かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーむさししんじょう保育園(4回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーむさししんじょう保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0053
中原区上小田中2-35-44
tel:044-753-2007
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面での特色】
小学館アカデミーむさししんじょう保育園は、株式会社小学館集英社プロダクションの経営です。株式会社小学館集英社プロダクションは東京都千代田区に本社を置き、1都3県に認可、認証保育園を展開し、神奈川県下では川崎市・横浜市に認可保育園を運営し、「楽習保育?」を特徴とした保育理念により、小学館アカデミー全園で一貫した保育を実践しています。小学館アカデミーむさししんじょう保育園は、JR南武線武蔵新城駅から徒歩6分、子母口新道から少し入った所に位置し、武蔵新城駅付近は、南武線が武蔵小杉駅で横須賀線と接続されアクセスが飛躍的に良くなったため、住宅地も増え、保育が必要な子どもも多い地域です。また、近くには二か所領水の遊歩道があり、少し離れた等々力緑地には日本庭園やふるさとの森などの豊かな自然とスポーツ施設があり、自然環境が整っています。園舎は1階に土の園庭を設け、屋上にも園庭があり恵まれた環境の下、園舎隣には造園業を営む大家さんが1階の土の園庭の改善にも協力してもらっています。地域との関係も良好で、地域の方々に支えられ、地域交流も盛んな保育園です。


【特に良いと思う点】

【1.楽習保育?の確立】
小学館アカデミー保育園では、首都圏の保育園を開設以来、理念を『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』に据え、保育の柱を「楽習保育?」に置いて推進してきました。楽習保育?は「ラーニングセンター」、「本育?」、「ネイチャープログラム」、「リズミック」、「コミュニケーションプログラム」、「入学準備プログラム」が固定化され、楽習保育では「?」(商標登録マーク)を取得し、楽習保育?を柱として確固たるものに成長しました。今後の展開の基礎が確立されたと評価できます。


【2.本育?の推進】
楽習保育?と共に、本育も「?」(商標登録マーク)を取得し、「本育?」として推進しています。楽習保育?との違いは、“楽習”保育として身近に楽しく保育の柱に据えた保育理論、システム性にあるのに対し、本育?は、本、絵本の活用により子どもの豊かな成長を育むプロセスにあると考えます。法人事業の基礎である「本(活字)」を表現した、本育?のイラストもできました。“1日1回の読み聞かせ”に力を入れて連動を図り、保育の根幹の1つとしてさらなる本育?の発展に期待されます。


【3.地域との連携】
小学館アカデミーむさししんじょう保育園の特徴は、地域の方々に温かく見守られ、良好な関係が築かれている点にあります。近所の方からは「子どもの声は元気があって良い」と好意的であり、近隣に恵まれた面もありますが、園としても様々な努力と地域への働きがけに尽力しています。市民が利用する川崎市総合福祉センター「エポックなかはら」にも園の情報を提供し、ハロウィンの日には事前に渡しタお菓子を子どもたちに渡しててもらうなど、地域と子どもとの交流に努めています。


<さらなる改善が望まれる点>

【1.保育園の安全運営と30秒の誓い】
保育の基本の1つとして「安全運営」を定め、朝、お預かりした子どもの姿のまま夕方に保護者にお返しすることを大原則としています。日常的な活動、遊びを実施する上で安全運営を進めるために、小学館アカデミー保育園では「30秒の誓い」を設定し、消極的な安全運営ではなく、この誓いの下に積極的に活動を取り入れながら安全運営を進めています。子どもを守り、職員自身の活動を守っていく相乗を図る推進と、バランス等の実行と工夫に期待が寄せられます。


【2.更なる職員の質の向上】
現在、小学館アカデミーむさししんじょう保育園の職員数は正規保育士が11名(含む園長)パート保育士4名、看護師を含め保育に直接携わる全要員として16名体制で保育に尽力しています。この体制の中で新入職員は順次配属され、配属時の一時的戦力低下は避けられません。保育室が2つであることから、先輩職員とペアで保育に当たれるためOJTによる教育が可能であり、保育に支障は無いと思われますが、職員が1人で対応しなければならないケースも起こり得ることも想定し、早期の職員の成長が期待されます。


