かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク宮前平えきまえ保育園(7回目受審)

対象事業所名 アスク宮前平えきまえ保育園(7回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0006
宮前区宮前平 1-12-5
tel:044-856-7911
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年05月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要・特徴】
<施設の立地および概要>
 アスク宮前平えきまえ保育園は平成23年4月1日に開園しました。東急田園都市線宮前平駅から徒歩1分の駅前に立地し、園舎と園庭は田園都市線の線路高架下にあります。保育室の前には人工芝の園庭があり、砂場が設置されています。現在0〜5歳児72名が(定員70名)在籍しています。

<特徴>
園目標は、「のびのび明るい子ども」「友達と遊ぶ楽しさを知り、思いやりのある子ども」「興味や関心を持ち、豊かな感性のある子ども」を掲げ、子どもたちから「明日も行きたい」と言われる保育園を目指しています。毎月、園目標に基づいたクラス目標も掲げています。園だよりには保護者に向けて子ども一人一人のインタビューを記載しています。子どもたちが学ぶ楽しさや身体を動かす楽しさを育むために、専門講師による英語教室、体操教室、リトミックのほか、クッキング保育も取り入れています。

【特に優れていると思われる点】
1.全職員で保育を行う体制づくり
 全職員で保育を行う体制づくりのために、園の事務所に各クラスの週案や園内企画書を掲示しています。常勤職員、非常勤職員に関わらず、掲示物を見て全職員が各クラスの活動状況を把握することにより、職員が連携していつでもほかのクラスのサポートができるようにしています。さらに、送迎時には、どのクラスのことでも保護者へ伝えられるようになっています。また、会議など終了前には園長から職員に「伝えたいことがある人は?」と声をかけ、非常勤職員とも話す機会を多く持ち、職員一人一人の意見や要望を聞き取るようにしています。
 
2.職員が主体的に参加しての園内研修の実施
 園内研修は、テーマを決めて職員会議で話し合う形式で行っています。職員会議前に職員がそれぞれ書面やポストイットを使用して、テーマに沿った内容で他園の事例や自分の経験による事例を、2〜3件出すことにしています。アレルギーでは「アレルギーのある子どもの前で、ほかの子どもがくしゃみをしたことで反応がでた」、人権・虐待では「遊ぶときに子どもの手を強く引っ張る」など、ヒヤリハットでは多岐にわたり事例が集まりました。職員が提示した事例を基に意見を出し合い、園での対応策や改善策を検討しています。

3.子どもの力を伸ばす保育への取り組み
 園では、子どもが自ら考え、挑戦し、行動することを大切にした保育に取り組んでいます。職員は「なにをしたい?」「どれにする?」と子どもに聞き、一緒に考えながら、遊びや製作活動を進めています。散歩で「走り回りたい」という希望があれば、大きな広場のある公園にしたり、「おみせやさんごっこ」では、商品や素材、色などを子どもに聞いて製作しています。また、みんなの前で話をすることに慣れるように、幼児の当番では、メニューを読み上げたり、子どもの日集会では自分が製作したこいのぼりの紹介をしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.河川氾濫への対策
 災害時に対する子どもの安全確保の取り組みとして、避難訓練を実施し、職員体制、連絡体制、備蓄などの整備がされています。一方、川崎市宮前区のハザードマップでは、河川氾濫可能性数値がでていますが、対策をしていません。河川氾濫可能性数値は高くはありませんが、子どもや職員の安全を確保するために、対策の検討や整備が望まれます。

2.地域の社会的資源であるボランティアの活用
ボランティア受け入れについての基本姿勢や体制はありますが、今年度はボランティアの受け入れがありません。ボランティアの活用は、子どもが園で生活する中で、生活の広がりに寄与するという役割が期待されます。関係する機関にも働きかけて、ボランティアの活用に対する努力が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園の基本方針には『子どもの「自ら伸びようとする力」「後伸びする力」を育てる保育を』『子どもの感受性や好奇心を自然な形で伸ばす「五感で感じる保育」の充実を』を掲げています。クラスごとに毎月の目標を決めて、ねらいや実施内容も明示しています。

・設置法人作成の虐待対応マニュアルがあり、園内研修では「人権および虐待について」を取り上げ、職員は学んでいます。職員には「人権擁護のためのセルフチェック」も配付しています。

