かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

芙蓉保育園(2回目受審)

対象事業所名 芙蓉保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ももの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0003
戸塚区戸塚町3417
tel:045-867-2441
設立年月日 2002(平成14)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
〈施設の特徴〉
  芙蓉保育園は神奈川中央交通大坂下停留所から徒歩3分の閑静な住宅街の中にあります。平成
14年4月に開設され、建物面積は612.92平方メートル、園庭の広さは549.17平方メートルです。園舎は鉄筋コンクリート造り2階建てで、定員90名で現在の入所児童数は80名です。立地は、閑静な住宅街の中で、近隣には公園や広場があり、保育には恵まれた環境のなかにあります。子どもたちは、保育園での豊かな生活や遊び体験の中で、周囲の人々や友だちとのかかわりを心地よく感じたり、学んだりしながら成長しています。また、気軽に子育ての相談にも応じられる保育園です。地域の皆様にも喜ばれ、経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価を得ている保育園です。
〈特に優れていると思われる点〉
1.子どもの最善の利益を第一に考えた保育を実践しています。
  運営方針の中には、「子どもの最善の利益を考慮し」「子どもの意思及び人格を尊重して」
 保育・教育の提供に努めるとし、子どものことを第一に考え、大切にしている姿勢がうかがわれます。子どもの成長・発達に大きな影響を及ぼす「遊び」についてはおままごとやカプラをはじめ多種多様な遊具、玩具や絵本などを取り揃え、子どもの自由な発想、意思で遊べる環境が整っています。特に、モンテッソーリ教育の利点を取り入れ、また、カプラやレゴブロックなどの近年注目されている教材なども導入し、子どもの自由意思による自発的な活動を助け、責任感と思いやりをもった自立的な人間に成長すること目指しています。
 また、利用者アンケートの調査結果においても、「お子さんが園生活を楽しんでいるか」や「お子さんの体調への気配り」「自立に向けた取り組み」に関する問いに対し、満足あるいは、どちらかといえば満足と回答した方が90%以上という、非常に高い割合で肯定的な評価を頂いています。今後も引き続き保育方法をはじめ遊具や玩具、絵本などについて、子どもの自由な発想、意思を伸ばし成長に繋げるように努力されることを期待します。
2. 充実した食育活動により、保育目標の「心も身体も健康な子を育てること」に寄与しています。
 「食育」とは、「健全な食生活を実践できるようにする教育」のことを指し、当園でも「子どもの生涯の健康のそもそもの土台をしっかり作る重要な活動」であると認識し 保育目標に「心も身体も健康な子を育てること」を掲げ、最も重視しています。実践にあたって、調理室は保育室に隣接し、子どもたちは毎日その様子をつぶさに見ることができ「食」が身近に感じられるようになっています。園内で子どもたちが栽培したものを食材として使用したり、食材の皮むきなどを手伝うことにより、参画意識が醸成されています。
無農薬・減農薬の安全・安心なものの納品に努めると共に、納入業者にも協力を得て魚などは原形のまま納入してもらい、子どもたちの目の前で捌くなど、日頃家庭ではなかなかできない貴重な体験を重ねています。これらの活動を総合的に連携・管理することにより、「食」に対する興味・関心が育まれ、子どもたちは毎日楽しみながら食事を摂り、それを通して心と身体の健康の基礎がしっかり作られています。
3.職員は互いに助け合い、連携し、チームワークを発揮して園全体の保育の向上に努めています。
