かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

南戸塚保育園(2回目受審)

対象事業所名 南戸塚保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ももの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0003
戸塚区戸塚町2833-3
tel:045-881-8733
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
〈施設の特徴〉
 南戸塚保育園は神奈川中央交通法務局前停留所から徒歩2分の閑静な住宅街の中にあります。
平成20年4月に開設され、建物面積は996平方メートル、園庭の広さは1,172平方メートルです。園舎は鉄筋コンクリート造り3階建てで定員90名で現在の入所児童数は75名です。立地は閑静な住宅街の中で、近隣には公園や広場、自然豊かな散歩道もあり、保育には恵まれた環境のなかにあります。子どもたちは、保育園での豊かな生活や遊び体験の中で、周囲の人々や友だちとのかかわりを心地よく感じたり、学んだりしながら成長しています。また、気軽に子育ての相談にも応じられる保育園です。地域の皆様にも喜ばれ、経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価を得ている保育園です。
〈特に優れていると思われる点〉
1.子どもの最善の利益を第一に考えた保育を実践しています。
 運営方針の中には、「子どもの最善の利益を考慮し」「子どもの意思及び人格を尊重して」保育・教育の提供に努めるとし、子どものことを第一に考え、大切にしている姿勢がうかがわれます。子供の成長・発達に大きな影響を及ぼす「遊び」についてはおままごとやカプラをはじめ、多種多様な遊具、玩具や絵本などが取り揃え、子どもの自由な発想、意思で遊べる環境が整っています。特に、モンテッソーリ教育の利点を取り入れ、また、カプラやレゴブロックなどの近年注目されている教材なども導入し、子どもの自由意思による自発的な活動を助け、責任感と思いやりをもった自立的な人間に成長すること目指しています。また、これを裏付けるように利用者アンケート調査結果においても、「お子さんが園生活を楽しんでいるか」や「お子さんの体調への気配り」「自立に向けた取り組み」に関する問いに対し、「満足」あるいは、「どちらかといえば満足」と回答した方が90%以上という、非常に高い割合で肯定的な評価を頂いています。今後も引き続き保育方法をはじめ遊具や玩具、絵本などについて、子どもの自由な発想、意思を伸ばし成長に繋げるように努力されることを期待します。
2.充実した食育活動により、保育目標の「心も身体も健康な子を育てること」に寄与していま す。
「食育」とは、「健全な食生活を実践できるようにする教育」のことを指し、子どもの生涯の健康のそのものの土台をしっかり作る重要な活動であると認識し、園目標にも「こころもからだもけんこうな子 ―自分のこともひとのことも大切にできる子ども―」を掲げ、最も重視しています。実践にあたって、調理室は保育室に隣接し、子どもたちは毎日その様子をつぶさに見ることができ「食」が身近に感じられるようにしています。園内で子どもたちが栽培したものを食材として使用したり、食材の皮むきなどを手伝うことにより、参画意識が醸成されています。無農薬・減農薬の安全・安心なものの納品に努めると共に、納入業者にも協力を得て魚などは原形のまま納入してもらい、子どもたちの目の前で捌くなど、日頃家庭ではなかなかできない貴重な体験を重ねています。これらの活動を総合的に連携・管理することにより、「食」対する興味・関心が育まれ、子どもたちは毎日楽しみながら食事を摂り、それを通して心と身体の健康の基礎がしっかり作られています。
3.周辺の自然環境をしっかり把握し、保育に活かしています。
  当園の立地は住宅が密集している地域ではありますが、幹線道路から少し外れた脇道に入ると
 まだまだ自然に恵まれた小径や公園なども諸所に残り、子どもの散歩コースにも適した地域が散在しています。これらの地域の特徴をしっかり把握し、組み合わせてユニークでバラエティーに富んだ散歩コースを多数企画・設定しています。訪問調査当日も2歳児の散歩に同行しましたが、出発して間もなく静かで趣のある竹林を通り、冬とは言え両側には種々の珍しい植物が生い茂り、子どもたちも時々足を止め、興味津々でそれらに見入っていました。さらに進むと小さな公園に着き、子どもたちは元気に走り回り、伸び伸びと運動をしていました。このように、周辺の環境をつぶさに調べ、把握して子どもたちの心身の発育にしっかり繋げていましたが、今後も継続して行かれることを期待しています。
