かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク大船保育園(5回目受審)

対象事業所名 アスク大船保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 247 - 0006
栄区笠間3-1-4
tel:045-897-6765
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 アスク大船保育園は平成25年4月1日に開園して5年目を迎える園で、株式会社日本保育サービスが運営をしています。園はJR大船駅の笠間改札口から徒歩10分ほどの所にあり、大きな通りからは駐輪スペースなどを経た玄関となっています。周辺には高層マンションや戸建ての住宅が立ち並び、子どもたちが戸外活動で出かける公園などが複数あります。
 園舎は鉄骨造り2階建てで、クラスごとの6つの保育室、調理室、事務室があり園庭が設置されています。屋上にも屋上庭園があり、プール遊びや夏祭りに利用しています。
 園は0歳児から就学前の年長児を対象に保育を実施し、延長保育と障がい児保育も実施しています。定員は60名で、現在の利用者は60名です。
運営法人は4つの運営理念や保育の基本方針を明確にしています。この理念・方針のもとに、園独自の目標を「あかるく たのしく げんきにあそぼう」として保育を実践しています。


≪優れている点≫

1.園庭の畑での野菜栽培とクッキング保育を実施して食育活動に繋げています

 園では、園庭にある畑で季節に応じたさまざまな野菜を栽培し、子どもたちの食育活動に繋げています。毎年年度始めに運営法人の食農担当者と相談して、今年は何を育てるかを決めています。
栽培する作物が決まると、栽培計画を立案し、肥料や種、苗などの準備から始めて、畑を耕し、子どもたちと一緒に、じゃがいも、きゅうり、ピーマンやほうれん草などの種や苗を植える体験を行っています。水やりや草取りなども行い、生長の過程を子どもたちと見守ります。出来た作物はみんなで収穫し、年齢に応じたクッキング保育に活用しています。年長児のお泊り保育の際のカレーライスの材料にも使用し、調理体験を通して子どもの食への興味、関心にも繋がっています。


2. 専門講師により教室を開催し、子どもたちの思い出に残る保育を実践しています

 保育園では、運営法人本部から派遣される専門講師により、英語、体操、リトミックの教室を1歳児クラスから5歳児クラスまでクラスごとに実施しています。
英語教室は、幼少期から楽しい環境で英語に触れることにより、英語を楽しむ心の育成と英語に対する自信の構築を目指しています。体操教室では、運動遊びを通して体の動きと心の動きを経験することで、動作の基礎を習得し自らチャレンジする力を育てることを目指しています。
リトミック教室は、音楽活動を通して、友だちと共感したり楽しんだり、時には自ら考え意欲を持って取り組むことができる心と体の育成を目指しています。遊びに加えて教室活動でも子どもはあかるく、たのしく、げんきに楽しんでいます。


3.地域との関わりを子どもたちも職員も大切にしています

 保育園は、地域との関わりを大事にして、地域に支えられて成長しています。保育園の屋上庭園で開催する夏祭りや運動会はホームページやポスターの掲示で地域に呼び掛けて地域住民の参加を得ています。
職員は区民祭りに参加して保育園のコーナーの案内を手伝っています。年長の子どもたちは、近隣小学校の児童と幼保小連携で交流して、年1回開催される区の幼稚園や保育園との交流会で集団あそびを楽しんでいます。また、地域のサロンの集まりや地域の敬老の日にちなんだ福祉祭りには、年長児が折り紙などでメダルを作りプレゼントしています。ハロウインには、子どもたちが仮装して近隣をパレードしています。子どもたちは、お世話になっている近隣の郵便局や弁当屋に、毎年年賀状を作成したり折り紙等で作ったプレゼントを送り、感謝の気持ちを伝えています。


≪努力・工夫している点≫

1.子どもたちの安全・安心を第一に考え、保護者が安心できる保育を目指しています

 園は、子どもたちの安心・安全を第一に考え、保護者が安心して預けられる保育を目指し、日々実践しています。戸外活動時の子どもの確認や徹底した食物アレルギー対策を日々行って子どもの安全・安心への配慮を行っています。
食物アレルギーの子どもに対しての対応の一つとして、食物アレルギーの子どものテーブルと他の子どもたちのテーブルを離して設置しています。保育室内の床にピンクのテープでラインを貼ってエリアを区分けし、このエリアに入るときは、食物アレルギーの物質などが入らないように衣服を払って入るようにしています。他の子どもたちが食事をこぼした時には、保育士が即清掃し、こぼした子どもは衣服を直ぐに着替えています。このように細心の注意、対応により誤食や事故防止に努めています。


2. 保護者に保育園での子どもたちの生活の様子を積極的に伝えています

 毎月「園だより」「クラスだより」「給食だより」「キャストだより」などで保育園の行事や子どもたちの生活の情報を提供しています。また、子どもたちの日々の様子はお迎え時「担任伝言表」を用いて、担任の保育士以外でも保護者に伝えています。0歳児と1歳児は連絡帳で保護者と連絡を密にしています。
今年度から、保護者の登録により、スマートフォンやパソコンで毎日の各クラスの子どもたちの生活の様子を写真で見ることができます。保育園のブログも配信しており、パソコンなどで見ることができます。保育士はタブレットで子どもたちの生活の状況を撮影してアップしています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.地域住民の子育て支援ニーズの更なる把握と育児相談業務の積極的展開が期待されます

