かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーたまプラーザ保育園(4回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーたまプラーザ保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0002
青葉区美しが丘二丁目18番8
tel:045-905-2252
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

●小学館アカデミー保育園の概要
小学館アカデミーたまプラーザ保育園は、株式会社小学館集英社プロダクションの経営です。株式会社小学館集英社プロダクションは東京都千代田区に本社を置き、1都3県に認可、認証保育園を展開し、神奈川県下では川崎市・横浜市に認可保育園を運営し、「楽習保育?」を特徴とした保育理念により、小学館アカデミー全園で一貫した保育を実践しています。小学館アカデミー保育園は、保育理念である『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』を全園で共有し、7つの基本方針をベースに、「楽習保育?」を中心とした、保育環境(ラーニングセンター、みどりのあそび場、小学館ライブラリー)と、保育活動(遊び、生活)の両立を目指し、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ導き、理念の実現に向けて保育を展開しています。保育内容は、各項目に法人のポリシーを取り込み、詳細に精緻に構成が成され、これらは教育研修にて全職員で意思統合を図り、理念に沿った保育を展開しています。
●小学館アカデミーたまプラーザ保育園の立地・とりまく環境
小学館アカデミーたまプラーザ保育園は、東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩8分程度の所に位置しています。園が所在する「たまプラーザ」は、1968年にロンドン郊外の田園都市のレッチワースを目標として街並みが計画され、都会の便利さと郊外の自然、恵まれた環境を兼ね備えた街とし、今もなお色褪せない先進性があります。また、街のシンボルともいえる並木道や点在する公園は、安全で快適性を優先させた環境に配慮され、住民の組織で街を花で飾る活動も展開され、地域の子ども達の安全を見守る取り組みが行われています。小学館アカデミーたまプラーザ保育園は、独立した園舎であり、丘陵地形を工夫して坂下を駐車場とし、その上の敷地を園庭とする等、0歳、1歳児の保育室から出入りができ、太陽の恩恵を受けながら乳児の良い遊び場になっています。幼児は、豊かな自然に恵まれた環境を生かし、近隣の広い公園にでかけて伸び伸びと遊び、動と静を上手く取り入れ、体を思いっきり外で動かし、室内では楽習保育?を中心に「まなび」、バランスの良い保育を進めています。

≪優れている点≫
1.楽習保育?の確立
小学館アカデミー保育園では、首都圏の保育園を開設以来、理念を『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』に据え、保育の柱を「楽習保育?」に置いて推進してきました。10年余りの進捗により、楽習保育?は「ラーニングセンター」、「本育?」、「ネイチャープログラム」、「リズミック」、「コミュニケーションプログラム」、「入学準備プログラム」が固定化され、楽習保育では「?」(商標登録マーク)を取得し、楽習保育?を柱として確固たるものに成長しました。本部の企画力、各園の実践力が相乗して「楽習保育?」の成長を支え、今後さらなる展開の基礎が確立されたと評価できます。
2.本育?の推進
楽習保育?と共に、本育も「?」(商標登録マーク)を取得し、「本育?」として推進しています。楽習保育?との違いは、“楽習”保育として身近に楽しく保育の柱に据えた保育理論、システム性にあるのに対し、本育?は、本、絵本の活用により子どもの豊かな成長を育むプロセスにあると考えます。法人事業の基礎である「本(活字)」を表現した、本育?のイラストもできました。ハードの面での小学館ライブラリーの充実と共に、ソフトの面での“1日1回の読み聞かせ”に力を入れて連動を図り、保育の根幹の1つとしてさらなる本育?の発展に期待されます。
3.職員教育の充実(特に、楽習保育?の教育について)
