かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

日生鹿島田保育園ひびき

対象事業所名 日生鹿島田保育園ひびき
経営主体(法人等) 株式会社 日本生科学研究所
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0053
幸区下平間143-16
tel:044-280-6121
設立年月日 1951年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面での特色】
日生鹿島田保育園ひびきは、株式会社日本生科学研究所(以下、法人)の経営です。法人は、本社を東京に置き、保育事業、介護事業、医薬事業、食品事業を主たる事業内容とし、薬局は全37店舗、介護関連事業所は関東エリアに45事業所を運営し、「日生保育園ひびき」16園を東京、神奈川、千葉で展開しています。保育理念は「私たちは愛を第一とした安全・安心の保育を基本として、家庭的な雰囲気の中、個々がそれぞれに合わせて心身ともに健やかに成長する場を提供し、人生の基盤となる安心感・信頼感を獲得させます。」であり、子ども一人ひとりを大切にし、担当制にて少人数保育を実施しています。日生鹿島田保育園ひびきは、JR鹿島田駅から徒歩約3分程度の利便性の良いところに位置し、鉄筋3階建ての2、3階部分を園舎として、玄関入口から階段は和風の出で立ちでいざなわれますが、階を上がると子どもたちの元気な声が迎えてくれます。2階は、1歳、2歳児の保育室と事務室とし、3階には3歳〜5歳児の保育室と厨房を設け、屋上は人工芝の園庭があり、プランターで野菜作りや夏季にはプールを出して楽しんでいます。園は、理念の精神に沿い、一人ひとりの異なる子どもの育ちや気持ちをしっかりと受け止めながら、子どもたちが自己を十分に発揮して活動できるよう、多様な体験を通して、チャレンジしようとする心、思いやりの心を育む保育を実践しています。


【特に良いと思う点】

【1.乳児の少人数保育】
1歳、2歳児の乳児について、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期であり、その生活の大半を過ごす保育園は大切な使命を担っています。日生鹿島田保育園ひびきでは、乳児期の子どもに対して、少人数保育を実施し、保育士の愛情で安心感を与え、気持ちが安定した子どもが育まれます。特に、1歳児は安全面、精神面に考慮して2つの保育室を設け、集団でも大丈夫な子どもと、不安定な気持ちになる子どもを分けて安心できるよう温かい保育を進めています。2歳児は徐々に他の年代と交流を交えながら社会性を身に付けるよう配慮しています。

【幼児の縦割り保育】
日生鹿島田保育園ひびきでは、幼児の縦割り保育を推進し、幼児期の社会性の発達を養うよう取り組んでいます。縦割り保育計画を策定し、3歳〜5歳児が異年齢で過ごす機会を設定しています。子どもたちが年齢の枠を越えて共に学び合い、社会性や協調性、思い遣りの気持ちを育み、年下の子どもが年上の子どものやることを観察し、真似て、教えてもらう等、年上の子どもの優しく接する気持ちが育まれ、仲間関係の芽生えや、コミュニケーションや関係性の深さも作られています。異年齢間の交流により、子どもの強さや弱さ、思いやり、優しさといった感情等を園の子どもたちは自然と身に付け、心身の成長が見られています。


【3.食育活動の取り組み】
食育は、年齢別に食を営む力の基礎として保育課程に明記し、保育士、栄養士は、子どもたちが食べることが楽しいと思えるよう、食に興味を持つことを大切にして取り組んでいます。年齢に応じて、食材を見る・触る等、体験する機会や、屋上園庭で夏野菜を栽培し、収穫した野菜は給食に取り入れる等、興味・関心につなげています。食事が楽しく食べられるよう、給食はランチルームで時間を区切り年齢別に、みんなで一緒に摂っています。


【さらなる期待がされる点】
【1.地域との連携】
地域との連携については、園はほぼ駅前に近く、辺りは高層住宅の多い地域であり、中々隣近所との交流が難しい面があります。地域の会議には、園長、主任、看護師、栄養士が積極的に参加し、年長の交流会にも参加していますが、十分とは言い難いです。園は、地域に根ざしてまだ年数も浅く、関係構築は時間を要すると思いますが、積極的に地域の行事に参加し、地域との交流を図り、限りのある保育室数に工夫をしながら、子育て支援を進める等、少しずつ積み重ね、地域との交流を1歩々進めて欲しいと思います。


