かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

明徳釜利谷保育園(2回目受審)

対象事業所名 明徳釜利谷保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 明徳福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0045
金沢区釜利谷南4−29−4
tel:045-791-3150
設立年月日 2002(平成14)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
明徳釜利谷保育園は京急本線金沢文庫駅からバスで約10分の自然に恵まれた閑静な住宅街にあります。鉄筋コンクリート造りの2階建ての園舎と併設の園庭・テラスを有し、近隣には多くの公園があり、子どもたちが楽しめる環境が整っています。
・園の特徴
園は社会福祉法人明徳福祉会の保育園で、平成14年4月1日の開園で、今年、15年目を迎えています。保育理念に「子どもの人権や主体性を尊重し、保護者や地域社会と力を合わせて、子どもの最善の幸せのために努力する」を掲げ、産休明け保育・延長保育・障がい児保育・一時保育そして地域子育て支援などのサービスを提供しています。現在101名(定員100名)の園児が在籍しています。

【特に優れていると思われる点】 
1.充実した絵本コーナーのある憩いの場
1階の絵本コーナーには年齢ごとに区別された絵本が沢山準備され、ソファーが置かれており、子どもたちが集まる憩いの場所になっており、自然に異年齢交流ができています。また、これらの絵本は保護者と子どもに貸し出されており、保護者同士の交流の場にもなっていて、子どもたちと保護者が絵本を通じて楽しむ場所にもなっています。

2.子どもが自由に遊ぶことができる環境の設定
年齢や発達にふさわしい環境になるよう、成長段階に合わせて玩具の入れ替えを行っています。乳児はままごとコーナーや畳のスペースなどで小人数に分かれて遊んでおり、幼児は可動式の棚や仕切りを活用して一人一人が遊ぶことのできる環境を確保しています。子どもが自分で遊びを見つけて遊びだすことに対して、時間で区切らずにじっくり集中して遊べるようにしています。乳児のおやつは一斉に食べず、遊びたい子どもには十分遊ばせた後におやつを提供しています。

3.園庭で育てた植物の栽培を子どもとともに喜び合う食育活動
今年は、キュウリ・ピーマン・オクラ・ジャガイモなどの種まき後の育っていく模様を写真にとり、子どもと「栽培記録ノート」を作り、収穫まで体験しました。
来年の春に向けては、チューリップの球根・イチゴ・玉ねぎ・菜の花などの苗を植え、また、昨年収穫したヒマワリの種をまき、その成長の様子を写真に撮って詳しく観察しています。
この「栽培記録ノート」の作成を通して子どもたちが食育への関心を高めています。
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.「保育士能力基準」の策定と個別研修計画の作成
職員の経験年数別に期待されるレベルを整理した「保育士能力基準」を策定し、そのレベルに到達するための研修計画を作成することが期待されます。
さらに、研修計画に基づいて参加した研修成果について評価し、「保育士能力基準」(今後、作成が望まれます)に到達すべき今後の研修内容を吟味し、次の個別研修計画に反映することが期待されます。

2.保育園が目指している理念・基本方針実現のための中長期計画の策定
今年度の事業計画は立案され、実行されていますが、保育園が目指している理念・基本方針の実現のためには日常の保育実務の改善及び地域との関係や保護者との関係などを含めた全体の最適化を図ることが望まれます。そのため、現状における課題や問題点を明らかにし、それらの中長期計画の策定が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもに対して威圧的な言葉遣いや無視、名前の呼び捨てや罰を与えるような不適切な保育が行われないよう、職員間で確認し合っています。保育の場で目にした場合、職員同士がクラス内で話し合う場を設けています。また、子どもの人権侵害や事故などに関しての新聞記事があるときは、毎日のミーティングで共通認識ができるよう内容を伝えています。

・「個人情報取扱規定」があり、全職員に採用時、個人情報の取り扱いや守秘義務について周知しています。採用時、非常勤社員も含め個人情報守秘義務遵守の誓約書を提出しています。また、ボランティアや実習生に対しても事前に守秘義務遵守に関して説明し、誓約書を提出してもらっています。なお、個人情報に関する記録は基本的に持ち出し禁止とし事務所の施錠できるキャビネットに保管、管理しています。

・園長は「業務マニュアル」の虐待の定義や内容の全職員への周知に努めています。職員は子どもの着替えの介助の際には不自然なあざや傷がないか観察しています。
虐待が明白な場合には園長・主任に迅速に連絡し、金沢区保健福祉センターや横浜市南部児童相談所に通報・相談する体制を整えています。虐待が疑わしい場合には園長に報告することになっており、園長は金沢区保健福祉センターや横浜市南部児童相談所の担当者に相談し助言を得ています。なお、進級説明会では保護者に対して体のあざや不審な傷があった場合には関係機関に連絡することを伝えています。

