かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

大師保育園

対象事業所名 大師保育園
経営主体(法人等) 公益財団法人 神奈川県労働福祉協会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0825
川崎区出来野1-17
tel:044-266-7939
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
大師保育園は公益財団法人神奈川県労働福祉協会(以下、法人)の経営です。法人は昭和32年に神奈川県庁内に日雇労働者福利厚生協会として発足し、現在は日雇労働者等の就労支援部門、子育て支援部門、会館・プラザ等の部門があり、横浜市、川崎市に保育園3園を運営しています。大師保育園は平成22年に川崎市立保育園の民営化政策に沿い、平成27年に完全移管されたました。この辺りは京浜工業地帯の一角として栄えていた地域であり、以前は富士電機を始めとする大中小の工場が立ち並び、従業員の住宅があった地域です。大師保育園は京浜急行大師線産業道路駅から徒歩5分程度の、比較的、新しい住宅地の中に位置しています。定員130名の大規模園で、園舎は2階建てで、東に園庭があり、1階に乳児保育室(0歳〜2歳児)、厨房、洗濯室が設けられ、2階は幼児保育室(3歳〜5歳児)、ホール、屋上があり、プールが設置されています。敷地には余裕があり、園舎周囲には園庭の他に、平成24年に保護者の協力のもとでビオトープを完成させ、地域自生の植物や昆虫を育み、季節を感じさせる大師保育園の新たな特徴となっています。


<特に良いと思う点>
【1.粗大遊びと微細遊びの取り組み】
幼児期に様々な運動(遊び)をすることは大切で、活動する機会を単に与えるだけではなく、幼児が興味を持って遊びに自発的に関わることが重要であり、幼児期は神経機能の発達が著しく、5歳頃までに大人の約8割程度まで発達すると言われていることを踏まえ、そのため、タイミングよく動いたり、力の加減をコントロールしたりする等の運動を調整する能力が顕著に向上する時期を大切に考え、園では、幼児期に運動を調整する能力を高めるよう、「粗大遊びと微細遊び」をプログラムに組み込み、神経機能の発達促進に取り組んでいます。

【2.食育活動】
大師保育園では、年齢ごとの食育活動を栄養士、調理師も関わり、年間を通して目標を掲げ、食べ物の名前を知る、苦手な食べ物にも関心を持つ、いろいろな味に触れる等、食への興味・関心を広げています。乳児は、栽培〜収穫を体験し、試食を行い、食材に触れ、野菜でスタンプ作りをして遊ぶ等、身近に「食」に親しめるようにしています。幼児では、世界の料理から食文化を学び、食事でのマナーや魚の食べ方を知り、栽培〜収穫・試食を行い、旬の食材に触れ、クッキング保育で食事やおやつ作りの機会を設けて取り組んでいます。

【3.地域との良好な交流】
大師保育園は民間保育園としてからは7年余ですが、公立園から地域に根ざしてきた通算期間は長く、その頃の保育方針を現在も基本的に引き継き、運営しています。保護者会も継続され、培われた地域との親密な連携は深く、今尚、歴史を重ねてきた活動も継続しています。また、地域に対して、近隣保育園との協働で「こそだてほっと・ぱぁく」等の子育て支援を実施し、保育園の子育て支援事業の園庭開放、体験保育、プール開放、絵本の貸し出し等を掲載して“地域の保育園”として発信しています。

<さらなる改善が望まれる点>
【1.さらなる職員の質の向上について】
職員の質の向上については、福祉サービスを提供する施設全体において最も重要な課題として取り組んでいます。昨今、正規職員の確保、希望数の採用に苦慮し、特に、新入職員や学卒間もない保育士が入職する時期には、環境の慣れと経験値の面で一時的に保育力が低下し、系列園等、職員の異動がある場合は、経験値における戦力ダウンも予想されます。法人においても系列園があり、これら変動に対応するためにも職員一人ひとりの能力アップを日頃から意識して取り組むことが大切です。さらなる質の向上を期待しています。

【2.ビオトープのメンテナンスと活用について】
保護者の協力のもとで完成したビオトープは自生する地域の植物や昆虫を観察するのに貴重な地域資源です。園での実践について十分に話が聞けてはいませんが、もっと活用できるのではないかと思われました。園庭解放時の利用等で訪れる親子は見て・触れて楽しんでいると思いますが、子どものいない近隣の住民、地域の小学生等にもっと見せてあげたい気がしました。ビオト−プの日などを設定し、地域の方々や高齢者、子育て家庭に見て・触れてもらう機会を工夫されれれば「地域の宝」となると思います。

