かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市立下小田中保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市立下小田中保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0041
中原区下小田中4丁目4番17号
tel:044-788-5890
設立年月日 1973(昭和48)年07月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 一般社団法人 アクティブ ケア アンド サポート
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 保育園は、古くから住んでいる人たちが多く落ち着いた住宅街に立地し、近くに小学校があります。
 1階に、2〜5歳児の各保育室、給食室・相談室・合同で活動できる部屋、事務室を配置しています。2階に、1・2歳児の保育室のほか、調乳室、沐浴室を配置し、外に広いテラスがあります。園庭は広く、ジャングルジムやマルチパーツでいろいろな遊びで楽しんでいます。園庭の周りに、野菜や季節の花・果物などを植えています。近くに農園があり、野菜を子どもたちが育て食べています。
【特に良いと思われる点】 
・性差を固定するような言葉かけや意識を植え付けないように心がけています。クラスに合った遊具を用意し、子どもが選んで集中して遊べるように配慮しています。「なかよし劇場」で、5歳児は自作自演の創作劇「忍者からの挑戦」を表現し、3・4歳児も劇を演じています。発表会には、子どもはさまざまな表現をして遊び、異年齢児の友だちとも楽しんでいます。
・市の「新たな公立保育所のあり方基本方針」により、ブランチ型施設と位置づけられ、地域における子ども・子育て支援や民間保育所などの運営の支援を行いながら、「保育の質」の向上に区の保育担当部署と連携して取り組んでいます。地域の子育て家庭の親子を対象に、育児相談や絵本の貸し出し、園庭開放、子どもの身体測定、体験保育などの事業を実施しています。
・3・4・5歳児に異年齢児保育を取り入れ、月曜日を異年齢児交流日「スマイルデー」とし、3グループに分かれて、リズム遊びをはじめ、制作や散歩の活動を一緒に行い楽しく交流しています。障害を持つ子どもを含め特別に配慮を必要とする子どもや病児に、園全体で関わり、担当の発達相談支援コーディネーターが保護者と面接日を設定し、話し合い、連携、共通認識を深めています。


【さらなる改善が望まれる点】 
・災害発生時に備えて、災害訓練を実施しています。緊急時に備え、保護者と「伝言ダイヤル訓練」を実施しました。実施前に保護者に予定を知らせていましたが、保護者返信はわずかで、訓練の成果は上がっていないように見られます。今後、市や区のハザードマップを利用した訓練と併せて、保護者の理解や認識を深めてもらうようにさらなる取り組みが期待されます。
第三者委員について、氏名と連絡先を掲示しています。今回の利用者調査で、「第三者委員など外部の苦情窓口にも相談できることを知っているか」(問)に対し、「はい」と回答した保護者は62%に留まりました。今後、第三者委員の認知度を高めるさらなる取り組みが期待されます。
・年度運営方針には、運営基本方針をはじめ、保育に関わるものとして(考え方や心得)、保護者との関わり、施設管理・環境、地域との関わり、苦情解決など取り組む課題と実施事項を明確にしています。今後、保育園の運営に関わる中期計画または長期計画、および、これを踏まえた年度単位の計画の検討・作成が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・子どもに性差を意識し固定させるようなことや植え付けるようなことはしないように努めています。子どもが好きなおもちゃで自由に遊べるように手が届く範囲に置くように心がけています。人権擁護のためのセルフチェックリストを使用して、日頃の保育を振り返り、意識を高めることに努めています。人格を否定するような言葉は使わないように心がけ、子どもの個性を尊重し、子どもが安心して生活を送れるように工夫しています。
・市の「虐待対応マニュアル」に沿って取り組んでいます。「虐待対応マニュアル」には、児童虐待の定義や児童虐待の現状、虐待が及ぼす子どもへの影響、虐待に気づくためのポイントなどが記載されています。登降園の親子関係を観察したり、着替え時の子どもの全身状態を確認したりしています。異変に気づいた時は、上司へ報告・相談し、虐待の疑いや懸念があるときは、関係機関へ連絡できる態勢を整えています。