・設置法人作成の「保育園業務マニュアル」には個人情報の項目が記載されています。また、「個人情報保護マニュアル」があり、個人情報保護ガイドラインも明記しています。

・入園の際に配付する重要事項説明書には、個人情報の利用や写真などの取り扱いについて明記しています。5歳児の就学に向けて、保育所児童保育要録を作成し就学先へ提出することも明記し、保護者へ伝えて書面で承諾を得ています。

・職員は子ども一人一人の気持ちを受け止め、子どもを尊重した対応と、子ども一人一人が様々な環境にいることを意識して保育を行うように努めています。職員会議では、子どもの人権や羞恥心についての研修を行い、子どもの羞恥心にも気付けるようにしています。

・行事や活動では、子どもの意見を取り入れています。登園時や保育中に集団活動に入れない子どもには、一人でゆったり過ごせるように対応しています。

・職員は子どもの気持ちに寄り添い、子どもの気持ちを汲み取るように努めています。グループ分け、行事の役割、遊びなどでは、男女の区別や性差にとらわれず、子どもが好きな役を選んだり、好きな衣装を選べるようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・無記名の保護者アンケートは、行事や運営委員会、年度末に行っています。行事についての意見のほかに、日常のことで何かあれば記入する欄も作っています。アンケートの意見には、公表するかしないかに〇を付けてもらって、公表できる場合はアンケート結果に記載し保護者に配付しています。

・個人面談は、担任職員が保護者と年1回行っています。

・苦情の対応として、重要事項説明書に、苦情受付担当者、解決責任者、設置法人の窓口、第三者委員2名の連絡先を記載し、玄関に掲示しています。

・異年齢児の関わりとして、異年齢で散歩を一緒に行くことがあります。お店屋さんごっこでは、幼児が異年齢のグループを作って売り物や看板を製作し、乳児も参加して買いに来ます。5歳児がほかのクラスの手伝いに行き、小さい子どもの世話をしたりしています。

・職員は子どもの気持ちを受け止めて、否定的な言葉ではなく肯定的な言葉を使うなど、子どもが自分の思いを伝えやすい関係作りに努めています。

・日常の保育の中では、職員のほうから「散歩にどこに行きたい」「何をしたい」と子どもの意思や考えを聞くようにしています。幼児の当番ではメニューを読み上げるなど、子どもがみんなの前で話をする練習をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・設置法人のホームページや園のパンフレット、川崎市のホームページで園情報を提供しています。園見学希望者が多いことから、週1回程度の見学日を設け、1か月単位での見学可能日を提示する中で、見学者の希望に合わせて受け入れています。

・個別指導計画・月間指導計画・週案は担任が策定し、年間計画はリーダーが策定しています。指導計画の変更などは、職員会議・リーダー会議・昼礼・スタッフノートで情報の伝達、共有を図っています。週案や園内企画書は事務所に掲示して全職員が把握できるようにしています。また、週案は、天候や子どもの様子に応じて変更しています。

・栄養士が年齢別食育年間計画、クッキング年間計画を策定し、年間のねらい、年間を4期に分けての活動内容、配慮事項、保護者への働きかけなどが記載されています。乳児は野菜に興味を持つことから始め、2歳児で野菜の栽培、3歳児からクッキングを始めます。食育活動のお知らせを玄関に掲示しています。

・利用開始後の子どもの不安やストレスが軽減されるように、保護者には「慣れ保育」や子どもの環境変化による「かみつきなどの行動」についても説明しています。特に、0歳児では保護者と過ごしてもらい、保護者にも子どもが安心して過ごせる環境であることを実感してもらえるようにしています。

・子どもに関する伝達は「予約一覧表」を使用し、早番職員から担任職員へ報告しています。担当職員から遅番職員へは「延長日誌」を使用して、伝達事項にもれのないように努めています。

・記録の保管・保存・廃棄などは設置法人作成の個人情報保護マニュアルや保育園業務マニュアルに記載があります。職員は個人情報保護法や情報開示についての設置法人研修を受けています。

・散歩のルートや公園内の危険個所は、散歩時安全評価シートを使って職員が確認しています。保育室内で危険な場所はないかについては、ほかのクラスの職員がチェックしています。災害時に避難しやすいように、2歳児以上は日常室内履きを履いています。

・園内で起こった事故やケガは職員で情報共有し、必ず職員会議で改善策や対応策を検討しています。職員会議の際には全職員が必ず2、3件のヒヤリハットを提示し、30件近いヒヤリハットを集めて未然防止策を検討しています。

