かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

貴峯荘

対象事業所名 貴峯荘
経営主体(法人等) 社会福祉法人神奈川県厚生協会
対象サービス 障害分野 施設入所支援他
事業所住所等 〒 254 - 0064
平塚市達上ヶ丘1-9
tel:0463-31-0617
設立年月日 1958年06月12日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 日本会計コンサルティング株式会社
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

□特に良いと思われる点
1. 職員はセルフチェックリストを活用することで、自己の振り返りを定期的に行うことができ、その結果を法人運営に生かしています
法人・施設運営の基本方針として、利用者の個別化やコミュニケーションの円滑化、生活の質向上、自己研鑽、地域社会との連携を「職員・5つの信条」にまとめて掲げています。職員は法人が掲げる理想の職員像を目指すべく、3か月に1回「職員セルフチェックリスト」に回答して、現状の自身の考えや取り組みを見直しています。このセルフチェックリストは匿名記述ですが所属先は記載できるため、法人として事業所毎に職員の意識の推移が把握することができます。特定項目に低い数値がでれば必要な対策を講じることができ、組織運営に生かしています。

2.利用者の意向や適性を踏まえた作業を提供することができており、その対価となる工賃については明確な支給根拠が決められています
事業所では利用者が行う生産活動として、印刷やクリーニング、組み立て、縫製の作業を用意しており、利用者の意向や適性などを考慮して配置を決めています。それぞれの作業には工賃の基礎となる単価や難易度に違いがあるため、「利用者の作業工賃・調整手当等の取扱い要綱」の規定を作成し、工賃支払いの根拠を明確に示しています。また、利用者のモチベーション向上を目的として、「作業評価基準」を作成しています。この基準により、利用者一人ひとりの作業の理解力や作業の質、作業の量、勤務状況等を工賃に反映することができています。

3.法人には複数の事業所がある為、利用者の状況によっては事業所の移動を行うなど、スケールメリットを生かした支援が可能です
当法人は今年で創立60年を迎え、現在では身体障害者の総合福祉施設として施設入所支援や短期入所、生活介護、就労継続支援B型、グループホーム等、地域に根付いた運営しています。そのため、利用者にとっては通所から入所に切り替えが必要になった際に同じ法人内にある事業所を選択できるメリットもあります。その場合、法人内で利用者の情報を共有できるため、職員は本人の状態を把握した上で継続性を持った支援を行うことができます。このように法人のスケールメリットを生かした取り組みで、利用者の安心を向上させています。

□今後の取り組みが期待される点
1.利用者の日々の状況について、継続的にケース記録に記載できるような仕組みへと改善が期待されます
利用者に関する日々の記録は業務日誌や申し送りとして記載していますが、内容としては改善の余地があります。現状のケース記録では特筆すべき事柄があれば業務日誌や申し送りから転記していますが、特に利用者が平穏な状況や特筆すべき事柄がなければ記録に残していない状況です。そのため、ケース記録に記載されている日付や内容からは、利用者に起こった事柄について経緯を追って確認することまではできない状況です。今後は支援の経緯が確認できるようにケース記録の取り方について改善が期待されます。

