かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーしんまるこ保育園(3回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーしんまるこ保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0004
中原区新丸子東2-902-1プライムアーバン武蔵小杉 comodo 1階
tel:044-431-3261
設立年月日 1950年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概念・立地面での特色】
小学館アカデミーしんまるこ保育園は株式会社小学館集英社プロダクションの経営です。株式会社小学館集英社プロダクションは東京都千代田区に本社を置き、1都3県に認可、認証保育園を展開し、神奈川県下では川崎市・横浜市に認可保育園を運営し、「楽習保育?」を特徴とした保育理念により、小学館アカデミー全園で一貫した保育を実践しています。小学館アカデミーしんまるこ保育園は、東急東横線新丸子駅から徒歩3分、東急東横線沿いに南へ250mほど進んだマンションの1階部分に位置し、最寄り駅は東横線の新丸子駅ですが武蔵小杉駅からも近く、園舎前からは武蔵小杉駅が見える距離にあります。この辺りは昔、丸子多摩川と云われていた地域で、昔は東京都の豊島園と並ぶ多摩川園があったところであり、新丸子は多摩川河川敷にも近く自然に触れる環境が身近にあります。また、駅前の人混みや細い道は子どもの散歩には少々考慮が必要な場所もありますが、保護者の通勤の面では立地が良いので保育園選択に際しては、保育方針も相乗して保護者から第1希望の多い人気園です。

【特に良いと思う点】

【1.楽習保育?の確立】小学館アカデミー保育園では、首都圏の保育園を開設以来、理念を『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』に据え、保育の柱を「楽習保育?」に置いて推進してきました。楽習保育?は「ラーニングセンター」、「本育?」、「ネイチャープログラム」、「リズミック」、「コミュニケーションプログラム」、「入学準備プログラム」が固定化され、「楽習保育」では「?」(商標登録マーク)を取得し、「楽習保育?」を柱として確固たるものに成長しました。「楽習保育?」のの基礎が確立されたと評価できます。

【2.本育?の推進】
「楽習保育?」と共に、本育も「?」(商標登録マーク)を取得し、「本育?」として推進しています。「楽習保育?」が身近に楽しく保育の柱に据えた保育理論、システム性にあるのに対し、本育?は、絵本の活用により子どもの豊かな成長を育むプロセスにあると考えます。法人事業の基礎である「本(活字)」を表現した、本育?のイラストもできました。ハードの面での小学館ライブラリーの充実と共に、ソフトの面での“1日1回の読み聞かせ”に力を入れ、保育の根幹の1つとしてさらなる発展が期待されます。


【3.食育への積極的な取り組み】
食育の取り組みでは、今年度は日本の郷土料理から世界各国の料理まで視野を広げ、「食を通じて世界を知る」取り組みを実施しました。園では、食育計画に沿って1歳児から食育活動を積極的に取り入れ、各年齢に合わせて食への興味・関心が持てるよう実施し、季節感を大切にすると共に、調理に興味がつながるようクッキング活動にも力を入れています。子どもに人気のある献立は、保育園の「三ツ星レシピ」として玄関のコーナーに紹介し、家庭や地域にも広げる取り組みを行っています。

<さらなる改善が望まれる点>

【1.地域に対する子育て支援施設】
小学館アカデミーしんまるこ保育園では月1回程度、地域に向けて「おはなし会」や季節行事に地域の親子を招き、地域交流会を開催しています。現状、絵本の貸し出しは園児に限定していますが、「おはなし会」後に園内の図書コーナーで絵本を読んでいる親子の光景も見受けられます。地域では、未就園児の子どもを持つ母親の中には育児の相談ができず悩んでいる方も多いという声もあり、地域の文化施設として、さらに幅広く多くの方が園を利用できるよう告知活動の強化を図っていかれることを期待しています。

【2.さらなる職員の質の向上】
課題の1つとして、次世代の園長の育成が挙げられます。現園長は、法人の系列保育園で後継者の育成を成功させるなど人材育成に長けており、園長自身の資質に先見性、適格性、統率等を備え、次期継承に向けて資質に関する伝達をぜひ、実践していかれることを望みます。園の中・長期計画は体質改善計画が基本であり、次期園長を見据えた育成計画も加味しながら小学館アカデミー保育園の教育にプラス、園長・主任の資質の伝承に力を入れていかれることを期待しております。

