かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク新丸子保育園(9回目受審)

対象事業所名 アスク新丸子保育園(9回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0005
中原区新丸子718 山上ビル1、2F
tel:044-738-0081
設立年月日 1946年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 アスク新丸子保育園は、平成21年4月に開設した定員60名の認可保育園です。現在は、0歳児から5歳児までの59名が在籍しています。運営主体の株式会社日本保育サービスは名古屋市に本社があり、JPホールディングスグループの一員として、首都圏を中心に全国200か所以上の保育所、学童クラブ、児童館を運営しています。
 園は、東急東横線「新丸子駅」から徒歩3分の駅前商店街を過ぎた住宅街にあります。周囲にはマンションや一戸建て住宅が立ち並び、近くには小さな公園が多数あります。園は3階建てマンションの1階、2階を使用しています。園庭はありませんが、天気のいい日には近くの公園や多摩川沿いまで散歩に出かけています。
 園では専門講師による英語教室、体操教室、リトミックを年齢に合わせて導入し、クッキングや食育にも力を入れ、子どもの楽しむ心や学ぶ楽しさを育んでいます。園目標に「元気にあいさつをしましょう」「お友だちを大切にしましょう」を掲げ、明るく笑顔あふれる保育園を目指して保育運営を行っています。

<特によいと思う点>

「担任伝言表」や掲示物を活用して、園や子どもの情報を保護者に伝えています

 園や保護者の情報を伝えるために、クラス単位で「担任伝言表」を活用しています。登園時に保護者から聞き取ったこと、園での子どもの様子などを担任伝言表に記し、引き継ぎの際に個々の情報が担任以外にも確実に伝わるようにしています。重要な伝達事項は、メモ及び担任伝言表を使い二重に確認して、伝言漏れが無いようにしています。担当クラス以外の職員も日々子どもたちの情報を共有し、適切に保護者に伝えています。
 事務所前に「今日の早番、遅番」を明確にして、顔写真つきで保育士を紹介しています。保護者はそれを見て、その日の送迎時の職員が分かるようになっています。英語教室、体操教室、リトミックの講師紹介やお知らせもあり、子どもとも話が弾みます。

保護者の意見、要望を大切にしています

 保護者の意見は年2回の個別面談やクラス懇談会、運営委員会、行事後アンケート、一年間の振り返りアンケート、意見箱等様々な方法で吸い上げています。保護者アンケートの集計、返答などは、文書で回答し配布・掲示をして、必ず保護者へフィードバックしています。対応が必要な事例(物品購入や施設の整備等)についてはしっかりと確認し、途中経過等も含めて対応状況を知らせています。
 保護者の意見と職員の話し合いにより、階段での安全性を考えた鍵にも改善することにつながっています。玄関にあった給食見本を移動することで、玄関が広くなり送迎時に使いやすくなり保護者から評価されています。

子どもの豊かな育ちを支える保育に取り組み、保育の信頼を高めています

 園は子ども一人ひとりの生活リズムを把握し、遊びや休息などに個別に対応できるようにしています。園生活を豊かにし、主体的に遊びが広がるような環境設定を考え、各クラスで子どもが自由に玩具等を選択して遊べる環境を整えています。朝夕の合同保育、土曜保育、園外への散歩、縦割りグループを通して、異年齢児との関わりを多く持てるよう工夫しています。延長保育などで園に残っている子どもが少人数になった際には、職員が積極的に関わるようにしています。職員が話合い積極的に改善に取り組み、地域への貢献にもつながっています。園の取り組みは保護者から評価され、子どもが大切にされている、保育に信頼感があるとの意見につながっています。


<さらなる改善が望まれる点>

ヒヤリハット事例を活用しての安全対策の強化が期待されます

 ヒヤリハット事例は、その都度付箋を利用してメモ的にノートに貼りつけています。気付いた時に短時間で報告する方法となっていますが、後で見直すには整理されておらず見にくくなっています。会議で再発防止を話し合っていますが、事例記載のメモには再発防止策が記されていません。大切な事例ですが、活用が十分とは言えません。ヒヤリハットの記録用紙を作成し、そこに再発防止策を記すことでヒヤリハット対策をさらに可視化していくことが期待されます。さらに発生曜日や時間帯、場所などの分析をする事によって事故を未然に防ぐなどの安全対策につながります。