2.個別支援計画の内容を職員同士が共通理解し、日々の支援に生かすことができるような仕組みづくりが望まれます
利用者への支援は個別支援計画書に記載していますが、個別支援計画書の活用については改善の余地がある状況です。この個別支援計画書はファイリングされ保管している状況のため、現状では職員が個別支援計画に記載している内容を必要に応じて確認することはありますが、常に計画内容を目にして支援に生かしているという状況ではないようです。職員とのヒアリングでも職員が利用者の支援内容を共通理解として十分把握しているかという点においては課題が見られます。そのため、支援計画の内容を把握できる仕組みづくりが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・全ての職員は、個人情報保護に関する知識の習得を行った上で業務にあたっています。個人情報の取り扱いについては重要事項説明書の「利用者の記録や情報の管理及び開示について」及び「個人情報保護に関する方針」に明記され、職員に周知・徹底されています。また、神奈川県障害者地域作業所連絡協議会が主催する研修会「障害者の個人情報とプライバシー 」等にも参加し、個人情報保護の取り組み強化を図っています。利用者アンケートでは、大半の利用者の方からプライバシーは守られているとの意見が出ています。
・利用者のプライバシーを守るため、事業所では利用者の羞恥心に配慮した支援を行っています。例えば、利用者の着替えや入浴、排泄時での支援は職員の同性介助を基本としており、本人が安心できるようにしています。それ以外にも検温する時や湿布を貼る時など、日常の些細な事にしても職員の同性介助で行えるようにしています。また、日常の支援活動の中では職員同士の引き継ぎ事項を周囲の人たちに聞かれないように注意するほか、利用者のプライバシーに関わる物は出さないように配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・事業所では個別支援計画書に基づき、利用者一人一人の支援を行っています。個別支援計画書には「施設利用への利用者等の意向」「総合的な支援の方針」を分けて書くことで、支援の基本を明確にしています。その上で計画は大きく5つのカテゴリー(@生産活動、AADL、B生活面、C健康、D栄養)に分け、カテゴリーに対して「利用者のニーズ・解決すべき課題」「支援目標」「支援内容」「評価」「支援内容」を記載するようにしています。@〜Bは担当の支援員が、Cは健康管理(看護職)が、Dは栄養士がそれぞれ担当して記載しています。
・利用者の食事や入浴、排泄は個別支援計画書で決められた通り、本人の状況に合わせて個別対応しています。個別支援計画書に特段の配慮事項がなければ通常通り対応しています。事業所では食事や入浴は決められた時間の中で行われていますが、排泄は利用者の好きなタイミングで行うことができ、必要に応じて職員がサポートできる体制が整えられています。入浴面では毎週月曜日、水曜日、金曜日の午後の時間で男性と女性で分かれて順番に入浴しています。利用者によっては長い時間入浴する人もおり、本人の意向も反映されているようです。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・月に1回、各フロアーでフロアー会議を開催しています。フロアー会議では、そのフロアーの利用者全員と職員が参加し、利用者が自由に意見や要望を発言することが出来ます。また、利用者に人気の高い地域行事への参加も行っています。その地域行事としては、『近隣中学校の吹奏楽部によるコンサート』や、夏まつりにおける『和太鼓の演奏』、『近隣学生による模擬店』などがあります。その他にも、ボランティアの方にご協力を得て行っている『カラオケ』や『絵画サークル』、『音楽サークル』などがあります。
・職員が行う事業所業務を標準化するために業務マニュアルを整備しており、主に「支援」と「作業」に業務内容を分けています。「支援」も「作業」も業務マニュアルがあるため、職員はマニュアルに沿って利用者支援を行っています。新人職員が入職した際は先輩職員についてOJTで教えてもらう一方で、業務マニュアルも確認しています。業務に関する様々なマニュアルは見直す機会を設けています。そのため、夜勤時などで職員が少ない場合でもマニュアルやケース記録、申し送りなどで利用者の情報を確認することができます。
4 地域との交流・連携 ・当事業所ではホームページの作成や、貴峯だよりの発行を行っています。ホームページでは施設の案内、法人の理念・事業方針、数多くのイベント紹介など、写真を多数掲載し、見やすいホームページ作りを目指しています。定期的に更新を行い、最新の情報を提供しています。貴峯だよりは年2回発行しているほか、ホームページと同様に事業計画、イベントの写真、決算情報等を掲載しています。これらの取り組みにより、透明性の高い事業所を目指しています。
・「ボランティア受入取扱い要領」に従い、ボランティアを受け入れています。ボランティアの方々には施設内および地域、日中活動を一緒に行なっていただいています。昨年度、ボランティアの方々に参加いただいた行事や日中活動は法人全体で19件、延参加人数は437人となっています。ボランティアの方々との行事には『夏まつり』や『餅つき大会』などがあり、日中活動では『陶芸』、『絵画』などがあります。陶芸に関しては、陶器を焼く窯も施設内にあり、設備も充実しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・当事業所は「自主・自立・安心・連携」という理念を掲げています。この理念を含め、法人の基本指針は事業計画書の冒頭にも記載され、職員がいつでも確認出来るようになっています。事業所の理念、ビジョン、基本方針について、職員が理解を深める取り組みとして、各課毎に連絡会を開き、理事長から職員に説明を行っています。また、ホームページやパンフレットにも明示することにより、利用者の家族や地域社会の人々にも理解を求める働きかけを行っています。
・法人ではホームページ以外にも関係者に情報を発信しています。法人の情報誌として「貴峯だより」を年に2回(1月・9月)に発行し、利用者や家族、行政、周辺の学校、各連絡会に配布しています。その結果、事業所への問い合わせも増えているようです。利用希望者がいる場合、法人の相談員が間に入り利用希望者と事業所の橋渡しをしています。利用希望者の状況に応じて相談員が個別に対応し、本人の状況や希望を確認し、情報を相談記録にまとめています。
6 職員の資質向上の促進 ・職員は積極的に研修に参加し勉強に励んでいます。職員の研修参加状況(平成28年度)は、法人全体で内部や外部で開催された研修78件に延べ416名が参加しています。研修の構成としては一般、介護、健康管理、新任、階層別研修などがあります。研修に参加をした職員は研修出席報告書に内容をまとめ、他の職員と情報共有をし、研修に参加出来ない職員も同様に知識を高めるよう取り組んでいます。また、資格支援制度により、介護福祉士等の資格取得にかかる費用を上限はありますが、法人が一部支援をしています。
・事業所が求める人材像は事業計画に掲載している『職員・5つの信条』、更に法人の倫理綱領8条に明示しています。法人の職員倫理綱領8条においては、法人の職員行動指針に詳細内容が示されています。また、所長は職員と個別に面談をし、法人内異動の要望も聞いています。本人の要望と、現状の人員体制を踏まえ、適材適所に向けた人員配置を行っています。人員配置をするにも採用が肝なので、求人広告会社と年間契約をして求人を行い、安定した採用を行える様にしました。その結果、人員確保が出来ました。

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