かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーりょくえんとし保育園(3回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーりょくえんとし保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0002
泉区緑園2-2-3
tel:045-812-7112
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
●小学館アカデミー保育園の概要
小学館アカデミーりょくえんとし保育園は、株式会社小学館集英社プロダクションの経営です。株式会社小学館集英社プロダクションは東京都千代田区に本社を置き、1都3県に認可、認証保育園を展開し、神奈川県下では川崎市・横浜市に認可保育園を運営し、「楽習保育?」を特徴とした保育理念により、小学館アカデミー全園で一貫した保育を実践しています。小学館アカデミー保育園は、保育理念である『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』を全園で共有し、7つの基本方針をベースに、「楽習保育?」を中心した、保育環境(ラーニングセンター、みどりのあそび場、小学館ライブラリー)と、保育活動(遊び、生活)の両立を目指し、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ導き、理念の実現に向けて保育を展開しています。保育内容は、各項目に法人のポリシーを取り込み、詳細に精緻に構成が成され、これらは教育研修にて全職員で意思統合を図り、理念に沿った保育を展開しています。
●小学館アカデミーりょくえんとし保育園の立地・とりまく環境
小学館アカデミーりょくえんとし保育園は、相鉄線緑園都市駅から徒歩2分のところにあります。園が位置する緑園都市は、都市生活の利便性を追求しながらも緑豊かな美しい街並みを構想し、歩行者専用道路「四季の径」は横浜市第3回美しい街並み優秀賞を受賞し、街路樹の緑陰が街並みのデザインの一部となり、清々しく洗練された街です。また、住宅地と商業施設は明確に分離され、美しい街並みを街全体で環境維持に努める意識の高い街であり、小学館アカデミーりょくえんとし保育園は自治会とのルールや融合を図り、美しい街並みとも共生している保育園です。園舎は、保育園専用2階建ての上品な落ち着いた出で立ちで、園舎周りの柵も景観に配慮された造りになっており、良好な陽当たりで最適な環境を整えています。
≪優れている点≫
1.楽習保育?の確立
小学館アカデミー保育園では、首都圏の保育園を開設以来、理念を『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』に据え、保育の柱を「楽習保育?」に置いて推進してきました。10年余りの進捗により、楽習保育?は「ラーニングセンター」、「本育?」、「ネイチャープログラム」、「リズミック」、「コミュニケーションプログラム」、「入学準備プログラム」が固定化され、楽習保育では「?」(商標登録マーク)を取得し、楽習保育?を柱として確固たるものに成長しました。本部の企画力、各園の実践力が相乗して「楽習保育?」の成長を支え、今後さらなる展開の基礎が確立されたと評価できます。
2.本育?の推進
楽習保育?と共に、本育も「?」(商標登録マーク)を取得し、「本育?」として推進しています。楽習保育?との違いは、“楽習”保育として身近に楽しく保育の柱に据えた保育理論、システム性にあるのに対し、本育?は、本、絵本の活用により子どもの豊かな成長を育むプロセスにあると考えます。法人事業の基礎である「本(活字)」を表現した、本育?のイラストもできました。ハードの面での小学館ライブラリーの充実と共に、ソフトの面での“1日1回の読み聞かせ”に力を入れて連動を図り、保育の根幹の1つとしてさらなる本育?の発展に期待されます。
3.小学館アカデミーりょくえんとし保育園の保育の進化
小学館アカデミー保育園の「楽習保育?」については、園独自に定着を図り、保育の中に自然な形で組み込んで日常に活かされており、基礎となる保育のベースが固まったことは評価に値します。今後はさらに、楽習保育?に加えて、「手づくりの行事」、「りょくえんとしの英語あそび」に力を入れて行きたいと考えています。小学館アカデミー保育園全園で展開されている楽習保育?に小学館アカデミーりょくえんとし保育園独自のローカル色を加味し、園独自の彩が輝いていくことが大きく期待されます。展開に際し、保育士個々の力量が問われてくると考えますので、様々な課題に乗り越えられるスキルを職員と共に研鑽して行かれることを望みます。地域での年齢層は2極化が進み、若い世代の子育での悩み等も現状聞かれますので、そのような親子をサポートできる力・心のスキルを全職員で身に着けて行かれることを期待しております。