・内科健診・歯科健診は健康診断記録表や「すこやか手帳」に記録し、職員や保護者が見ることができます。健康診断で医師より食事の摂取や保育の活動量についての助言を受け、保護者にも伝えて連携して保育にあたっています。

4 地域との交流・連携

・年3回川崎市宮前区保健福祉センターで行っている「赤ちゃん広場」に保育士が参加し、地域の未就園児親子に手遊びや絵本の読み聞かせを行い、子育て相談にも応じています。

・川崎市の取り組みとして「保育の質の維持・向上」が掲げられており、園の事業計画にも入れて取り組んでいます。

・年長児担当職員が川崎市認可保育所年長児担当者会議に参加しており、就学に向けてのクラス運営や他園との年長児交流会などの充実を図っています。

・認可保育所園長連絡会議などでも、川崎市の人口増加などに伴う福祉ニーズに対応するために、保育の質の向上について検討しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園のパンフレット、重要事説明書(重要事項説明書)、保育課程などには、運営方針や基本方針を記載しています。基本方針をさらにわかりやすくした園目標を掲げ、保育の方向性を具体的に示しています。

・年度初めには園長が「一年の運営」と理念や基本方針の話をしています。各クラスでは理念、基本方針、園目標に基づいたクラス目標やねらいを設定しています。

・長期計画では「保育の質の向上」「子育て支援」を掲げ、中期計画ではそれぞれ2項目を掲げて具体的な内容も明示しています。各計画は、職員会議などで園長が説明しています。事業計画は、長期計画・中期計画に基づいた項目や担当者を決めて取り組んでおり、職員間で進歩状況を確認し見直し記録しています。

・園長は保育の質の現状について、保育日誌や各計画の評価反省欄を確認しています。また、定期的に各クラスの保育に入り、職員の子どもとの関わり方を確認し、課題を把握するように努めています。

・職員会議や昼礼で、保育の質についての職員の意見を聞き取るように努めています。会議の終わりには職員に必ず言葉をかけ、非常勤職員からの意見も聞く機会を増やしています。

・園長は運営理念の「職員が楽しく働けること」の実現に向けて、職員配置や人間関係などの職場環境作りに取り組んでいます。業務の効率化や園の運営に関わっているという職員の意識付けとして、様々な職務にも職員が交代で担当する体制を整えています。

・園長は設置法人の園長会議に参加し、社会福祉事業全体の動向について把握しています。園長が川崎市宮前区保健福祉センター訪問や、宮前区認可保育所園長連絡会議などに参加し、潜在的利用者情報や地域の特徴を把握しています。

・園には保護者の通勤時間が長く、遠方から通っている子どもが多く、保護者の仕事体制から長時間保育の子どもが多いことを把握しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人は人材育成ビジョンにより職員の育成を図り、国の職員配置基準をクリアするように各園の職員を配置しています。また、園で補充を必要とする場合は、園長が設置法人に報告し、補充を受けています。

・遵守すべき法令・規範・倫理などを就業規則や保育園業務マニュアルに明記し、職員は入社時に説明を受けています。

・長期計画に保育の質の向上を掲げ、中期計画や事業計画では、研修に参加してその結果を職員間で共有することを目指しています。設置法人作成の人材育成ビジョンの中に、職員に求める専門技術や資格を明示しています。

・常勤職員は、個別研修計画を前期・後期に分け、目標、受ける研修名などを明記して提出しています。設置法人の階層別研修の受講のほか、自由選択研修も受講しています。個別研修計画には自己評価と園長の評価を書く欄があり、次の個別研修計画の作成に反映しています。

・園長は、個別研修計画を見て、個々の職員に必要な技術水準や知識習得に適した計画になっているかチェックしています。

・職員の有給休暇率や時間外労働のデータは園長がチェックして設置法人に報告するほか、わかりやすい出勤簿を作り、有給休暇の消化率が自分で確認できるようになっています。また、職員が残業をせずに勤務時間内に書類が作成できるような体制を組むようにしています。

・職員の意向・意見は園長が全職員と年1回以上個別面接をし、自分から話をしない職員からも要望や相談事を聞くようにしています。職員に悩みがあれば園長やマネージャーに相談できるほか、設置法人の産業医や法人外のカウンセラーに相談できます。

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