かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ひばりっこくらぶ保育園

対象事業所名 ひばりっこくらぶ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 宿河原会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0021
多摩区宿河原6-35-16
tel:044-844-7448
設立年月日 2007(平成19)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面での特色】
ひばりっこくらぶ保育園は、社会福祉法人宿河原会(以下、法人)の経営です。法人では認可保育園3園と学童保育他「ひばりかんとりーくらぶ」を運営しています。運営施設はJR南武線久地駅を中心として徒歩圏内にあり、系列園で日頃から交流を図っています。園舎は、階層を設けた2階建てで、随所に工夫が施され、正面玄関から入ったエントランスホールは広々とし、石畳や木の温もりからゆったりとした雰囲気を誘(いざな)い、来園者の心を落ち着かせ、安心感を抱きます。玄関の交流スペースにはシンボルツリー、傍にはステージ階段が設けられています。園舎内は、1階に事務所、給食室、乳児の保育室を設け、2階を幼児の保育室とし、0歳児を除き、各階において1歳〜2歳児、3歳〜5歳は大きい保育室で一緒に活動する体制を採用し、大きな各保育室には、年齢別のコーナーを設定する等、子ども本位に立ったバランスある保育が実践できるように工夫されています。朝夕の送迎時の保護者対応として、専任者「ハートポジション」(保護者連絡担当)を配置し、保護者が誰に声をかければ良いかを明確し、保護者の意見を100%受け止め、より良い園作りに取り組んでいます。

<特によいと思う点>
【1.「そらまめタイム」の推進】
ひばりっこくらぶ保育園では、子どもの実体験を推進し、様々な経験の機会を大切にした「そらまめタイム」を設定し、そら豆のように、天に向かって真っすぐ伸びて行く子どもの姿を映したネーミングで推進しています。そらまめタイムでは、子どもたちが実体験という「根」から、生活、行事、創作の体験を養分とし、運動、食育、造形、音楽、音読等の日常体験から成長に「花」を咲かせ、そら豆(実)を実らせる、という子どもも保護者も理解しやすいカリキュラムで、曜日を決めて、相乗効果を図ったメリハリのある保育を実践しています。


【2.保護者への手厚い取り組み】
園では、保護者の送迎時に、ハートポジション(保護者連絡担当)と呼ばれる職員を配置し、保護者とのコミュニケーションを大切にしています。保護者はこの職員と必ず会話を交わし、意見等を吸い上げ、保護者と一緒の子育てを目指し、園と保護者の情報共有化を図っています。さらに、園長と副園長は、アロマテラピーの認定資格を有し、保護者に不調の気配が見られた場合は、積極的に声をかけ、時には、アロマを活用しながら保護者の悩み等の相談に応じ、保護者の心身のリラックス効果に寄与しています。


【3.安定した職員体制】
園の保育士は、概ね正規職員で、階層と職位の求められる機能を明示して年間の担当分担表を作成しています。職員一人ひとりが役割を認識し、的確に活動できる体制を構築し、全ての子どもを全職員で見るという意識の基、情報の共有化を図り、保育に当たっています。また、職歴、経験値の高い職員で構成され、職員間のコミュニケーション、連携も密に図られ、職員は意欲的に活動しています。勤務は固定勤務制を導入し、早出、延長保育時間の職員は固定され、子どもも保護者も同じ職員である安心感と心の安定を図って過ごすことができます。

<さらなる改善が望まれる点>
【1.そらまめタイムの理解】
「そらまめ活動」は、法人系列園全体として力を注ぎ、保育を展開しています。園では、職員間のコミュニケーションも密に図られ、職員は意欲的に活動し、素晴らしい取り組みの成果を挙げていますが、保護者りに理解を浸透させていくことが望まれます。園・保護者と共に同じ方向性を持ち、総論での「賛成」に止らず是非、全保護者に素晴らしい取り組みを折に触れて話し、そらまめタイムの取り組みの素晴らしさを伝え、ひばりっこくらぶ保育園を卒園してからも保護者が継続して子どもの教育につながるよう、伝え続けて欲しいと思います。

【2.デンタルについて】
園では、食後にうがいとデンタルガムの活用を取り入れています。その効用については「生活のしおり」で説明していますが、「歯磨きは家庭でしっかり磨く習慣をつけて下さい」とのメッセージは、園児とその家族には伝わっているものの、保育園への入園を希望する保護者等に伝わっているのでしょうか。デンタルガムを取り入れるメリットと活用法等、歯磨きの習慣の考え方を園のホームページでもメッセージを発信し、より理解を深め、歯の健康作りに役立つ有効なメッセージになるのではと思います。