≪さらなる期待がされる点≫
1. 楽習保育?の保育理論化
小学館アカデミー保育園の「楽習保育?」は、保育の幅を広げる点でほぼ完成に近いと思います。ラーニングセンター、本育?、ネイチャープログラム、リズミック、コミュニケーションプログラム、入学準備プログラムと、やるべき項目は整い、各園の手法もどんどん広がりをみせています。これらをさらに進化させるには、根本となる保育理論の構築が必要ではないかと考えます。例えば、モンテッソーリの保育理論や、ピアジェの構成論などの「構築」です。他は、先に理論ありきですが、「楽習保育?」については実践から構成された理論となれば、保育業界の手本、布石となり、素晴らしい展開が期待できると思います。実践している小学館アカデミー保育園全園をはじめ、小学館アカデミーりょくえんとし保育園の独自展開の保育の姿も内部に留まらず、手本となっていくことでしょう。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●保育理念・基本方針は小学館アカデミー保育園全園共通とし、保育理念に『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』とし、7つの基本方針を掲げています。小学館アカデミーりょくえんとし保育園では、7つの基本方針を保護者の目につくよう園内に掲示し、職員にも対しては会議で園長から話を行い、共通認識を図っています。また、保育理念・基本方針に基づき、「楽習保育?」に沿った保育を推進し、年度初めに重点目標化を図り、職員に配付し、保育課程、年間指導計画に組み込み、保育を展開しています。園では、理念に沿って「人に、物に興味をもつ」を基に「個性を大切にする」保育を実践しています。
●子どもの人権について、『保育所員としての心構え』内の「人権を配慮した保育」に沿って、保育を実践しています。また、年度初めには職員会議で必ず人権について話を行い、確認し合っています。子どもに対しては、個々の気持ちを尊重し、穏やかに話すよう努め、急かしたり強要することはせず、子どもの気持ちを受け入れ、自尊心を傷つけるような否定的な言葉は控え、肯定的な言葉で伝えるように心がけています。また、子どもの呼び方では、名前の呼び捨てを禁じ、全職員で共通認識を図っています。
●性差に関する配慮では、全園児が平等に活動できるよう、遊びや行事の役割、持ち物や服装での区別、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはせず、遊びや役割等については子どもたちの意見を尊重しています。職員は、無意識に性差による固定観念で保育をしないように心得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●保育課程に基づいて年間指導計画を策定し、月間指導計画には必ず子どもの姿やクラスの振り返りを実施して次月に反映させています。保護者へは園だよりで月のねらい(養護と教育)の保育目標を示して伝えています。子どもに対しては、サークル活動(子ども会議)を行い、月の活動等についてインタビュー方式で個々に意見を発表する等、子どもを尊重して進めています。
●短縮保育(ならし保育)を実施し、期間は子どもの個性や、保育歴、保護者の仕事に応じて相談しながら無理のないように対応しています。園では、子どもが食べる、ミルクを飲むかを重要視し、見極めとして2週間程度を薦めていますが、保護者の都合等を考慮して臨機応変に設定しています。在園児の配慮では、特に0歳、1歳児では保育士1名は持ち上がりとなるよう配慮しています。0歳、1歳児の新入園児に対しては、児童票を記載する担当者を決め、その担当保育士が自然に子どもの担当になっています。保護者への連絡は、2歳児以下は複写式の連絡帳を使用し、保護者へ丁寧な連絡を心がけています。3歳児以上も市販のノートを活用し、必要に応じて子どもの様子を伝えています。
●0歳〜2歳児の子どもおよび、特別に支援が必要な子どもについては、個別指導計画を策定しています。個別の目標・計画は定期的に見直しを図り、また、子どもの発達状況に合わせて柔軟に変更・見直しを行っています。指導計画の見直しに係る重要部分については、保護者に説明し、同意を得ています。
●玩具等は楽習保育?(小学館アカデミー保育園独自の取り組み)のコンセプトで揃え、地震等にも安全に配慮した低い棚に子どもの手が届くよう収納し、自由に取り出して遊べるようにしています。また、ラーニングセンターではテーマを都度設定し、ディスプレイをして子どもの関心・興味につなげています。玩具の設定に関しては、朝夕の合同保育・自由時間・クラス別・園舎内外・年齢別等に応じて使い分け、環境設定を行っています。乳児については、手で遊ぶ、手先が発達する玩具を用意し、発達に応じて年間の前半、後半でクラスの状況に応じて環境を変え、遊具を取りやすくするなど工夫しています。