小学館アカデミーたまプラーザ保育園では、楽習保育?に関する職員教育に力を入れています。小学館アカデミー全保育園で取り組んでいる3つの大きなプログラムを、非常勤職員を含めて全職員と共に取り組んでいます。楽習保育?の神髄は、レシピ発表会に止まらず、日々の保育の中に日常的に組み込まれて展開されていることや、保育士が楽習保育?を日常保育の中で意識して実践することにあると思います。楽習保育?の初期の段階では、保育の中にある楽習保育?に関して保育士も区別の判断に迷いながら展開を進め、楽習保育?をレシピで明確にすることにより「日常保育」として進めていく過程が見られましたが、実はスパイラルアップしていること、この繰り返しをねらった活動にあると思います。楽習保育?を含めて職員教育をさらに進められ、小学館アカデミーたまプラーザ保育園の全職員が展開できるよう、精進の成果を期待しています。

≪さらなる期待がされる点≫
1. 楽習保育?の保育理論化
小学館アカデミー保育園の「楽習保育?」は、保育の幅を広げる点でほぼ完成に近いと思います。ラーニングセンター、本育?、ネイチャープログラム、リズミック、コミュニケーションプログラム、入学準備プログラムとやるべき項目は固定化され、職員個々の手法も益々広がりをみせています。これをさらに進化させるには根本となる保育理論の構築も望まれます。例えば、モンテッソーリの保育理論、ピアジェの構成論が挙げられます。楽習保育?については、実践から構成される理論となっていくよう期待いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 保育課程に基づいて園の年間指導計画を策定し、さらに各クラス別年間指導計画を作成しています。月案、週案では子どもの姿や子どもからの意見も取り入れ、次に反映させています。保護者へは園だよりで月のねらい(養護と教育)の保育目標を示して伝えています。子どもに対しては、自分で考え問題を解決できるよう支援し、小さい子どもにも選択ができるように促し、言葉で伝え、遊びたいことが伝えられるようにする等、子どもの希望や自主性、主体性を育んでいます。園でのカリキュラムは、子どもの発達、クラスに応じて設定しています。
●短縮保育(ならし保育)を実施し、期間は子どもの個性や、保育歴、保護者の仕事に応じて相談しながら無理のないように対応しています。0歳、1歳児の新入園児に対してはグループにおいて保育士が担当し、子どもが懐いた保育士が個別に主担当保育者として対応するよう配慮しています。また、早期の帰宅、部屋を分ける等、工夫しています。在園児の配慮では、保育士1名が持ち上がりとなるよう配慮し、進級前には次のクラスに慣れるよう機会を設けています。保護者への連絡は、2歳児以下は複写式の連絡帳を使用し、保護者と密に連絡するよう心がけています。3歳児以上も市販のノートを活用し、必要に応じて子どもの様子を伝えています。
●子どもの発達に応じた環境作りでは、個々の発達段階に応じて環境を調整し、活動に合わせて小集団保育が行えるよう工夫しています。特に、0歳児クラスは一人一人の生活リズムを考慮し、コーナーを設けて保育環境を整えています。園では寝食の区別、食事から着替え、睡眠へと流れを整え、衛生にも十分配慮しています。異年齢での交流は、誕生日会や季節の行事に交流の機会を設定し、朝夕の合同保育、幼児については縦割りグループで活動を行い、1歳、2歳児の保育室と、4歳、5歳児の保育室の仕切りを外して開放する等、交流の場を設けています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●0歳〜2歳児の子どもおよび、配慮が必要な子どもについては、個別指導計画を毎月作成しています。特に、配慮が必要な子どもについては子どもの姿を見極め、保護者との連携を密にして相談しながら進め、必要に応じて専門家の指導を受ける等、適切な対応に努めています。また、月案、週案での見直しを詳細に行い、天候に応じて見直す場合もあります。
●玩具等は楽習保育?(小学館アカデミー保育園独自の取り組み)のコンセプトで揃え、ラーニングセンター等に子どもの手の届く場所に収納し、通常玩具と共に自由に取り出して遊べるようにしています。また、不定期に玩具の入れ替えを行い、年齢に応じた玩具(けん玉、カプラ、LaQ等)を見直し、用意しています。玩具の設定に関しては、朝夕の合同保育・自由時間・園舎内外・年齢別等に応じて使い分け、環境設定を行っています。乳児については、個々の発達、クラスの状況に応じて環境を変えて工夫し、1階にある保育室からは直接園庭に出て遊べるようになっています。
