かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市中屋敷保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市中屋敷保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 246 - 0004
瀬谷区中屋敷2丁目29番地2
tel:045-301-5808
設立年月日 1982(昭和57)年12月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の概要
施設の特徴 
横浜市中屋敷保育園は神奈川中央交通中屋敷停留所から徒歩3分の住宅地の中にあります。昭和57年12月に開設され、建物面積は568平方メートル、園庭の広さは1649平方メートルです。園舎は鉄筋コンクリート造り2階建ての定員97名で現在の入所児童数は93名です。以下の3点を大切に考え保育を行っています。
@子どもたちが自分をかけがえのない存在と感じ、自信を持って、生きていかれるように、健やかに、幸せに生きる権利を保障します。
A子どもたちの最善の利益を目指します。
B保護者の思いを受けとめ、共に子育てをしていきます。
 自然豊かな環境の中に位置し、四季折々の移ろいを体で感じることができ、こどもたちは、保育園での豊かな生活や遊び体験の中で、周囲の人々や友だちとのかかわりを心地よく感じたり、学んだりしながら成長しています。また、区内の育児支援センター園として、地域の親子が園児や保育士等と自然に交流しながら、気軽に子育ての相談にも応じられる保育園です。地域の皆様にも喜ばれ、経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価を得ています。

特に優れていると思われる点
1.豊かな自然に恵まれた環境を保育にしっかりと活かし、子どもたちの伸び伸びとした成長に繋げています。  
   当保育園は、相鉄線瀬谷駅から約1.5キロメートルの住宅地にありますが、周辺は小高い丘や林、畑が広がる田園地域です。自然豊かで保育には恵まれた環境にあります。野鳥や多くの昆虫が生息し多種多様な木々、草花が自生して、子どもたちの成長や発達に見合った多くの散歩コースもあります。このように自然と触れ合うことにより、子どもたちは四季折々の美しい景色や動植物が織りなす自然の営みに興味を持ち、大きな感動と印象的な体験を日々重ねています。これらを通して豊かな人間性や感性が育まれていると思われます。職員もこの恵まれた環境をよく認識し、保育の向上を図るため周辺の地理や動植物について自らも興味を持ち、見聞を広め、研鑽を積み、情熱と愛情をもって子どもたちの成長を後押ししています。
2.地域の方々と密接・良好な連携体制が築かれ、園の運営に寄与しています。
当園の立地は田園地帯といえどもやはり周辺には住宅が多数存在し、地域住民の方々の生活の場でもありますが、園と周辺地域の方々の間には、良好な関係が築かれています。 園の保育方針の中にも「地域や保護者と共に・・・」や「地域の親子との交流・・・」など、地域との良好な関係を築くことが掲げられ、これを受けて平素から、地道な活動が続けられています。地域の子供たちや保護者に対し、園庭開放や子育て支援の講座を実施して多くの方々が参加されています。地域の行事にも職員や園児が参加・協力し交流を深めると共に、イベントなどの場を盛り上げています。また、運動会、夏祭りあるいは正門の工事など騒音が懸念される場合には、事前に園長はじめ関係職員が周辺の家々を1軒ずつまわり、丁寧に説明し、理解を得るように努めています。これらの地道な活動・努力の甲斐あって、園に対する苦情もほとんど出ていないのが実情です。さらには、園の正門近くの飲食店からは、朝夕の送迎時にその店の駐車場の使用を承諾して頂き、駐車場問題も生起していないのが実態です。この状態を今後も維持・発展させて行かれることが期待されます。
3.職員は、連携して互に助け合い、園の保育の向上に努めています。
子どもたちは日々心身ともに大きく成長しています。個性が芽生え、また、一人ひとりの心や体調も大きく変化することも日常的です。職員にとって、些細なミスや不注意が大きな事故や怪我につながる可能性は決して小さくありません。何が起こるかわからない保育の現場では常に臨機応変かつ柔軟な対応が求められます。このような状況にしっかり対応するため、互いに協力し助け合い、チームワークを発揮して的確に対応している場面を訪問調査時に度々目にすることがありました。園庭で遊んでいるときも、集団の中に入り遊びをリードしている保育士もいれば一人ひとりの子に寄り添って相手をしている保育士もいましたが、互いに声を掛け合い、合図し合って連携を取り、見守りの空白や隙間ができないように細心の注意を払っていることが伺われました。職員とのヒアリングでも「仲が良い」「連携して協力している」「助け合い、団結している」などの言葉が多く聞かれ、情報の交換、共有がしっかりなされ、チームとして信頼感が醸成されている証であると思います。