 保育園は、地域住民とのイベントなどでは地域に根付いて積極的に交流しています。一方地域住民への子育て支援の相談については、相談窓口を設け相談日も告知していますが、実績はありません。
告知方法の検討や、相談場所を保育園だけでなくこちらから出向くなどの方策も検討し、地域の子育てニーズの把握と育児相談業務の積極的な展開が期待されます。


2.非正規職員の資質向上のために研修の充実が期待されます

 保育園の正規職員については、運営法人本部のサポートもあり、「保育士人材育成ビジョン」に基づいて、階層別に業務の役割などが定められ、人材育成のための階層別研修が行われて資質の向上は図られています。
一方、非正規職員は自由選択研修への参加資格はありますが、階層別研修は受講できません。非正規職員は職員会議にも出席しないため、こうした研修の内容は研修報告書の回覧で後日知ることになります。非正規職員が多い現状では、非正規職員のスキルアップを図り業務に活かせるかが鍵になります。現状の研修体制を見直し、非正規職員の研修の充実が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

職員は子どもたちの発言や思いを出来る限り受け止めています。活動によっては急かしてしまうこともありますが、職員間でお互いに声を掛け合って改善を心がけています。日常的に職員間で声掛けができるよう良好な関係作りに努めています。遊びや行事の役割やグループ分けなどで性差による区別はしていません。母の日、父の日の行事は「家族みんなにありがとうの日」として子どもたちに話しています。

空いている保育室や相談室、事務所を使って、子どもが他の子どもの視線を気にせずに落ち着くことが出来るように工夫しています。他の子どもや職員の視線を意識せずに1人の空間を作る工夫をするなど、必要に応じてプライバシーが守れる空間を確保しています。

職員に就業規則やマニュアルで個人情報の定義や守秘義務の意義や目的について周知し、それに従い職員は行動しています。実習生やアルバイトにもオリエンテーションで人権について説明しています。保護者には重要事項説明書の中で説明し、個人情報管理の了解を得ています。個人記録は事務所の鍵付きの書庫に保管し、保育室に持ち出す時は必ず声をかけるなど、徹底しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

朝、夕の合同保育、土曜保育の他にも異年齢児が一緒に散歩に行き、園庭での遊びの中で異年齢の子ども同士が交流しています。子ども同士のけんかなどについては、危険のないよう見守りながら、年齢に応じた仲裁のタイミングを配慮しています。幼児クラスは、自分たちで解決できるように助言をして、お互いの想いを聴き相互に納得し理解出来るように援助しています。職員は危険を回避するために強い口調になる場合もありますが、その後必ずフォローし、子どもとの信頼関係を損なわない努力をしています。

天気のいい日は毎日、散歩や戸外活動を取り入れ、散歩の際は年齢や発達段階に応じて、公園の距離、所要時間、遊具等を選んでいます。夏季には屋上園庭でプールや水遊びをしています。夏場は毎日、環境省の暑さ指数の情報を調べ、「危険」の時は外に出ないなど、熱中症対策をしています。紫外線の強い時期には園庭や屋上園庭に遮光ネットを張って、子どもが少しでも安全に過ごせるよう対策しています。月に3〜4回専門講師による体操教室を1歳児クラスより行い、発達段階に応じて運動能力を高められるような環境を提供しています。

子どもに人気のメニューや保護者の要望に合わせて、レシピは持ち帰れるようにしています。毎月「給食だより」を配布し、その中で今月の給食の紹介や季節の食材についてなどの食に関する情報提供をしています。アレルギー児には、該当日の除去対応が書いてあるものを配布しています。年1回の給食試食会では、栄養士が話しをしています。アレルギー児や離乳食の保護者面談の際には味付けや除去に対しての代用食材等、園での配慮を伝え、お互いに連携を取りあっています。

園庭に畑があり、年度始めに今年は何の作物を育てるか園と運営法人の食農担当が相談の上、年間計画を立てて肥料や種、苗などの準備をしています。子どもと一緒にじゃがいも、きゅうりなどの種や苗を植え、水やりをし、みんなで育てています。収穫した野菜は、クッキング保育に活用して食育活動に繋げています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

入園にあたっては、入園後の集団生活に必要な生育歴などの状況などを保護者に所定の書式に記載してもらっています。また、年2回個人面談を実施し、面談シートに記録しています。入園後の子どもたちの成長記録は、「児童票」、「発達記録」などに記録しています。なお、0歳児クラス、1歳児クラスは毎月、2歳児クラスから5歳児クラスは3ヶ月毎に発達状況を確認しています。記録は、個人情報保護の観点から、事務所の鍵のかかる書庫に保管していますが、必要に応じて、職員が閲覧し保育に活かしています。