園内研修などを多用して人材育成に繋げることが期待されます

 職員の研修は、設置法人の経験年数に合わせた階層別研修や自由選択研修など、年間を通じて多数用意されています。職員の個人別研修計画では半年ごとに研修計画を立てるなどの実施を行っています。外部研修も職員に周知され、研修に積極的に参加できるように勤務のシフト調整の配慮もされています。しかし、職員が中心となって行う園内研修が少ないようです。園内研修は講師となる職員の勉強にもなります。職員の育成と共に受講内容の共有化にもなりますので園内研修の充実が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 子どもの出来る喜びを感じる「自ら伸びようとする力」、個々の個性を重んじて長期的な視点からの「後伸びする力」を育てる保育を行っています。四季や自然の力を体感し、視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の「五感で感じる保育」というこれらの基本方針の基に、子どもを尊重した保育を行っています。 子どもの意思を尊重し、個々の様子を踏まえて活動内容を変更することもあります。行事の際は子どもたちと相談し、意見を取り入れて衣装や小道具などを選んだり、制作したりしています。
虐待については職員は全員研修を受けており、虐待の防止・早期発見のために、虐待防止マニュアルに沿って、登園受け入れ時、着替えの時に必ず視診を行っています。ケース会議などでも職員間で情報共有し、対応しています。中原区役所、保健所等とも連携を取り、早期発見と早期対応に努めています。
職員は個人情報保護について、研修や職員会議等で理解を深め、重要性を認識しています。保護者に対しても入園前の重要事項説明時に「個人情報の利用について」「写真等の取り扱いにおけるプライバシー保護等への配慮について」を説明し、確認後同意書をもらっています。実習生や見学者にも、個人情報保護規定マニュアルに沿って、利用者のプライバシー保護を徹底しています。児童票などの個人情報は鍵付きの棚に入れ施錠保管しています。書類等は保存期間を決めて、廃棄の際は設置法人が溶解処分をしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保護者に対して行事後や年度末にアンケートを実施して意見を聞いています。年度末アンケートの自由記述部分には改善案や提案もいただき、会議に諮って次年度の活動内容や施設の改善に反映させています。集計や質問に対する返答などは翌月文書にして保護者に配布するとともに、園の掲示板に掲示して、保護者にフィードバックしています。個人面談を年2回行い、保護者の意見や要望、満足度を把握しています。面談や相談の内容について会議等で分析・検討を行い、内容によっては法人本部と相談し、対応策を検討しています。
朝夕の合同保育、土曜保育、園外への散歩、縦割りグループを通して、異年齢児との関わりを多く持てるよう工夫しています。ただ、生活を豊かにし、主体的に遊びが広がるような環境設定を考え、各クラスで子どもが自由に玩具等を選択して遊べる環境を整えているところです。園では地域療育センターに通っている子どももおり、職員は障害に関する法人の研修や発達支援コーディネーター資格取得の研修に参加して学んでいます。さらに、法人の発達支援担当のアドバイザーに巡回を依頼しています。
登園時に保護者から聞き取ったこと、園での子どもの様子などを担任伝言表に記し、引き継ぎの際に個々の情報が担任以外にも確実に伝わるようにしています。この伝言板を活用して、お迎え時に対応した職員が子どものエピソードなどを保護者に伝えられるようにしています。午睡については、個々の様子を把握したうえで時間の調整を行っています。5歳児は、就学に向けて、午睡時間を短くしていき、0歳児は必要に応じて午前中・夕方などに午睡を取り入れています。離乳時には毎月1回、保育の様子を伝えています。保護者から意見を聞くために運営委員会を年に3〜4回開催して、保育内容や行事について説明しています。