【2.職員のさらなる資質向上について】
職員の資質向上は、保育園に限らず永遠のテーマですが、保育園として保育士の絶対数不足の中で、優先順位として取り組むのは、現職員の資質向上と言えます。人材要員は、経験値の高い保育士、新人、中途採用者等、混在する中で、全体で標準化を図っていく取り組みの強化が求められます。特に、新人保育士については、OJTを保育業務の中で実施し、研修も組み込みながら一早く、一人立ちができるよう園全体で推進されることを期待しています。


【3.保護者とのより良いコミュニケーション】
保育士は全園児を大切に思い、保護者は自分の子どもだけを大切にして欲しいという思いがあり、立場の違い、気持ちのギャップが生じて不満、苦情につながることが多々あります。これを埋めるには保護者とのより良いコミュニケーション、信頼関係が要になります。ポイントしては、日頃からの保護者との会話、挨拶、接遇、報告、素早い措置(対応)が大切であり、理解から信頼関係につながり、きちんと話をし、誠意で伝えることができていれば苦情は見られなくなり、何かあれば直接、保護者から話してくれるようになると思いますので、基本に立ち返り、全職員が保護者一人ひとりと話、保護者と信頼関係が構築できるよう期待しています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●子どもの人権の尊重を、会社の方針として保育理念、保育の基本方針、保育目標に定め、職員は、園内研修や外部研修に参加して共通意識を持ち、子どもの意思を尊重した保育を心がけています。保育士は、保育中の言葉遣いや、声のトーンに気を配り、子どもができたことを認め、褒めるようにし、日々の遊び、ルールや、散歩先、歌う歌等、子どもの意思を尊重して保育に当たっています。

●虐待の防止・早期発見については、「虐待防止マニュアル」を備え、対処法等について周知を図り、関係機関と連携して体制を整えています。登園時に看護師による視診を行い、子どもの様子、着替え、おむつ交換時の身体観察等に注視し、小さな変化にも留意し、虐待が見られた場合は、園長に報告し、職員間で情報共有を行い、園全体で見守りを実施しています。

●個人情報やプライバシー保護に関して、「個人情報保護マニュアル」に沿って、重要事項説明書に明示し、保護者に説明を行い、同意を得ています。園児の写真の使用についても保護者の同意を得てから実施しています。職員、実習生に対しては、守秘義務に関する誓約書を交わしています。児童票等の個人情報の書類は鍵のかかる書庫に保管し、事務室からの持ち出しを禁止し、個人情報の取り扱いの徹底を図っています。保護者との相談の際は、相談室を活用し、プライバシーに配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、玄関に意見箱を設置し、園の行事後にはアンケートを実施し、年2回の保護者会や個人面談を通して、保護者からの要望、意見等を聴く機会を設けています。保護者からの意見や要望等については、職員会議で対応、改善策を検討し、保護者に報告しています。また、アンケート結果や改善策の検討結果は、園内掲示板に開示しています。

●意見、苦情等について、日頃から保護者との信頼関係作りに努め、意見等が言いやすい雰囲気作りを心がけ、保護者に向けて、苦情等の体制、苦情申し出窓口、苦情責任者、受け付け担当、第三者委員を周知し、相談を受け付けていることを周知しています。苦情に対しては、速やかに対応し、改善に向けて会議で検討を行い、必要に応じて面談を行っています。保育士は子どもの自主性を尊重し、意見を受け止め、子どもの良い所を引き出し、常に言いやすい環境作りに取り組んでいます。

●園では、子ども一人ひとりの発達や生活環境等を把握し、特に、乳児保育では少人数で体制を整えています。乳児以外の年齢児も子ども一人ひとりの心身の成長、発達に合せた対応に努め、発達過程と生活環境に配慮して援助を行っています。配慮を必要とする子どもについては、個別計画を作成し、保育士が傍に付き添い、見守りながら皆と一緒の生活を通して成長できるよう支援しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、法人のホームページやブログ、川崎市のホームページ、園のパンフレット、幸区の広報誌に掲載して情報を提供しています。園見学希望者には見学日を設け、施設案内や保育の様子を見学してもらっています。サービス利用開始後は、ならし保育を実施し、基本的には1週間程度とし、子どもの状況や保護者の希望に合わせて柔軟に対応しています。園での様子は、おたより帳に記入し、降園時に口頭でも伝えるように心がけています。

