かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

王禅寺しらゆり保育園

対象事業所名 王禅寺しらゆり保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 厚生館福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0018
麻生区王禅寺5-3-53
tel:044-988-0700
設立年月日 1953年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面での特色】
王禅寺しらゆり保育園は、社会福祉法人厚生館福祉会の経営です。法人は昭和27年2月、川崎市多摩区に厚生館愛児園設立に端を発し、現在、保育園を川崎市に11園、東京都に1園、川崎市に乳児園と学童ホールを運営し、主として川崎市北部の多摩区を中心に高津区、麻生区、宮前区に保育園を展開しています。法人の理念に「至誠」を掲げ、保育方針に「夢 愛 育ち 学び」を置き、保育目標として@「豊かな感性・創造力の芽を養い、子どもの夢をはぐくむ」、A「自然・生物に愛情を持ち、思いやりの心をそだてる」、B「食べ・遊び・眠り、心身共に健康な子供を育てる」、C「人生に必要な知恵を学び、生きる力を育む」を目指して保育を実践しています。王禅寺しらゆり保育園は、小田急線新百合ヶ丘駅からバスで15分の住宅地に位置し、旧川崎市立下麻生保育園を平成28年に法人民営化された保育園です。近くにはだるま市で有名な麻生不動院や、小学校、籠口ノ池公園等が点在しています。園舎付近は、緑豊かな自然に囲まれ、園前の竹藪にはたぬきが顔をのぞかせる等、開放感溢れる保育園です。子どもたちはのびのびと元気いっぱいに遊んでいます。


【特に良いと思う点】

【1.密接な保護者との交流】
王禅寺しらゆり保育園は、民営化後も旧川崎市立保育園での父母会を継続しています。父母会とは良い関係が保たれており、父母会を介して保護者との関係も良好です。父母会役員会には毎回、園長、主任が出席し、保護者との意見交換も積極的に行っています。また、アンケートによる意見集約、保育参観・保育参加、個人面談、懇談会、日頃のコミュニケーション等を大切にして保護者との関係作りに努めています。


【2.食育の推進】
園では栄養士を中心として食育に力を入れています。誕生会食に「日本の郷土料理」を提供し、その月に取り上げた都道府県について、玄関の掲示板に地域に伝わる様々な情報を子どもにもわかりやすく展示し、日本の豊かな食文化を身近に関心が持てるよう工夫しています。また、栄養士が企画する「ぱくぱく集会」では、食に対して関心を高めるよう、七夕集会や、子どもの日集会では、ホールを活用してみんなで楽しく会食を行い、子どもに“食べることは楽しい”と思えるような取り組みはとても良い点です。


【3.コンプラインアンスへの取り組み】
法人では、保育園におけるコンプライアンスに力を入れています。毎年、法人内のコンプライアンス室で事故報告(病院受診に関わる事故、苦情等)を集計・分析し、職員に周知して共有を図り、事故防止への意識を高めています。法人が展開する全保育園での事故等をデーター化することで、未然防止、再発防止が実現しています。保育士の意識・察知とデーターの両方で重大な事故が無くなることが期待できます。

<さらなる改善が望まれる点>

【1.職員のさらなる質の向上】
王禅寺しらゆり保育園での第三者評価受審は、民営化してから1年半経過した時期にあたり、利用者アンケート結果からも順調に移管が進んでいる様子がうかがえました。これからは内部体制について、さらなる確立が求められてくる段階に入ります。経験値の高い職員が率先してきた園運営を、新人職員を含めた全職員で園を支え、運営を進めて行くことが重要となり、職員のレベルの差は避けて通れない課題になります。保育士不足の中、現有戦力で支えつつ、新人・中途採用のレベルアップを検討し、早い時期での戦力化を期待します。

【2.地域への貢献について】
保育園の専門資源としての地域への貢献は地域子育て支援が挙げられます。現状、子育てで悩んでいる母親が多い中、相談の機会や情報の入手に希薄さがうかがえます。園では、あそぼう会、給食体験等を実施し、地域の子育て親子の参加を募集し、園見学や園庭開放の利用者にも呼びかけ、保育園を地域の方に利用してもらえるよう伝えていますが、園の取り組みの努力は実りの薄い状況です。保育園に来やすい体制作りを、センター園を積極的に活用し、検討してみてはいかがかと思います。

