かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

寿福祉センター保育所

対象事業所名 寿福祉センター保育所
経営主体(法人等) 社会福祉法人神奈川県匡済会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0026
中区寿町4丁目13番地の1
tel:045-641-0275
設立年月日 1968年07月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

□特に良いと思われる点
1.地域の人々に見守られ、大切にされながら子どもたちは育っています
園は地域とのつながりを大切と考え、普段の挨拶はもちろんのこと、必要な時に必要な人が利用できるようにという設置法人の考えの下にある保育園として、地域の人々も見守り隊として園を温かく見守る体制を作ってくれています。園としても地域、近隣のさまざまな関係機関主催の行事やイベントへの積極的な参加を通し、子どもたちの園生活の充実と園に対する地域の理解向上に努めています。また、近隣の保育園や福祉施設との定期的な交流機会のほか、国際都市横浜らしく、インターナショナルスクールの学生や米軍関係ボランティアと過ごす時間もあります。子どもたちは園生活で、地域の人々との豊富なふれあいや関わりを通し、見守られ、大切にされながら育っています。

2.多くの外国籍家庭を受け入れており、また障害児も積極的に受け入れています
園の周辺地域には外国籍の家庭も多く、園では日本人家庭以外に7割が外国籍家庭の園児を受け入れています。外国籍家庭だと文化や習慣、宗教も違うこともあり、特別な配慮も必要になります。そのため、園では近隣にあるNPO法人と協力しながら外国籍家庭が困らないような支援サポートもしています。中国語対応可能な職員もいるため、保護者は子どもの相談だけではなく、それ以外のことも相談できることが安心に繋がっています。また、園では障害を持った、もしくはその可能性があるかも知れない園児の受け入れを積極的に行っており、療育に関して知見を持つ職員も増えています。このように、この地域に住む方にとって園はなくてはならない存在になっています。

3.子どもたちは心身ともに健康な体をつくっています
健康な体づくりを柱とし、裸足、薄着保育を年間通して行っています。子どもたちは室内はもちろん、園庭遊びも裸足で行っています。どろんこ遊びを全身で楽しみます。園外活動時は住宅街、横浜スタジアム近くの電車が見える場所、さまざまな公園の草花や樹木など季節の移り変わりや地域に触れられるように散歩コースを用意し、子どもたちの発達に応じて距離を延ばしています。また、5歳児クラスになると竹馬に取り組んでいます。足の指に豆ができ、つぶれ、を繰り返しながら頑張り、上手く操れるようになっていきます。職員は、子どもが「遊びきる」よう環境や時間を十分に確保することを心がけ、実践をしています。

□今後の取り組みが期待される点
1.安全管理に関するさらなる取り組みが期待されます
子ども達が広い空間で過ごせるよう保育室のレイアウトを踏まえ、収納を工夫しています。収納については子どもの目線より高い位置に絵本や備品類を置いていることや、布団庫の上段も同様な状態となっていることが見られました。そのため、ヒヤリハットや事故防止の観点からも、物の置き方の工夫や落下防止策を講じられることが期待されます。また、事故やケガを未然に防ぐことを含め、安全委員会の活性化やヒヤリハット報告書のさらなる活用も期待されます。