 成長著しいこの時期の子どもたちは、個性が芽生え、多感で心身の状態は日々大きく違うのが通常です。したがって、保育の現場では日々何が起こるかわからない状況が常であり予想もしなかったことが起こるのも屡々です。その都度臨機応変かつ柔軟な対応が求められます。このような状況にあっても、職員は相互に助け合い、全員が連携し、チームワ−クを以て的確に対応している場面がたびたび見受けられました。これは、職員一人一人が前向きな姿勢と情熱をもって職務にあたると共に、軽易且つ頻繁にミーティングや打ち合わせを行い、情報の交換、共有を図り、さらにはお互いの気心が知れ、信頼感が醸成されている結果であると思います。今後とも引き続きチームワークを発揮して園全体の保育の向上に努めて頂きたいと思います。〈更なる改善努力が期待される事項〉
1.園の保育や行事に関する保護者の要望に対し、更なる丁寧な回答・説明が求められます。
 運動会をはじめ、毎年多くの行事が計画・実施されます。その際、アンケートも行われ、保護者から提案・要望や確認が寄せられています。これに対し園としても真摯に検討し回答・説明することとし、基本的な仕組みはできています。しかしながら、検討体制が不十分で、回答・説明が遅れ、滞っている場合もあるのが実態です。速やかに体制の強化を図り、的確な対応が求められます。また、検討や回答に長時間を要し速やかに対応できないケースや保護者の要望に沿えないこともあるかと思われます。ただし、このような場合でも途中経過や沿えない理由などについて丁寧な説明につとめることが必要です。先ずは体制の強化と対応要領の迅速化を図ることが求められます。
2.運営業務全般にわたる厳正な処理と保護者に対する丁寧な説明が求められます。
 昨年4月、土曜日の給食提供をめぐって横浜市により指摘を受け、現在改善に努力しているところですが、この問題について、本評価のアンケート調査においても「費用やきまりに関する説明については(入園後に食い違いがなかったかを含め)」の項目について「満足」あるいは「どちらかといえば満足」の肯定的評価は30%以下であったのに対し、「不満」あるいは「どちらかといえば不満」の否定的評価が60%以上という結果が示されています。自由記述欄にも厳しい意見が多数寄せられました。経費の使い方をはじめ園の業務運営全般に関し早急な見直し・改善を図り、今後の厳正な処理と透明化、利用者に対する丁寧な説明が求められます。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・園の運営方針の中に、「子どもの最善の利益を考慮し…」「子どもの意思、人格を尊重し…」などが規定され、また、園目標にも「こころもからだもけんこうな子」を掲げ、子ども本人を尊重した内容になっています。全体職員会議などで理念や保育目標について全職員が学べる場を設けています。
・子どもの自尊心を認め、気持ちを受け止めるよう心がけ実行てしおり、乳児会、幼児会や打ち合わせで子どもの気持ちの変化を話し合い、発達に応じた言葉掛けをするよう心がけています。
・子どもの呼びかけに対してきちんと対応し、命令口調、否定口調ではなく「〜しましょう」という言い方をしています。子どもの気持ちに寄り添って話を聞き、理解しやすい言葉や話し方で子どもの気持ちを受け入れ指導しています。
・パーテーションなどを利用し、子どもが落ち着いて活動できるようにし、プライバシーも守れるようにしています。
・個人情報の取り扱いについて保護者にはクラス懇談会やアンケートを通して説明し了解を得ております。
・性差についてのマニュアルがあり、言葉によっての性差を言わないように心掛けています。色によって男女を決めないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念や保育目標については年度末に職員会議で、職員全員で振り返りを実施し、再確認しています。日常の保育の中で目に付く場所に掲示し、つねに心に留めています。
保育課程や指導計画は保育理念、園目標に基づき作成し、全体職員会議などで周知しています。
・入園前に入園説明会、親子面接を行い園児の遊んでいる様子などを観察すると共に、入園時の面談と児童票で家庭での様子を確認、把握しています。観察結果は職員打ち合わせや学年会で共有され、共通認識を持っています。
・全園児の保護者と毎年1回、心身の発達や健康面についての個別面談を行い、保育と子育てを共有し、個別指導計画に反映しています。
・各保育室適温、適湿の保たれ、設備、備品は子どもの年齢や発達に応じた環境に整えられ、玩具や絵本もそれに相応しいものをそろえ、集中して遊べるように努めています。
・遊びに関しては、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように総合的な遊びを用意しています。