【3.掲示場所の簡素化】
園では、掲示板を目的別に分類して、園内のそれぞれ7カ所に掲示を行っています。目的別に分類されていることは、わかりやすい示し方であり、園の理解を深める機会になっていると思いますが、保護者の送迎時の際の時間等や、見過ごし、更新の確認等を考慮し、ある程度集約した掲示場所、方法を一考されてはいかがかと思います。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●「子どもの人権の尊重」を大切にし、保育理念に「子どもに夢を、保護者に安心を、子育て応援します」を掲げ、子ども一人ひとりの意思を尊重し、子どもが自主的に思いを意思表示できるよう環境を整えています。保護者に対しては、園の理念は、入園前の「見学DAY」、入園前説明会で生活のしおりに沿って理念、方針等を説明し、入園式や入園後の全体説明会でも重ねて伝え、園内にも掲示し、一番大切なこととして伝えています。

●虐待の早期発見については、「虐待防止対応マニュアル」を完備し、子ども受け入れ担当と保護者聞き取り担当の職員を定め、登園時に、子ども受け入れ担当職員が視診や子どもの表情を丁寧に確認し、保護者聞き取り担当職員は家庭での様子や体調の変化等の情報を得、職員間で情報を共有し、保育に生かしています。

●個人情報について、重要事項説明書に明示し、入園時に保護者に説明を行い、保護者から同意書に署名をもらっています。プライバシー保護については、入職時に個人情報、守秘義務に関する誓約書を交わし、新任オリエンテーションで個人情報保護について説明し、周知徹底しています。作品展等に出展する際は、保護者に同意を得、出展作品は子どもの名前表示に配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、意見箱の設置を行い、全体説明会、クラス懇談会等で意見等を聞く機会を設け、また、保護者の個別面談や保育参加を通して要望や意見を聞いています。また、職員間で「保護者対応チェック表」を導入し、全保護者に職員一人ひとりの対応に差異がないよう取り組み、週ごとにテーマを定めて実施しています。園全体に関する利用者満足については、今年度、第三者評価を受審し、利用者満足の向上に役立てていきます。子どもに対しては、金曜日の「帰りの会」で意見等を聞き、次週の活動につなげています。

●苦情解決の仕組みでは、苦情解決窓口、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を生活のしおりで示し、直接苦情を申し出ることができることを知らせています。保護者からの相談・意見等について、いつでも受け付ける旨を伝え、意見や苦情を受けた際は真摯に受け止め、迅速に対応しています。問題が発生した場合は、「保護者対応報告書」に原因・改善策を記録し、保護者に説明すると共に全体会議や懇談会において周知しています。子どもからの思いや悩み等は、じっくり話を聞くようにし、プライバシーにも配慮しています。

縦割り保育では、子どもの個性を尊重し、大きな保育室を仕切って各クラスをグループで分け、活動を行っています。乳児は、月齢差を考慮して5クラスに分け、年3回、移行期を決める等、発達の過程や保育環境を整えています。3歳児以降は、異年齢活動を取り入れながら、年上への憧れや、年下への思いやり、助け合う気持ちを育んでいます。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、法人のホームページ、リーフレットにて情報を提供しています。利用希望者には「見学DAY」を伝え、見学の際にリーフレットを配付して説明し、個別に質疑応答を受けています。サービス利用開始後は、ならし保育を実施し、親子が保育園で一緒に過ごす期間を設け、食事、昼寝、雑用等、20日を目途に実施し、保護者の接し方の把握や、親子の不安の軽減につなげています。

●指導計画は、年間保育計画、保育課程に基づき策定し、年齢ごとに月案、週案、日案を立案し、月案ふりかえり会議で評価、見直しを行い、日案のコーチングを行い、保育の向上に努めています。月案、週案、日案は「そらまめ活動」の年間計画を基に作成し、振り返りを行っています。園では、音楽・運動・集団遊び・製作・食育等の実体験を推進し、子どもの育ちに必要な領域を満遍なく設定・実施しています。実施状況は、年齢に応じた記録様式を活用し、子どもの日常の記録(児童票、保育日誌、個人ノート)を行い、把握及び共有しています。