・保護者に、入園説明会で個人情報保護について説明し、個人情報使用同意書に同意してもらっています。外部へ子どもの写真を利用する場合は、その都度保護者に確認し同意を得ています。市の中央療育センターなどの連携機関との書類のやり取りについて保護者の同意を得ています。夏のシャワーやプール遊びの時は、目隠しをしたり、着替え時にカーテンを閉じたり、おもらしの後始末に小さな声かけで手早く処理するなど子どものプライバシー保護や羞恥心に配慮しています。日々の保育の中で、職員同士の会話や子どもへの言葉かけにも子どもの気持ちに配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保護者参加の行事後にアンケートを実施し、行事の内容や日程についての意見や要望を聞き把握しています。アンケートの結果を集計・分析して、次回の行事計画に反映し、園便りで保護者に報告しています。また、個人面談で把握した要望を保育に生かしています。
・相談や苦情は、いつでも誰にでも伝えてほしいと、年度初めの保育説明会や懇談会で伝えています。重要事項説明書に、苦情や要望に関わる相談窓口として、苦情受付担当は主任、苦情解決責任者は園長、第三者委員は外部の2人を記載し、説明しています。今回の利用者調査では、「要望や不満があったとき、第三者委員などに相談できることを知っていますか」(問10)に対し、「はい」の回答は62%に留まりました。また、ハートボックス(意見箱)の投函もなかったと見られます。今後、保護者に周知するさらなる工夫が期待されます。
・各クラスに合った遊具を用意し、子どもが選んで集中して遊べるように工夫しています。年少児は、ままごとなどのごっこ遊び、年長児はドッジボールなどを好んで遊んでいます。なかよし劇場で、5歳児は自作自演の創作劇[忍者からの挑戦」を表現しました。3・4歳児も劇を演じています。子どもはさまざまな表現に取り組み楽しんでいます。3・4・5歳児の異年齢保育で、年長児中心に日々の世話係の活動や季節に応じた行事を計画しています。月曜日は「スマイルデー」と名付けて異年齢児交流の時間を設けています。特別の配慮が必要な子どもには、保育園全体で関わっています。
・基本的な生活習慣を身に付けられるように、食事や手洗い、トイレ、着替え・歯磨きなど家庭と連携して進めています。乳児は、食後に口の中をきれいにするために歯ブラシを家庭で用意してもらい、歯磨きを行っています。食事前に手を洗う習慣や手の洗い方の手順を子どもの手洗い場に掲示しています。
・子どもの成長に必要な鉄分のある食材をメニューに入れ、味付けは、塩分を控えて出汁をきかせ、盛りつけを工夫しています。子どもの日・七夕・餅つき・ひな祭りなどの行事食や誕生日プレートなど楽しい食事の機会を作っています。食育で、さんまの食べ方を模型で指導し、給食で上手にさんまを食べることができるようになりました。
・健康診断は、0.・1歳児は毎月、2〜5歳児は年2〜3回、歯科検診は全員年2回実施し、身体測定は全員が毎月行っています。これらの結果は、「健やか手帳」に記録し、家庭に伝えています。医療機関の受診を勧められた子どもは、受診の結果を確認しています。看護師は、受診結果を保健だよりに反映したり、保健指導に生かしたりしています。また、保健だよりに、子どもの体力増進のための運動遊びなどをシリーズで取り上げ掲載しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園説明会を3月に実施し、「入園のしおり」を配付し、説明しています。「入園のしおり」には、保育目標・保育方針・特色、生活で使用するものの一覧(リスト)などを詳細に紹介しています。併せて、重要事項説明書を説明し、同意を得て署名をもらっています。職員(保育士)や看護師、栄養士は保護者と個別に面接し、生活面、健康面、食物アレルギーなどについて聞いて記録しています。年度初めに、保育説明会を開催し、保育目標・年間行事予定などについてプロジェクターを使ってわりやすく説明しています。
保育課程に沿って、各クラスで年間指導計画を作成しています。乳児は個別の指導計画を作成しています。また、健康管理・食育、行事について年間計画を作成しています。特別に配慮を要する子どもについて、会議を開き、子どもの状況を把握・共有するとともに、最善のケアを行えるように話し合っています。全クラスの保育内容を保護者にわかるように四半期ごとにクラス便りに掲載し、保護者に周知しています。
