かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市鴨居保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市鴨居保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0003
緑区鴨居1丁目3番地19
tel:045-933-2101
設立年月日 1977(昭和52)年10月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の特徴 
1 沿革と立地環境
横浜市鴨居保育園は1977年10月1日に開園し、約40年の歴史を有する平屋の保育園である。JR横浜線鴨居駅から徒歩5分のところに位置し、幹線道路からやや奥まった、緑消防署鴨居消防出張所の裏手にあり、園の裏側は自動車学校とJR横浜線があるが、気になる騒音や振動はない。園舎南側には園庭が広がり、園舎は日当たりが良く、閑静さと相まって良好な保育環境下にある。
2 保育面での特色
保育目標「元気な子 心の豊かな子 生き生きした子」を掲げ、一人一人を大切にするとともに、地域の子育て家庭を積極的に支援している。保育の特色としては、横浜市立保育園として保育人材が豊富で、育児支援センター園として、園庭開放・交流保育・育児講座・育児相談・育児サークルへの職員派遣などを実施し、その他来園する子ども達の身体測定や絵本貸し出しを実施している。


特に優れていると思われる点
1.子どもを尊重し、子どもの心に優しく寄り添った保育が実践されています。
  保育方針に「子どものありのままを受け止め、一人一人のこどものこころに寄り添い、十分な信頼関係を築いて心の安定を図る」他をあげ、いずれも利用者本人を尊重するものとなっています。保育の現場でも、子どもと保育士の会話、子ども同士の会話やその時のしぐさ、行動を日々観察、把握し、それを積み重ねることによって、子どもの本当の気持ちや意思をくみ取ろうと努力している保育士の姿を見ることができました。保育士は子どもの人権を尊重し、「〜しましょうね」など優しい口調で接し、子どもの言葉に目線を合わせて気持ちを受容することに努めていました。子どもも保育士を信頼し、喜怒哀楽を素直に表していた姿を度々目にしたところです。
 今回のアンケート調査でも「遊び」や「生活」など保育に関する項目は肯定的(「満足」「どちらかといえば満足」)な回答がほとんどで、自由意見記述欄にも「子どもを思い、心にやさしく寄り添った保育」に対する感謝の気持ちを表した記述が多く寄せられています。今後もこの保育方針のもと、益々の保育の質の向上が期待されます。
2.事故や災害に備えた体制の構築に努め、着実な強化・向上を図っています。
  安全対策については、マニュアルを作成し、担当者も指定し、不断の対応に努めています。地震、火災、風水害など脅威となる主要な災害を想定し対策を講じています。特に地震に対しては、家具の固定など業者に依頼し、より安全性の高い転倒防止策を講じると共に、園独自でも備品、設備の縛着などにより転倒、落下防止の処置を的確に進めています。また、全ての窓やガラス部分には飛散防止フィルムを貼るなど安全性の向上に努めています。 
避難訓練、不審者対応訓練は年間計画に基づいて毎月実施し、年1回は隣接の緑消防署鴨居出張所に依頼し、訓練実施状況を見てもらいアドバイスを頂いています。基礎救急救命の研修に参加した職員は研修報告を兼ね、AEDの使い方を全職員に周知しています。当園の避難場所は鴨居小学校に指定されていますが、発災時の交通混雑や水害などを考慮し、道路向かいで近傍の高台のお寺の協力も得て境内を避難場所として確保し、迅速・確実な対応可能な避難対策も講じています。これらは日頃から地域との良好な関係が築かれ培われている証左でもあり、今後ますますの災害対処体制の着実な強化が期待されます。
3.幅広い子育て支援サービスが地域の子育て家族に信頼され、絆を深めています
  地域の子育て家族を支援する保育園として、長く活動しています。施設・園庭開放、交流保育、育児講座、育児相談、絵本の貸出、「あかちゃんの駅」、「離乳食ランチ交流」、「みどりっこまつり」などの地域子育て家族との交流のなかで、参加された方との話し合いやアンケートから地域における保育ニーズの把握に努め、子育て支援サービスに反映させています。
 実に、きめ細かな子育て支援サービスが提供されており、子育て家族は困ったときなど、あれこれ悩むことなく、気軽に相談できる仕組みが整っていると思われます。今後とも、園と子育て家族の絆が、ますます深まることが期待されます。


更なる改善努力が期待される点
1. 保育園としての(指導計画の「振り返り」や)評価の更なる可視化が望まれます。
年度末には、それぞれの保育士が自分の保育等の「振り返り」を行い、結果を会議等で発表・審議・検討しそれを総合して園として共有しています。