合同保育の時間帯はパズルと電車遊びなど、静と動のコーナー遊びを選べるようにしています。また、一人ひとりの生活リズムを把握し、休息が必要な場合は個別に対応しています。夕食・補食の部屋と遊びの部屋を分けています。園に残っている子どもが少人数になった際には、職員が積極的に関わるようにしています。昼間は保育室に置いていないおもちゃで一人でじっくり遊べるようにするなど、遅い時間だからこそ楽しめるようにして配慮しています。年間を通して異年齢の子どもと関わる機会を作り、年齢が上の子どもたちには、0歳児との関わり方を伝えています。
月に一回ある「ランチの日」には、昼食は季節を取り入れた献立、おやつは手作りケーキを提供しています。席順もくじ引きなどで決めて3〜5歳児が一緒に楽しめるように配慮しています。毎月給食会議を開いて給食内容を検討しています。離乳食の面談を担任、保護者、栄養士で月一回行っています。アレルギーマニュアルに従い、トレイの色やラップでアレルギー食を区別しています。クッキング保育を行ったり、りんご、昆布の食育活動に参加したりしています。給食だよりを毎月発行し、子どもたちに人気のメニューや季節の食育情報を掲載しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ホームページで園の基本情報を伝えるとともに、ブログで日々の保育の様子を発信しています。見学日は月10日程度設定し、年間150家族以上が園見学を行っています。入園説明時に重要事項説明書を配って説明し、内容確認後同意書を提出してもらっています。慣れ保育は子どもの様子を見ながら個々に対応しています。 近隣の小学校3校と交流を持ち、授業参加などの見学や教員との懇親会などで就学に向けての意見交換をしています。就学に向けて午睡時間を徐々に短縮し、基本的な生活習慣の確立に向けた支援を行っています。
入園時に、「入園時家庭調査票」などを保護者から提出してもらい、子どもの心身状況や家庭状況を把握しています。入園後は保育の様子を生活記録に残し、個別指導計画に反映させています。クラス担任同士で話し合い、リーダー担任が中心になって、年間指導計画・月間指導計画・週案を作成し、0〜2歳児クラスの月間指導計画、週案の作成はリーダー以外の担任も順番に担当しています。天候や子供の様子で実施内容に変更がある場合は、赤ペンで修正しています。各計画は期末に振り返りを行い、評価・反省欄に 記入して次につなげています。
日々の保育の実施状況を生活記録に、子どもの発達状況を児童票に記録しています。児童票、日誌などの記録の仕方の研修があります。新人職員はリーダー担任や園長・主任に内容や書き方の指導を受けています。
サービスの実施方法などを保育園業務マニュアルに記載し、他に衛生、事故防止対応、感染症対応などの項目別マニュアルを制定しています。保育園業務マニュアルは、設置法人が毎年、また必要に応じて随時見直しを行っています。見直しにあたっては、各園で保護者や職員の意見を会議でまとめて設置法人に報告しています。
意見箱を備え、苦情解決の責任者・受付担当者・第三者委員を設置しています。重要事項説明書に、相談・苦情・意見の園以外の窓口として、法人の運営本部、中原区役所保健福祉センター、第三者委員の氏名及び連絡先を記しています。 苦情が出たときは、苦情マニュアルに基づいて、園長に報告し、法人にクレーム受理票を提出して対応しています。保護者の要望で、物の購入や施設の整備などに関するものは、法人の管理課に確認し、保護者に途中経過を知らせています。
4 地域との交流・連携 園ではホームページ作成担当の職員を決めて、ホームページ上で園の情報を開示し、日々更新出来るようにしています。事業所の道路に面したフェンスの掲示板では、保育園見学や保育園行事、ボランティア・実習生募集等のポスターを掲示し、地域の方へ園の情報を提供しています。それを見て、園見学の申し込みもあります。園見学は年間150家族以上に対応しており、園のパンフレットを渡して園への理解を深めてもらっています。
在宅で子育てしている地域への支援事業として、平成29年9月より「しんたまクラブ」が発足しました。毎月第3火曜日の14時から15時まで親子で園で遊んだり、身体測定、手型足型とり、育児相談などを行っています。参加希望者は前日までに予約するシステムで、園長、主任が担当しています。設備面での制約から園では1日3組までの受け付けです。具体的な地域の子育て支援が始めており、今後はこれに加えて育児講座など園の専門性を活かした支援サービスの提供が課題となっています。
