かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

エヌ・クラップ

対象事業所名 エヌ・クラップ
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 220 - 0055
西区浜松町14-40 生活・創造空間・にし内
tel:045-250-6470
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】
@2法人の共同運営により十分な情報提供が行われています
事業者は2つの法人が共同運営している建物内にあるため、地域の情報が豊富に掲載されています。2法人はイベントを企画し、実行する際は協力して「ランチコンサート」などの行事を行っています。利用者は自由に参加ができ、地域の方々とのコミュニケーションを図っています。また、事業所からの情報発信に関しては、建物内に自立支援協議会の事務局があるため、会議などで情報交換を行っています。事業所としては利用者が地域交流や就労相談に関して個別に情報提供を受け、社会の一員として生活できるよう支援しています。

A生産活動を通して利用者が意欲が持てるように取り組んでいます
生産活動だけではなく社会参加を促すことができるように、利用者の意向を重視した個別支援計画を作成しています。計画・目標の実行や見直しを行うことにより、利用者が働く意欲を持てるように支援しています。また、職員は利用者の作業状況を個別のアセスメントツールを使用し、基本的ルール、作業態度や遂行力などを評価しています。昨年度、評価ポイント表の項目を見直し、利用者に説明しやすくしています。これにより、利用者は面接で個別のポイント数を確認し、今後の工賃アップにつなげていくことができるように図られています。

B理念・方針、価値観等を事業所の内外に向けて様々な手法で積極的に発信しています
法人パンフレットや職員ハンドブック、法人マスタープラン等、法人内外に理念や方針、価値観を発信するツールが充実しています。また、事業所としても、別法人が運営する同施設内の別事業所と一体となり、「生活創造空間にし」として積極的な情報発信を行っています。具体的には年5回発行の広報誌や200ページを超えるボリュームの事業概要等で、地域に向けた積極的な情報発信を行っています。他に「こども食堂」の開催等、地域を巻き込んだイベントを積極的に展開し、事業所の存在や活動内容を身近に感じてもらえるよう、日々努力しています。

【特に良いと思う点】
@地域での自立した生活のための一般就労に向けた取り組みを行っています
就労移行支援では地域就労支援センターや就労支援機関等の協力のもと、一般就労を目指しています。利用者の就労に向けて、地域就労センターやハローワークと情報共有をしたり、職員は就労前の職場見学や実習実施のための企業開拓を行っています。また、事業所では利用者が社会生活や就労を行う上で必要なルールやマナーの習得に向けた「マナー講座」や「せいかつ塾」などの講座を開き、利用者は参加しています。引き続き、職員による就労後の支援も継続しており、利用者の3年後の定着率は高くなっています。

A事業所は2法人の合築にあるため豊富な情報提供と連携が運営に活かされています
事業所は2つの社会福祉法人が共同で運営している「生活創造空間にし」という建物の中にあり、地域の拠点になっています。そのため、地域の情報は豊富で、利用者は多くの情報の中から個々に必要な情報を得ることが可能になっています。また、建物内で行われるイベントなどは、二つの法人が協力して企画し実施しています。イベントには地域の方々も多く来所され、利用者も参加し、お互いにコミュニケーションを図っています。このようにして、事業所は2法人の連携により利用者と地域とのつながりを支援しています。

B線路脇という立地やガラス張りの外観、演奏会等の多彩なイベント企画で、地域で存在感を発揮し、地域に開かれた施設を体現しています
別法人が運営する同施設内の別事業所と一体となり「生活創造空間にし」として、地域を巻き込んだ様々なイベントを積極的に企画し、地域で存在感を発揮しています。線路に面したガラス張りの外観で地域住民の目を惹くと同時に気軽に入りやすい雰囲気を演出しています。エントランスには、事業所主催に限らない様々なイベントの案内が所狭しと掲示されており、立ち寄るだけで様々な情報に触れる事が出来ます。定期的な演奏会や落語の会、こども食堂の開催等、地域住民が参加できる企画も盛りだくさんで、まさに地域に開かれた施設を体現しています。

【さらなる改善が望まれる点】
@生産活動の実績を伸ばすために現場の支援体制における職員の人材確保と育成に期待します
事業所では最近、常勤職員の世代交代の時期にあたり、人材確保が難しい状況に置かれています。特に見学者への対応や利用開始時の契約、また現場での作業管理などにあたる中間管理職の育成が必要になっています。生産活動の現場では昨年度から再開した缶詰めパンの生産などが行われ実績を伸ばしていますが、現場では職員の人数が足りていないこともあり、利用者の意向を十分に反映できないこともあります。先ずは、職員の人材を確保し、育成していくことを期待します。

