かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

うみの風保育園(2回目受審)

対象事業所名 うみの風保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 学校法人 聖ヶ丘学園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0801
中区新山下1-4-16
tel:045-628-1630
設立年月日 2007(平成19)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年05月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
1.立地および施設の概要
  うみの風保育園は、みなとみらい線・元町中華街駅から徒歩5分と、交通の便に恵まれ、近隣には、みなとの見える丘公園、山下公園、中華街、元町商店街などの観光名所があり、文化的環境とともに、海や公園の自然の移り変わりも身近に感じることができます。平成19年4月開園で、鉄骨造り3階建ての園舎に、0歳児から5歳児まで46名(定員45名)が在籍しています。設置法人は、学校法人聖ヶ丘学園で、聖ヶ丘教育福祉専門学校や鶴見区のにじの風保育園、保土ヶ谷区のひかりの風保育園、青和幼稚園、磯子区に八幡橋幼稚園を運営しています。

2.園の特徴
  保育目標に「元気と笑顔、そして感謝する心」を掲げ、子ども一人一人の成長のプロセスを保護者とともに見守りながら、自主性・自立性を育てることを重視した「褒めて、認めて、励まして、しっかりと抱きしめ、受け止める」の保育方針のもと、子どもたちが持っている「育つ力」を大切にした保育をしています。3〜5歳児については縦割り保育を基本とし、異年齢の子どもたちが触れ合うことで様々な刺激を受け、興味や関心の幅を広げるようにしています。

【特に優れていると思われる点】
1.全職員で子どもを理解し温かく接する保育の実践
  全職員が全園児の一人一人を良く知るように努め、子どもに関する情報交換、共有に心がけ、それぞれの保護者とも顔なじみになっています。園児総数46名、各クラス6名〜8名の少人数保育を行っており、職員のコミュニケーションも良く、クラス担任に関わらず、子ども一人一人に温かい態度で接しており、訪問時の自由遊びや散歩の中でも、乳児が職員に甘える様子や子どもたちの笑顔が絶えず、子どもが職員を信頼している様子がうかがえました。利用者家族アンケートの「職員の対応」の項目のうち、「子どもは大切にされているか」「保育園生活を楽しんでいるか」「話しやすい雰囲気、態度か」「意見・要望への対応」については、「満足」「どちらかといえば満足」を合わせた満足度が100%、総合的な満足度も100%と高い評価となっています。

2.子どもが伸び伸びと活動できる環境づくり
  今年度、乳児担当職員と園長が話し合い、子どもたちにとって快適な環境づくりに取り組んでいます。0歳児室と1歳児室の間の仕切りを特注の棚に入れ替え、真ん中の少し低い棚の下は子どもたちが、くぐって通れるようにしてあります。子どもたちはつかまり立ちをしながら、隣の部屋の様子を眺めたり、はいはいをして隣の部屋に出かけていき、いっしょに遊んだりしています。職員も見通しの良くなった部屋で、お互いに声をかけ合い、子どもたちの伸び伸びとした活動を見守り、育ちを支援しています。

3.保護者にその日の子どもの様子を伝える努力
  職員は、毎日の送迎の際には、体調に関することだけでなく、その日に子どもが遊び込んでいた楽しげな姿や、散歩で今までカートに乗っていた乳児が「今日はずっと歩けましたよ」のような成長した姿などのエピソードを、できるだけ保護者に伝えるように心がけています。利用者家族アンケートの「送り迎えの子どもの様子に関する情報交換」については、満足度が100%(満足が80%、どちらかといえば満足が20%)と高い評価を得ています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者の要望・意見を運営に活かす工夫
  園として大きなクレームについては「苦情受付簿」に記録を残していますが、日常寄せられる、細かな要望、苦情の記録についての蓄積や整理は不十分な状況です。苦情や日常寄せられる細かな要望、意見なども記録に残し、運営に活かしていくことが期待されます。

2.地域住民に向けての子育て支援
  地域の子育て親子に向けて、子育てに対する考え方やノウハウなどについての講習会の開催など、保育園の専門性を活かした子育て支援サービスの提供が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもに対する言葉がけについては全職員で意識し合って保育にあたり、何か気になるときにはお互いで注意し合っています。職員は、子どもたちに適切な言葉かけを心がけ、子どもの自己肯定感を育んでいけるよう配慮しています。

・子どもが一人になりたいときは、エレベーターのホールや図書コーナーを使用し、職員の見守りの中で、静かに過ごしています。必要に応じて、子どもを事務室に招き入れて、外部からの目を気にせず、プライバシーを守れる空間を作り、話し合いを行っています。

・職員は入職時に研修にて「個人情報保護方針」を学び、内容を熟知しています。また、職員は入職時に「誓約書」、退職時に「退職時における念書」に署名捺印し、個人情報を含む園で知り得た機密を漏らすことのないよう誓約しています。

