かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

おおぞらひまわり保育園

対象事業所名 おおぞらひまわり保育園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 おおぞら
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0062
戸塚区汲沢町118
tel:045-862-3331
設立年月日 2004(平成16)年12月01日
公表年月 2018(平成30)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
〔施設の特徴 〕
 おおぞらひまわり保育園はJR戸塚駅から神奈川中央交通バスで「西横浜国際病院前」停留所で下車、徒歩2分の周辺には田園風景も残る住宅地の中にあります。平成16年12月に開設され、建物面積は325平方メートル、園庭の広さは1,418平方メートルです。園舎は木造2階建てで定員70名で現在の入所児童数は77名です。「こども達が成長しようとする無限の力を大切にしていきます」を方針に掲げ、子どものことを第一に考え、子どもたち一人一人の理解ときめ細かい保育の実践に努めています。
 周辺には農地が広がり、自然豊かな環境の中に位置し、四季折々の変化を体で感じることができ、子どもたちは、保育園での豊かな生活や遊びの中で、のびのびと成長しています。経験の豊かな保育士のもと利用者からの非常に高い評価を得ている保育園です。
〔特に優れていると思われる点〕
1.子供のことを第一に考え、優しく寄り添った保育が実践されています。
 病院組織の中から身内の強い要望で自発的に設立された経緯から、子どもに対する強い思いやりの姿勢がしっかりと引き継がれています。運営方針や保育目標に「子供の成長を大切にする」ことや「子どもの人権を大切にする」を掲げ、常に子供のことを第一に考えて職員全員が熱い情熱と優しさをもって子供に接し、保育を行っています。保育士は、広い園庭で、多様な遊びに子どもたちと一緒に汗を流し、子ども目線で接しながらも相互に連携し、一人ひとりに目を配り見守りの間隙ができないように安全にもしっかりと配慮している姿を見ることが出来ました。遊具・玩具は子供の年齢や発達に合わせると共にクラスからの要望を受けて、種類、量、質などをきめ細やかに検討し子供の思いをしっかり受けとめながら揃えています。
 給食についても日々の子供たちの反応や仕種、喫食状況などをつぶさに把握し、調理担当者の思いの詰まったもので、自由にお替りし、如何にも美味しそうな表情に接することができました。訪問調査時に試食させて頂きましたが味はもちろん、品数や栄養のバランスなども実によく考えられていることを強く感じました。
保護者アンケートにおいても、「クラスの活動や遊びについてお子さんが満足しているか」「お子さんが食事を楽しんでいるか?」の項目は「満足」「どちらかといえば満足」合わせて100%であり、否定的な回答は皆無で非常に高い評価を受けています。この状況を引き続き維持向上させることに努めて頂きたいと思います。
2.自然環境に恵まれ、保育にしっかりと活かしています。
 園舎の周囲は南側の一部が建設会社の車両、機材置き場に一部隣接していますが、その他は空き地で低い木々、草花、雑草が生い茂り、まさに自然の公園に囲まれているといった環境の中にあります。四季折々の木々や美しい草花々も咲き、多くの昆虫や小動物も生息しています。また、周辺には多くの散歩コースもあります。子供たちにとってはこの自然の中での出会いは毎日が新鮮な発見であり、感動の連続で、豊かな人間性や感受性の育成につながっていると思われます。保育士もこの恵まれた環境をしっかり認識し、周りの自然について見識を高め、自然現象、動植物をはじめ、散歩等で出会うかも知れないあらゆる事に、自らも興味を持ち、見聞を広め、偶然の出会い、チャンスもしっかり見逃さないように保育に活かすことに努めています。子どもの成長・発達をさらに後押しようとしている前向きな姿勢と情熱をもって保育にあたっていることが強く感じられました。
3.地域との密接な連携体制が築かれ、互いに協力し合い、保育にも多くの支援を頂いています。
 子育て支援施設として、地域の方々から、大きな期待と信頼が寄せられています。園庭開放、一時保育、子育て相談などを通し、地域の方々にとって心強い、頼れる存在として根を下ろしています。一方、地域の方々からは、農道も園庭の一部のように散歩や運動で日常的に使わせて頂き、凧揚げなどのように長い直線距離を必要とする遊びには絶好の場であり、子どもたちが存分に走り回っている姿が大変印象的でした。更に収穫した農作物も頂き、食卓に彩を添えると共に自然の目恵みを肌で感じ、食育に繋がるなど地域の方々から大きな支援をいただいています。子どもたちにとって大変有難く貴重な贈り物であり、保育に対し大きく後押しし、貢献していることが見て取れました。
〔更なる改善努力が期待される点〕
1.園舎の警備体制について、引き続きの改善・向上が望まれます。
 当園の防犯・警備体制は昼間は門扉の施錠、防犯カメラによる周囲に対する監視が主で、現在までは不審者の侵入等の事案は発生していませんが、周囲に障害物もなく、昨今の社会情勢からみて、完全とは言えない部分もあるのが実情です。警備のために、引き続き、創意工夫、改善に努力されることを期待します。