アレルギー疾患のある子どもは、かかりつけ医の指示を受けるとともに保護者とも連携して適切な対応を取っています。職員はアレルギー疾患についての知識を共有しています。感染症対応マニュアルを作り、感染症羅患時の登園目安、医師による登園許可書(治癒証明書)の提出などを「重要事項説明書」に明記して、保護者に説明しています。感染症が発生した時は、玄関に流行している病名、発生時期、クラス、人数、症状、登園許可書の有無等を掲示し、情報提供すると共に注意喚起しています。事務所と職員の休憩室には「衛生マニュアル」を配備していつでも見られるようにし、保育室の消毒除菌に努めています。

玄関はオートロックで、保護者は個人持ちのICカードで解除して入っています。お迎えが通常と異なる場合は、事前の連絡が必要で、顔認証のため写真を預かって確認しています。民間警備会社と契約し、通報ボタンは園内に設置しています。戸外活動時には、各クラス、民間警備会社が提供する専用の端末を持参して、GPSによる位置情報提供および現場急行サービスによる緊急通報体制が確立しています。毎月行う消防訓練は、職員に伝えないで行うこともありますが、職員、子ども共にスムーズに訓練が出来ています。不審者侵入を想定した訓練も年2回行っており、派出所との連携も取れています。



4 地域との交流・連携

地域の子育て支援ニーズを把握し、子育て相談を実施する体制があります。栄区の園長会、幼保小連絡会、地域の子どもたちとふれあう会の交流会に出席して意見を交換して、地区担当の主任児童委員が来園して支援が必要な家庭の情報を得ています。また、地区の他の園との年長児同士の交流会にも参加しています。

地域住民に向けて、子育て支援の育児相談は毎週水曜日に実施している旨の告知を保育園の正門の脇の掲示板で掲示していますが、現時点では保育園に通っている保護者からの相談はあるものの、外部からの相談実績はありません。

保育園の夏祭りや運動会はホームページやポスターの掲示で地域に呼び掛けています。保育室や屋上園庭で開催する夏まつりでは屋台や盆踊りに地域住民を招待しています。職員は区民祭りに参加し、保育園のコーナーの案内や手伝いをしています。年長児クラスの子どもたちは、近隣小学校の1年生や5年生と年数回交流しています。地域の祭礼の際には、神輿の休憩所として駐車場を貸し出し、電気や水道を提供しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

組織及び職員が不正や不適切な行為を行わないよう守るべき法や倫理などを業務マニュアルや就業規則などで明文化しています。経営や運営状況などは運営法人ホームページなどでも公表されています。他の保育園などで発生した不正や不適切な行為は、運営法人の本部から検討課題として提示され、保育園で検討した対応策などを報告する仕組みがあります。節電や節水も呼びかけています。運営法人のホームページで企業の社会的責任・環境活動の考え方、取組みを記載しています。

保育園の理念や基本方針は、入社時の研修や職員会議、職員ミーティングなどを通じて職員に周知しています。また、正規職員にはクレドを配布して周知に努めています。職員の理解度は、日常の会話や面談などを通じて園長が確認するように努めています。中期計画は保育園が運営法人の了承を得て独自に作成しています。中期計画に基づき、計画を達成するために前年度の反省と改善を踏まえて、単年度の計画を作成し、関係者が情報を共有して計画の達成に向けて活動しています。

次代の組織運営に備え、運営法人本部が運営やサービスプロセスの新たな仕組みを常に検討しています。次代の保育園運営に備え、「保育士人材育成ビジョン」を基に、キャリアップに繋がるように計画的に職員の育成に努めています。

6 職員の資質向上の促進

保育園は運営法人の「保育士人材育成ビジョン」に基づき、本部が階層別の役割などを設定するとともに階層別研修を実施し、人材の育成に努めています。園長はクラスの状況などを踏まえて職員の配置やシフトを調整し、必要に応じて運営法人との連携の下に人材を補充しています。職員の持つ知識や経験に基づき理念や方針を踏まえて個人別の人材計画を策定しています。職員は園長との面談を経て、年度始めに成長目標、研修目標を設定して「個人別年間計画」を作成します。半年ごとに振返りを行い、園長と面談して、目標の達成度を確認し、次の目標設定に繋げています。

経験年数などに応じた法人の階層別研修は正規職員を対象としています。社外研修の案内は職員に回覧され、希望者を募っています。階層別研修は正規職員のみ受講ですが、自由選択研修には非正規職員も受講できる仕組みになっています。正規職員と非正規職員の業務の役割が明確で、権限と責任も明確になっています。業務の遂行にあたっては、必ず、正規職員と非正規職員を組み合わすように調整しています。非正規職員への指導は必要に応じて園長や主任が行い、職員間の協調性が保持できるようにしています。

職員については、個人目標の設定と半年ごとに振返り評価を行う仕組みができています。保育園全体としての評価は、第三者評価を毎年受審することとして目標に掲げて、第三者評価受審のための職員による評価を当てています。運営法人の他の保育園での工夫や改善した事例などは運営法人本部からの検討指示により、話し合いをして改善策を報告しています。必要に応じて、運営法人の内部監査やエリアマネージャーなどの助言を得る他に、自治体の行政監査や第三者評価の受審を通じて、指導や評価を得ています。


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