・災害発生時に備え、市の「保育所震災対応マニュアル」、区の「防災マニュアル」を活用して避難訓練などを実施しています。保護者に対し、緊急時の「伝言ダイヤル」訓練を実施しました。実施前に保護者に予定を伝えていましたが、保護者からの返信は少なく、訓練の成果は限定的と見られます。今後、市のハザードマップなどを利用した災害時対応の訓練を含め、子どもの安全確保のため、保護者の意識を高め、訓練を充実させることが期待されます。
4 地域との交流・連携 ・市のホームページや「下小田中だより」(月刊)、掲示板などによって、保育園の情報を発信し、地域に開かれた保育園となるように取り組んでいます。
 市の方針により、区内のブランチ型施設として、地域の子ども・子育て支援活動に区保育担当部署と連携して取り組んでいます。地域の子育て家庭の親子を対象に、育児相談、絵本の貸し出しや園庭開放、子どもの身体測定、体験保育などの事業を実施しています。
・年度運営方針の「4 地域との関り」に、ボランティアと協力して地域の支援事業に取り組むことや異世代交流として小・中・高生の体験学習の積極的受け入れを取り上げています。手順に沿って、地域ボランティアを受け入れており、ボランティアには、保育補助や行事の会場設定・後片付けなどを手伝ってもらっています。
・地域の関係機関とのネットワーク…認可保育園長・認定こども園長連絡会、幼保小連携会議、子育て支援担当者会議、発達相談支援コーディネーター会議、年長担当者会議などに参加し、情報入手や情報交換を行っています。中原区の保育総合支援担当を中心とした事業、例えば子育てサロン(保護者同士の情報交換、友達づくり)やこども未来フェスタ(楽しい遊びや工作の場)などに職員を派遣しています。また、区の民生委員・主任児童委員との連絡会に参加し、地域福祉の向上に取り組んでいます。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育理念や保育目標、保育指針を玄関や各クラスに掲示し、保育理念として「在園児や地域の子ども達の健やかな成長を願い、福祉の増進を図る役割を担う」を掲げています。職員には、年度初めの職員会議において、こうした理念や方針を年度初めの職員会議で職員に説明し、理解が深まるように努めています。保護者には、入園説明会や年度初めの保育説明会において説明しているほか、玄関やクラスに掲示し周知しています。
 年度初めの職員会議において、年度運営方針を子ども・子育て支援事業計画とともに、説明しています。年度運営方針には、保育に携わるものとしての考え方、職務、保護者との関わり、施設管理・環境の整備、地域との関わり、苦情解決などを記載しています。今後、保育園の運営に関わる中期計画または長期計画、および、これを踏まえた年度単位の計画の検討・作成が期待されます。
・園長は、年3回、職員と面談し、人事評価を行い、役割を確認し、やる気を引き出すように努めています。職員に対し、市全体の子どもの健やかな成長と保護者支援を常に考えるように話しています。休暇や休憩の取得、相談しやすい雰囲気など職員が働きやすい環境づくりを心がけています。業務に関する思いや意見を伝えやすい雰囲気を作り、些細なことも改善につなげるように指導しています。
・保育方針や保育課程は、職員会議などで、年1回見直ししています。指導計画については、四半期・月間・週ごとに職員会議で自己評価と反省を実施しています。地域子育て支援事業については、区の担当部署と一緒に事業評価を行っています。
 事業環境に関する情報は、市の園長会などで入手し、職員会議で職員に伝えています。他の保育園や他部署の状況や地域の情報は、市や区の会議において収集し、子育て支援事業計画などに反映するように努めています。これらの情報や行事のアンケート結果を職員に会議などで報告し、問題点を取り上げて分析・改善に取り組んでいます
6 職員の資質向上の促進 ・障害児や病児、特別な支援を必要とする子どもを担当する職員は、市で調整のうえ配置を決めています。・新入職員や異動者にはOJT方式を取り入れ、「キャリアシート」を活用して、指導担当職員が個別面談を実施しながら、育成を進めています。
・リフレッシュ休暇や有給休暇の取得を促進しています。年3回の個人面談で職員の意向や意見を聴き、相談に応えています。業務の偏りをならしたり、休憩時間が確保できるように工夫しています。職員の福利厚生や健康の維持に取り組んでいます。定期健診や人間ドッグを行い、希望によって市の職員保健相談室も利用できるようになっています。

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