かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

港南あひる保育園

対象事業所名 港南あひる保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 あひる会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0005
港南区東芹が谷14−10 
tel:045-823-7439
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
〔施設の特徴 〕
 港南あひる保育園はJR東戸塚から神奈川中央交通バスで芹が谷山谷で下車、徒歩3分の住宅地の中にあります。平成27年4月に開設され、建物面積は370.77平方メートル、園庭の広さは110.27平方メートルで、園舎は鉄筋コンクリート造り地下1階地上2階建てです。定員50名で現在の入所児童数は51名です。周辺はマンションや公営住宅が立ち並ぶ閑静な住宅街で、公園なども多く、保育には良好な環境の中にあります。子どもたちは、保育園での豊かな生活や遊び体験の中で、周囲の人々や友だちとのかかわりを心地よく感じたり、学んだりしながら成長しています。また、地域の親子が園児や保育士等と自然に交流しながら、気軽に子育ての相談にも応じている保育園です。地域の皆様にも喜ばれ、経験の豊かな保育士のもと利用者から非常に高い評価を得ています。
〔特に優れていると思われる点〕
1.子ども一人ひとりの個性を大切にし、優しく寄り添った保育が実践されています。
  保育方針の中にも、「一人一人が好奇心や探究心を十分に発揮できるようにします。」など、子ども一人ひとりの個性や思いを尊重し、大切にすることを掲げています。そのため、日常の保育の中で職員一人ひとりが子どもの様子や変化をしっかり捉え、共有しています。特に、子どもの会話や行動、その時の表情などきめ細かく把握し、日々それを積み重ねることにより、その子の個性や思いを子どもの目線での理解に努めている姿には、保育方針を具現化しようとする努力と前向きな姿勢が強く伺われます。子どもにとっても自分を大切にしてくれる職員の皆様に親しみと信頼を感じつつ、日々の生活を共にすることにより大きな成長への後押しとなっていることと思われます。この保育方針のもと、今後も子どもに優しく寄り添った保育が継続されていくことが期待されます。
2.地域の子育て支援ニーズに応え、また、町内会活動への参加を通して、地域の方々と密接且つ良好な連携体制を築き、園の運営にも大きな支援を頂いています。
 当園の立地環境は住宅が密集した地域であり、子育て支援に関し大きな役割と期待を担っています。一時預かり保育や地域の親子が園に遊びに来られる日を設定するなど、地域の子育て支援ニーズには最大限応えることに努めています。また、町内会の一員として祭りなど地域の活動に参加し、イベントを盛り上げています。一方、保育や園の運営に関係するきめ細やかな情報提供や、園児が公園などに散歩に出向いた時には、優しい声かけを頂き、子供たちの成長に大きな後押しとなるなど園の運営にも大きな支援を頂いています。今後ともこの体制の維持・発展が望まれます。 
3.周辺の環境をしっかり活かし、狭隘な園庭など環境上の制約を克服して保育の向上に努めています。
 園児一人当たりの園庭の面積は2.2平方メートルで、やや狭いことは否めません。しかしながら周辺地域には多の公園が整備され、あちらこちらには小さいながらも自然が残り昆虫や草花などの生きた姿を目の当たりにする環境が整っています。子どもたちは日々新たな発見と心わくわくする貴重な体験を積み重ね、伸び伸び運動できる環境のもと心身を鍛えています。これらの公園の特徴を把握し、組み合わせてバラエティーに富んだ散歩コースを企画・立案し、体力の向上と自然に対する興味や関心、更には豊かな人間性の育成に繋げています。また、屋上についても、おやつ後の夕方の時間に安心して遊んだり、夏にプールを設置するなど、創意工夫をして有効に活用しています。
4.職員は、チームワークを発揮して互に助け合い、子どもの成長をしっかり後押ししています。(保育の向上に努めています。)
 子どもたちは日々心身ともに大きく成長しています。個性が芽生え、一人ひとりの行動は千差万別、様々です。心や体調も大きく変化することも日常的です何が起こるかわからない保育の現場では常に臨機応変かつ柔軟な対応が求められます。このような状況にしっかり対応するため、職員は互いに協力し助け合い、チームワークを発揮しながら臨むことは不可欠です。今回の訪問調査においても、室内での「跳び箱あそび」、「手押し車」などの場面では子どもたちが伸び伸びと遊んでいましたが、集団の中に入り遊びをリードしている保育士もいれば一人ひとりの子どもがぶつからないように、怪我をしないように見守っている保育士もいて、互いに声を掛け合い、合図し合って連携を取り、見守りの空白や隙間ができないように細心の注意を払っていることが伺われました。それぞれ担当の職務を遂行しながら、しっかり連携し、情報が共有され、チームとして信頼感が醸成されている証であると思います。この体制をしっかり維持・継続・発展して行かれることを期待します。
〔更なる改善努力が期待される点〕
1.中期計画の更なる充実が望まれます。
  法人本部の方針や指示を受けて園としての中期計画を作成していますが、計画すべき事項の項目および簡易な内容に止まり、各事業の狙い、具体的目標、実施要領、時期など具体的内容についての記述がやや不十分な状況です。開園3年目の現時点では運営全体がまだ手探りの状況であり、眼前の事象への対応で手一杯であることは否めませんが、今年度からは全クラスの園児が揃い、体制が整ったこの時期を節目として、より充実した中期計画の作成に取り組んで頂きたいと思います。3〜5年後の園を取り巻く環境、期待される役割・機能などから、在るべき(在りたい)姿を検討し、具体化して行くことが望まれます。これにより、当年度計画もより的確・充実したものになって行くと考えます。
2.園の行事などについて、保護者に対して更なる丁寧な説明が望まれます。
  園の行事のついては、できるだけ保護者の方々の都合や負担を考慮して計画し、毎年度当初に予定表を配り、懇談会などで丁寧な説明に努めています。しかしながら、天候などに左右される面も大きく、必ずしも全ての方々が満足できるような対応も難しいのが実態です。したがって、今後とも引き続き、行事の内容や実施時期、要領などについて検討し、保護者からのアンケートなども参考にして改善を進めると共に、より丁寧な説明に努力されることが期待されます。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・「利用者本人の尊重」は人権の学習をすることで、さらに職員の意識を高める努力をしています。
・こどもの人権尊重は常に意識して保育をすることが求められるが、意識を保つために、園運営会議の場で人権の係が必要に応じて事例の報告や提案をするとともに、人権についての外部研修を受講した職員が他の職員に報告することで意識を高め合っています。
・保育室の空きスペースを利用し、カーテンを掛け、他人の視線を意識せず過ごせる場所があり、保育室の設計や家具の配置で1対1を確保できるよう工夫しています。場合によっては、保育室の外(廊下など)でゆっくりクールダウンしながら話したりすること等、保育士の判断で行っています。
・個人情報の取り扱いマニュアルを作成しており、全職員に周知しています。個人情報の取り扱いについては、職員の意識の向上が欠かせないので、年度初めに必ず確認するようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育理念や方針は年度初めに全職員で確認し常に目にふれるようにしています。また、毎月の園運営会議でいろいろな案件を討議する中で理念や方針の
理解をすすめています。新しい職員には現場で保育をする中でその都度伝えることで理解が深まるようにしています。
保育課程は「保育の基本方針」に基づき、主任保育士が検討案を示し、職員全員で審議した後、園長が全体を取りまとめて作成しています。作成にあたっては、近くに公園や広場が多いなどの地理的特性や一時保育などのニーズ、高齢者が多い事ことなど取り巻く環境の特徴、さらには保護者の意見も取り入れ、保育の質の向上のため、幅広い視野に立って検討がなされています。
・保育の質を上げるため保育理念や方針について、園の見解を文書で伝えています。
・子どもの発達状況の把握について、入園前説明会で個別に聞き取り、また、入園後の面接や生育歴等で把握しています。把握した内容は職員会議等で口頭での報告、あるいはクラスの連絡ノートなどで共有し、同じ目線で子どもを観察できるよう留意しています。食べ物の好き嫌いや健康状態まで小さなこともクラスの連絡ノートに記載し共有しています。
・個別の状況については朝・夕の保護者との会話、子どもの観察などにより把握しています。
・指導計画は保育課程に基づき、子どもの発達や健康、家庭の状況などを考慮して作成しています。保護者との面談、毎日の連絡帳や行事のアンケートなどを参考にし、保護者の意向も反映させています。
・配慮を必要とする子どもについて個別指導が必要な子どもには個別指導計画を作成し、保護者には、毎日の送迎時に子どもの園での姿をなるべく具体的に伝えるようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