・職員は、男女の固定観念を持ち込まないように留意し、遊び、持ち物、整列、順番などに、性別による区別をしないようにして保育を行っています。グループ分けは果物の名称を用い、男女混合にしています。ままごとや遊びでも、母や父は「〜であるべき」と固定的な観念を植え付けないように職員が留意しています。職員会議で、職員の言葉づかいや男の子・女の子の固定観念を持たないように話し合い、保育の中で性差による区別をしないように意識しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもが手の届く位置に玩具や絵本を配置し、自由に取り出して遊べるようになっています。幼児は折り紙や廃材を自由に取り出すことができ、表現を形にできる環境を整えています。

・子どもが自分で遊びを見つけて遊びだすことに対して、時間で区切らずにじっくり集中して遊べるようにしています。乳児のおやつは一斉に提供せず、遊びたい子どもには十分遊ばせた後におやつをあげています。

・乳児は職員との一対一の関わりを大切にし、個人のリズムを大切にしています。乳児は何もない棚の陰に一人でよく入り、幼児は段々の椅子を並べたコーナーを自分で作り一人で過ごすのが好きですが、職員は危険のないように、かつ、目立たないように子どもたちの様子を見守っています。

・園庭の畑に春に向けてチューリップの球根、いちご、たまねぎ、菜の花などの苗を植えています。昨年収穫したヒマワリの種を畑にまき、その成長する様子を写真に撮り「栽培記録ノート」に記録して玄関に閲覧できるように置いてあります。

・園の周辺には緑が豊富な公園がたくさんあり、その中で、動植物の観察をしたり、どんぐりの実を拾ったり、虫を捕ったりして、季節ごとに自然と触れ合う機会を設けています。

・年齢に合わせて、絵の具、お絵かき帳、クレヨン、色紙、色鉛筆など遊びや製作に必要なものを常備し、子どもたちが自由に使えるように配慮しています。家庭に協力してもらって廃材を集め、作りたいものをイメージして製作やごっこ遊びに発展させています。4、5歳児は個人の道具箱からハサミを取り出して使っています。

・年齢に応じて一斉活動をしていますが、散歩では右側通行をし、交差点では信号に従い右手を上げて渡ることを身に付けます。4、5歳児はドッジボールで遊びながらチームとしてのルールがあることを学んでいます。

・年長児は近隣のケアプラザのデイサービスに出かけて利用者と一緒に歌を歌い、また、卒園遠足でこども科学館にバスで行きました。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前の3月上旬に新入園児説明会を実施し,基本的には担当職員・栄養士(委託会社)が面談しますが、状況に応じて園長・主任が参加しています。説明会に参加できなかった保護者へは後日個別に対応しています。

・乳児には「個人ノート」があり、その日の活動・午睡・食事・排便の様子などを記入し、また自宅での睡眠・食事・体温などを書いてもらい情報を共有しています。
幼児には、掲示でその日クラスの様子を伝え、降園時に個々の子どもの様子を伝えています。なお、幼児も保護者の要望があれば「個人ノート」を用いてやり取りすることがあります。

・各クラス担当職員はクラスの月間指導計画・週案や個人カリキュラムを作成しています。各指導計画には評価反省欄があり、各計画終了時には評価反省し、次期指導計画の見直しの際に反映しています。

・「苦情解決委員会規定」が整備されています。苦情受け付け担当者は主任・解決責任者は園長となっており、重要事項説明書に記載し、玄関にも掲示し、全保護者に説明しています。第三者委員は2名おり、重要事項説明書に記載し、玄関にも掲示するとともに、入園式や運動会などの行事の際に新入園児や在園児の保護者に紹介しており、保護者が第三者委員に直接苦情を申し立てることができるようになっています。苦情・要望があると「苦情・ご意見等記録簿」に記入し解決状況を含めて記録しています。

・「業務マニュアル」の中に、「安全マニュアル」「事故防止対応マニュアル」があります。本箱などには滑り止めのラバーなどの転倒防止策を講じ、緊急時の職員体制を玄関に掲示して全職員に周知しています。緊急通報先が事務室に掲示されています。「災害引き渡しリスト」を各クラスの避難リュックに入れて、保護者への引き渡し体制を敷いています。

・全職員が通報、連絡、放送ができるように、地震、火災、救急対応について毎月訓練を行っており、広域避難場所を確認し、年1回関東学院大学へ避難する訓練も行っています。毎月の職員会議で事故・ケガ報告書、ヒヤリハット報告書から事案を取り上げ話し合い、事故防止対策を確認しています。