2.中・長期構想の継続的な検討・確立が期待されます。
 園舎は築13年を経過し、若干老朽化の兆候が見え始めてはいますが、現状ではまだ差し迫った不具合や大きな要修繕個所は認められません。しかしながら、今後10〜15年くらいのうちにはこれらに関し、建て替えあるいは大規模修繕の実施、その予算措置など課題が生じる可能性があります。また、当園の敷地にも影響が出るかもしれないインターチェンジ建設計画などもあるようです。特にインターチェンジの建設は当園の現在地での存続に大きな影響を及ぼすことが考えられます。これらの状況を考えると現時点においても中・長期構想をさらに検討を重ね、将来的な課題についても、その対応や備えについて基本的な対応策を考えておく必要があります。今までにもいろいろと情報を収集され、検討はされていますが、今後更なる具体化について遺漏の無いように進めて行かれることが期待されます。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念に「子供に人権と働く人々の最善の利益」を掲げ、保育目標の中にも「健康な子ども」「自己主張・表現のできる子ども」「粘り強い子ども」「思いやり、協力できる子ども」など、子どもを尊重した内容が掲げられています。これを受け、保育課程や指導計画の中にも、子供が安心して生活を送り、子供らしく育つように、子どもの気持ちに寄り添う姿勢が表れています。
・子どもの主体性を尊重し、子ども一人ひとりのペースを大切にし、子どもの表情や言動などによって思いを読みとり、喜びも辛さも共感できるような言葉かけや対応に努めています。
・子どものプライバシーをまもるため、限られたスペースの中にも多目的室(大、小)、ロフト2箇所、ベランダ、病児室、応対室、子どもの家などを設置し、状態に応じて使い分けしています。
・職員が「ガイドライン」を確認し、守秘義務の意識を高めています。
・性差の特徴は認識した上で、いたわり合う精神を大切にしています。性差や一人ひとりの違いによって差別したり固定概念で分別しないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程の冒頭に保育理念、保育目標などがしっかりと記述され、子どもの最善の利益を第一義に 作成されています。
・入園前に個別面談を実施し、園の状況を伝え、家庭の事情を把握すると共に子供についても観察し概略の発達状況を把握しています。入園直後に提出された児童票や健康台帳をもとに詳細な面談やクラス懇談会、住居確認の機会等を持ち、生育歴や保護者の思い、家庭状況などを職員が複数で確認しその後の保育に活かしています。
アレルギー児、障害児や要配慮児に対しては事前に担任などと面談を行い、療育センターなどと連携を取りながら対応しています。
・園での様子を保護者全員に個別の連絡ノート等により伝えています。
・子どもの発達や状況を複数の保育士が個別に把握し、反省も含め評価し「指導計画」を作成しています。
・指導計画は全員個別に作成しています。
・一人ひとりの発達状況や体調、家庭環境等の変化からくる心の動揺などを、日々複数の保育士で把握、確認し合い、必要な素早い支援や対応を怠らず、指導計画づくりに反映しています。
・子どもの発達状況や体調等に変化があった時は柔軟に変更・見直しを行っています。必要に応じ保護者にも説明しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況を複数の保育士が個別に把握し、反省も含め評価し「指導計画」を作成しています
・特に配慮が必要な子どもへの対応については個人面談でしっかり状況を把握し、職員会議で定期的に話し合い、検討しています。
・障害を持っている子供については、地域療育センターなどの専門機関と連携し、保育を行っています。どの子もみな平等で、障害も発達の遅れも個性や特徴として捉え、仲間と一緒に楽しく生活できるように配慮しています。最終学年になった時、同じ年齢のクラスに進級し、同じ「仲間」として巣立っています。
・虐待については、横浜市の指針やハンドブックなどを常に閲覧できる場所に保管し、全職員がその主旨、内容について認識しています。
・アレルギー対応は必ず受診し、医師の「指示書」のもとに選択食や除去食としてその子に合った給食を提供し、環境改善や皮膚のケアを行っています。誤飲・誤食が起きないよう、別トレイで別棚から担当保育士に直接手渡ししています。
・外国籍、帰国子女の保育においては、時間をかけ、意思の疎通が図れるように努めています。
・園に対する要望や意見についてはいつでも申し述べられるシステムが出来ており、入園のしおりにも記載し、「苦情処理委員会」「第三者委員会」、「保育をより良くする会」の紹介や解決の仕組みなどを文書で説明・通知しています。保護者の要望は日々の送り迎え時や行事ごとのアンケート等で把握し、日常の保育や次年度の指導計画に反映させています。
・健康管理についてはマニュアルを作成し、それに基づいて実施されています。健康台帳を参照し、一人ひとりの健康状態を把握し、保育士と看護師が日々「健康チェック」を行い、対応を確認しています。
・健康診断は、年に2回嘱託の小児科医によって実施され、結果は一人ひとりの健康台帳に記録し、保護者にも伝えています。歯科健診は毎年歯科医師及び歯科衛生士に依頼し、歯や口腔内の状態のチェックを行っています。