【3.楽習保育?の保育理論化】
小学館アカデミー保育園の「楽習保育?」は、保育の幅を広げる点でほぼ完成に近いと思います。ラーニングセンター、本育?、ネイチャープログラム、リズミック、コミュニケーションプログラム、入学準備プログラムとやるべき項目は固定化され、職員個々の手法も益々広がりをみせています。これをさらに進化させるには根本となる保育理論の構築も望まれます。例えば、モンテッソーリの保育理論、ピアジェの構成論が挙げられます。楽習保育?については、実践から構成される理論となっていくよう期待いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●園では、「あったかい心をもつ子どもに育てる」理念の基、子どもの心を受容し、温かみのある穏やかな話し方を心がけ、否定的にならないよう心がけています。また、性差等の先入観、固定的観念は持たないよう、子どもの特性・好みを大切にして保育に当たり、職員間で意識統一を図っています。外国籍の子ども、アレルギー児等、一人ひとりの習慣の違いや特性を理解し、子ども達が日々の保育を通して自然な形で尊重するよう努めています。


●職員は、子どもの人権の尊重の考え方と共に、児童憲章、保育所保育指針や川崎市子どもの権利に関する条例を入配属前研修で理解し、配属後も一定期間を経てフォローアップ研修・ステップアップ研修で振り返り及び確認し、子どもの人権を最優先にする保育に努めています。


●個人情報に関して重要事項説明書に明示して保護者から同意を得、情報を外部と取り交わす必要が生じた場合も必ず、同意を得ています。プライバシー保護については、特に肖像権について、入園前に書面で取り交わして承諾を得た上で掲示、掲載を行っています。職員に対しては、守秘義務について周知徹底を図り、配属前研修等を受講して理解し、入職時に誓約書を提出しています。守秘義務に関しても常に確認すると共に、折に触れて周知徹底を図っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、日々の保育から子どもの意向を尊重し、担任との信頼関係作りを心がけ、さらに全職員が、子ども一人ひとりと関われるよう環境作りを行っています。保護者からの意見や要望等は、行事後のアンケートから意見等を抽出し、次回の行事に生かしています。園全体に関する利用者満足については、連絡帳、保護者会、個人面談、運営委員会を通して意見を聞き、玄関に意見箱を設置して要望等を聞く体制を整え、利用者満足の向上に役立てています。要望等は職員に周知し、保護者にもフィードバックをしています。


●相談や意見が述べやすい環境作りの工夫では、全園児が保有する連絡帳で保護者と密にやりとりを行い、登降園の際は、職員が保護者と直接話すように心がけ、声かけを行いながら意見をいいやすい雰囲気作りに努めています。苦情解決の仕組みについては、園のしおりで保護者に知らせ、苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員を設置し、直接苦情を申し出ることができることを掲示しています。問題等が発生した場合は、会議で全職員で問題解決に取り組み、内容により川崎市保育課や法人本社担当者と連携して対応する体制を整えています。


●子ども一人ひとりの発達の過程、生活環境を把握して児童票に記録し、情報内容は全職員で共有して保育に当たっています。また、施設運営の手引きに沿って、子どもが自分の思いを伝えることができ、自分で発見する気づきを得、その子どもの心を受容し、「待ち」の保育を心がけています。障害児保育等については、定期的に法人本社の臨床心理士から、気になる子ども、配慮が必要な子どもについて指導を受け、川崎市発達相談支援コーディネーター養成研修を受講して研鑚を図り、保育に生かしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、パンフレット、中原区の子育て情報ガイド「このゆびと〜まれ!」、なかはら子ネット通信に掲載して提供しています。園のブログも定期的に更新し、最新情報の提供に努めています。園見学希望者には個別で対応し、園内見学と併せて小学館アカデミー保育園の特徴である「楽習保育?」の取り組みについても伝えています。慣らし保育を実施し、保護者の勤務や子どもの状況に応じて保育時間を設定しています。降園時は、その日の様子を連絡帳及び口頭で伝え、不安軽減に努めています。


●法人独自の保育課程、園独自の保育課程を基に年間保育計画を作成し、養護、教育、各領域を考慮し、月齢ごとに月案・週案・日案を立案して職員間で共有しています。指導計画は、保護者と連携を図り、個々の配慮事項を加え、乳児は個人別の指導計画を毎月立案し、3歳〜5歳児は、クラスごとに作成し、一人ひとりに合ったきめ細かい計画を策定しています。日々の記録は、保育日誌にクラスの様子を記録しています。