2.研修報告書や事故報告書について、その後の改善や行動を意識した取り組みが期待されます
事業計画書や子どもの指導計画は、職員間でよく話し合われた上で作成され、上半期での振り返りをして記録するなど、確実な計画の実行に取り組んでいました。しかし、研修報告書や事故報告書等については、その活用方法に改善点が見受けられました。たとえば、研修で学んできた内容を業務でどのように活かしているのか、また再発防止策として書かれている取り組みが実際に行われているか、今回の調査で確認することができませんでした。そのため、記載内容の振り返りを行うことが必要です。これらの取り組みが確実に行われているかをチェックできるようにすることがサービスの質の向上につながると思われます。改善に期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子ども達の人権を尊重するため、職員の日々の対応や、知識の習得を実践しています。日々の対応としては、子どもの呼称についても注意して対応をしていますが、多国籍の家庭が利用する園だけに個別の対応が必要なこともあります。例えば、中国籍の子どもの場合、愛称で呼ばないと振り向かない、答えないなどケースもあるそうです。また、知識の習得としては、年に1〜2回研修を行っており、今年は基本的な人権やLGBTなどを学習しています。
・個人情報や守秘義務について、職員は入職時に個人情報の取扱いについて同意の署名をしています。また、保護者に対しても入園時に個人情報の説明を行い、同意の署名を得ています。その他にも、園では実習生も多く受け入れていることから、個人情報については誓約書を取ることで、個人情報や守秘義務を遵守する意識の徹底を図っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保護者への丁寧な説明を心がけているので、個別の入所説明での面談時から、方針など園が大切に考えていることを話しています。外国籍の保護者には母国語に翻訳したもので分かりやすい言葉を選んでの説明や、通訳を交えての対応もしています。保育目標は、日本語、中国語、韓国語で玄関に掲示をしています。第三者評価の家族アンケートでは理念や方針の認知度は91.7%で、賛同度は100%となっています。園の丁寧な取り組みが伺えます。
・入園前に担任が親子の面接を行い、子どもの普段の様子や生活リズム、気になることなどを聞き取っています。その際、子どもの様子をよく観察して、職員と会議で情報を共有しています。園では職員が園児全員を担当できる事を目指しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・外国籍の家庭も多いため、入園前の面接では複数言語で資料を用意することで、保護者の理解が深まるようにしています。また、中国国籍児童の場合、中国語ができる職員が通訳となり間にはいることで、子どもの母国語のレベルがどの程度か、確認するようにしています。
・園に対する苦情はいつでも申し立てができるよう保護者には配布物や掲示物で知らせるほか、意見箱を設置しています。「保育所のしおり」に苦情解決制度についての記載があり、第三者委員の氏名や連絡先が載っています。ただ、現状は苦情や意見は無いようです。理由として、日頃から職員と保護者は密なコミュニケーションを取っており、気になることはその都度確認していることが挙げられます。
4 地域との交流・連携 ・中区独自の子育て支援であるグランマ保育園事業(実家のおばあちゃんに頼るような心のよりどころになるようにという主旨)で園を訪れた地域の子育て世代の人々からの相談、見学者や園庭開放時の育児相談、自治会や近隣の関係施設との付き合い、積極的な日常の交流などを通じ、地域の子育てニーズを把握するようにしています。寿地区の夢会議、中区合同園長会、幼保小連絡会に園長が出席し、地域の情報を得るとともに、意見交換をしています。
・関係機関との連携担当は園長が行っています。相談内容に応じて対応ができるように、市、区の行政機関、療育センター、医療機関、警察署、小学校などの連絡先を一覧表にして事務所に掲示しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・法人として園として、守るべき法や規範、倫理等が周知徹底できるよう取り組んでいます。コンプライアンスに関しては、コンプライアンス推進委員を中心に職員会議の中でコンプライアンスカードの読み合わせのほか、カードを携帯するよう促しています。法人内の事例や注意喚起についても、全職員に対して会議や回覧で周知できるよう取り組んでいます。
・毎年、園の自己評価をまとめる過程では全職員が関わります。そのため、職員によって違う意見がでれば、園としてどうするのか、自ずと考える機会になっています。園長や主任は職員の状態をそれぞれ把握しているため、職員間で意見の違いがあれば、それはみんなで成長する機会であると捉え、共通意識の醸成から育成に繋げています。
6 職員の資質向上の促進 ・職員が安心して長く働けるよう環境を整備することで、スムーズな運営ができるよう留意しています。そのため、園の職員配置は余裕がでるよう職員数を計算して運営しており、出産・育児休暇についても取得しやすいよう配慮しています。
・園では職員の適性や経験、能力に応じてやりがいや満足感を感じられるように取り組んでいます。職務分担表を設け、職員の役割や責任を明確にしており、最終的な責任は全て園長にあることを職員は把握しています。園長は職員の自主性も尊重しており、チームとしてどのように活動したいか、意見が言える環境をつくっています。ただ、自由さが勝手な判断にならないよう、園長は職員と一緒に考えるスタンスで臨んでいます。園長は職員との面談でも良かった点を伝えるだけではなく、今後の役割や期待について伝えることで、本人のモチベーションが高くなるよう支援しています。

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