かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

戸塚芙蓉保育所

対象事業所名 戸塚芙蓉保育所
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ももの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0003
戸塚区戸塚区戸塚町4396
tel:045-861-4830
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

〔施設の概要・特徴〕
戸塚芙蓉保育所は神奈川中央交通日立前停留所から徒歩6分の住宅地の中にあります。平成25年4月に開設され、園舎は鉄筋コンクリート造り3階建てで定員60名で現在の入所児童数は55名です。周辺はマンションや戸建住宅が立ち並ぶ閑静な住宅街で、公園なども多く、保育には良好な環境の中にあります。子どもたちは、保育園での豊かな生活や遊び体験の中で、周囲の人々や友だちとのかかわりを心地よく感じたり、学んだりしながら成長しています。また、地域の親子が園児や保育士等と自然に交流しながら、気軽に子育ての相談にも応じられる保育園です。地域の皆様にも喜ばれ、経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価を得ています。


〈特に優れていると思われる点〉

1.子供の最善の利益を第一に考えた保育を実践しています。
  運営方針の中には、「子どもの最善の利益を考慮し」「子どもの意思及び人格を尊重して」保育の提
 供に努めるとし、子どものことを第一に考え、大切にしている姿勢がうかがわれます。保育士は、子どもに優しく寄り添い、愛情と情熱をもって接していることが感じられました。子どもの成長・発達に大きな影響を及ぼす「遊び」についてはパズル、やわらかいボールなどをはじめ、多種多様な遊具、玩具や絵本などを取り揃え、子どもの自由な発想、意思で遊べる環境が整っています。
 特に、モンテッソーリ教育の利点を取り入れ、また、カプラやレゴブロックなどの近年注目されている教材なども導入し、子どもの自由意思による自発的な活動を助け、責任感と思いやりをもった自立的な人間に成長すること目指しています。また、利用者アンケート調査結果においても、「お子さんが園生活を楽しんでいるか」や「あなたのお子さんが大切にされているか」「自立に向けた取り組み」「お子さんが満足しているか」に関する問いに対し、「満足」あるいは、「どちらかといえば満足」と回答した方が90%以上という、非常に高い割合で肯定的な評価を頂いています。
 今後も引き続き保育方法をはじめ遊具や玩具、絵本などについて、子どもの自由な発想、意思を伸ばし成長に繋げるように努力されることを期待します。

2.充実した食育活動により、保育目標の「心も身体も健康な子を育てること」に寄与しています。
 「食育」とは、「健全な食生活を実践できるようにする教育」のことを指し、当園でも「子どもの生涯の健康のそもそもの土台しっかり作る重要な活動」であると認識し、保育目標にも「心も身体も健康な子を育てること」を掲げ、最も重視しています。実践にあたって、子どもたちは毎日調理室の様子をつぶさに見ることができ「食」が身近に感じられるようになっています。園内で子どもたちが栽培したものを食材として使用したり、食材の皮むきなどを手伝うことにより、参画意識が醸成されています。無農薬・減農薬の安全・安心なものの納品に努めると共に、納入業者にも協力を得て魚など時には原形のまま納入してもらい、子どもたちの目の前で捌くなど、日頃家庭ではなかなかできない貴重な体験を重ねています。これらの活動を総合的に連携させ、管理することにより、「食」対する興味・関心が育まれ、子どもたちは毎日楽しみながら食事を摂り、それを通して心と身体の健康の基礎がしっかり作られています。

3.エコ活動、省エネ活動を推進すると共に、保育にも取り入れ、モノを大切にする心を育んでいます。
 屋上に太陽光発電パネルを設置し、自家発電を実施しています。園の入り口の目に留まり易いところにリアルタイムで発電量を表示し、園児が毎日目にしています。牛乳パックの紙で玩具や教材を作ったり、野菜くずをコンポストに入れ園庭などで野菜作りの肥料にするなどして、平素の保育の中でエコ活動、省エネ活動などを実践すると共に、その重要性について説明し、資源やモノを大切にする心を育んでいます。職員も職員会議で毎月の水道光熱費の推移を報告し省エネルギーに対し、意識を高め、こまめに電気やエアコンを消したり、率先して活動に参画し、園として一丸となって取り組んでいるこの状況をぜひ今後とも継続して頂きたいと思います。