〈更なる改善努力が期待される点〉
1.園の保育や行事に関する保護者の要望にたいし、更なる丁寧な回答・説明が求められます。
 運動会をはじめ、毎年多くの行事が計画・実施されます。その際、アンケートも行われ、保護者から提案・要望や確認が寄せられています。これに対し園としても真摯に検討し回答・説明することとし、基本的な仕組みはできています。しかしながら、検討体制が不十分で、回答・説明が遅れ滞っている場合も度々あるのが実態です。速やかに体制の強化を図り、的確な対応が求められます。また、検討や回答に長時間を要し速やかに対応できないケースや保護者の要望に沿えないこともあるかと思われます。ただし、このような場合でも途中経過や沿えない理由などについて丁寧な説明につとめることが必要です。先ずは体制の強化と対応要領の迅速化を図ることが求められます。
2.業務全般にわたる厳正な処理と丁寧な説明が求められます。
 昨年4月、給食費の徴収をめぐって横浜市により指摘を受け、現在監査を受検しているところですがこの問題について、本評価のアンケート調査においても「費用やきまりに関する説明については(入園後に食い違いがなかったかを含めて)」との項目について「満足」あるいは「どちらかといえば満足」の肯定的評価は30%以下であったのに対し、「不満」あるいは「どちらかといえば不満」の否定的評価が60%以上であり、異例な結果が示されています。自由記述欄にも厳しい意見が多数寄せられました。経費の使い方をはじめ管理業務に関し今後の厳正な処理と利用者に対する丁寧な説明が求められます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・「食育を通した知育・徳育・体育」を保育の理念とし、人間として生きていくための基本となる食育を重視し、子どもたち一人ひとりがより良く成長していけるものとなっています。オリエンテーションや職員会議で、理念や基本方針について全職員で学べる場を設けています。
・子どもの呼びかけに対してきちんと対応し、命令口調、否定口調ではない言い方をしています。
・パーテーションなどを利用して、子どもが落ち着いて活動できるようにし、必要に応じてパーテーションが移動でき、場合によっては一人になる事が出来ようにしています。
・子どもの呼びかけに対してきちんと対応し、命令口調、否定口調ではない言い方をしています。
・子どもの権利条約をファイルして、いつでも子どもの気持ちに寄り添う保育が行えるよう心掛けています。
・個人情報の取り扱いについて保護者には懇談会やご案内にも記載し、説明して理解を得ることに努めています。
・遊びによる設定も男女で分けることなく、性差にとらわれず、自分のなりたい役で遊んでいます。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・「食育を通した知育・徳育・体育」を保育の理念とし、人間として生きていくための基本となる食育を重視し、子どもたち一人ひとりがより良く成長していけるものとなっています。
・保育理念に基づき園目標を定め、園目標を基に計画を立て保育を行い、園の基本方針が事務所、保育室、廊下と、目の付くところに掲示されています。
・指導計画は子どもの発達や状況に応じて、健康面、 家庭の状況を考慮して作成しています。毎月月間指導計画を保護者や各クラスの保育士の意見も取り入れ評価、見直しを行っています。
〔遊び〕
・成長に合った玩具、教材を用意し、取り出しやすい高さ、見やすい高さなど配慮して置くようにし、自由に取り出せるようにしています。定期的に入れ替えるように心掛けています。自分の気持ちを自由に表現できるようにお絵描きコーナーを作り、自由に絵を描ける環境を設け、年齢や発達に合わせた素材や道具を用意しています。積み木や、レゴブロックやパズルなど好きなもので集中して遊べるようにしています。
・園庭遊びでは、個々の興味に応じた遊具等を選んで遊べるように配慮しています。2歳以上からはルールのある遊びを取り入れ、ドッジボールやドロケイなどは、ルールも自分たちで考えながら遊びを広げています。
・カブトムシやザリガニの飼育(水やり、えさやり)を通して、生き物を大切にする気持ち、命の大切さを学んでいます。