更なる改善努力が期待される事項
1.施設の老朽化対策として、引き続きの改善努力が期待されます。
園舎は築35年を経過し、老朽化が進んでいることは否めません。創意工夫して何とか機能維持に努めています。保護者の方々もこの実情を理解しつつも、アンケート調査などからはやはりいろいろと要望はあるようです。特に衛生面や安全に係る事項については疎かにはできません。保護者の方々とよく連携し、今後とも引き続き機能維持に努めて行くことを期待します。
2.園の行事などについて、保護者に対して更なる丁寧な説明が求められ(望まれ)ます。
  園の行事のついては、できるだけ保護者の方々の都合や負担を考慮して計画し、毎年度当初に予定表を配り、懇談会などで丁寧な説明に努めています。しかしながら、天候などに左右される面も大きく、全ての方々が満足できるような対応もまた難しいのも実態です。したがって、今後とも引き続き、行事の内容の検討や保護者からのアンケートなどを参考にして改善施策を進めると共に、より丁寧な説明に努力されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念、基本方針は児童憲章や、保育指針、“よこはまの保育”のなかに掲載されている内容を基本として、「自然豊かな環境の中での生活や遊びを通し、こどもの最善の利益を尊重する保育を行う(要旨)」との方針を定め、子どもを尊重し大切にしたものになっています。年度末の職員会議で、正規社員全員で保育方針の振り返りを実施し、見直し、修正する仕組みはできています。保育方針や保育目標は園のしおり等に記載され、また保護者や職員が常に目にする場所に掲示しています。
・ 園内人権研修で、「子どもに寄り添う保育とは」をテーマに、職員がグループごと課題に取組み、自分や相手の保育について語り合う機会をもち、子どもへの対応(子どもに寄り添って、遊びこめるような配慮など)を考えています。
・年1回実施される、区主催の人権研修を全員受けており、ジェンダーフリーの意識は、日頃より、職員間で声をかけあっています。一対一で話したい場面がある時は、空いている部屋や事務室を使用しプライバシーを守る配慮を職員全員で確認し合っています。
・ 虐待に関しては「児童虐待対応ガイドライン」の内容について職員に周知を図ると共に、それに沿って「虐待防止マニュアル」を作成し、より的確な対応に努めています。
初期対応を重視し、些細な兆候も見逃さず、何か変わった様子があれば、速やかに園長に報告すると共に、関係機関に報告し的確な処置をとることを旨としています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程の内容は、子どもの発達段階や自然豊かな周辺環境などを考慮したものになっています。
・年間指導計画に基づいて毎月の指導計画をカリキュラム会議で報告・討議されています。あそびの展開など子どもの気持ちに寄りそって、柔軟に対応できるようにしています。また、乳児は表情や仕草から子どもの思いをくみ取って対応しています。保育課程も保育の基本方針と同様に職員会議で振り返り、見直しを行い、入園時及び年度初めの懇談会で保護者に説明しています。
・進級当初は在園児、新入園児を分けて生活したりし双方に配慮し関われるようにしています。安心できる物の持ち込みは柔軟に対応しています。4月当初は新入園児だけでなく、在園児(進級児)も安定して過ごせるよう、持ち上がり担任がいるクラスは、主に持ち上がり担任が関わり、不安を十分に受け入れるようにしています。
・子どもが主体的に活動できる環境作りのため、各保育室は、衝立を使ってあそびのスペースを分けるなどコーナーの工夫をして、あそびが混ざらないようにし、また必要なスペースを確保し、落ち着いて遊べる環境を作っています。それぞれのコーナーは年齢や発達に相応しい遊びが出来るように玩具や絵本の種類、質、量などに配慮がなされています。子ども同士や保育士との関係が育つように、3歳から5歳は一年間を通した異年齢なかよしグループ、「異年齢交流の日」を決めて活動しています。特に、なかよしまつり、運動会、お楽しみ会、リズムあそび、散歩、遠足などの行事を通してふれあい、影響し合っています。年長児は年中児、年少児をいたわり、かわいがり、年中児、年少児は年長年中児に対する憧れの気持ちが芽生え成長の糧となっています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・個別指導計画は子どもの個性や発達に応じ、一人ひとり作成しています。0歳から2歳の指導計画書は、一人ずつの個別欄が設けてあり、そこに成長・発達について記載しています。3歳から5歳の指導計画書は、個別欄に必要な児童に対して記載しています。