●提供するサービスの実施方法については、年間保育計画に沿って保育を実施し、運営は施設運営の手引きに基づいて保育を実践しています。施設運営の手引きは、職員がいつでも閲覧できるように設置し、計画と実践が異なる場合は、職員間で確認し、園長が修正するよう指導する等、標準化を図っています。園長は園内の事務分担表を作成し、職員の仕事分担を明記し、クラス内の職員の仕事も明確にして職員会議で各クラス状況報告を基に必要に応じて話し合い、共通認識を図るようにしています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、ホームページ、中原区の子育て情報ガイド「このゆびと〜まれ!」に情報を掲載し、中原区役所内に園紹介のポスターを貼り出してパンフレットを設置し、入園希望者に向けて情報を提供しています。園行事について、ポスターを作成し、園舎外壁のフェンスや近くのコンビニ等に貼り出し、地域にお知らせしています。園見学者にはパンフレットを配付して園の説明をし、利用を促しています。また、ホームページのブログでも園の情報及び近況を発信しています。


●地域の親子に向けて、子どもの誕生日に一緒に園の誕生会に招待してお祝いし、参加後は身長、体重を測定し、カードに記入して持ち帰ってもらっています。地域のボランティア受け入れ、交流を継続して実施し、多くの地域の方と交流を図り、良好な関係を築いています。ボランティアの受け入れ時は事前に園の保育方針を伝え、「ボランティアの心得」を基にオリエンテーションを実施しています。


●関係機関との交流、団体との連携では、中原区の公立・私立の園長会に出席し、民生委員、児童委員との会議、幼保小連絡会に出席し、交流計画や情報共有を図っています。地域の福祉ニーズを把握するための事業及び活動を行い、地域の子育て情報、ニーズの把握に努めています。また、川崎市・中原区主催の研修会や説明会に参加し、他園の情報等を把握し、運営に生かしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念、保育方針はホームページ、園のパンフレット、入園のしおりに掲載し、園内にも掲示を行っています。職員の行動規範は、施設運営の手引きに詳細に記載され、保育の実践に規範となる内容になっています。理念、基本方針の実現に向けて、法人で中・長期計画を策定し、中・長期計画に沿って園で単年度の事業計画を作成し、さらに園内プロジェクトに展開して実現に向けています。中長期計画の骨子は安全な運営、安定した経営、安全な保育に置いており保育の質の向上を目指しています。考え方の基本は体質改善計画としています。


●園長の役割・責任・職務については、施設運営の手引き及び事業所の管理規程にて明文化され、職員会議等で表明しています。法人で定める「求められる職員像」は研修時に全職員に配布され、説明を受け、職員は、法人本部主催の新人研修、フォローアップ研修、ステップアップ研修等で学び、職務を確実に実行できるよう研鑽しています。業務の効率化については、会議等で話し合い、常に研鑚を図り改善に向けた運営に努めています。


●サービス内容について、定期的に評価を行う体制を整備し、年間指導計画については定めた時期に評価基準に基づき年1回以上、自己評価を実施し、毎月、月目標に対する振り返りを行っています。運営委員会では地域の有識者より意見をもらい、保護者には、行事等に積極的に参加してもらえるよう工夫し、保育への理解につなげています。また、第三者評価受審を定期的に受審して質の向上に努め、職員個別には能力向上シートでの個々の目標に対する自己評価、上長評価を行い、資質の向上に努めています。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制に関しては、法人本部で一括採用を行い、法人本部の採用育成課が主体となり採用年間計画を策定して園ごとのバランスを加味し、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分け、戦略を立てて人材の確保に取り組んでいます。人員体制については、小学館アカデミー保育園に勤める職員として求められる職員像及び、その中での行動目標を求めています。また、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつなげる考え方を定めています。


●園長は、職員と個別面談を実施し、職員一人ひとりに課題を設定して個々の課題に基づき、法人本部の研修を含めた研修計画を作成し、計画に沿って研修を促し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。職員は、研修計画に沿った案内を受け、積極的に研修に参加し、研修受講後は、研修報告書に記録し、発表を行い、職員間で共有を図り一人ひとりの資質向上に役立てています。楽習保育?研修は、プログラムごとに園内で各担当者を定め、研修会に参加しています。目標の達成状況を把握し、各職員の評価を行っています。


●園長は、職員の就業状況や意向を把握し、休暇、福利厚生の確保に努めています。また、有給休暇の消化バランスを確認し、月次のローテーションに当たり、必要に応じて休暇、振替等の調整に配慮しています。園長は職員との面談により現状と希望を把握し、必要に応じて速やかに改善する仕組みが構築されています。小学館アカデミー保育園では、職員に対して半休制度が設けられています。また、勤続年数に応じて海外の保育園の研修体験に参加できる特典もあり、職員のやりがいにつながっています。

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