・特に配慮を要する子どもについては、保育士会議や園運営会議で担当保育士が報告をし、全職員から意見を聞き次の保育につなげています。
・近隣住民からの苦情に対しては、町内会役員といつでも相談できるように日頃から連絡を取り合っています。重大な苦情やより早い対応が必要と思われる苦情については時機を失しないように時間を問わず、園長に伝え、迅速・的確な対応に努めています。
・健康管理については、入園時に健康台帳に既往歴、予防接種他を記載してもらい、年2回の健康診断時に見直し最新情報が把握できるようにしています。歯科検診前後に歯の働きや大切さを学び、その後の歯磨きを丁寧に行うように指導しています。3歳クラスから食後の歯磨きを取り入れており、歯科検診時には歯科衛生士より歯磨き指導を受けています。嘱託歯科医が近いことで要治療の子どもたちが通院しやすい状況にあります、感染症対応マニュアルがあり、症状、潜伏期間、合併症、登園停止期間等の記載が記載されています。
・衛生管理マニュアルがあり、清掃、消毒などの手順が記載されそれに基づいて実施されています。
・安全管理について、予想される事故や災害として地震・火事・雷・洪水を想定しています。
・備品や設備の転倒・落下防止処置は随時行い、不十分な個所は発見次第処置しています。
・防災・避難訓練は毎月1回実施しています。年1回消防署から講師を招いての園内研修で、救急救命法や事故防止について学んでいます。非常勤職員も可能な限り参加していますが、参加できなかった職員には、資料を渡し、園運営会議等で報告をしています。