●法人の理念に基づき、保育課程を策定し、クラス別に年間、月間、週、日指導計画、幼児縦割り保育の週、日指導計画を作成しています。計画は園長、主任の確認を得て実施し、期末、月末にクラス別の評価、反省の話し合いを行い、次の計画につなげています。また、栄養士、看護師を中心に、食育活動、健康指導を実施しています。子ども一人ひとりに関する基本的な記録は児童表に記載し、日々の保育に生かしています。

●業務の各種マニュアルは事務所に保管し、必要に応じて職員が閲覧できるようにしています。プライバシー保護、守秘義務に関しては、職員と誓約書を交わし、職員は遵守しています。感染症等、緊急時の対応については、看護師が、嘔吐・下痢・エピペン・ダイアップ・AED・救命救急等の対応方法、使用法等を全職員に園内研修で指導を行い、全職員が処置・対応ができる体制を整備しています。

4 地域との交流・連携

●園の情報は、川崎市ホームページ、法人のホームページ、幸区のホームページに掲載して提供しています。園見学者にはパンフレットや園行事の案内を配付し、地域に対して行事等の掲示ができるよう園の掲示板も設けています。また、園行事への参加のポスターを貼り、園見学者名簿を活用して案内はがきを送り、参加を呼びかけています。

●ボランティアの受け入れについては、受け入れ書を用意しています。現時点での応募はありませんが、年2回程度、中学生の職場体験を受け入れています。

●関係機関との交流、団体との連携では、幸区の会議に園長、主任、看護師、栄養士が参加し、専門分野ごとに情報交換を図り、保育ニーズの把握に努めています。川崎市社会福祉協議会主催の川崎市保育まつりや、年長児の作品展に参加して地域の福祉ニーズを把握し、園を紹介する機会にもしています。日生鹿島田保育園ひびきは、交通の便が良い立地条件を備え、園庭は設けていませんが、屋上園庭として大型遊具や、砂場を設備している特徴もあり、地域の方々の見学希望も多く寄せられています。地域子育て支援の一環として、園庭開放等の取り組みも一考されるとことを期待します。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●平成26年の4月設立の比較的新しい保育園であり、設立時に事業計画書の中で、理念、基本方針、保育目標を策定し、毎昼礼時に全職員で読み合わせにより確認し、日々の保育で実践しています。中・長期計画は、法人で策定し、計画に沿い、園で事業計画を作成して反省、見直しを図り、改善点を抽出し、法人本部で承認を得、次期計画に反映させています。

●園長は、保育所保育指針に明示されている施設長の役割に沿って、子どもの生命と全ての業務の責任を表明してサービスの質の向上に努め、職員の分掌事項は分担表に明記しています。業務の効率化については、子どもの立場に立って考え、運営、環境改善、経費について検討しています。また、職場環境に配慮し、残業を減らして規定時間内に仕事を終えるよう指導に努めています。

●理念・基本方針を基に、保育課程を策定し、利用者アンケートの内容や保護者会の指摘事項等を加味して年間、月間、週、日指導計画を作成しています。また、アンケートの結果を基に、職員会議で話し合い、課題を明確にして次年度につなげています。今年度、第三者評価を受審し、サービス内容の質の向上につなげていきます。

6 職員の資質向上の促進

●川崎市の配置基準に基づき、法人として適正な配置を行い、就業説明会を開催して保育士・看護師・栄養士等、必要な人材を法人規定に従い、人材の確保に取り組んでいます。正規職員、パート職員の面接については、園で行い、勤務時間等を踏まえ、園の希望に合致する人材を採用しています。福祉事業に携わるものとして、遵守すべき法令・規範・倫理等を常に確認し、職員は入職前に守秘義務契約書を交わしています。

●園長は、職員一人ひとりの研修計画を作成し、計画に基づき、未受講研修に該当する場合は本人の希望の確認と共に推奨し、職員の資質の向上に努めています。研修受講後は、研修報告書を園長に提出し、法人主催の研修に関しては、法人に報告書を提出し、研修記録はファイリングを行い、全職員に回覧して共有化を図り、個々の質の向上に役立てています。

●園長は、職員の日々の様子を確認し、声かけを行うなど配慮に努め、有休消化率や時間外労働の状況を確認し、改善に努めています。また、日々の勤務シフト、休暇取得バランスも常に確認し、働きやすい環境や雰囲気作りに努めています。福利厚生では、職員の健康診断を実施して心身の健康管理に努め、メンタルヘルスの一環として「ストレスチェック検査」を行う予定でいます。

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