●食事については、家庭と連携の基、子どもの負担にならないよう食べられる量の盛り付けを行い、完食が味わえるよう配慮しています。好き嫌いについては無理強いをせず、苦手な食材は予め量を減らすなど、完食ができるよう配慮しています。5歳児は自己申告で盛り付けを調整しています。離乳食については、月齢や食事の段階、内容を考慮して提供し、手掴みでも食べようとする意欲を大切にしています。離乳食に関しては離乳食進行表(目安表)に基づいて保護者と相談しながら新しく食べる食材は自宅で試してもらい、安全が確認された食材を個別に給食で提供するよう配慮しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●障害児保育のための環境整備では、建物はバリアフリー対応を整備し、園内に多目的トイレ、エレベーター、出入口の手すりを整備して環境を整えています。小学館アカデミー保育園全園共通で障害児の受け入れ体制、書式を整えています。但し、装具着用等の場合は難しいと考えています。専門機関との連携では、青葉区役所の保健師、ケースワーカーや、地域療育センターあおばと連携を図り、訪問および助言・指導を受け、地域療育センターあおばからは年2回の巡回を受け、アドバイスを受けています。職員は、医療機関や専門機関からの助言内容は記録し、ミーティングで共有を図り、統一ある援助ができるよう努めています。また、パート職員に対しても、担任を通じて知識と対応技術を伝達し、共通認識を図っています。
●虐待の定義について、職員は入社前研修で説明を受け、園内外での研修、勉強会を実施し、職員同士で速やかに連携が図れるよう体制を整えています。職員は、朝の受け入れの際や着替えの際に視診を心がけ、保護者の生活環境を把握し、時には気になる保護者へアドバイスするなど支援を行い、日々、子ども・保護者の様子に注意を払うよう努めています。また、気付き方、扱い方にも注意するよう園長が指導しています。関係機関とは相談できる体制を整え、児童相談所、青葉区こども家庭支援課と連携を図っています。
●アレルギー疾患のある子どもの除去食対応では、医師の指示による生活管理指導表を提出してもらい適切な対応を行っています。アレルギー児を持つ保護者とは連携を密にし、指示書に従って別途献立を作成し、代替食を明示して除去食を提供しています。給食時は、調理室と保育室と連携を図り、専用トレイを用い、コンタミネーションが起こらないよう受け取り時は栄養士、保育士がダブルチェック体制を徹底しています。また、食事環境においては、アナフィラシキーショックを持つ児は別テーブルにて配慮し、また、孤立感のないよう、自分は安全な食事を行っている、と思えるよう支援しています。
●文化が異なる子どもへの対応では、保護者と情報を共有し、生活習慣等を確認し、文化や考え方の違いを尊重しています。子ども達へは、地図や万国旗を活用して他の国々を知らせ、文化の違いを伝えています。外国籍に係わる保護者・子どもについて、意思疎通が困難な場合は、英語での対応や、その国の言葉がわかるお友達に意思伝達の手伝いをしてもらったり、留学生センターの利用や、漢字ではルビを振って対応する等、図鑑や写真も活用してコミュニケ―ションの工夫をしています。園では、安心伝言板の英語版を作成して配慮しています。
●保護者からの苦情などに関して、入園のしおり・重要事項説明書に苦情・相談の窓口、受け付け方法を明示し、入園説明会等で説明し、第三者委員に直接苦情を申し立てることができることを玄関にも掲示して知らせています。また、権利擁護機関についての苦情解決窓口も紹介しています。要望や意見等を聞く機会として、意見箱を玄関に設置し、保護者参加の行事後にアンケートを実施し、運営委員会でも意見等を聞き、利用者満足に取り組んでいます。保護者が意見を表明し難い場合は、送迎時に職員が間接的にコミュニケーションを取るように心がけています。
●救急機関、医療機関の連絡先一覧のリストを整え、職員がすぐ対応できるよう事務室に掲示して緊急連絡体制を整えています。災害時の保護者への連絡については、ブログ、NTTの災害伝言ダイヤル、一斉メールを活用しています。保育中のケガ等の記録については、ケガ報告、事故報告、ヒヤリハットを作成し、毎月ケガの状況を集計し、職員会議で周知を図り、再発防止策を検討しています。子どもの事故やケガは、ケガの部位、軽重にかかわらす原則、担任から保護者に必ず連絡を行い、ケガ報告書に記録しています。ヒヤリハットは、公園や散歩先、園内のヒヤリハットマップを作成しています。
4 地域との交流・連携 ●保育園、学校関係、商店、近隣住民等、近隣の施設と積極的に関わりを持ち、地域との交流に努めています。年3回程度のタウンミーティング(地域の集まり)に出席して意見交換を図り、地域の虐待組織委員会にも参加して地域のニーズの把握に努めています。関係機関や他施設との検討会・研究会については、タウンミーティングを活用しています。地域の子育て支援では、園庭開放を実施しています。
●地域への園の理解促進のための取り組みとして、園の夏祭り、運動会、発表会に地域の方々、自治会役員、民生委員を招待し、他の園児も招いています。また、地域の町内会への加入を通して地域の「桜まつり」に招待を受け、自治会長から毎年七夕の竹をいただく等、友好関係を築いています。小学校との交流では、一年生と年長児が交流する機会を持ち、体育館を借用する等、交流を図っています。幼保小会議への参加を通じて各機関と連携を図り、地域のタウンミーティングへの参加や近隣のゴミ拾い等を行い、開かれた保育園作りに取り組んでいます。