●提供するサービスの実施方法については、生活のしおり(入園のしおり)に園の情報を全て網羅し、保護者にわかりやすいよう作成しています。生活のしおりは、入園のしおりに相当したしっかりした内容であり、園見学者の不安にも配慮しています。入園者に配付する生活のしおりは、園の案内と保護者マニュアルが一体化した内容になっており、保護者に安心を添えて提供しています。職員には、施設運営に関する各種の「ナビ」(マニュアル)を整備し、「ナビ」に沿って活動しています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、園のイベント企画内容を、近隣に招待状として配付し、園見学者にもイベントやベビーマッサージの案内をしています。また、シルバー人材育成センターから就労している高齢者にも園のPRに協力してもらっています。園のホームページや川崎市ホームページ、川崎市保育会ホームページで園の情報や第三者評価結果を開示しています。

●地域に対して、育児相談や栄養相談を随時受け付け、一時保育事業、園庭開放を実施し、子育て支援地域活動として、同法人の「ひばりかんとりーくらぶ」(会員制)を併設し、地域の親子、親同士が交流できる場を提供し、応急手当講習会や講演会も実施しています。また、「ひばりかんとりーくらぶ」の部屋の貸出しは、設立以来一貫して行っています。ボランティアの受け入れについては、マニュアルを整備し中学生の職業体験等を受け入れ、10年以上継続しています。

●関係機関との交流、団体との連携では、多摩区ブロック園長会、幼保小連携会議、次席会議、主任会、栄養士連携会議、看護師連携会議、年長児担当者会議等に積極的に参画しています。園長を始めとして、近隣に住居を持つ職員も多く、町内会に参加し、役員を担う等、町内会からの情報を収集し、地域のネットワークにつなげ、地域の福祉ニーズを把握する機会を得ています。また、年長児は近隣保育園の年長児交流会等に参加し、就学につなげられるようにしています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

●ひばりっこくらぶ保育園の生活のしおりは、全職員で分担しながら完成させた経緯があり、全職員の子ども・保護者・園に対する思いが詰まっています。新任職員、中堅職員のオリエンテーションには、1日間を設定し、丁寧に理念・方針の説明を行い、理解を促しています。年1回、職員会議の中で社訓を配付し、全職員で理解を深めています。法人では、理念や方針の実現に向けて、建物の建て替え計画、学童保育、次期中核職員の育成等を含めた中・長期計画(5か年計画)を策定しています。

●園長の役割と責任は、職務分担表、組織図に明分化されています。園長は、職員の詳細な分掌事項を定め、年度初めに職務分担表に分担業務、担当職員、責任者を定め、権限移譲について伝えています。業務の効率化と改善については、職員体制を固定勤務制とし、子どもたちに安心できる環境を整え、年1回、職員の担当希望書を基に、職員個々の思いや要望等を把握し、職員の意欲を大切にして次期の人事に反映させています。またひばり保育園のチケット販売機を利用してもらい、現金のやり取りをなくす工夫をしています。

●サービス内容について、職員は、月間指導計画の月ごとの目標に対する振り返りを行い、年間指導計画は4か月ごとに振り返り、年2回、園独自の「自己評価表」で自己評価を実施し、課題を明確にして次年度に反映させています。定期的に、主任保育士、主任栄養士により職員の個人面談を実施し、組織として共有すべき内容は、職員の許可の下、管理者層でも共有し、検討しています。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制については、川崎市保育会園長会で3期に分けて一括採用を行い、職員の保育の連動、継続等を具体的に示し、園独自の保育に共感した人材を確保しています。内定後は早期にオリエンテーションを実施し、「生活のしおり」にて、園の保育方法の理解を促しています。遵守すべき法令・規範・倫理等は、入職時に個人情報の扱いに関する誓約書に署名して守秘義務を遵守し、また、社訓により理解を深めています。

●研修は、年間研修計画を作成し、「保育の質の向上プロジェクトチーム」を設定し、川崎市保育会で開催される研修会の他、法人内研修を実施し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。また、階層別職務明細表を設け、職員の成長段階、目標がわりやすいようにしています。研修受講後は研修報告書を提出し、研修報告ファイルに綴り、報告書を回覧し、一人ひとりの資質向上に役立てています。園では、イベントの振り返りを重要視し、改善点を職員と共に考え、常に改善を目指しています。

●職員の有給休暇の消化率は定期的に担当者がチェックを行い、時間外労働の管理は会計担当の副園長がデーダ化し、情報を基にローズ会(管理者層)で改善策を検討し、働きやすい職場環境作りに取り組んでいます。園では、正規職員の短時間勤務の導入を開始し、年間契約職員からパート勤務職員への変更や、個々の職員の家庭状況等の相談に応じ、臨機応変に対応し、働きやすい職場環境作りに取り組んでいます。福利厚生では、川崎市保育会の川崎市職員厚生会に加入し、リフレッシュの施術で職員の心身のケアに配慮しています。

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