前年度の課題をいかに改善・克服したか、今年度見出した課題は何か?次年度それをいかに解決するかなどを明確にし、保護者にも説明会や懇談会で公表し周知を図ると共に、掲示しています。ただし、公表内容は現状では「結果」が主体となっています。今後は要図化や写真、グラフなどを取り入れながら、それに至る「過程」についてもう少し詳しい説明が付け加われば、さらに解りやすく、見やすくなると共に、可視化が進み保護者の理解がさらに深まるのではないかと考えます。園としてもすでにその方向で検討が進められていますが、旺盛な企画力、実行力をもってしっかり進めて頂きたいと思います。
2.非正規職員のスキルアップに頑張って下さい。
 当園の職員は、正規職員・嘱託職員・非正規職員で構成されています。非正規職員向けのマニュアルもあります。職員のスキルアップのために、緑区ネットワーク事業で計画した研修や主任保育士が企画した内部研修などがあり、非正規職員も参加が可能です。非正規職員は勤務時間が合えば参加が可能となるようですが、緑区ネットワーク事業で計画した研修への参加はなかなか難しいようです。正規職員と非正規職員は、常にペアを組んで保育にあたることで、非正規職員の資質向上に取り組んでいます。全職員間で、言葉の日常指導や気付いたことをお互いが言える関係づくりをして、非正規職員の資質向上に取り組んでいます。
 非正規職員をスキルアップさせるためには、系統的な研修が必要になると思われますので、内部研修の一工夫をお願いします。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育方針に「子どものありのままを受け止め、一人一人の子どもの心に寄り添い、十分な信頼関係を築いて心の安定を図る」他をあげ、いずれも利用者本人を尊重するものとなっています。年度末の職員会議で、正規社員全員で保育方針の振り返りを実施し、見直し、修正する仕組みはできています。保育方針や保育目標は園のしおり等に記載され、また保護者や職員が常に目にする場所に掲示し、常に意識して行動しています。
・職員は子どもの年齢や発達に合わせた優しい言葉遣いを心掛け、子どものペースを尊重し、急がせたり、強制することはないようにし、命令口調、否定口調ではなく、「〜しましょう」という言い方を心掛けています。また、子どもが不快な思いを持つような言い方に気が付いたら、職員間で注意し合うようにしています。子どもの言葉には、目線を合わせて聴くようにし、子どもの気持ちを受容するよう心掛けています。
・虐待が疑われる子どもについては、毎日の健康観察と、生活の中の着替えの時間に子どものからだの様子をよく観察するとともに、子どもの発言を受け止め職員で共有しています。疑わしい場合も含め、緑区役所、北部児童相談所、北部地域療育センター等関係機関への連絡、相談する体制ができています。保護者と良好なコミュニケーションを図ることを第一に、送迎時の声掛けを始め、面談や相談には常に応じる姿勢で、保護者との関係作りを心がけ、虐待の予防と早期発見に努めています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程は年度末の振り返りを実施し、それをもとに次年度に向けて家庭環境、地域の特性を考慮し、子どもの最善の利益を第一に改善点を出し合い、職員会議やカリキュラム会議にて保育理念や保育方針に合ったものであることを確認しています。
・自分の意思を表出できない年齢の子どもには、子どもと向き合い子どもの気持ちを代弁できる、寄り添う保育を心がけ態度や表情から思いを汲みとるように努めるとともに、言葉で表出できる年齢の子どもでも言葉にならない思いを汲みとるよう努めています。
・入園説明会で短縮保育の必要性を保護者へ説明し、子どもの家庭環境や保護者の育児経験を踏まえ面談でも個別にその旨を説明しています。0歳児は個別に主に関わる職員を決める担当制を行っています。1歳児は、在園児は主に持ち上がりの担任が関わるようにし不安感を感じさせないよう配慮しています。子どもが不安にならないよう家庭からタオルやおしゃぶりなど拠り所となる物の持ち込みを受け入れています。
・友だちや保育士の視線を意識せずに過ごす場所として、廊下をカーテンで仕切った一時保育のスペースを確保しています。一時保育のスペースや保育室のコーナー、廊下等で保育士が見守れるようして対応しています。又、クラスの保育士だけでは対応できない時には、他の職員がついて安全の確保や心の安定を図っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に応じた指導計画は、保育課程・年間指導計画・月カリキュラムに基づき、カリキュラム会議にて全員で検討し、毎月振り返りをし、内容を次月に活かす、という流れが定着しています。適宜保護者との面談を受付け、個別の指導計画に反映しています。特に配慮を要する子どもの受け入れについては、月に一度カリキュラム会議で必要な情報を共有し、共有する情報は記録され、いつでも確認できるようファイリングされています。障害児保育については、月一度のカリキュラム会議で個別指導している子について状況を報告し方針や状況について全体で共有できるよう努力しています。北部地域療育センターの巡回相談を利用しアドバイスを受け、それを生かして個々の指導に当たっています。
