かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

未来わかまつ

対象事業所名 未来わかまつ
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 生活介護他
事業所住所等 〒 252 - 0334
南区若松1-1-42
tel:042-705-8241
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【事業者が特に力を入れている取り組み】
@地域との関係を大切にすることで法人の理念や事業所の認知の向上に努めています
地域に根付いた事業所として、地域との関わりを大切にしています。現在事業所では自治会との関わりやお祭りの開催、利用者の作業として空き缶拾いを通じて地域と関わりを持っています。自治会長との関係も良く、自治会館での家族懇談会開催の場所提供や、防災訓練の参加等の協力を得られています。また、相模原市の養護学校で所長が事業所について説明することや、地域の障害を持つ家庭からの事業所見学依頼に対応することで、法人や事業所の理念を伝えています。

A利用者が行う作業の品質を高めたり、ケガを防止したり、計画的な作業を行っています
事業所が利用者に提供している作業として、えびせんづくりや空き缶回収、紙のリサイクル製品づくりがあります。製品の品質を高めたり、万が一の事故に備えたりするため、他施設の先進事例や失敗事例の収集にも余念がなく、把握した情報は現在の利用者支援に生かしています。えびせんづくりは20年以上の経験がある事業所から教わっており、空き缶作業も他事業所で起こったケガの事例を踏まえ対応しています。このような着実な作業を行う一方で新しくTシャツを作成して販売することも行っており、利用者だけでなく職員の意欲向上につなげています。

B様々な方法により利用者とのコミュニケーションを深めています
法人の相模原エリアの事業所が集まる研修で自閉症研修を企画する等、利用者の障がいを理解し、深いコミュニケーションが取れるようにしています。事業所内を見学すると、廊下や活動室内に絵が多く貼りだしてあることが目につきました。これは自閉傾向が強い利用者に対して言葉で理解を促すことが難しいため、絵で伝えているということでした。実際に絵を見て理解する利用者も多くいるとのことで、成果に結びついているといえます。朝礼時に行う気分調べでも、いろいろな表情をしている絵を選び、その日の気分を皆に教えてくれています。

【特に良いと思う点】
@職員が増加したことで組織の基盤が安定し、その結果、職員同士のコミュニケーション量が増えたことでよい職場づくりが行えています
今年度は職員の増加に伴い、事業所運営の安定化につなげる取り組みができており、それが利用者への支援に結びついています。特に主任と副主任が所長をサポートできる体制になったことで、所長が全体を俯瞰したマネジメントを行えるようになっています。職員同士の面談は主任が行い、職員一人一人とコミュニケーションをすることで、悩みを抱え込む職員が減りました。また、職員同士で職務分担表を作成していることで、職員一人一人の責任感が醸成され、協力し合える環境づくりに向けた取り組みが行えています。

A職員体制が整ってきたことで、支援の個別化ができてきています
様々な障がい特性をもつ利用者を受け入れ、3つのグループに分かれてそれぞれが自分らしさを発揮できる場が用意されています。作業については特定のものに縛ることはなく、本人が興味を持ったものに取り組んでもらうよう選択の機会を設けています。そのため、支援する職員は多種多様な作業にかかわることになりますが、利用者本位の姿勢を大切にしています。それを表すように職員の自己評価では「利用者一人ひとりに合った対応ができている」という意見が複数あがっており、その成果が現れてきているといえます。

B自閉症に関する専門性が高く、利用者の満足度が向上していくものと思われます
自閉症の利用者に対して、専門的なアプローチによる支援が行われていました。コミュニケーションでは絵や写真を多く使ったり、落ち着いて作業に集中できるようにレイアウトを変更するなどの取り組みが確認できました。また、法人の相模原エリアでは複数の事業所が協力して研修を企画しています。昨年度は当事業所が自閉症研修を企画し・実施運営をしており、職員が専門的なことを学べる機会をつくっています。今後もこのような継続的な取り組みにより専門性を高めることで利用者満足度の向上へとつながっていくことと思われ、期待が持てます。

【さらなる改善が望まれる点】
@個別支援計画に沿った日々の活動と記録など、支援全般に関してその取り組みの振り返り及び見直しを期待します
利用者の活動に関する日々の記録と、その情報の共有に関しては全体的に課題が散見されました。記録方法は定まっていましたが、内容は支援に対する反応等には触れられておらず作業内容を書き記した程度に留まっていました。その背景には、職員が利用者一人ひとりの支援計画を十分に把握できていないのが原因と考えられます。また、職員間での利用者に関する情報共有の機会も十分とはいえず、記録の保管に関しては統一されていませんでした。支援計画を中心とする活動及び記録の改善に期待します。