●食事については、子どもの負担にならないよう食べられるに配慮し、残さず食べることについて無理強いをせず、苦手な食材は少量を励ましながら促し、本人の努力を誉め、完食ができるよう導いています。乳児では、自宅での授乳時間に合わせて時間と量を考慮して提供しています。離乳食に関しては離乳食進行表(目安表)に基づいて、後期においては子どもが初めて食べる食材は提供しないよう徹底しています。2歳児以上は子どもと一緒に保育士も同じ給食を食べて楽しい食事時間が持てるように配慮しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●障害児保育のための環境整備では、建物はバリアフリー対応を整備し、園内に多目的トイレ、エレベーターを備え、環境を整えています。小学館アカデミー保育園全園共通で障害児の受け入れ体制、書式を整えています。園長は、泉区の保育・医療機関の連絡会に参加し、家庭支援相談員と連携を図り、障害児保育に関する情報を得ています。泉区福祉保健センターの保健師とは状況報告で連携を図り、訪問および助言・指導を受け、健診時(1歳半、3歳児)では気になる点を伝え、アドバイスを受けています。
●虐待の定義について、職員は入社前研修で説明を受け、職員同士で速やかに連携が図れるよう体制を整えています。職員は、朝の受け入れの際や着替えの際に視診を行い、保護者の生活環境を把握し、母親の立場に立って寄り添うよう心がけ、時には気になる保護者へアドバイスを行う等、支援に努めています。また、関係機関に相談できる体制を整え、泉区福祉保健センター、児童相談所、泉区こども家庭支援課と連携を図っています。
●アレルギー疾患のある子どもの除去食対応では、医師の指示による生活管理指導表を提出してもらい適切な対応を行っています。除去食のメニューは、指示書に従って別途作成し、アレルギー児を持つ保護者へ伝えています。給食時は、調理室と保育室と連携を図り、専用トレイを用い、受け取り時は確認体制を徹底しています。また、食事環境において除去食での孤立感がないよう席に配慮し、食べこぼしの際も細心の注意を払っています。さらに、災害時におけるアレルギー児専用のスモックを用意し、避難先でも対応できるよう配慮しています。
●保護者からの苦情などに関して、入園のしおり・重要事項説明書に苦情・相談の窓口、受け付け方法を明示し、入園説明会等で説明し、第三者委員に直接苦情を申し立てることができることをエントランスにも掲示して知らせています。また、権利擁護機関についての苦情解決窓口も紹介しています。要望や意見等を聞く機会として、意見箱をエントランスに設置し、保護者参加の行事後にはアンケートを実施し、運営委員会でも要望を聞き、利用者満足に取り組んでいます。
●救急機関、医療機関の連絡先一覧のリストを整え、職員がすぐ対応できるよう事務室に掲示して緊急連絡体制を整えています。災害時の保護者への連絡については、NTTの災害伝言ダイヤル、一斉メールを活用しています。保育中のケガ等の記録については、ケガ報告、事故報告、ヒヤリハットを作成し、職員会議で周知を図り、再発防止に努めています。子どもの事故やケガは、ケガの部位、軽重にかかわらす必ず保護者に連絡を行い、ケガ報告書に記録しています。ヒヤリハットは、公園や散歩先、園内のヒヤリハットマップを作成しています。
4 地域との交流・連携 ●園長は、泉区の園長会議に出席して情報を収集し、緑園地区社会福祉協議会の理事と連携を図り、情報提供および活動(ふれあい祭り)の協働を行い、地域のニーズを把握する機会を得ています。地域との交流では、高齢者施設において高齢者が集う「井戸端会議」に訪問し、子ども達が歌を披露して楽しい時間を共有したり、園に来訪いただく等、交流を図っています。また、自治会に加入し、「世話人会」に職員を講師で派遣し、地域の方と交流を深めています。泉区の保育園と連携を図り、子育て支援の会合での研修会に看護師を派遣し、感染症について講習を行う等、情報交換を行っています。子育て支援のニーズについては、育児支援事業を通して、地域の保護者に要望等を聞いています。
●地域への園の理解促進のための取り組みとして、地域の町内会への加入を通して交流を図り、緑園社会福祉協議会の「ふれあい祭り」や、地域の運動会に参加し、高齢者施設への訪問等で交流を深めています。年長児は、緑園西小学校の1年生、5年生と交流する機会を持ち、地域の保育園とは年間交流計画を企画し、交流を図っています。また、幼保小会議を通じて各機関と連携を図り、幼保小が主催する研修には年長児担任が参加し、友好的な関係作りに努めています。