・入園説明会時や「保育園のご案内」に苦情解決制度について明記し、保護者へ情報提示をしています。第三者委員の氏名や電話番号を明記し直接申し立てできるようにしています。意見箱を設置し、意見を口頭で伝えにくい保護者も意見を表しやすい配慮をしています。権利擁護機関として、緑区福祉保健センターこども家庭支援課を保護者に紹介しています。
・第三者委員経由で来た要望や苦情等に対する問題解決については、第三者委員を交えて対応する仕組み(問題解決フロー)が出来ています。また第三者委員経由でない要望や苦情(意見箱、送り迎え時など)も対応する仕組み(問題解決フロー)が出来ています。
・【健康管理】健康管理に関するマニュアルがあります。入園時に子どもの既往症など記載した健康台帳を預かり、職員がいつでも見られるようにして情報共有しています。年度末に保護者に書き換え、加筆してもらい、最新の内容に更新しています。横浜市の看護師による訪問を年2回受け改善点の指摘や、子どもたちに健康に関する話をしてもらっています。子ども一人一人の診断結果を健康台帳に記録し、保護者に連絡することで改善していただいています。歯科健診の結果は歯科健康診断結果のお知らせにて保護者に知らせています。
・【衛生管理】衛生管理マニュアルに基づき保育室、トイレなど施設全般の清掃や消毒を行っています。主要施設の清掃要領などは、チェックリストにより確認しながら実施し、結果は記録されています。看護師訪問の際には嘔吐物の処理など具体的な講習も受け、子どもは感染症予防で手洗いや咳エチケットなどの指導も受けています。定期的に害虫の駆除なども行っています。
・【安全管理】安全管理についてはマニュアルを作成すると共に、担当者を指定し、不断の対応に努めています。
当園の避難場所は鴨居小学校に指定されていますが、近傍の高台のお寺の協力も得て、交通混雑や水害により迅速・確実な対応可能な避難対策も講じています。避難訓練、不審者対応訓練は年間計画に基づいて実施し、年1回は隣接の緑消防署鴨居出張所に依頼し、訓練状況を見てもらっています。
4 地域との交流・連携 ・施設・園庭開放(月〜金曜日毎日開催)、交流保育(年12回)、育児講座(年6回)、育児相談(毎月100件ぐらい)などの地域住民との交流のなかで、参加者との話し合いやアンケートから地域における保育ニーズの把握に努めています。保育会議・職員会議の場で、地域の保育ニーズを話合い、例えば地域の子育て支援サービス・メニューのなかに、地域ニーズに基づくAED体験、子どもの事故への対応などを組み込み、育児講座のなかに鯉のぼり制作、七夕飾り、スタンプ遊び、小児救急講習会、季節の制作などを組み込んでいます。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育園のサービス内容などの情報提供については、緑区広報・みどりっこカレンダー・みどりっこメール・「ヨコハマはぴねすぽっと」・横浜市ホームページなどによる提供、当保育園の育児支援事業の月間予定を記載した「こぐま通信」を各地区のケアプラザなどに置き、さらに見学者や実習生などが来園した際には、「保育園のご案内」を渡して、サービス内容について説明しています。
・職員が不正・不適切な行為を行わないよう、職員に「横浜市職員行動基準」「全国保育士会倫理要綱」を周知しています。コンプライアンス研修、人権研修、不祥事防止研修は全員が受講し、互いに啓発し合います。区役所等からは、不祥事に関わる事例情報が提供され、全職員に周知しています。
・主任クラスの職員を、保育士人材育成ビジョンに沿い、スーパーバイザーとして計画的に育成しています。主任は園長と職員の間の調整役となり、職員の業務状況を個別に把握し、助言、指導を行っています。主任は、個々の職員の勤務状況や健康状態に気を配り、職員に寄り添いながら、精神的・肉体的に良好な状態で仕事に取り組めるよう配慮しています。
6 職員の資質向上の促進 ・園の理念・方針は「よこはまの保育」を基本にし、園の目標に沿った保育サービスができているかを、年度末の保護者からのアンケートで確認します。アンケートを踏まえて、園の自己評価をし、その結果を掲示します。自己評価に基づいて、次年度の目標をたてます。保育士の育成は、「保育士キャリアラダー」に沿い、「目標共有シート」を活用して行われます。
・年度初めに業務分担表および行事予定表が作成され、各職員の役割分担が明確になっています。行事などは、各保育士が責任を持って対応しています。
・行事を遂行する場合には、途中での話し合い、行事終了後の振り返りを必ず行い、次回の行事に反映させるようにしています。
・園長は年3回職員と面談をして、職員の満足度や要望を把握しています。また横浜市役所は職員満足度調査を実施して職員の満足度を把握しています。

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