A業務の標準化に関しては全般的に見直していくことが望まれます
事業所が開所して約5年が経過していますが、マニュアル等の整備・活用が十分にできておらず、事業所としての業務の標準化へ向けた取り組みについては課題と見受けられました。定期的な会議の場で支援方法などの確認は行われているものの、計画的に業務の点検や見直しが行われておらず、結果として職員個人の判断に委ねられている部分も多いと感じられました。法人で作成している「職員ハンドブック」の活用もできておらず、業務の標準化全般について見直しが望まれます。

B法人の理念を浸透させ支援サービスを向上させるために、職員同士のコミュニケーションをさらに増やしていくことに期待されます
職員数が増え、組織が安定してきた状態であることで、事業所としては次の成長ステージに向かう段階にきています。具体的には法人の理念や考えを全職員に対して浸透を図り、支援サービスを向上させることです。職員の意見としても職員同士に意識の格差があると記述があります。年度の計画事項や日々の連絡事項についても常勤職員・非常勤職員問わず、全員が同じ情報を把握しているかという点では所長も十分ではないと認識をしています。そのため、主任と副主任が加わり組織体制が固まった今、職員同士のコミュニケーションを増やすことに期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 利用者が日中の活動を自由に選択できるよう、各作業グループの中でも本人が望む活動を提供するよう心がけています。意思表示が難しい利用者の場合には、声をかけ、その反応をみて本人の気持ちを読み取るようにしています。虐待防止のために、職員会議でテーマを取り上げてディスカッションするほか、法人で作成したDVDを見る予定を設けるなどして、組織的に対策しています。そのほかでは、月1回オンブズマンが来所する機会が設けられており、利用者が職員へ言いづらいことを外部へ相談できるようになっています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 日中の活動は前以て決めておくのではなく、朝、通所してきた際に職員が声をかけ、その日の体調や気分で利用者本人に選択してもらっています。活動場所については、障がい特性や利用者同士の相性に配慮し決めています。たとえば、自閉傾向の強い人たちは2階で活動してもらっています。音が気になる人はヘッドフォンをつけることで、落ち着いて作業に取り組んでいます。このように事業所で自分らしく過ごせるよう、環境づくりには十分に配慮しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 利用者の日々の記録は法人共通のソフトに入力しています。職員間で役割分担し、送迎に行かない職員が参加した利用者の様子を記録していきます。また、問題行動を起こす利用者については別途、記録する書式が用意されています。これらの記録は印刷して個別ファイルに綴じ、特に注意する箇所についてはマーカーで色を付けています。実際の記録を確認しましたが、内容が支援計画を反映したものとなっておらず作業日誌のように留まっていました。全体的に「書く」ことが不慣れな職員も多いとのことですので、記録の方法については見直しを望みます。
4 地域との交流・連携 地域社会の福祉に関する情報は、法人の会議や地域のネットワークから業界の情報や地域のニーズを収集し、今後の運営に活かしています。法人の所長会議及び法人の相模原エリア会議はそれぞれ月に1回開催されており、障害事業所の情報以外にも高齢施設や保育施設等の動向についても情報を得ています。法人の全体研修では社会福祉事業を行う上で必要な収入(報酬)について学習をしています。地域のネットワークでは、相談事業所のケースワーカーから得る情報が多く、新しく利用を検討している方の情報や他事業所の情報なども参考にしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 職員に対して、法人として掲げている「ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します」という理念を明確にし、周知しています。法人理念を事務所の壁に掲示するほか、職員(常勤・非常勤)に対しては職員会議の場で確認しています。利用者や家族に対しては、法人パンフレットや利用開始時の契約書、重要事項説明書で理念に触れているほか、懇談会を3か月に1回実施しているため、その場で運営方針を伝えています。今後はさらに法人・事業所について知ってもらえるようにしたいと検討しています。
6 職員の資質向上の促進 職員の支援力、技術力等の能力が高まるよう個人目標を立てることで、事業所では職員育成を計画的に行っています。これまでは目標管理シートで職員が今期取り組みたい目標テーマを記載することができましたが、今年度からチャレンジシートへの変更に伴い書式を変更したことで、より具体的に分かりやすく記載できるようにしています。職員個人別の育成計画については所長が職員と半年に1度面談を行い本人の意向を確認しています。非常勤職員に対しても面談を行い、勤務時間を増やしたい、資格を取りたい等の希望を確認して、対応をしています。

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