●小学館アカデミー園としてのボランティアの受け入れマニュアルがあり、職員に周知しています。受け入れの際は事前に園の方針、利用者への配慮等を説明し、体制を整えています。ボランティアは、保育学校の学生や、保育士資格取得前の方、中学生や高校生の職業体験等を受け入れています。ボランティア終了後は感想や意見をもらい、園運営に生かしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●職員の守るべき法・規範・倫理等は、施設運営の手引きの中に明示され、保育士倫理綱領や就業規則、職員マニュアルを備え、職員は入社前研修を受け、守るべき倫理を遵守しています。
経営、運営状況等の情報は、ホームページ等で一部開示しています。リスクマネジメントについては、会議で他施設の事例等について検討および周知し、守るべき規範について再確認しています。さらに、虐待例、SIDS事例等も入手して情報共有を図っています。また、法人本部で提携している情報提供会社アイギスから事例等の提供を受け、職員会議等で話し合い、検討の機会を設けています。
●環境整備では、昨年度、横浜市自然循環局に依頼してゴミのリサイクルについて省資源のキャラクターイーオちゃん、ミーオちゃんに来園してもらい、ゴミの分別、3R夢(スリム)について子ども達は学びました。園全体でヨコハマ3R夢(スリム)プラン意識し、職員マニュアルに沿って園内の温湿度を保ち、節電、分別、ゴミの減量を心がけ、プランターで花や野菜栽培による緑化促進を図り、ビオトープを中心に環境への配慮に努めています。保育では、コピー用紙の裏紙の再利用や、牛乳パック、廃材を使用した活動を行う等、リサイクルの意識を高め、園全体で環境への取り組みを行っています。
●園の運営面に直接影響のある取り組みでは、横浜市、泉区役所、緑園地区社会福祉協議会、法人本部等を通じて、保育業界や国の保育施策等の情報を収集し、全職員に周知しています。また、法人本部と提携している情報提供会社からの報告や、保育業界ニュース等の情報は園全体で検討し、保育に生かしています。また、育児支援事業実施により地域の保護者からニーズを把握し、今後の事業に役立てています。重要な情報については、園全体で重点課題として設定し、全職員で話し合って取り組んでいます。例えば、今年度から、法人系列全園で「英語あそび」を導入され、英語の絵本、教材、DVDを活用し、小学館アカデミー独自の楽習保育?の中に“英語”を位置づけて展開しています。小学館アカデミーりょくえんとし保育園では、育児支援事業においても「英語あそび」を取り入れ、地域にPRして情報も収集しながら取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●人材の採用、人員体制に関しては、法人本部で一括採用を行い、法人本部の採用育成課が主体となり採用年間計画を策定して園ごとのバランスを加味し、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分け、戦略を立てて人材の確保に取り組んでいます。人員体制については、小学館アカデミー保育園に勤める職員として求められる職員像及び、その中での行動目標を求めています。職員の行動規範は、4分冊に分割した施設運営の手引きに詳細に記載され、保育の実践に規範となる内容になっています。人材育成については、法人で研修計画を策定し、計画に沿って該当職員は参加しています。また、人事考課制度により個人別の目標設定や、能力向上シートを作成し、目標の達成状況を面接で確認し、評価を行い、職員の資質向上を図っています。
●横浜市作成の保育所の自己評価、保育士自己評価を実施し、職員会議等で日々の保育の振り返りを行い、改善に努めています。職員の技術指導については、法人本部の研修または外部研修に参加して研鑚を図り、法人本部のアドバイザーからも指導を受けています。
●人事考課制度があり、職務分担表により係り・担当を細分化し、ある程度の権限委譲を示し、各職員に合った業務ができるよう配慮して役割を明確にしています。業務改善については、個別に提言を受けた内容を昼の打合せで共有し、行事後には職員にアンケートを実施し、集計を行い、結果を職員会議で話し合い、次年度の計画に組み込み、改善に努めています。園では、園独自に改善におけるルールを設け、園長から法人本部の意向を含めて職員に伝え、計画に組み入れた内容は担当を決めて展開をしています。また、年2回、自己評価を中心に園長は職員と面接を行い、個々の目標を共有し、達成状況等の意見交換を図り、職員の満足度、要望を把握し、評価により昇格・昇給・賞与に連動させています。

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