・不審者対応訓練を年2回行っています。緊急通報システムがあり、発生時には警備会社が来園する体制になっています。不審者対策の一環として、不審者が来園した場合の合言葉を決め、職員間で周知しています。散歩時は携帯電話と、周囲に知らせるための笛を携帯しています。

・「保健衛生マニュアル」があり、年度初めに職員全員で読み合わせをし、見直しをしています。嘔吐処理などの研修、プールの監視体制などについて職員で話し合い、マニュアル内容を共有しています。

4 地域との交流・連携

・地域の子育てを支援するため、園庭開放や育児相談の場を設け(毎月、火曜日、2、3回/月)地域の子育て支援を行っています。プールの時期には5名/1回の参加があり、試食会には7名の参加がありました。地域の方が気楽に遊びに来てもらえるようにし、保育園の夏祭りや運動会にも参加を呼びかけています。

・金沢区の施策に協力し、近隣の商業施設に出張保育に出かけ、他園と一緒に手遊びやふれあい遊びを取り入れ地域の方との交流を図っています。子育てや保育に関する講習会・研修会は開催していませんが、試食会では食事のレシピを渡しており、出張保育では手遊びやふれあい遊びの普及活動を実施しており、一時保育の際には保護者からの子育て相談なども受け、保育園の専門性を生かした活動を提供しています。

・月1回の自治会の定例会に出席し、保育園からの情報を伝えるとともに地域のニーズを把握しながら意見交換しています。その際、保護者の送迎マナーなどの意見をもらうこともあり、意見を持ち帰り職員全体に周知し対応を考えています。

・設置法人作成の「実習生(ボランテイア)マニュアル」があり、これに基づきボランテイアを受け入れています。地域の方によるボランティアは近年希望者がいないのが現状で、より開かれた運営に向けた周知方法の見直しが必要と考えています。

・警察署・消防署・区役所・医療機関や周囲の学校などと連絡が取れるように「防犯・安全等に係る連携機関一覧」を作成し、事務所に貼り出し、職員は誰でも連絡できるよう情報を共有しています。子どもの置かれている環境や状況に応じて、横浜市南部児童相談所、横浜市南部地域療育センター、金沢区の子ども家庭支援課・ケースワーカー・保健師・民生委員などと必要な時にその都度連絡を取り合っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・「業務マニュアル」に、職務分担表があり、職種別に役割を明示して園長・主任の役割は明確になっています。

・理念・方針・園目標について採用時や年度初めの職員会議で園長が説明し、期ごとの指導計画作成時などの職員会議で理解出来ているかどうかを確認しています。園長は職員面談などでも、理念や基本方針が理解できているかどうかを確認しています。

・保育園としての中長期計画は策定の緒に就いたばかりであり、課題が明確でなく、誰が何時までにその課題を解決するのかが具体的になっていません。保育園が目指している理念・基本方針の実現のためには日常の保育実務の改善だけでなく、地域との関係や保護者との関係などを含めた全体の最適化を図ることが望まれます。そのため、現状における課題や問題点を明らかにし、それらの改善計画(中期計画)を策定し職員・保護者に周知することが期待されます。

・事業運営にかかわる情報の収集・分析は設置法人の担当部署で行っていますが、園長は金沢区や横浜市の社会福祉部会の園長会に参加し、必要な情報を収集し、職員会議で職員に周知しています。

6 職員の資質向上の促進

・職員は園長と年度初めに面談して研修目標を設定し、年度途中で達成状況を話合い確認し、年度末に面談して達成状況や反省点を総括して、来年度の研修計画に反映しています。個別の人材育成計画はありませんが、園長、主任が職員の経験年数を踏まえて各職員の研修計画を立て、一人年間に1〜3回研修に参加しています。

・園長は、職員からの日々の保育の中での改善提案や意見を、職員会議、日々のミーティング、個人面談、日常会話の中で把握しています。園長と職員との個人面談は定期的に行い、職員の満足度・要望などを把握していますが、何時でも相談に乗れる体制をとっています。

・実習生については、平成29年度は専門学校生2名を受け入れており、主任と実習生との事前のオリエンテーションで実習のねらいを確認しています。なお、学校とも詳細なやり取りをして、実習指導案を作成し、実習生からは誓約書をもらっています。実習期間中は、その日の保育(実習)の振り返りの場を設けており配属先の職員と意見交換しています。なお、実習生との意見交換で出た意見などについては、今後の保育につながるよう職員間で話し合いをしています。

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