かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

おおつな保育園(2回目受審)

対象事業所名 おおつな保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 聖徳会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0003
港北区大曾根2-33-8
tel:045-531-0501
設立年月日 1954年05月01日
公表年月 2017(平成29)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 おおつな保育園は昭和29年5月1日開園で、社会福祉法人 聖徳会が運営する保育園です。0歳児から就学前児童を対象とし、定員201名で現在199名が在籍する大規模園です。園は東急東横線綱島駅から徒歩12分程度の住宅地の一角に位置しています。建物はRC造り3階建てで、1、2階が保育室です。木々に囲まれた園庭(527u)があり、園庭には大型遊具を備えています。
平成17年4月に横浜市港北区新羽町に2〜5歳児の定員24名(在籍19名)の分園「おおつな森の保育園」を立ち上げ、たて割り保育を実施しています。事業主体の社会福祉法人聖徳会は当園のほか、横浜市内に4保育園、埼玉県日高市に1園の計6保育園を運営しています。

・園の特徴
 保育方針を「まず好きからはじめよう 遊びの中で自分に出会う 気づきを大切にした保育」として、子どもの発想を大切にした、子ども一人一人の個性を引き出す保育を心がけています。
 4、5歳児クラスは、クラス単位で隔週ごとに自然に囲まれた分園まで園バスで行き来をし、分園での自然の中での生活を体験する連れ出し型(アウトリーチング)保育を行っています。本園・分園とも園庭には木製の大型固定遊具を配置し、朝の自由時間、午後のおやつの後も日が暮れるまで遊んでいます。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの発想を大切にした保育
 職員は一斉活動と自由遊びのバランスを考えながら活動の流れを作るようにしています。課題のある絵や製作、行事の練習などの一斉活動では、子どもの発想を大切にし、指導だけにならないようにしています。3歳児クラスの紙粘土作品は形も様々で、モール・どんぐり・ビーズなど思い思いに装飾しています。お遊戯会の創作劇では、いろいろな国を調べ、ピサの斜塔やエッフェル塔など、子どもたちで話し合いながら、製作をしています。子どもが集中でき、職員も落ち着いて子ども一人一人の発想を受け止めることができるよう、敢えて少人数で活動する時間を作っています。その際、クラスの他の子どもたちは園庭などで自由に好きなことを見つけ、友だちと遊んだり、一人で遊びこんでいます。

2.子どもの成長を促す異年齢活動
 本園では、日々の園庭での遊びや、散歩・食事を通して異年齢での関わりがあり、また、玄関ホールに続く廊下は自由遊びの時間に2歳児から5歳児クラスまでの子どもたちが自由に交流する場となっています。ごく自然に年上の子どもが年下の子どもの面倒を見たり、一緒に遊んでいます。7月中旬から9月の初旬の夏の期間は「ぐりぐら活動」として、4、5歳児クラスを2グループに分けて活動し、園外保育として近隣の公園などに出かけています。約2か月間の活動を通し、子どもたちは相手への思いやりの心や信頼関係を深めています。3〜5歳児クラスでは分園の幼児と一緒に、子どもの国や地下鉄に乗って古民家に遠足に出かけたりしています。分園では2〜5歳児が一つのクラスとして常に異年齢での活動をしており、年上の子どもたちは年下の子どもの面倒を良くみて、日々の活動を通し年下の子どもに優しくするという意識が芽生えています。

3.食育活動への取り組み
 食事作りに丁寧な取り組みがあり、子どもたちは食事の一時を楽しんでいます。通常の給食やおやつの献立のほか、子どもの日や七夕、ハロウィンなど季節の行事食を大切にしています。日本各地の生活文化を紹介することや作り方、味付けが変わると食材が色々変化していくことも楽しめる「ご当地メニュー」もあります。分園では、夏の風物詩として本物の竹を使っての流しそうめん、「お楽しみ会」でのサプライズパフェやカフェ風サンドイッチ、「絵本献立」は絵本に出てくる料理を題材にした、のり巻きやコロッケ、「世界献立」はデンマークや台湾料理も登場します。子どもたちが育てたイモや畑で採れた野菜でクッキングをしたり、給食で食べたりしています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.職員の質の向上のための内部研修の充実
 現在、内部研修が年1回、全職員が参加して行われています。今後、内部研修として、テーマ・担当を決め、毎月の全体会議などを活用して継続的に実施し、職員の質の向上を図っていくことが望まれます。また、非常勤職員も内部研修や外部研修に積極的に参加できる研修体制を構築していくことが望まれます。

2.地域子育て支援サービス(育児相談、園庭開放など)の取り組みの強化
 現在、園見学時や「オープンおおつな(園紹介・園内見学会)」開催時、年に数回の子育て支援イベント(絵本の読み聞かせや歌あそびなど)時に子育て相談に応じていますが、定期的に育児相談は実施していません。定期的に相談日を設け育児相談を実施し、記録として残していくことが望まれます。また、分園では、毎月予約制で園庭開放を実施していますが、近年利用実績がありません。保育所としての専門性を活かした育児相談や、園庭開放の取り組みをさらに地域の人に知ってもらうためにも、情報提供方法の工夫が望まれます。