●小学館アカデミー園としてのボランティアの受け入れマニュアルがあり、職員に周知しています。受け入れ担当は園長とし、受け入れの際は事前に園の方針、利用者への配慮等を説明し、体制を整えています。ボランティアの受け入れでは、小学生の生活体験、中学生の体験学習、高校生のインターンシップ、一般大学生・通信制学生の夏休みボランティア等を受け入れ、事前に保護者、職員に知らせ、子どもの前で紹介を行い、理解を促しています。
受け入れの際は、受け入れ記録に記載し、ボランティアには感想文を提出してもらっています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●職員の守るべき法・規範・倫理等は、施設運営の手引きの中に明示され、保育士倫理綱領や就業規則、職員マニュアルを備え、職員は入社前研修を受け、守るべき倫理を遵守しています。
経営、運営状況等の情報は、ホームページ等で一部開示しています。リスクマネジメントについては、会議で他施設の事例等について検討および周知し、守るべき規範について再確認しています。法人本部で提携している情報提供会社アイギスから事例等の提供を受け、職員会議等で話し合い、周知しています。
●環境整備では、園舎はオール電化であり、夜間電力使用、床暖房を考慮して整備されています。ヨコハマ3R夢(スリム)プランを意識し、職員マニュアルに沿って園内の温湿度を保ち、節電、分別、ゴミの減量化を心がけ、プランターで花や野菜栽培による緑化促進を行っています。保育では、コピー用紙の裏紙の再利用や、牛乳パック、廃材を使用した活動を行う等、リサイクルの意識を高め、園全体で環境への取り組みを行っています。リサイクルでは、子どもの衣類等で不要になったものを保護者等からいただき、着替えを忘れた子どもに使用したり、廃品で玩具作りをしたりしています。
●理念、基本方針の実現に向けて、法人で中・長期計画を策定し、中・長期計画に沿って園長が中長期計画を立て、それに沿って事業計画を作成し、重要な情報は重点改善課題として園全体で取り組んでいます。法人本部は、人材の確保・新人職員、教育、即戦力なる職員の異動等、次代を担う職員の研修等を行い、育成に努めています。外部の機関や専門家などのアドバイスでは、明治安田こころの財団、全国事故事例収集の専門会社(アイギス)等から指導・助言を受け、より良い園運営に生かしています。
6 職員の資質向上の促進 ●人材の採用、人員体制に関しては、法人本部で一括採用を行い、法人本部の採用育成課が主体となり採用年間計画を策定して園ごとのバランスを加味し、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分け、戦略を立てて人材の確保に取り組んでいます。人員体制については、小学館アカデミー保育園に勤める職員として求められる職員像及び、その中での行動目標を求めています。職員の行動規範は、4分冊に分割した施設運営の手引きに詳細に記載され、保育の実践に規範となる内容になっています。人材育成については、法人で研修計画を策定し、計画に沿って該当職員は参加しています。また、人事考課制度により個人別の目標設定や、能力向上シートを作成し、目標の達成状況を面接で確認し、評価を行い、職員の資質向上を図っています。
●保育士の自己評価は個人能力向上シートを活用して実施し、園の自己評価は、公立保育園用の自己評価を参考にして作成して行っています。保育士は定期的に自己評価を行い、園長と面接し、取り組むべき課題を明確にし、改善策・改善実施計画を立て、次年度につなげています。保育士は、子どもの発達に応じて現場の動線作りを見直し、保育レポートで振り返り、保育の改善に努めています。職員の技術指導については、法人本部から楽習保育?の指導者や、「英語で遊ぼう」の講師から指導・助言を受け、他園からの講師を招いて研鑚を図る等、保育の質の向上に努めています。
●人事考課制度があり、職務分担表により係・担当を細分化し、ある程度の権限委譲を示し、各職員に合った業務ができるよう配慮して役割を明確にしています。園では、クラス担当に関すること、月当番、プロジェクト、各プロジェクト、役割分担表を作成し、行事は保育士の提案により運営・実施しています。また、園と本部の連携を図る施設担当を設置し、園長と協力しながら運営を推進しています。定期的に職員と自己評価を中心に面接を行い、個々の目標を共有し、達成状況等の意見交換を図り、職員の満足度、要望を把握し、評価により昇格・昇給・賞与に連動させています。

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