〈更なる改善努力が期待される点〉 

1.園の保育や行事に関する保護者の要望に対し、更なる丁寧な回答・説明が求められます。
  運動会をはじめ、毎年多くの行事が計画・実施されます。その際、アンケートも行われ、保護
 者から提案・要望や確認が寄せられています。これに対し園としても真摯に検討し回答・説明することとし、基本的な仕組みはできています。しかしながら、検討体制が不十分で、回答・説明が遅れ滞っている場合もあるのが実態です。速やかに体制の強化を図り、的確な対応が求められます。また、検討や回答に長時間を要し速やかに対応できないケースや保護者の要望に沿えないこともあるかと思われます。ただ、このような場合でも途中経過や沿えない理由などについて丁寧な説明につとめることが必要です。先ずは体制の強化と対応要領の迅速化を図ることが求められます。

2.運営業務全般にわたる厳正な処理と保護者に対し丁寧な説明が求められます。
 昨年4月、土曜日の給食提供をめぐって横浜市により指摘を受け、現在改善に努力しているところですが、この問題について、本評価のアンケート調査においても「費用やきまりに関する説明については(入園後に食い違いがなかったかを含めて)」との項目に関し、「満足」あるいは「どちらかといえば満足」の肯定的評価は30%以下であったのに対し、「不満」あるいは「どちらかといえば不満」の否定的評価が60%以上であり、異例な結果が示されています。自由記述欄にも厳しい意見が多数寄せられました。経費の使い方をはじめ園の運営業務全般に関し透明化や厳正な処理について早急な見直し・改善を図ると共に、利用者に対する丁寧な説明が求められます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育の基本方針の中に「子どもが安全で安心できる環境を用意し、養護と教育(食育・知育・徳育・体育)が一体となった保育の中で、豊かな人間を育てるために、自主性のある子・仲間と協力協調できる子・創造性のある子を育てることを目指す。」として、利用者本人を尊重したものになっています。
・子どもに対して命令口調や否定口調ではない言い方をするように留意し、そのことを職員間で相互に意識し合うようにしています。子どもと話をするときには、子どもと同じ目線に立ち、分かりやすくゆっくりと話をしています
・パーテーションなどを利用して子どもが落ち着いて活動できるようにしています。必要に応じて、一対一で話し合える環境を用意しています。
・守秘義務については、全職員が参加する職員会議でその意義や目的を周知しています。保護者には個人情報の取扱いについて「ごあんない」にも記載し、懇談会でも説明しています。なお、児童票などの個人情報に係る記載のあるものは事務所の施錠できる棚に保管・管理しています。
・男の子と女の子で遊びを区別しないようにしています。また、持ち物や服装も性差による色分け等は行わず個人の気持ちを尊重しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は基本方針、園目標に基づいて作成し、内容は、子どもの権利に反
しないよう、子どもの最善の利益を考慮し、職員会議等で内容を話し合い周
知しています。家庭環境、職場の環境に準じて実情に合わせています。
・指導計画は子どもの状況を考慮した上で、保育課程に基づき作成しています。
個々の理解度に応じて、個別に丁寧に伝え、納得できるよう指導しています。
・毎月1回、安全点検を行い、不衛生な場所、危険な場所がないかなど安全点検表により確認しています。
 〔遊び〕
・成長に合った玩具、教材を用意し、自由に取り出せるようにし、各クラス年齢に合った室内空間作りを心掛け、コーナーを用意し一人ひとりが落ち着いて遊べる環境も整えています。
・園庭では、個々の興味に応じた遊具等を選んで遊べるように配慮しています。子どもたちからの意見などを受け止め、活動に取り入れています。子どもたちが落ち着いて自由に遊べるコーナーを常設しています。
・2歳以上からはルールのある遊びを取り入れ、ドッジボールなどルールのある遊びは、子どもたちでルールも考えながら遊びを広げています。
・金魚の飼育(水やり、えさやり)を通して、生き物を大切にする気持ち、命の大切さを学んでいます。近隣の公園や広場などに散歩に行き、梅の花、桜の花、金木犀、どんぐりなどを見て季節の変わる様子などを直に感じられるようしています。野菜の栽培や稲作りから、心を込めて育てる過程、収穫した物を調理し、味わうまでの一連の体験から、食べ物を大切にする心が育っています。