【3.建物の補修の問題について】
園は、長く保育を培ってきた歴史と共に、建物にもその歴史が表れています。昔ながらの園舎は余裕があり、工夫しての活用が可能であり、落ち着く雰囲気があり好感が持てますが、端々に老朽化していくことは止むを得ないことです。法人で中・長期計画で予算化しているものと思われますが、いずれかの時期での建て替えも含め、メンテナンスの必要性は否めません。現時点での優先される場所、子ども等が困る場所の補修については、早めに着手され、さらなる安全確認を強化し、ケガ・事故の発生しない保育園生活を期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●園では、子どもの人権の尊重の考え方と共に、子どもの気持ちを尊重し、子どもが主体的に活動できるよう、肯定的な言葉かけを行うことを職員が共通理解するよう指導しています。散歩に行きたくない場合は、子どもが行きたくなるような言葉がけの指導をしています。乳児については一人ひとりの欲求を尊重し、個別対応を心がけています。個別の配慮を必要とする子どもには、その子どものペースで参加できるように配慮しています。

●園では、子どもの人権の尊重の考え方と共に、子どもの気持ちを尊重し、子どもが主体的に活動できるよう、肯定的な言葉かけを行うことを職員が共通理解するよう指導しています。散歩に行きたくない場合は、子どもが行きたくなるような言葉がけの指導をしています。乳児については一人ひとりの欲求を尊重し、個別対応を心がけています。個別の配慮を必要とする子どもには、その子どものペースで参加できるように配慮しています。

●園では、子どもの人権の尊重の考え方と共に、子どもの気持ちを尊重し、子どもが主体的に活動できるよう、肯定的な言葉かけを行うことを職員が共通理解するよう指導しています。散歩に行きたくない場合は、子どもが行きたくなるような言葉がけの指導をしています。乳児については一人ひとりの欲求を尊重し、個別対応を心がけています。個別の配慮を必要とする子どもには、その子どものペースで参加できるように配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、行事ごとにアンケートを実施して意見を抽出し、園長・主任は保護者会に参加して行事や運営について話し合い、保護者と意見交換を行い、要望等を聞く機会を設けています。また、個人面談を通して要望や意見を受け止め、園全体で対応を検討し、保育に生かしています。園にポスト(意見箱)を設置し、保護者から意見・苦情が言いやすいように取り組んでいます。

●園では、子ども主体の保育を心がけ、一人ひとりと十分にコミュニケーションを図り、信頼関係が築けるようにしています。保護者からの意見や相談は、クラス懇談会、保護者会の他に個人面談で、相談や要望を受けています。子どもの意見等は、クラスや職員会議で話し合い、今後の対応について職員会議で検討しています。縦割り保育交流では、子ども同士で意見を出し合い、子どもからの意見を尊重して保育を進めるようにしています。

●職員は、子どもの気持ちを受けとめ、子どもの納得した活動を進め、子ども個々の興味や行動を大人の都合で中断しないように努め、肯定的な言葉かけを心がけています。また、職員同士の連絡、連携を密に図り、家庭環境や子どもの発達を共通理解し、援助を行っています。特別の配慮が必要な子どもには個別指導計画を作成し、会議を通して共通理解を図り、誰もが対応できるようにしています。職員は、LD発達研修や、療育センターの巡回指導により指導を受け、研鑽しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は入園のしおり、ホームページ等で保育サービス内容を掲載し、園玄関の掲示板には、子育て支援事業の案内や、園行事のポスターを掲示しています。外国籍に係る保護者については、川崎市で外国語版の入園案内の用意があり、必要に応じてかながわ国際交流財団の通訳も活用できる等、対応体制を整えています。園見学者は、園長、保育長、主任を担当とし、パンフレットを配付して丁寧な対応に努めています。新入園児はならし保育を実施して子どもの不安等の軽減に努め、新しい環境に慣れ安心して過ごせるようにしています。

●保育所保育指針に基づき、保育課程・年間保指導計画を作成し、月案・週案に展開して保育を実施し、年間保健計画、食育計画については、看護師、栄養士と連携して策定しています。サービス実施状況は、日常で保育日誌、個人記録、延長保育記録、保育記録等を行い、記載内容は園長が確認し、記録の仕方については保育長、主任保育士等が中心となって内容を含め指導を行い、保育の在り方を客観的に見直せるよう、保育に生かす記録として研鑚しています。また、避難訓練や安全点検等の記録も行っています。