3.園としての自己評価の実施と公表
 保育の質の向上を図るため、職員の自己評価をふまえ、全体ミーティングなどで改善点や課題について話し合い、園としての自己評価を取りまとめ、保護者などに公表することが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の理念は「自主性・創造性・社会性を育てる」で、運営方針は「まず好きからはじめよう 遊びの中で自分にあう 気づきを大切にした保育」で子どもを尊重し、子どもの成長、発達に寄り添ったものとなっています。

・全体ミーティングでは、職員の子どもへの言葉かけが否定的になっていないか、声のトーンはどうかなどについて話し合っています。昨年度は外部講師を招き、園内研修で人権について学び、保育に活かそうと努めています。

・4、5歳児クラスの保育室は、布団庫の上をロフトとし、ゆっくりできる場として活用し、必要に応じて、廊下の隅や事務室、多目的室を子どもと1対1で話し合えるプライバシーを守れる場所としています。分園では中2階や2階の絵本コーナー、布団庫の上のロフトを活用しています。

・本園の幼児用トイレの個室の仕切り壁はすりガラス状でドアがありません。

・個人情報の取り扱いについては、職員には入職時に就業規則の中で説明をし、保護者には「入園のしおり」に沿って入園時に説明をしています。

・虐待に関する外部研修や園内研修で「子どもの権利条約」について学習し、虐待が明白な場合や疑わしい場合は、港北区福祉保健センターや横浜市北部児童相談所と連携し、通告・相談する体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・3月の入園説明会で職員が保護者と個別に面接して、子ども一人一人の様子を詳しく聞き取りをし、アレルギーや既往症・持病などをもつ子どもについては、栄養士や看護師が立ち会い、情報収集に努めています。

・園内の保育室や廊下、トイレなどは毎日清掃担当が掃除を行っています。エアコンを設置し、冬場は加湿器を置き、各保育室に温・湿度計を置き、室内の温・湿度管理をしています。本園の0、1歳児室には床暖房を設置しています。

・乳児クラスの子どもの個別指導計画を毎月作成し、一人一人の成長や様子をふまえて目標設定が行われています。幼児クラスで療育センターの巡回・指導のある配慮の必要な子どもについては、個別に保育記録を作成しています。

・本園・分園とも園庭には大型の木製の固定遊具などを配置し、子どもたちは午後のおやつの後も日が暮れるまで園庭で遊んでいます。

・木の実や小枝・木の葉など自然の素材は園庭から調達しています。ブロックなど製作途中のものは棚の上で保管し、続けることができます。分園では保育室に紙箱などの廃材を常に用意し、各自の発想で自由に製作をしています。

・食育の年間計画に沿い、食材の下ごしらえ、クッキング、基本的な生活習慣を身につけることなどに取り組んでいます。栽培・収穫や当番活動を通し、食に対する興味関心を育んでいます。

・子どもの日、七夕、ハロウィンなど行事食を大切にして、旬の食材、野菜を豊富に使い、彩りを考慮した盛り付けをしています。

・子どもの誕生会は保育参加を兼ねて実施し、保護者は子どもとの時間を楽しみ、給食を一緒に食べ、子どもたちの食事を知る機会となっています。

乳幼児突然死症候群対策として、生後6ヶ月までは5分、1歳児クラスまでは10分間隔で呼吸チェックをしています。5歳児は、毎年10月ごろから午睡をせず、就学に向けた生活リズムをつくっています。

・個別面談は年1回実施し、事前アンケートを配付し、面談で聞きたいこと、話したいことなど自由記載をお願いしています。年2回の懇談会時には、担任が保育の内容や日常の様子などを伝えています。

・日々の子どもの様子や保育は、2歳児までは個別の連絡帳でのやりとりのほか、各クラスのホワイトボード(本園)、玄関のホワイトボード(分園)で活動の様子などを、写真を交えて伝えています。                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園後の子どもの成長発達記録は、保育経過記録として乳児は毎月、幼児は3か月ごとに記録しています。

・配慮を要する子どもの記録は、「個別の保育記録」として記載し、児童票として個別にファイルし、職員はいつでも確認することができます。

・障がいのある子どもを、個性として受け入れられるよう、子どもたちにわかりやすく伝えています。

・アレルギー疾患のある子どもの保護者から、かかりつけ医の「生活管理指導票」を提出してもらい、栄養士又は調理士が面談を行い、除去食を提供しています。食物アレルギー疾患のある子どもの配膳は、食器を変え、専用のトレイにのせ、食事前に担任全員でアレルギー食材の有無を確認しています。