【3.専門知識の習得について】
昨今、社会を取りまく環境、家族構成により、配慮の必要な子どもが以前より増えてきています。保育園としては、発達相談支援コーディネーター資格を有する職員を増やし、配慮の必要な子どもや保護者に対し、よりきめ細やかな援助を行えるようにしていくことが大切になってきています。川崎市の発達障害支援コーディネーターの研修は人気で受講が難しいと聞き及びますが、療育センターの巡回時に研修を設定したり、外部の専門講師を活用する等、体制を見据え、早急な専門知識の習得の取り組みに期待いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●子どもの人権の尊重を園の保育理念に掲げ、子どものありのままの姿を認め、子どもの思いを大切にする保育を進めています。職員は、子どもの意見を尊重して聴き、活動や行事の取り組みにつなげ、制作の素材選び、発表会の役決め等、子ども自身で選択できるよう促し、やりたくない意思を示した場合は無理強いせず、受け止め、一人ひとりの思いを尊重するようにしています。理念等は保護者に配付し、園内に掲示して理解を促しています。また、職員に対して、子どもの意思を尊重した保育における保育士の配慮事項を示しています。

●虐待の防止・早期発見については、保護者とコミュニケーションを密に図り、登降園時の親子関係、子どもの様子、着替え時の身体観察等に注視し、子どもの心身の状態を常に把握し、早期発見に努めています。少しでも異変を感じた場合は、主任、園長に報告し、職員会議で全職員に周知徹底を図り、複数の目による見守りを実施し、必要に応じて関係機関と連携を図っています。職員会議では他施設の実例、児童情報を共有し、研鑚を図っています。

●個人情報保護に関して、重要事項説明書に明示し、保護者に説明を行い、同意を得、就学や地域の関係機関への情報提供に関しても同意を得ています。外部とのやり取りが生じた場合は、個々に連絡を取り同意を得るようにしています。通院等、医療機関への情報提供は了解を得てから対応しています。個人情報は保存期間を明文化すると共に、鍵のかかる書庫で保管しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、保護者参加の行事(夏まつり、運動会、生活発表会)ごと、年度末にサービス全般に対してのアンケートを実施し、要望や意見を聞く機会を設けています。また、年1回、個人面談を実施し、年2回、クラス別懇談会を開催して保護者の意向や満足度の把握に努めています。保育参加・保育参観時にも意見等を聞いています。担任との面談に関しては、保護者の要望に応じて随時、受け付けています。意見・要望・行事の課題等は職員会議で検討し、利用者満足の向上に役立て、次期の行事に生かしています。


●意見、苦情等について、日頃から子どもや保護者とのコミュニケーションを心がけ、意見等が言いやすい雰囲気作りを心がけ、保護者へ入園時、保育説明会で苦情等の体制、随時、相談を受け付けていることを周知しています。意見等は記録に残し、職員会議で周知を図り、対応や改善について検討し、迅速な対応に努めています。保護者からの相談等は面談室を活用し、プライバシーに配慮しています。年度末には法人のコンプライアンス室に保護者からの意見・苦情等を報告し、法人全体で同じような苦情等につながらないよう努めています。


●園では、子ども一人ひとりの発達や生活環境等を把握し、個々にねらいを設定して「個人記録」を作成しています。一人ひとりの理解を深め、ありのままの姿を受容して援助しています。配慮の必要な子どもについては、個性や特性を理解し、それらを生かしながら生活の質を高められるよう支援に努め、職員間で情報を共有し、発達障害支援コーディネーター資格を有する園長は助言、指導を行っています。また、保護者の了解の元、専門機関に相談、助言を得る等、連携を図っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、社会福祉法人厚生館福祉会のホームページや、川崎市のホームページ、園のパンフレット、麻生区の子育てガイドブックに掲載して情報を提供しています。園見学希望者には園長が対応し、施設案内や保育の様子を見学してもらっています。サービス利用開始後は、ならし保育を実施し、基本的には5日間程度とし、家庭の事情等を考慮して臨機応変に対応しています。子どもが園に慣れるまでは可能な限り、子どもが安心できる大人、場所、時間を保障し、職員体制・保育内容に配慮して支援しています。

●法人の理念、保育方針、保育目標に準拠し、王禅寺しらゆり保育園の保育理念、保育方針、保育目標を策定し、それらに基づいて保育課程等を策定しています。年間保育指導計画は、保育課程に基づき、養護2領域と教育5領域に配慮して年齢ごとに策定し、月案、週案・日案を作成しています。年間指導計画に沿ってサービスを実施し、日案の「活動」と「ねらい」に対してクラス担任が考察及び記録を行い、園長、主任が確認しています。