【楽習保育?の保育理論化】
小学館アカデミー保育園の「楽習保育?」は、保育の幅を広げる点でほぼ完成に近いと思います。ラーニングセンター、本育?、ネイチャープログラム、リズミック、コミュニケーションプログラム、入学準備プログラムとやるべき項目は固定化され、職員個々の手法も益々広がりをみせています。これをさらに進化させるには根本となる保育理論の構築も望まれます。例えば、モンテッソーリの保育理論、ピアジェの構成論が挙げられます。楽習保育?については、実践から構成される理論となっていくよう期待いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●園では、一人ひとりの子どもを理解し個人差を把握して常に、子どもと共感し合い、子どもの立場に立って物事を考えるよう努めています。また、「子どもの人権を最優先に考えた保育」を施設運営の手引きに明示し、日々の保育で実践しています。職員は、子どもの言動や行動を否定せず、ありのままの姿を受容し、丁寧な保育を心がけています。

●職員は、年度初めに、保育所保育指針、児童憲章、川崎市子どもの権利に関する条例等を学び、園独自の「人権チェックリスト」を作成し、毎月記入することで職員一人ひとりが保育の振り返りを行っています。虐待の早期発見については、施設運営の手引きに沿って朝の視診を大切にし、日常保育の中で子どもの心身の変化に気付くよう留意し、早期発見に努めています。全職員は毎月、「子どもの虐待の予防・早期発見・支援のためのチェックリスト」を確認し、職員間で情報交換を密に図り、園長は関係機関等と連携して対応ができるようにしています。

●個人情報に関して重要事項説明書に明示して保護者から同意を得、情報を外部と取り交わす必要が生じた場合も必ず、同意を得ています。プライバシー保護については、特に肖像権について、入園前に書面で取り交わして承諾を得た上で掲示、掲載を行っています。対外文書や監査、第三者評価時の情報公開等については、園長の判断とし、保護者の意向を確認しながら取り扱っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、子どもの意向を日々の保育の中から吸い上げ、担任との信頼関係作りを心がけ、全職員が、子ども一人ひとりとゆっくりと関われるよう環境作りに努めています。また、保護者からの意見は、懇談会、保育参加時、個人面談で意見や要望等を聞き、行事後のアンケートから意見を抽出する等、保育に反映させています。園全体に関する利用者満足については、連絡帳、保護者会、運営委員会を通して意見を聞き、玄関に投書箱を設置して要望等を聞く体制を整え、利用者満足の向上に役立てています。

●相談や意見が述べやすい環境作りの工夫では、園長は保護者との会話を心がけ、保護者に日々の子どもの様子を説明しながら、話しやすい雰囲気作りに努めています。子どもについては、尊重して関わり、優しい穏やかな話し方を心がけています。子どもからの意見や提案は否定せず、検討に時間がかかる場合も状況をわかりやすく丁寧に伝えるようにしています。苦情解決の仕組みについては、園のしおりに記載の他、苦情解決責任者・第三者委員を設置して直接苦情を申し出ることができることを知らせています。

●子ども同士のトラブルでは、双方の気持ちを聞き、相手の気持ちを思いやれるよう促し、互いが納得し安心できるよう、年齢に応じて対応しています。特別な配慮が必要な子どもについては、個別で保護者と話す機会を多く持ちながら不安を受け止め、職員間で連携を密にし、援助の仕方、保育の工夫に努め、園全体で支援しています。職員は、虐待や発達障害研修や、心の研修会に参加し、研修後は職員会議等で発表して情報共有を図り、保育に生かしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、中原区こども支援室に園のパンフレットを設置し、情報を提供しています。保護者へは1日の保育の内容等の写真を掲示し、園のブログでも紹介しています。園見学希望者には、月2〜4回程度「園見学説明会」を開催し、パンフレットも配付しています。サービス利用開始後は、入園時の個別面談での情報を基に家庭の状況を考慮し、慣らし保育を実施し、時間、日数については柔軟に対応し、子ども、保護者の負担の軽減に配慮しています。園での子どもの様子は連絡帳及び口頭で伝えるよう心がけています。

●法人独自の保育課程、園独自の保育課程を基に年間保育計画を作成し、職員会議にて全職員で確認し、看護師による保健計画、栄養士による食育計画も加味して、月案・週案など短期的な指導計画へとつなげています。指導計画は、クラスごとに一人ひとりの子どもの発達状況を考慮してきめ細かく策定し、1歳、2歳児は、個人別の指導計画を毎月立案し、3歳〜5歳児は、クラスごとに作成し、障害を持つ児や配慮が必要な子どもは幼児でも個人別の計画を立案し、一人ひとりに合った計画を作成しています。