・年齢や発達に合わせた素材や道具を用意しています。お絵描きコーナーを作り、自由に絵を描ける環境を設け、リズム体操は年齢に応じて変化を持たせています。積み木、レゴブロック、パズルなど好きなもので集中して遊べるようにしています。
・3,4,5歳児クラスの子ども同士のケンカは、すぐに保育士が間に入ってしまうのではなく、見守りながら子どもたちで解決できるように言葉がけや働きかけを行っています。
・散歩や誕生会、リズム体操などの行事の中で、異年齢の関わりが持てるようにしています。一緒に過ごす中で、大きい子は小さい子をいたわる思いやりの心を育て、小さい子は大きい子への憧れを育てています。
・歩くことに重点を置き、1〜5歳児まで戸外遊びを中心にした保育を行っています。幼児は遠足に行き長距離を歩いたり、バスや電車に乗っての遠足も行っています。
〔生活〕
・子どもが楽しく食べることが心と体への栄養と考え、子どもの食環境を整えています。カリキュラム会議などで、子どもの給食の状態などを話し合い、職員全員で子どもの個々の喫食状況を把握するようにしています。
・自分たちで栽培した野菜や調理した食べ物で、食べたくなるきっかけを作っています。給食室で調理している様子や魚をさばいている様子を子どもたちと見に行く機会を設け、調理過程にも携われるように下ごしらえなどを子どもたちが行えるようにしています。
・子どもたち自身が配膳・片付けできるような環境を取り入れています。
・食事の挨拶や食を通して知識、行儀、礼儀、マナーを学んでいます。
・清潔な環境で、気持ちよく食べられるよう、テーブルクロスをしたり、幼児クラスではテーブルに花を飾ったりしています。
・献立表を毎月月初めに各家庭に配布しています。検食台に今日の給食を並べて、保護者が、子どもたちが今日食べたものを目で確認できるようにしています。アレルギー対応児は、個別にメニューが配布されています。
・午睡について、習慣のない子は身体を休める時間だという事を伝え、静かに過ごしています。5歳児は、11月から小学校に向けて、お昼寝をしない日を設けています。
・トイレットトレーニングは保護者と連絡を密に取りながら個々の状態に応じて進め、家庭と保育園での排泄状況を確認し合いながら子どもの負担にならないように進めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・職員が個別指導計画、個別日誌を作成し、発達状況など詳しく記録するようにしています。日々変化する子どもの発達に合わせ、毎日の打ち合わせの時間を用いて、目標、計画を柔軟に変更、見直しを行っています。
・特に配慮を必要とする子どもについては、職員会議で、今このように接しているなど細かなことを伝え、その内容を記録しています。医療機関や専門機関との連携体制が確立し、保護者に承諾を得て、療育センター等の関係機関から園児の様子を訪問して観察してもらう体制があります。配慮の必要な子ども一人ひとりに合わせて、個別指導計画を立て、発達に応じて見直し、確認を行っています
・虐待については、職員会議等で話し合える機会を持っています。虐待が疑われた場合、区の関係機関に速やかに相談し、その後の変化についても連絡を取り合いながら家庭を援助しています。
・アレルギーのある園児には、アレルギー診断書を医師に書いてもらった上で、保護者、園長、栄養士、担任保育士とで面談を行い除去食の内容を確認しています。誤飲、誤食が起こらないよう調理器具を分け食器も分かりやすいように除去食ごとに色分けして名前を記入しています。
・異なった文化の共存を認める立場で保育を行い、子どもの異文化に対する意識を高めています。食文化の違いもあるので、給食が食べられない間は家庭からお弁当を持参することを相談し、配慮しています。
・保護者との日常の会話の中で、困っている事や不安・不満を汲み取れる努力をしています。各クラスの掲示板に苦情解決窓口の利用方法、第三者委員の連絡先を明示し、コミュニケーションボックスを玄関に配置し、いつでも匿名で意見を伝える仕組みを作っています。迅速な対応・解決のため要望・苦情に対してはその日のうちに情報共有し、検討し、内容はミーティングノートに記載するように努めていますが、現状での対応能力は十分とは言えません。相談内容によっては児童相談所や区子ども家庭支援課に相談し、解決への援助を要請するようにしています。