・「入園のしおり」に意見・要望の受理担当者(副園長・主任)、受理責任者(園長)、第三者委員2名を紹介し、入園説明会で保護者に説明しています。入園のしおりには第三者委員の仲介により解決を目指すことが記載されています。苦情は園で解決する方針で、外部権利擁護機関との連携体制はとられていません。

・「入園のしおり」に乳幼児がかかりやすい感染症と登園停止基準などを明記し、入園時の説明会で保護者に伝えています。保育中に発症あるいは疑いがある場合、速やかに保護者に連絡をしています。

・安全管理、災害対策マニュアルがあります。今年度、専門機関の協力の下、自園の視点に立った災害対策マニュアルを作成中で、それに先立ち災害対策研修を行い、職員で共有する機会をもっています。

・毎月想定を変えた避難訓練を実施しています。本園では、消防署の協力や港北区の研修で心肺蘇生法とAED(自動体外式除細動器)の使用方法を学んでいます。年2回、不審者を想定した防犯訓練を行っています。

4 地域との交流・連携

・本園では園見学時やオープンおおつな(園紹介・園内見学会など)開催時、園の子育て支援イベント時などに、保育園に対する子育て支援ニーズを把握しています。年に数回、未就園児を対象とした子育て支援イベントを開催し、紙芝居や積木遊び、花冠作りなどの体験保育を行い、園児と交流しています。

・本園・分園とも育児相談は随時の受付となっていますが、利用実績は確認することができませんでした。

・本園の夏祭りやお泊り保育の花火大会、おもちつき、節分に近隣の住民を招待しています。毎年、「港北区公私立保育園合同育児講座 わくわく子育て広場」に近隣の他園と共に、本園・分園の職員が参加し、就学前の乳幼児と保護者の方を対象とした歌や遊び、育児相談などを通し、交流を図っています。

・本園・分園合同の園外活動(遠足など)として、鶴見川流域センターや大倉山梅林・大倉山記念館、日産スタジアムの噴水広場、こどもの国、子どもの杜(プール)、都筑公会堂(おゆうぎ会)などを利用しています。

・今年度は本園・分園とも、近隣の高校生をボランティアとして受け入れ、職員にはボランティア受け入れ時の対応方針などを説明しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園のパンフレットを見学者に配布し、港北区の「わくわく子育て広場」では、園紹介のパネル展示コーナーを分園と一緒に設け、パンフレットを配布しています。港北区の子育て情報誌に園の情報を掲載しています。

・見学希望者からの電話での照会時には、随時見学ができることを伝え、見学は子どもたちの昼寝の時間帯を基本として、見学者の希望も考慮して受け入れています。また、本園では年に1回、入園案内イベント(OPENおおつな)時に見学会を実施しています。

・職員は毎年「年間自己目標表」により、テーマ別に自己目標を立て、年度末に自己目標を振り返り、達成状況を自己評価しています。職員の自己評価結果をふまえ、園長・副園長・主任は園としての課題を見つけ、改善テーマとして検討していますが、園として体系的にまとめた自己評価は実施されていません。

・設置法人共通の就業規則(職員倫理規程)が制定され、職員が守るべき服務規律や機密保持などの規定が明記され、職員は入社時に説明を受けています。

・横浜市の「ヨコハマ3R夢」方針に沿ってごみを分別し、紙ごみは資源ごみとしてリサイクルに協力し、減量化に努めています。本年度、本園全館のエアコンを新規更新し、照明をLEDに切り替えて省エネ化を図っています。

・園長は職員の採用時に理念・保育方針について説明し、毎月の全体ミーティングで理念・保育方針に関連する話をし、職員は運営方針を周知しています。

・園長は重要な決定や変更について、職員には全体ミーティングで、保護者には保護者会の役員を中心に意見交換を行い、その後のクラス懇談会の場を通じ、サービスの変更・改正点などを説明しています。

・園長は横浜市や横浜市私立保育園園長会、全国私立保育園連盟などの会議や研修に参加して、制度・法律の改正、行政施策の改変、待機児童問題などの事業運営に影響ある情報を収集しています。

・設置法人として、平成35年までの人事・財務面、サービス提供、施設整備などからなる中長期事業計画を作成していますが、園として中長期を展望した計画は作成されていません。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人の保育方針をふまえ、職員に期待する項目(ルール遵守、園児・保護者対応、知識・技術の習熟など)を挙げ、職員を経験年数や習熟度に応じ3つの階層に区分し、階級別の達成メドを示した設置法人制定の「公課基準表」(人材育成計画)を策定しています。

・園長・副園長・主任が研修推進担当となり、階層別の必須研修は園長が参加者を決定し、他の研修は職員の希望をとり、年間研修計画を作成しています。
内部研修は年1回、2月に全職員が参加して行っており、非常勤職員も必要に応じて参加し、昨年度は外部講師により「防災」をテーマとして行っています。

・大学・保育専門学校から実習生の学生を受け入れ、実習終了後は反省会を行い、各クラスの職員が参加し、実習生の意見を聞き、意見交換をしています。

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