4 地域との交流・連携 ・地域のケアプラザ主催の「永谷地区地域支えあいネットワーク」に園長が参加し、地域の小中学校長、民生委員、町内会長、社協の人たちと情報交換をし、一緒に活動しています。
・港南区子育て連絡会に加入し、情報交換や「子育て情報パンフレット」の製作に協力しています。
・保育園見学の問い合わせの電話や、見学時に子育てに関する相談に対しては、丁寧に聞き、園ではこうしています、などと具体的な言葉で答え、共感することを心掛けています。育児相談は、電話での問い合わせに対し、相談日を決めて実施するようにしています。区の子育て支援の組織(港南区子育て連絡会)に加入し、定期的に開催される会議に参加しています。
・近隣の3つの町内会共催で行う夏祭りに職員が手伝いで参加、一緒に販売などをしながら交流を深め、運動会を小学校の体育館を借りて実施する過程で、職員同士の交流がすすみ、子どもも学校を身近に感じるなど就学前の良い経験になっています。
・近隣の公園をよく利用していますが、使う前に、ごみや猫の糞などを取り除き環境美化に協力しています。
・地域の特性で年配の方が多くいるので、子どもと動いて遊ぶより、布製の手作り玩具製作などを中心にした方が継続しやすいのでは、と考えており、1月から予定しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育所のパンフレット・広報誌・当園・市・区ホームページ等により、地域や関係機関に随時、情報を提供しています。保育所情報冊子に依頼され、園舎外観写真・サービス内容・料金・入所蒔の準備などの情報提供を行いました。
・法人の総会資料を開示し、経営・運営状況がわかるようになっています。また、疑問・質問にはいつでも答えることを伝えています。
・運営委員会(保護者3名、職員、園長、理事の計6名で構成)で事業報告、決算報告を行い、透明性の確保に努めてます。
・全ての職種の常勤職員、非常勤職員で構成する園運営会議を毎月開き、運営体系図に則っとった各係の取組み状況を確認し共有しています。
・職員に関係する意思決定については、会議や回覧等で個人個人じっくり精査したあとに決定する仕組みとなっています。
・主任育成のプログラムを園独自では決めていないため、横浜市主催の主任育成の連続講座を利用し、またフロア主任の育成には、県主催のキャリアアップ研修を受講させ、育成しています。
・運営に関して外部機関(市社会福祉協議会、横浜市私立保育園園長会、他)や「保育情報誌」から新しい情報を得るようにしています。横浜市や港南区の待機児の状況を市のホームページや園長会等で常に把握しています。
・税理士・社労士と顧問契約を結び、常に新しい情報をもとに、労働環境の整備などを行っています。


6 職員の資質向上の促進 ・半年毎に業務の達成度などを全職員がチェックし、主任保育士に提出、その後、園長と個人面談を実施し、次の課題などの確認を行っています。
・園内研修は、夕方の園運営会議に続けて実施、あるいは、日中の子どもの睡眠中に当番の職員以外全員で参加など時間帯の工夫をしながら行っています。
・今年度、外部講師による体育指導を幼児クラスの園児と職員が受け、スキルアップをはかりました。今後も実施して行くように努めています。
・他園の保育の実地研修で実際の保育現場から学ぶ、また、園に来て頂き、意見・感想をいただき、保育に活かすなどを積極的に行うようにしています。職員の意見・要望を募るために、園長が個別面談を実施し、直接要望を聞いています。
・実習生受け入れマニュアルに基づき、今年度1名を受け入れました。
・実習受け入れ担当の主任保育士は市主催の研修を受講、他の職員にも内容を周知しています。

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