・成長に合った多種多様な玩具を用意し、出し入れ容易な棚に収納し、安全性のチェックも毎日実施しています。
・モンテッソーリ教育を取り入れ、個々に合った活動を行えるようにしています。
・園庭で野菜の栽培、収穫や田おこし、田植えの体験を行い、給食にも使用し、食育につなげています。
・自由に絵を描けるような環境をもうけ、カプラやレゴブロックなど集中して遊べるようにしています。作品を保育室や廊下に展示しています。
・3、4、5歳児クラスは縦割りクラスなので異年齢の関わりが育っています。日常生活や行事の中で年長者に対する憧れや尊敬の念が、寝かしつけや着替えの介助などを通して年少者に対するいたわりの心が自然と育まれています。
・園庭には太鼓橋・滑り台・のぼり棒・クライミングチェーン・ロッククライミング・鉄棒などの多種多様な遊具があり、バラエティーに富んだ遊びができる環境が作られています。
・乳児クラスでは雨の日も室内の階段昇降や赤ちゃん体操を行い、年齢や発達に合った遊びや運動が確保され、幼児は毎月一回以上遠足に行き、年度末にはバス、電車、モノレールを使って江の島まで行くことにより、楽しさと体力向上の自覚につなげています。
・食事については、楽しい会話や雰囲気の中でできる環境が確保されています。ランチルームと保育室を分け、専用のスペースを設け、清潔なテーブルクロスをかけ、花や植物を飾っています。
・食に対して関心が高まるように食育(植物・野菜・稲の栽培)調理活動を行っています。生産者、調理する人をはじめ、たくさんの人の手をかけて自分の口に入ることを知らせ、すべてに感謝や思いやりの心を育て、食を通して知識、行儀、礼儀、マナーを学んでいます。
・食材は安全を考えて、努めて無農薬、減農薬のものを使用すると共に生産者が分かるものを使用し、給食だよりや献立表配布により保護者にも伝えています。
・登降園時に悩みのある保護者と話し、相談にのっています。
・トイレットトレーニングを開始する前には面談を行い、保護者と連絡を密接に取りながら個々の状態に応じて進めていけるようにしています。
・保護者との連携・交流については、入園説明会や入園式で基本方針を保護者に伝えています。クラス懇談会や個人懇談会で基本方針、目標を説明し振り返りも行っています。毎日保護者と一日の出来事、家庭での様子を伝えあっています。また、保育参観、懇談会を行い様子が分かる様にしています。
・父母会との会議を定期的に開催し、懇談会を行っています。父母会主催行事には場所の提供とを行っています。


3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園時の面談と児童票で家庭での様子を確認、把握しています。
・特に配慮を要する子どもについては個別支援計画を作成すると共に、個別ケース会議を開き、指定された用紙に記入し、情報を周知しています。
・障害児保育については、医療機関や専門機関との連携体制を確立し、園医とは随時連絡・相談を行っています。
・虐待が疑われ、配慮が必要な家庭に対し少しでも変化がみられるときには、時間を設け傾聴できるように配慮しています。
・アレルギーのある園児には、アレルギー診断書を医師に書いてもらった上で、栄養面談を行い保護者と除去食の内容の確認を行っています。
・外国籍、帰国子女などに対しては、異なった文化の共存を認め、子どもたちの異文化に対する意識を高めた保育を行っています。
・保護者がいつでも意見を伝えられるように玄関に意見箱を置くと共に、第三者委員、苦情受け付け担当者を玄関に掲示しています。要望や苦情などを受け付けた場合、受け付けた職員で処置可能なものはその場で処置し、園として検討が必要なものについては、昼の打ち合わせあるいは別に機会を設け、検討し回答・処置しています。運動会など主要行事の後にもアンケートを配布し、感想や要望・意見、その他保育全般にかかわる意見なども受け付けています。
・健康管理については、保育士は子どもの健康に関するマニュアルや健康台帳の内容、一人一人の健康状態を把握しています。定期的に健康診断や歯科健診を実施し、結果も口頭や書面で保護者に通知し、日常の保健・衛生指導に活かしています。
・感染症への対応については、「感染症対応マニュアル」を作成し、全職員が把握できるようにしています。緊急連絡先を常に把握し、速やかに対応できる体制をとっています。