・職員は、遊びや行事の役割、持ち物、服装などで男女の区別をせず、気が付いたことは、職員会議、週案会議などで、お互いに注意し合っています。言葉がけや関わりの中で男女の色を決めてグループ分けしたり、持ち物の色を男女で分けたりしていません。

・虐待対応マニュアルがあり、新任職員は入職時研修で学んでおり、年1回、会議において全職員に虐待の定義を周知しています。虐待が明白になった場合や疑われる場合は、中区福祉保健センター、横浜市中央児童相談所に通告・相談できる体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保護者の意向の把握に向けて、クラス懇談会は年2回4月と2月に行い、年度初めにはクラスの年間計画やクラス目標などについて詳しく説明し、保護者からの要望、意見などを聞くようにしています。

・子どもが玩具を取り出しやすい、目の高さ以下になる収納棚を設けており、子どもたちは自由遊びの時間帯には、好きなおもちゃを自由に取り出して遊んでいます。自由遊びの時間には、数多いコーナーを子どもたちの意思や職員の支援により設置し、子どもたちはコーナーを自由に選択して遊んでいます。年齢に応じて、鬼ごっこやリレーなどルールのあるものに挑戦し、子どもが興味を持ったものを、行事の内容につなげていくなど、園は工夫して対応しています。

・職員は事前に子ども一人一人の食べられる適量を把握し、提供する量を加減し、子どもが完食の喜びを味わい、また、お代わりをする喜びも味わえるように支援しています。偏食についても無理強いはせず、家庭と協力しながら少しずつ、克服していけるようにしています。アレルギーのある子どもの食事はトレイの色を変え、食器や台拭きも個別に用意し、テーブルを別にしています。配膳時に調理室と保育室の職員で、アレルギーチェック表に基づいて確認しています。

・午睡で眠くならない子どもには、無理強いをせず、横になり、体を休めています。各保育室では午睡時にカーテンを引き、照明を消して、薄暗くし、また、小さい音でオルゴール曲を流すなどして、眠れる雰囲気作りを行っています。乳幼児突然死症候群(SIDS)予防に、0歳児は5分ごと、1、2歳児は10分ごとに呼吸確認を行い、チェック表に記入しています。3歳児以上は30分に1回、確認を行っています。

・トイレットトレーニングについては、子どもの発達に合わせて、1歳の後半より、子ども本人のリズムを把握し、様子を見ながら、徐々に声かけをしながら進めます。一人一人の発達をふまえ、また家庭とも連携をとりながら無理なく進めるようにしています。職員は失敗した子どもにはそっと声かけをし、他の子どもには気付かれないように配慮し、対応しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園案内や重要事項説明書に、基本方針・利用条件・サービス内容などが記載され、問い合わせに対して対応できるようになっています。利用希望者が電話で問い合わせてきた時に、予約したうえで見学が出来ることを案内しています。

・「ならし保育」の必要性を保護者に説明し、家庭環境や子どもの育ち、保護者の就労状況などに配慮して個別に計画を立て、無理なく園生活に慣れていけるようにしています。新入園児は愛着形成のため主担当制にして、特に授乳、食事、睡眠などは、安心できる職員のもとで一対一での関わりを大切にしています。

・入園前に園長、主任、担任が面接を行い、子どもの生育歴や健康状態、食事・排泄などの生活の様子を細かく聞き取り、入園面談記録に記入しています。面談で得た情報や留意点などを記入した入園面談記録は、事前提出書類と一緒に個人別にファイルし、全職員が必要に応じて確認できるようにして、日々の保育に活かしています。

・クラスごとに一人一人の子どもの状況を話し合い、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。ねらいに対してどうであったかをクラス担任を中心に職員間で話し合って評価・反省をし、次期計画を作成しています。保護者の意向は、クラス懇談会・個人面談での聞き取り、行事後のアンケート、毎日の送迎時の会話や連絡ノートで把握し、指導計画に反映しています。

・0〜2歳児については、月間指導計画に基づいた個別月間指導計画を、一人一人の発達に合わせて全員に作成しています。幼児についても特に配慮が必要な子どもがいる場合は、個別指導計画を作成しています。離乳食の進め方やトイレットトレーニングなど保護者との連携が大切な事項は、個人面談や送迎時の連絡ノートの受け渡しの際に保護者に説明して同意を得ています。

・保育所児童保育要録は、5歳児の担任が作成し、園長が確認した後、就学先に持参(遠方の場合は郵送)しています。入園時に把握した生育歴をはじめ、入園後の子どもの成長発達記録は、児童票、健康調査票、健康記録表に記録し、個別にファイルしています。0〜1歳児は毎月、2〜5歳児は3か月ごとに発達状況を確認しています。

