訓練の状況を保護者に発信しています。怪我などが起きた際は、ミーティング等で全職員に知らせ再発防止に努め、原因場所などを確認し迅速に改善するよう努力しています。不審者対応訓練を実施しています。警察関係者による不審者対応策の講習を受け意識を高めています。
4 地域との交流・連携 ・園が地域のお祭りに参加することによる地域住民との交流、港北区役所で開催される「わくわく子育て広場」や樽町ケアプラザで開催される「にこにこ広場」での親子との交流、園が開催する交流保育、園庭・施設開放、育児講座などにより、地域の子育てニーズを把握する取り組みを行っています。また、近隣保育園との間で、検討会・研究会などを実施しています。
・法人が経営する養護老人ホーム白寿荘を訪問し、お年寄りとの交流を深めています。近隣保育園との年長交流を、樽町しょうぶ公園でのドッジボール大会など、年3回実施しています。ボランティアを継続的に2〜3名受け入れているほか、実習生については園長がオリエンテーションを実施し、フリー保育士やクラスリーダーが指導担当しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育園のパンフレット・ホームページ、ブログなどにより、地域や関係機関に随時、情報を提供しています。サービス内容の詳細、料金、職員体制などより詳細な情報は、保育園のしおりにて提供しています。「地域だより」を毎月発行し、自治会回覧板や掲示板にて保育の様子を広く発信しています。園見学で園生活を体験してもらい保護者面談の第一歩と位置付けています。
・職員および非常勤職員は、コンプライアス・カードを常に携行し、会議ごとに守るべきルールや法令等について確認しています。法人及び本園の経営や運営状況等が、法人のホームページに積極的に公開されています。日々のミーティングや会議などで日常業務の中で気づいた点を出し合い、不正・不適切な行為を行わないよう話し合っています。
・リーダークラスの職員は、個々の職員の業務状況を把握し、職員の能力や経験にあわせた的確な助言や指導を行うとともに、家庭状況も把握し、精神的・肉体的に良好な状態で仕事に取り組めるよう配慮を行っています。
6 職員の資質向上の促進 ・法人が定めた人材育成体系(経営、運営、熟練、中堅、初級)があり、それに沿って職員を育成しています。個々の職員は、前記の人材育成体系で示されたあるべき姿に向かって、学習計画を自己申告します。園長とは、計画立案時、中間での振り返り、期末における達成評価時と年3回面談を行います。新入職員にはプリセプター制度があり、身近な先輩職員が公私に渡り、丁寧なアドバイスをしています。法人内で、他施設同士の交流実習が積極的に行われ、セミナー担当者を中心にその意義などを確認し、毎年参加しています。2名の職員による職員交流の実施、報告書の提出がなされ、今後の保育に役立てるため、情報共有をするようにしています。
・法人が定めた人材像(経営、運営、熟練、中堅、初級)が期待水準として示されています。年度初めに業務分担及び年間行事計画を決め、可能な限り権限を各職員に委譲し、各職員が自主的に進められるようになっています。

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