・健康管理については、朝の引き渡しの時には、保育士は、家庭での様子を保護者から聞き一人ひとりの健康観察を十分に行い、必要により、連絡帳に記入してもらっています。保育士は一人ひとりの健康状態を把握出来るようにしています。
・健康台帳に既往歴について保護者に記入してもらい、職員が周知できるようにしています。健康診断、歯科健診を定期的に実施し、結果に基づき衛生指導を行うと共に、保護者にも連絡しています。 
・感染症マニュアルを作成し、全職員が把握できるようにしています。園内で感染症が発生した場合には、各クラスにお知らせを掲示して保護者に周知しています。感染症の治癒については、医師の証明をもって登園してもらえるようにしています。
・衛生管理については、園舎全体の掃除を行い、清潔を意識し、各保育室に消毒液を置いています。
・安全管理については、地震時の転倒を考慮し、設備・備品には転倒や落下防止処置および建具の扉にロックかかるよう施工しています。事故災害マニュアルを作成し、職員が周知し、年に一度引渡訓練を行っています。園内の安全点検チェック表があり、不備事項は速やかに改善しています。避難訓練、消火訓練、防犯訓練を毎月行い、事故災害等さまざまなパターンを想定した訓練を実施しています。
・ケガがあった際、原因の究明を行い、反省点の確認、改善予防策を確認しています。ケガの翌日の受け取り時は、降園後の家での様子を保護者から、詳しく聞くようにしています。
4 地域との交流・連携 ・園庭開放日や施設見学時に育児相談をする中で、地域住民の子育てに関する悩みや要望を把握し記録しながら良策を検討しています。園庭開放日や施設見学時に育児相談をする中で、地域住民の子育てに関する悩みや要望を把握し記録しながら良策を検討しています。
・地域住民の施設見学の際に希望があれば育児相談を行っています。ホームページや園外の掲示板に掲示したりして、地域住民に情報提供を行っています。
・当園の行事の前に子どもたちと一緒に地域住民に招待状を届けに行き、行事にぜひ参加いただけるよう声を掛けています。月に一度、地域住民に園庭を開放し、園庭の玩具・遊具を自由に使って遊べるようにしています。また、町内会や地域の団体の行事に積極的な参加しています。
・ボランティア受け入れマニュアルにもとづき、活動中の指導・相談にのるとともに受入記録を整備しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・当園のホームページで情報の提供をしたり、園外の掲示板で地域の方にも気軽に園の情報を知ってもらえるようにしたりしています。また、市のホームページに当園の情報を提供し、保育内容や実費費用などの情報を掲載しています。
・就業規則・オリエンテーション資料・倫理規定が整備されており、職員が守るべき法・規範・倫理等が明文化され周知されています。当園の経営・運営状況等の情報については、監査報告書を事務所で管理し開示要求があればいつでも閲覧できるようにしています。
・保育室や事務所・職員の休憩室に当園の理念および基本方針を掲示しています。また、年度初めのオリエンテーションや職員会議で理念・基本方針を確認・周知しています。
・重要な意思決定について、緊急説明会を開き職員や保護者に説明したり質問に答えたりしています。
・ゴミ減量化の取り組みとして、野菜くずをコンポストに入れ園庭で野菜作りなどの肥料にしています。
・外部環境の変化等に対応し事業運営に影響のある情報については、当法人の各園合同の園長会・主担任会議を開催し情報交換や議論をしています。運営面での改善課題については、事務局を作り事務の効率化を図かるとともに、保育園経営コンサルタントの助言を受け園の組織化を進めたり運営に必要な情報の収集・分析を行ったりしています。
6 職員の資質向上の促進 ・各機関に対し求人を行い、当園の運営理念に則した人材の補充を行っています。研修計画にもとづいて研修の内容を確認でき、部内・外研修への参加を希望できるようになっています。非常勤職員に対する指導担当者として経験年数を考慮した職員の組み合わせや指導の細やかさなどに配慮しています。
・年度の終わりに職員の自己評価を行うと共に、保育所の自己評価(「保育所の自己評価結果について」)を行い年度末に保護者にその結果報告を行っています。系列園との交流や見学を行い、良いところは採り入れ更なるサービスの向上を目指しています。
・組織図等で経験・能力に応じた役割配分を明示しています。上層部からの指示を待つのではなく、個々人が自主的に判断できるものについては責任をもって判断・行動しています。

詳細評価(PDF831KB)へリンク