●提供するサービスの実施方法については、年間指導計画等に援助方法、配慮事項、留意点を記載し、職員に周知しています。また、管理規程、職員業務分担表、各種マニュアルを整備し、マニュアルに沿って標準的な実施方法により保育を実践しています。「入園のしおり」に約束事等、保育の必要事項を明示し、園と保護者とで共通認識を図っています。

4 地域との交流・連携

●園の情報は設置法人のホームページに写真入りで紹介しています。また、麻生区の子育てガイドブック『きゅっとハグあさお』や、麻生区で毎月発行されている地域子育て情報紙『はばたけ あさおっこ』に園庭開放(月〜金)、あそぼう会(月1回予約制)、絵本貸出し(月〜金)、行事招待(予約制)等の情報を掲載し、地域に発信し、地域の子育てに寄与しています。育児相談では園長、栄養士、看護師等が専門性を生かして丁寧に対応しています。

●ボランティアの受入れについては、マニュアルを整備し、園の方針や基本姿勢を明確にし、職場体験や保育体験を受け入れる体制を整えています。現在、中学生の職業体験を受け入れています。

●関係機関との交流、団体との連携では、麻生区認可保育園園長連絡会、幼保小園長校長連絡会、川崎市保育会のブロック園長会に参加し、情報交換や保育ニーズの把握に努めています。また、年長担任は麻生区の幼保小連携事業の「幼保小実務者会議」や「年長交流会議」に参加しています。近隣地域は高齢者も多く、世代間交流の重要性も高まっていることから、地域の自治会や、高齢者ボランティア団体「木こりの会」が主催する活動に積極的に参加し、地域の福祉ニーズの把握に努め、親睦を深めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●理念・基本方針は、ホームページ、パンフレットや入園のしおり、保育説明会資料、園内掲示板に掲示をしています。職員に対しては、配属時のオリエンテーションで入園のしおり、保育課程を配付し、園長から理念・基本方針を説明し、理解を含めています。また、会議等で理念・基本方針に即して実践できているかを確認しています。法人で長期運営計画(H28〜38年度)、中期運営計画(H28〜30年度)を策定し、法人の計画に沿い、園でも体質改善計画を中心に経営的面も加味して中・長期計画を作成しています。

●園長は、職員の分掌事項を職員業務分担表に明記し、園長の運営の考え及び役割と、子どもの生命の責任を含めた全ての責任の表明を行い、サービスの質の向上に努めています。園長は、日頃から職員の声に耳を傾け、定期的に職員面談を実施し、意見、意向を把握し、人員配置、シフトに配慮し、働きやすい職場環境等、改善に向けた運営に尽力しています。業務の効率化では、16:30以降の遅番職員の役割見直しを図り、職員が書類作成の時間を設ける等、環境整備に努めています。

●年1回、保育士の自己評価を実施し、年2〜3回、園長面談を実施し、自己評価の結果を基に、保育に臨む姿勢等について振り返り、課題を明確にして共有し、目標や改善策を立て、次期に反映させるよう実施しています。今年度、第三者評価を受審し、サービス内容の質の向上につなげていきます。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用は、法人の人材開発室が一括して行い、地方の学生にも働きかけ、園見学やボランティアを受け入れる体制を整え、人材の確保に取り組んでいます。人員体制については、正規職員中心の運営方針を踏まえ、クラス担任は正規職員を必ず配置し、主任と看護師は完全フリーの体制で整え、乳・幼児のフリー保育士を配置して職員一人ひとりの能力を発揮できる環境作りと、子どもの発達を保障するための人的環境を整備しています。

●法人の「至誠」、「保育は人なり」を基に、職員自身が人として幅の広さを備え、感性を高め、専門性を深めて習得していくことを目的とし、法人及び園内で研修の機会を多く設けています。新人、副主任のブラッシュアップ研修、男性職員研修等も行い、研修受講後は、研修記録を作成して提出を行い、ミーティングや職員会議で研修報告や研修内容のポイントを発表する機会を設ける等、職員の質の向上に努めています。研修記録はファイリングして閲覧可能とし、共有化を図り、年度末にまとめ、園から指名での研修選択に活用しています。

●園長は、職員の日々の様子を確認、配慮し、有休消化率や時間外労働の状況を確認し、改善の必要性が生じた場合は業務内容や人的配置を見直し、改善に努めています。また、定期的に職員面談を実施し、業務の振り返りや要望、希望を把握し、都度、職員会議で労務改善について話し合い、より良い職場環境作りに尽力しています。法人の健康管理室主催で看護師会義を行い、各園の状況を共有し、職員の心身の健康管理、メンタルヘルスにも配慮しています。福利厚生では、法人で神奈川県福利協会に加入し、職員も利用できるようにしています。

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