幼保小連携会議、地域の施設開放会議や中原区延長会議等に園長や職員が参加し、地域の情報を収集し意見交換をして地域の福祉ニーズの把握に努めています。幼保小の関連事業として、卒園児の入学が多い3つの小学校の幼稚園、保育園職員対象の授業参観、懇談会に職員が参加して就学に向けてのアドバイスなどを受けたり意見交換をしています。施設開放委員会主催のバザーでは職員がポスターを作って協力しました。小学校の体育館清掃にも参加しています。「中原っ子シアター」に5歳児が、「食育フロンターレ」に4歳児が参加しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 園の理念、基本方針を玄関に掲示し、パンフレットや入園のしおりにも明示しています。職員は入社時研修や職員会議等で説明を受け理解しています。園長は職員に年数回理念に対するテストを行い、さらに理解が深まるような取り組みを行っています。 保護者に対しては、入園の説明会の時に「入園のご案内(重要事項説明書)」で説明しています。運営委員会では、園目標や保育目標、中長期計画等を説明し、保護者の理解を得ています。懇談会や園だよりなど様々な場面でも発信して保護者の理解を深める工夫をしています。
理念・基本方針の実現のために、平成26年〜30年度の長期計画、目標を立てています。長期計画のもとに平成29年度の事業計画として「保育の充実」「園の開放」「災害への対策強化」の3点を掲げています。この3点について細かく担当を決めて実施計画を立てて課題に取り組んでいます。地域交流強化や他園との連携、子育て支援、近隣の園行事参加、近隣のアスク保育園との交流、未就園児対象「しんたまクラブ」の実施の対策を講じています。事業計画は保護者にも運営委員会や園だより等で周知しています。
職員は年2回の自己査定や個人別年間研修計画などで、目標設定をし、半年ごとに反省や振り返りをしています。園長はその都度具体的なアドバイスをしフォローしています。職員の資質向上のため数多くの研修が用意され、研修に積極的に参加できるようにシフトの調整をするなど配慮しています。園長は職員が定期的に提出する保育日誌、週案、年間指導計画などをチェックして評価、分析、見直しを行っています。第三者評価や保護者アンケートを活用して園のサービス向上に役立てています。
6 職員の資質向上の促進 運営法人の「保育士育成ビジョン」に職員の年次別、階層別の目標を具体的に設定して、各職員の目標設定や研修計画に役立てています。職員は研修テーマを決めて「個人別研修計画」を立て、計画的に研修を受けています。そして半年後、1年後に目標に対しての反省、感想を記載して到達度が分かるようにしています。園長はそれを見て、一人ひとりにアドバイスを記載しています。 新人職員には年齢の近い職員をつけて、気軽に食事をしながら仕事で困っている事や心配事など、いつでも相談できる「チューター制度」があります。
園長は毎月、出勤簿等で職員の有給休暇の消化率や時間外労働の状況を確認しています。職員の休暇は特別な理由がない限り、希望通りに取得できるように配慮しています。行事について職員で話し合って、普段の保育の成果の発表として行事を進めています。職員間で話し合い、普段の保育の延長線上に行事があると捉えています。行事の考え方、実施方法を見直すことで、時間外労働時間が大幅に減り、職員の負担が軽減されています。
園長は職員個々の体調や状態を見て勤務を調整しています。年2回の個人面談時に限らずいつでも面談が出来るようになっています。職員配置を工夫して、経験の浅い職員には先輩職員が仕事内容や保育技術、知識を伝えられるように配慮しています。
年1回全職員が設置法人のメンタルチェックを受け、必要に応じてカウンセラーや産業医に相談できる仕組みがあります。職員の福利厚生として、独身寮が完備され、定期的な健康診断やインフルエンザ予防接種など健康保持に必要な制度には補助が出ます。新たな福利厚生の情報は職員会費で周知しています。

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