●提供するサービスの実施方法については、保育理念、保育基本方針、保育目標に基づき、地域性、行政、社会情勢を加味して保育課程を策定しています。大師保育園では、園全体の衛生・安全管理、感染症対応について独自にマニュアルを作成し、保護者の引き取りマニュアルも備えています。保育については、乳児のクラスごとに育児マニュアルを作成し、幼児では全体の基本ルールを明記してマニュアルを策定し、職員は共通理解の基、保育に当たっています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、法人のホームページ、川崎区の広報、園の掲示板に、園の情報や行事等の案内を掲示して地域に発信しています。また、大師保育園の「にこにこパーク予定表」に地域子育て支援サービスの紹介を掲載し、地域の親子が保育園を利用できるよう案内しています。毎年、園見学は多く、園見学者にパンフレットを配布し、保育サービスの情報を丁寧に説明しています。

●園が有する機能の地域への提供では、児童家庭支援センターとの協働や、近隣の保育園と交流保育を実施しています。また、川崎市の子育てフェスタに職員の参加や、プラザ大師で月1回開催している子育て支援啓発事業「こそだてほっと・ぱぁく」に職員を派遣し、子ども・母親を支援する等、保育園として地域に寄与しています。地域のボランティアの受け入れでは、中学生の体験学習、高校生のインターシップ等を受け入れ、学生が職業体験に来ています。

●関係機関との交流、団体との連携では、川崎区施設長連携会議、主任会議、子育て支援会議、幼保小担当者会議、看護師連絡会、栄養士連絡会等、各会議に定期的に出席し、情報を共有しています。地域の福祉ニーズを把握するための事業及び活動を行い、民生委員(福祉委員連携会議にて)、児童委員と連携を図り、地域の子育て情報、ニーズの把握に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●大師保育園は、公立保育園の民営化により設立された園であり、旧市立保育園の理念・基本方針・保育目標を継承してスタートし、現在も継続しています。理念等は玄関に掲げ、保育課程は各保育室に張り出して理解を促しています。3月末の懇談会では来年度の方針を示し、保育園のしおりにも理念、基本方針等を明示しています。入園前の説明会でも入園のしおりを配付し、説明しています。中・長期計画は法人で策定され、計画を基に園運営を遂行し、園の設備整備、職員体制、子育て支援事業に関しては会議等で討議・検討しています。

●園長及び保育長(園長補佐)は、自らの役割と責任を職員に対して表明し、事務分担表を作成して分掌業務を明確にし、サービスの質の向上に努めています。園長は、人事考課制度により、各職員の目標を決めて共有し、年度末に反省と共に次年度の意向を把握しています。また、人事、労務、財務の分析を行い、職員配置、環境整備、協力体制等の改善に向けた運営に尽力しています。保育長、主任は各クラスをまとめ、職員間の問題やクラス運営が円滑に図れるよう指導、援助に努めています。

●毎年、園全体の自己評価チェック表を継続して実施し、職員個々の自己評価は、振り返りと課題を明確にし、話し合い、年2回、職員面接を実施して助言をし、次年度に反映させています。計画に沿って週末、月末、期末、年度末に職員会議で反省、見直しを図り、課題を明確にして次期の計画に反映するようにしています。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制については、法人で系列全園の要望等を把握の基、人事方針を策定し、保育園配置基準に基づいて、必要な職員採用を行っています。必要とする人材や体制に関する方針を策定し、円滑に業務が行えるよう、職員定数以上の非常勤職員や短時間職員を採用しています。園では、方針に基づき園長、保育長、主任、リーダーで保育体制を検討しています。遵守すべき法令・規範・倫理等は倫理規定、職員就業規程、個人情報規程を策定し、職員会議等で周知を図り、理事長から倫理について話を受ける機会を得、理解を深めています。

●法人で、職員に期待する職員像が明確にされ、新人研修で職員は理解しています。職員教育は年間研修計画を策定し、定期的に園内研修を実施し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。研修受講後は研修報告書を作成し、回覧にて共有化を図っています。また、全体会議で研修内容の説明を行い、全職員の質の向上に役立てています。さらに、研修内容により発表する機会を設け、討議後、保育に導入する場合もあります。園では個別の職員の技術水準、知識、専門性の必要性、経験値を考慮し、次につながる研修を推奨しています。

●園長は、職員の日々の様子を確認し、声掛けを行うなど配慮に努め、全職員との面接により要望、意向を把握し、より良い職場環境作りに尽力しています。シフト作成に当たり、有休休暇の希望を確認の上、勤務表の反映に努め、全職員がバランス良く休暇の消化が図れるよう課題として取り組んでいきます。福利厚生では、福利厚生センターへ加入し、非常勤職員を含めて年1回、健康診断を受診し、予防接種も実施しています。産休・育休・病休・病後、育休等の補償、時間短縮勤務の取得など仕事の軽減職員の心身のケアに配慮しています。

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