・保育室、トイレなどに掃除チェック表がありそれに基づいて清掃を漏れなく行い、保育室に入室する前に必ず手洗い、うがいをしてから入室しています。
・安全管理については、地震時の転倒防止を施し、毎月園内の安全点検を行っています。地域で行われている防災の研修などに積極的に参加し、避難訓練、消火訓練を毎月行い、各種災害を想定して訓練を行っています。園長はじめ複数の職員が救急救命法を習得しています。防犯についてはセコムへの緊急連絡体制があります。

4 地域との交流・連携 ・地域の子育て支援ニーズを把握するため、園長会や幼保小連絡協議会(以下「幼保小」)に出席し、子育て支援事業の一環で、園庭開放・園内開放を行っており、園内開放の際「育児相談」を設け悩みや要望を聞く機会を作るとともに、町内会の行事にも参加しています。
・保育園の専門性を生かした相談等を、ホームページや園外の掲示板に紹介し、地域に情報提供を行っており、施設見学の際、希望があれば個別に育児相談を行っています。
・園庭開放、交流保育を行い、また食のセミナーや子育てセミナーなど地域の方も参加出来る行事を設けています。
・保育園の専門性を生かした相談等を、ホームページや園外の掲示板に紹介し、地域に情報提供を行っており、施設見学の際、希望があれば個別に育児相談を行っています。子育てセミナーなどを開き育児相談や栄養面談を行っています。
・交流保育を行い、園外の子どもとの交流も行っているとともに、幼保小の活動に積極的に参加しています。
・中学校の職業体験、高校のインターシップを受け入れています。受け入れ記録を整備するとともに、終了時には感想を頂き、保育の向上の糧としています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ・ホームページで情報を提供しており、園の前に掲示板を設け地域の方にも気軽に園の情報を知ってもらえるようにし、入園希望者への施設見学を実施し保育内容や年間行事等を伝え、その他質問を受けられる体制をとっています。
・組織及び職員が守るべき法・規範・倫理について、必要に応じて園長、主担任、学年担当職員を交えて会議を行っており、就業規則に記載しています。
・園長は保育園の理念や基本方針等について、年度初めのオリエンテーションや職員会議で確認しており、必要に応じて文章の配布、指導を行っています。
・重要意思決定にあたり、職員会議、主担任会議、乳児会、幼児会、給食会議を通して情報や意見集めを行ない、緊急時は毎日行われる打ち合わせで知らせ、説明・質問に答えています。
・主任クラスの職員は、クラス日誌、園日誌に記入されている業務状況を確認し把握するシステムがあり、各園の合同主担任会議を行って学びあっています。年度初めに職員の指導担当者を決めて、仕事の相談や精神面のケアを行うシステムを作っており、その指導の総括を主任が行えるようにしています。
・事務局を作り、事務の合理化を図っています。保育園経営コンサルトの助言を受け、園の組織化を進めています。
・宅配の包装紙、梱包用紙、段ボール等はゴミにせず、園児たちが絵をかいたりして、作品制作に再利用しています。物を大切にする心を育んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ・職員には年1回「自己評価表」「一年間の反省」「来年度の希望」のシートを提出し、達成度を確認し、次の課題につながるよう面接を行っています。
・保育に対する価値観、知識、技術が総合的に身に付くようスーパーバイザーを活用しています。
・園内研修、園外研修参加記録、研修記録を整備すると共に、感染症予防など、外部から講師を招き研修を受けられる体制を整えています。
・経験年数を考慮した職員の組み合わせをし、指導担当者、指導の細やかさなどに配慮し、具体的にコミュニケ―ションを図りつつ、OJTがしっかり機能しています。
・職員の技術の向上のため、姉妹園同士の交流や他園への研修を行っています。
本人の適性・経験・能力に応じた役割を与え、やりがいや満足度を高め、モティベーションのアップに繋げています。
・主任クラスの職員は、クラス日誌、園日誌に記入されている業務状況を確認し把握するシステムがあり、園全体の仕事の進行状態を確認すると共に、適時園長に報告し、スムーズに仕事が行えるようにしています。

詳細評価(PDF710KB)へリンク