・3,4,5歳児クラスの子ども同士のケンカは、すぐに保育士が間に入ってしまうのではなく、見守りながら子どもたちで解決できるように言葉がけや働きかけを行っています。
・幼児クラスでは部屋の仕切りを使わず、いつでも交流が図れるような環境を整えています。一緒に過ごす中で、大きい子は小さい子をいたわる思いやりの心を育て、小さい子は大きい子への憧れを育てています。
・子どもと保育士が信頼関係を築けるよう温かな視線や言葉がけ、態度で接するようにしています。
・天候の悪い日でもリズム体操、鉄棒、とび箱、巧技台、はしごなどを活用し身体を動かせる工夫をし、日頃から縄跳びや鉄棒などにふれ、自分なりの目標に向かって取り組めるようにしています。
・幼児は遠足に行き長距離を歩いたり、バスや電車に乗って行くこともあります。
[生活]
・子どもが楽しく食べることが心と体への栄養と第一に考え子どもの食環境を整えて、盛り付けを考慮しています。清潔な環境で、気持ちよく食べられるよう、テーブルクロスをしたり、花を飾ったりしています。
・栄養士が給食を食べている様子を見て回り、保育士と共に子どもの食環境を整えられるように配慮しています。
・食育の一環として自分たちで栽培した野菜や調理した食べ物で、食べたくなるきっかけを作っています。季節の食材が献立に入っている時は、本物を見て触れられるようにしています。給食室で調理している様子や魚をさばいている様子を子どもたちと見に行く機会を設け調理過程に携われるよう下ごしらえなど子どもたちが行えるようにしています。
・生産者、調理する人はじめ沢山の人の手を掛けて自分の口に入る事を知らせ、全てに感謝し思いやりの心を育て、食を通して知識、行儀、礼儀、マナーを学んでいます。調理担当者が子どもたちの食べている様子を見て適切な助言と、給食について旬や材料の話をしたり観察しています。
・残食を調査し、次回の調理の仕方、味付け、今後の献立、調理に反映させています。献立表を毎月月初めに各家庭に配布し、アレルギー対応児は、個別にメニューが配布されます。検食台に今日の給食を並べ、情報提供を行っています。登降園時に悩みのある保護者の相談にのり、保護者からの質問に、栄養士が気軽に受け答えできる関係にあります。
・毎日、保護者と1日の出来事、家庭での様子を伝え合っています。
・4月に年間行事予定を配り、その時期を基に個人面談を行い、必要であれば、随時面談機会も設けています。
・保護者からの要請があった時は、使用許可書を提出してもらい場所を提供し、要請により、担当職員が一緒に参加しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園初日に、児童票、健康台帳などの書類を提出してもらい、それを基に担任が面談を行い子どもの様子、家庭の状況の把握を心掛けています。
・日々の子どもの様子を観察記録し、面接や送迎時、連絡ノート等で保護者と子どもの発達や変化の様子を共有しています。
・配慮の必要な子ども一人ひとりに合わせて、個別指導計画を立て、発達に応じて見直し、確認を行っています。医療機関や専門機関との連携体制が確立し、保護者に承諾を得て、療育センター等の関係機関から園児の様子を訪問して観察してもらう体制が整っています。
・虐待についてはミーティング、職員会議、職員研修等職員間で話し合える機会を持っています。虐待が疑われた場合、区の関係機関に速やかに相談しています。
・アレルギーのある園児には、アレルギー診断書を医師に書いてもらったうえで、保護者、栄養士、保育士、園長とで面談を行い除去食の内容を確認しています。
・保護者が園にいつでも意見・要望・苦情を伝えられるように意見箱を設置しています。第三者委員に直接苦情の申し立てができるように、「ごあんないの冊子」や玄関に連絡先の掲示をしています。顧問弁護士等を交えての話し合いの機会もあります。
[健康管理]
・保育士は子どもの健康に関するマニュアルを熟知し、一人ひとりの健康状態を把握出来るようにしています。
・受け取り時に家庭での様子を保護者から聞き、日中健康状態に変化があれば連絡したり、引渡し時に様子を伝え 必要であれば通院してもらえるように伝えています。
・内科健診、歯科健診を定期的に実施し結果は口頭と、書面で保護者に伝えると共に、健康台帳、歯科健診表に結果を記入しそれに基づき衛生指導を行っています。事前に保護者から気になる事や、聞いてほしいことを確認し、健診時に相談しています。
・感染症については、保護者にすぐに連絡が出来るように、緊急連絡先を確認しておき、土曜保育も含め、速やかに連絡できる体制を取っています。
[安全管理]