・個別指導計画(月間指導計画)を基本としつつも、子どもの状況に応じ柔軟に対応し、離乳食の移行、箸、フォークへの移行、トイレットトレーニングなどについて、変更したことは、ミーティングや会議で伝え情報を共有し、保護者との定期的な面談の中で説明し、共有しています。
・特に配慮を要する子どもの受け入れについては、カリキュラム会議で、個別の支援計画書を基に話し合って、会議記録に記載しています。横浜市西部地域療育センターとは平素から連携を図り、アドバイスを受けながら保育を行っています。障害児童のロッカーは広いスペースを取っています。お昼寝の時は、落ち着きやすい場所に布団を敷くようにして精神的な安定にも配慮しています。
・保護者に対しては、日々の登・降園時をはじめ、懇談会、個人面談、主要行事などあらゆる機会に意見や要望を受け付け、また、気軽に言えるような雰囲気作りに努めています。さらに主要行事の後には毎回アンケートを取り、感想や要望なども併せて把握することに努めています。
・【健康管理】健康管理については、嘱託医と連携をとって実施しています。健康台帳等により、既往症、体質などは職員間で共通理解できるように、会議、ミーティングで周知しています。
・乳幼児のかかりやすい病気、感染症について「入園のしおり」に記載し、入園時に保護者に配布し、説明しています。感染症の流行時は、情報提供をクラス掲示でおこなっています。横浜市や瀬谷区役所から、随時情報提供がされるので、最新情報は共有できています。
・【衛生管理】調理員、保育士は市主催の衛生管理講習を1年に1回受けて、受講内容は会議の場で他の職員に周知を図っています。
・清掃マニュアル等により日々清掃を実施し、特に、トイレ、シャワー、手洗い場や調乳室などについてはチェック表により、漏れの無いように注意しながら実施しています。
・害虫点検を毎年6月に実施し、年2回ベイト剤を交換しています。
・各保育室に消毒液を置くと共に、嘔吐物の処理などのための用具、設備を設け、マニュアルにより手順なども示されています。
・【安全管理】建物は耐震構造で、備品や設備は、転倒、落下防止の処置がなされています。消防署に依頼して、防災訓練、通報、救急対応などの指導を年2回受けています。園独自でも定期的に避難訓練、消火訓練、防犯訓練、事故対応訓練などを時間帯や状況を変えて実施しています。
・外部からの侵入対応では、通用門2ヶ所は電気錠をかけてあり、インターホンで顔の確認をおこない開錠するようになっています。民間会社の警備システムがあり、通報ボタンを設置しています。災害用電話を使用し、不審者情報についても、区からの情報連絡体制が整っています。
4 地域との交流・連携 ・月曜から金曜まで、10時から15時まで、園施設を開放しそこで育児相談を受けています。瀬谷区内の子育て支援者会議や、エリアごとで子育て支援活動など地域との連携を図っています。年度末に反省と次年度に向けて、職員と育児支援専任を交えて、育児講座や交流保育などの話し合いをしています。月2回職員が、育児支援ルームで手遊び、ふれあいあそびを提供するとともに、育児講座、園庭開放、交流保育を年間通じて実施しています。
・ケアプラザで高齢者の方との交流を年1回実施しています。地区センター、ログハウス、畑へあそびに出かけています。また、10月に地域で開催される「そば祭り」に出かけています。上瀬谷小学校と、年間を通じて交流をしています。(さつま芋苗植え、お芋ほり、リース作り等)
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・「せやっこまつり」で、園の紹介をおこなっています。横浜市のホームページ、区内の子育てガイドブックに掲載があり情報提供されています。区役所、こども家庭支援課に保育コンシェルジュが常駐し、区内の保育所の入所や子育てに関する情報について対応しています。
・市職員としての倫理、行動基準を周知徹底しています。危機管理、個人情報、コンプライアンスなど定期的に会議の中で話し合いをしています。環境対策では、適切な温度管理や電気使用量の削減に努め、土壌混合法を実践して栽培活動に取組んでいます。市、区より運営に関する情報は随時提供されています。年に1回市、区から振返りの調査と共に、改善策や課題の提案を求められる仕組みになっています。
6 職員の資質向上の促進 ・横浜市保育士人材育成ビジョンに沿っておこなっています。職員ひとりひとりが、目標を立て一年間実践し、園長、区の課長より評価を受ける人事考課制度を実施しています。
・園内研修の担当者を中心に、研修内容を決め実施しています。市、区、他機関の研修と情報が提供されるので、職員の希望により研修に参加ができる体制がとれています。ネットワーク専任が中心となり、1年間の研修計画、次年度への見直しなどおこないすすめています。
・アルバイト職員も研修に参加できる機会はあり、時間が許す限り参加できる体制になっています。

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