・感染症の対応は、マニュアルを作成し、症状、潜伏期間、登園停止期間などを記載し、全体で共有し、それに基づいて対応しています。
・衛生管理については、各保育室やトイレなどの施設の清掃はマニュアルに基づいて確実に実施し、清潔な状況が保たれています。マニュアルは毎年定期的に見直しを行い、適切な対応ができるようになっています。
・安全管理については、地震をはじめ、風水害、火災など、複数の災害を想定し、マニュアルを作成し、対応要領を定めています。脅威が大きい地震に対しては、備品の落下、設備の転倒などに対して固定や縛着などの安全対策が講じられています。
・事故や怪我に備え、保護者や救急機関、町内会長、隣接企業などに対する連絡手段が一覧表として整備されています。
・「事故・怪我の報告書」を速やかに記入し、再発防止のため、全員での対応の振り返りや、ヒヤリハットの作成なども行っています。
・外部からの侵入防止のため、出入り口の扉に「番号錠」を取り付け、その都度施錠しています。 防犯灯や防犯カメラが塀や柵沿いに設置されています。非常通報装置「学校110番」を設置し、警察にすみやかに通報できるシステムができています。地元警察に見回り情報などの提供を求めています。
4 地域との交流・連携 ・地元の町内会(汲沢町内会)の集まりを当園で開催するなど、地元住民との交流を通じて、健康確認や地域の安全および要望や課題等、地域の子育て支援ニーズの把握に努めています。
・地域の子育て支援ニーズについては、一時保育、交流保育、園庭開放等を提供しています。また、地域住民と共に子育てや保育に関する講習・研修会を開催しています。
・育児相談については、必要が生じたときにはいつでも臨機応変に相談に対応しています。相談内容の実態をよく理解し、必要な関係機関と連携して課題の改善に向けて努力しています。
・地元町内会の集まりを当園で行い、交流を通して地域の皆さんの健康、安全の促進に資するとともに、助け合いや、連合町内会や自治体への要請を行うなど、相互理解や関係改善に努めています。
・小中高等学校などからの依頼による訪問を積極的に受け入れ、保育園に対する理解促進に努めています。中高は職業体験として受け入れを実施しています。なお、高校については8月に1週間程度のインターンシップを実施しています。
・また、地域住民に園の施設開放や備品等の貸し出しを行っています。
・地元のお祭りに当園の園児が出演してお祭りを盛り上げたりしています。5歳児が近隣エリアの保育園児と年3回程の交流を行っています。また、バザーやハロウィン等の行事で地域の人達との交流を図っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・見学は、利用希望者や地域の方に対し、常時対応できるようにしています。一人ひとりの都合を伺い、園長自らが個別に丁寧に説明し、質問にもきちんと対応し、園に関する情報を提供・発信しています。
・当園として守るべき法・規範・倫理とを明文化し職員に周知するとともに、経営については、社会保険労務士や税理士等の専門家に指導を受けて実施しており、経営状況は正確にクリーンに公開しています。
 また、専門家から社会の動きや情報もより速やかに届けられ学習しています。
・ゴミの減量化・リサイクル・省エネルギー・緑化の推進については、自然を愛し、省エネの精神を大切にする理念のもとに、日常保育のなかでその取り組みに努めています。
・厳正・的確に園の業務を運営していくため、理念・基本方針を重要文書として位置づけ、諸会議等を通して全職員で繰り返し確認するようにしています。
・重要な意思決定にあたり、園長は保護者と継続的に意見交換をしています。行事の改革、就業規則の改定などは、実態に則し要望等も含めて決定し、重要な改革については総会や職員会議を通じて説明し理解を得るようにしています。
・子どもたちを取り巻く社会状況をマスコミや専門誌、各種研修会等で学習したりして、そこで得られた知識・ノウハウを園の運営に活かすようにしています。また、中長期の事業の方向性を定めた計画を作成し、経営そのものについては社会保険労務士や税理士等の専門家に業務委託をし、健全経営、効率的な運営に努めています。
6 職員の資質向上の促進 ・個人の資質や個性を尊重し合うとともに、その向上に向けて努力できる人間関係を大切にできるように職員の配置を決めています。
・職員からの相談や要望は随時受入れるとともに、年に2回(秋と年明けに実施)の職員面談の機会をもっています。
・年度初めに当年度の研修計画を立て、それにもとづき全体目標および個人目標をもち、目標に向かって努力できるようにしています。年度の終わりには、研修の成果と到達点および課題を明らかにしています。
・職員の技術の向上については、日常的には「保育日誌」により、月ごとには「月間計画」を立てる際に子どもの姿の分析を行うと同時に職員の自己評価を行い、その改善に努めることにより図っています。
・経験・能力や習熟度に応じた目標を明文化し利用者の状況に応じ自主的に判断できるように、職員にできるかぎり権限を委譲し使命感と責任をもてるようにしています。
・また、年2回職員アンケートをとり、それにもとづき職員の個別面談を実施して悩みや要望などを引き出し把握するようにし、モチベーションアップに繋げています。

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