・要望・苦情受付の担当者は主任、苦情解決責任者は園長であり、玄関に掲示しています。また、苦情・要望の連絡先として、第三者委員2名の氏名を「重要事項説明書」に明記し、玄関には氏名と連絡先を掲示しています。玄関に意見箱を置き、行事後に保護者アンケートを行い、保護者からの意見や要望の把握に努めています。苦情・要望申し出の外部の窓口として、横浜市中区福祉保健センターの連絡先を玄関に掲示して、保護者に紹介しています。

・保育サービスの基本事項、手順などは「業務マニュアル」に明確に記載しています。「感染症対応マニュアル」「健康管理マニュアル」「衛生管理マニュアル」など、種類別にマニュアルを制定しています。

・「災害対応マニュアル」に基づき、全職員は、毎月1回、地震、津波などの避難訓練を実施し、火災などの通報、避難場所への誘導なども行っており、対応方法を熟知しています。緊急連絡体制については、事務所の壁にフローチャートが貼りだしてあります。

4 地域との交流・連携

・園の情報は入園案内、設置法人のホームページ、横浜市のホームページにより提供しています。外部Webサイトに情報提供し、園の保育方針、施設概要、サービス内容などを掲載しています。

・中区から委託された「グランマ保育事業」の「育児相談の実施運営」「絵本の貸し出し実施運営」などを行っています。運動会は、町内会の掲示板やマンション内にポスターを貼らせてもらったり、園見学の際に開催の案内をして招待するなどして、地域の住民に知らせ、地域の未就学児親子が来てくれています。

・マリンタワーに登ったり、人形の家に見学に行くなどして、地域のレクレーション施設に出かけています。近隣には「港の見える丘公園」「象の鼻パーク」など、港町の雰囲気ある所を始めとして数多くの公園があり、天気の良い日には積極的に散歩に出かけ、公園で近隣の未就園児親子と一緒に遊ぶなど、地域との交流を図っています。

・園長は中区公立私立保育園園長会や要保護児童連絡会に参加し、警察や小学校校長との連絡担当となっています。中区こども家庭支援課のケースワーカーと定期的に電話連絡をとり、支援についての意見交換や情報交換を行っています。横浜市中部地域療育センターとも連携をとっており、ケースに応じて相談活動の実施や巡回訪問があり、カンファレンスも行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職員が守るべき法・規範・倫理などは、就業規則で明文化されており、職員に入職時研修により周知しています。設置法人のホームページで、当園の経営・運営状況(財務諸表、施設概要、サービス内容、自己評価など)の情報を公開しています。

・園の理念・保育方針と保育目標を各保育室に掲示しています。職員に入職時研修や年度初めの職員会議で理念・方針を周知し、指導計画を立案する際も保育目標に沿って保育が行われているかを園長が確認しています。

・園長は重要な意思決定にあたっては、保護者懇談会、保護者アンケートなどで意見を聞き、意思決定に反映させるように努めています。今年度予定している、10年に一度の外壁などの大型修繕や、中期事業計画の策定など、保護者や子どもたちに影響がある重要な意思決定については、保護者懇談会で目的・理由を説明しています。

・園の中長期的な方向性として、今年度、中長期事業計画を見直し、「保育内容の充実」「園の環境整備」「地域活動」「職員の質の向上」を掲げています。園長が参加する設置法人の評議委員会や聖ヶ丘教育福祉専門学校の教育課程編成委員会などで、次代の組織運営に備え、運営やサービスプロセスについての新たなしくみを検討しています。

6 職員の資質向上の促進

・職員の経験年数や職能に対する「目指すべき姿・目標」「目標達成のための具体的取組方法」「外部研修」などを定めた「保育士人材育成計画」があり、それに対応する研修計画も作成されています。

・経験や職能に応じた研修計画が策定されており、園長・主任は職員が必要な研修をできるだけ多く受講できるようにしています。職員は、公立の横浜市錦保育園での研修会やウィリング横浜の「保育士人材育成」研修に参加しています。職員の研修報告書をもとに職員会議で報告し、情報、知識を共有して、保育に活かせるようにしています。

・「初任者向け」「中堅向け」「主任・ベテラン向け」「管理層向け」などの経験、職階別に、保育士として「目指すべき姿・目標」とそれに対応した具体的取組を明文化した「保育士育成計画」が策定されています。園長は職員との個人面談を年1回行い、職員の満足度・要望などを把握しており、また、いつでも相談に乗れる体制をとっています。

・実習生受け入れマニュアルがあり、受け入れ時には、主任から園の基本的考え方・方針について職員に説明しています。実習生にはオリエンテーションを行い、実習生が課題として特に重点を置きたい事項を学んでもらっています。実習中は日々クラスで助言と反省を行い、最終日には園長・主任を交えて、クラスに入ったリーダーが実習生と意見交換し振り返りを行っています。

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