A法人としての5か年の中期計画から事業所としての単年度の事業計画への繋がりが不明確です
法人としての5か年の中期計画と、事業所として単年度の事業計画が策定されていますが、両者のつながりが不明確です。法人の5か年計画が単年度の計画に分解され、法人の単年度計画が各事業所の事業計画に分解される、といった構成が望ましいと言えます。また、中期計画そのものについても、ほぼ全ての取り組み課題が5か年通して実施となっており、年度の取り組みを積み上げて中長期の目標を達成していく視点に乏しいと言えます。一方で事業所単体で考えるのであれば、事業所としての中期計画を策定し、そこから事業計画に展開していく事も可能です。

B新人事評価制度の活用や、職員の個人別育成計画の策定等を通じて、新卒や中途等、様々な職員を効率的に育成していく事が望まれます
職員個々の能力開発に関する意向については、意向調査で所長がヒアリングしていますが、記録に残せていません。また、それらを基にした職員個別の育成(研修)計画も策定されていません。今後も様々な経験や資格等、多様なバックボーンを持った職員を育成していかなければならない為、個別の育成計画の立案は急務と言えます。また、今年度からトライアル運用が始まった新人事評価制度も上手に活用し、職員の育成に繋げていく事が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 社会福祉法人県央福祉会として、「人権研修報告会」という研修会を開催し、昨年度は全職員参加にしています。また、職員による利用者支援の統一した行動指針として、法人では「県央福祉会倫理行動綱領」を定めています。この「倫理行動綱領」をわかりやすく具体的に示した資料として「職員倫理行動マニュアル」を作成しています。事業所では、特に虐待防止に関しては、作業現場での日々の利用者への声かけが、支援ではなく指導にならないように職員間でお互い取り組んでいます。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 就労移行支援では3か月ごとに、就労継続支援B型では6か月ごとに個別支援計画の見直し行っています。その際に利用者に対しては、現在の作業状況において意向が反映されているか、意向に変化がないか等の聞き取りや個別支援計画書中間見直し表へ記入しています。また、同時に職員による支援員会議や工賃算定の評価会議による見直し、担当者とサービス管理責任者による担当者会議が開かれ、利用者一人ひとりの意向が反映されるようなしくみになっています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 作業室ごとに職員は法人独自のソフトを使用し、利用者の1日の作業内容や個人の生活状況を「援助記録表」に記録しています。その記録は1週間ごとに個別ファイルに保管されています。一日ごとに利用者の個別支援計画に沿った支援内容と利用者が作業に対しての状況変化が記録されており、定期的な個別支援計画の見直しの際に使用されています。このようにして、利用者の一人ひとりの意向の変化等を把握するきっかけに毎日の記録を役立てています。
4 地域との交流・連携 地域協定による被災住民の受入や貸館業務等、利用者に支障ない範囲で事業所の機能や専門性を地域に還元しています。特に貸館業務については、地域住民による土日のサークル活動や民生委員の研修等、地域活動の拠点として大いに役立っています。その他、自立支援協議会によるパン作り体験や、行政や他施設も招いて年5回開催する「生活創造空間にし研修」等、障害者支援の専門性を活かした取組もあります。学校との関係が希薄であった事が悩みでしたが、来年には中学生の1日体験を2回予定しています。これを機に、今後益々の連携強化が期待されます。
5 運営上の透明性の確保と継続性 法人パンフレットや事業所パンフレット、ホームページを作成し、法人の理念や方針、事業所の情報を広く世の中に発信しています。職員に向けては、上記に加え職員ハンドブックを作成・配布し、理念・方針、行動指針等の周知を図っています。さらに職員の理解を深める為に、3時間の入職時研修に加え、今年度から新たに職員ハンドブックを下敷にした倫理に関する研修を定期的に実施しています。一方、理念や方針に似たものが数多く存在し、掲載する媒体によって微妙に表現も異なる為、より浸透しやすいシンプルな形に統一する事も考慮の余地があります。
6 職員の資質向上の促進 人事考課制度の活用の他、昇給・昇格規程を設け、職員のやる気向上に努めています。具体的には、所長の推薦に基づき4役会議で評価し、最終的には理事長面接により昇給や昇格が決定する仕組みです。労働環境の向上にも力を入れており、年2回のメンタルヘルスチェックの他、メンタル相談室「安心110番」を設置し、週2回カウンセラーが本部につめ、職員が直接相談にいける環境を整備しています。その他、一般事業主行動計画の策定・周知の他、法人独自の福利厚生会を設置し、忘年会や歓送会の補助やイベント開催等、福利厚生の充実に努めています。

詳細評価(PDF823KB)へリンク