・地震時の転倒を考慮し、設備・備品には転倒や落下防止処置および建具の扉にロックかかるよう施行しています。事故災害マニュアルを作成し、職員が周知し、年に一度引渡訓練を行っています。
・警備会社の緊急連絡体制が確立され、必要機関と連絡が取れるようになっています。避難訓練、消火訓練、防犯訓練を毎月行い、事故災害等さまざまなパターンを想定した訓練を実施しています。保護者への緊急連絡方法として、緊急メール配信も行っています。
4 地域との交流・連携 ・当施設に対する要望を把握するため、町内会や近臨の施設の行事に参加したり、園長会や幼保小連絡会議の研修会に参加したりしています。町内会に加入しており園庭開放や施設見学時に育児相談を受ける中で、地域住民の子育てに関する悩みや要望を把握し記録しながら良策を検討しています。
・地域住民の施設見学の際に希望があれば育児相談を行っています。また、毎週木曜日の園庭開放時に育児相談も行っています
・当園の行事の開催前に子どもたちと一緒に地域住民に招待状を届けに行き、行事にぜひ参加いただけるよう声を掛けています。
・毎週木曜日に地域住民に園庭を開放し、園庭の玩具・遊具を自由に使って遊べるようにしています。また、園庭開放日に絵本の貸し出しを行っています。
・近隣との友好的な関係を築くための取り組みとして、町内会や地域の団体の行事に積極的な参加し、また、園だよりを外掲示板に貼り、園でどのようなことが行われているか地域住民に知ってもらえるようにしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・当園のホームページで情報の提供をしたり、園外の掲示板で地域の方にも気軽に園の情報を知ってもらえるようにしたりしています。また、市のホームページに当園の情報を提供し、保育内容や実費費用などの情報を掲載しています。
・利用希望者の問い合わせ時に施設見学ができることを伝えています。なお、施設見学者の記録をとっています。施設見学は、園の案内を配布するとともに、当園の保育理念・園目標のほか各クラスの特徴・発達に応じた保育等につき説明しながら行っています。
・就業規則・オリエンテーション資料・倫理規定が整備されており、職員が守るべき法・規範・倫理等が明文化され周知されています。当園の経営・運営状況等の情報については、監査報告書を事務所で管理し開示要求があればいつでも閲覧できるようにしています。
・ゴミ減量化の取り組みとして、野菜くずをコンポストに入れ園庭で野菜作りなどの肥料にしています。年度初めにゴミの分別を学習しています。また、省エネルギーの一環として電気やエアコンをこまめに消しています。
・保育室や事務所・職員の休憩室に当園の理念および基本方針を掲示しています。また、年度初めのオリエンテーションや職員会議で理念・基本方針を確認・周知しています。
・重要な意思決定について、緊急説明会を開き職員や保護者に説明したり質問に答えたりしています。
・スーパーバイズのできる主任クラスの育成に資するため、当法人の各園の合同主任会議に参加して学びあっています。また、主任は横浜市保育運営課が主催する保育リーダー研修などに積極的に参加しています。
・外部環境の変化等に対応し事業運営に影響のある情報については、当法人の各園合同の園長会・主担任会議を開催し情報交換や議論をしています。また、運営面での改善課題については、事務局を作り事務の効率化を図かるとともに、保育園経営コンサルタントの助言を受け園の組織化を進めたり運営に必要な情報の収集・分析を行ったりしています。
6 職員の資質向上の促進 ・各機関に対し求人を行い、当園の運営理念に則した人材の補充を行っています。人材育成の取り組みとしては、職員の経験に応じて外部研修に積極的に参加させたり、園内研修の課題を設定し新人の理解や技術の向上を図ったりしています。
・研修計画にもとづいて研修の内容を確認でき、研修への参加を希望できるようになっています。
・組織図等で経験・能力に応じた役割配分を明示しています。個々人が自主的に判断できるものについては責任をもって判断・行動しています。自分だけでは判断できない内容等の必要な場合には経験のある職員からの助言を受けるが、個々人も責任をもって行動できるように可能な限り権限を委譲しています。
・年度の終わりに職員の自己評価を行うとともに、園内研修時に保育所の自己評価を行い年度末に保護者にその結果報告を行うことにしています。

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