●提供するサービス実施方法については、年間保育計画に沿って保育を実施し、運営は施設運営の手引きに基づいて保育を実践しています。標準的な実施方法等については、入社前研修で詳細に説明を受け、施設運営の手引き等のマニュアル類は、閲覧できる場所に保管され、職員がいつでも確認できるようにしています。計画と実践が異なる場合は、その都度確認し、修正を図り、必要に応じて専門機関とも連携を図りながら対応しています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、中原区の機関紙「このゆびとまれ」に園の情報を掲載し、園見学者にパンフレットを配付して園の説明をし、利用を促しています。園のホームページのブログでも園の情報及び近況を発信しています。秋に開催される中原区年長児作品展に作品を出展し、作品には園での子どもの状況を紹介する等、地域に向けて情報を開示しています。また、毎年、中原区未来フェスタに職員が参加し、園の情報や食育活動の様子を区民に向けて発信しています。

●園では、地域の親子に向けた子育て支援に積極的に取り組み、伝統行事、毎月の交流保育、身体測定、誕生会、保健指導等を案内しています。園長は、中原区の食育推進分科会委員であり、栄養士と共に区内の食育イベントの手伝いや講演会などに精力的に参加しています。また、近隣で行われている子育てサロンへ職員を派遣する等、地域に貢献しています。ボランティアの受け入れに関しては、事前にマニュアルに沿って保育理念や守秘義務等を伝えてから受け入れ、年間数名のボランティアを受け入れています。

●関係機関との交流、団体との連携では、中原区の公立・私立の園長会に出席し、民生委員、児童委員との会議、幼保小連絡会に出席し、近隣小学校との連携や交流計画についての話し合いを行い、情報共有を図っています。また、児童相談所、区役所の保健師、地域療育センターと連携を図り、地域の福祉ニーズの把握に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念、保育方針はホームページ、園のパンフレット、入園のしおりに掲載し、常に目につくよう園内にも掲示を行い、保護者に説明をして理解を促しています。職員の行動規範は、4分冊に分割した施設運営の手引きに詳細に記載され、保育の実践に規範となる内容になっています。法人で中・長期計画が策定され、理念・基本方針の実現に向けて現状を把握し、体質改善を基調に事業計画を作成しています。今年度は中期計画(3年計画)2期目を迎え、これまでの振り返り、計画の見直しをしながら進めています。

●園長の役割・責任・職務については、施設運営の手引き及び事業所の管理規程にて明文化され、園内研修の場等で表明しています。園長は、「求められる職員像」のマニュアルに沿って育成指導に努めると共に、職員の研修参加を積極的に推進しています。また、職務分担表を作成して責任を明確にして業務の推進を図り、職員と連携を図りながら円滑な運営に取り組んでいます。

●サービス内容について、定期的に評価を行う体制を整備し、年間指導計画については定めた時期に評価基準に基づき年1回以上、自己評価を実施しています。職員は、個人能力シートを活用して定期的に自己評価を行い、次年度の保育サービスのさらなる向上につなげています。また、課題別にプロジェクトチームを設定し、プロジェクトごとに総括と評価を実施しています。さらに、第三者評価を定期的に受審して質の向上に努め、課題を全職員で共有し、改善に取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制に関しては、法人本部で一括採用を行い、法人本部の採用育成課が主体となり採用年間計画を策定して園ごとのバランスを加味し、新卒・国家試験・復職・現職・遠隔地に分け、戦略を立てて人材の確保に取り組んでいます。人員体制については、小学館アカデミー保育園に勤める職員として求められる職員像及び、その中での行動目標を求めています。また、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつなげる考え方を定めています。

●園長は、職員と個別面談を実施し、職員一人ひとりに課題を設定して個々の課題に基づいて法人本部の研修を含めた研修計画を作成し、計画に沿って研修を促し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。職員は、研修計画に沿った案内を受け、積極的に研修に参加し、研修受講後は、研修報告書に記録し、職員会議で発表を行い、職員間で共有を図り一人ひとりの資質向上に役立てています。また、研修受講後、新たな課題が見つかった職員については、園長と相談の上、次期研修計画に反映し、研鑚を図っています。

●園長は、職員の就業状況や意向を把握し、休暇、福利厚生の確保に努めています。また、有給休暇の消化率や時間外労働のデータを定期的にチェックし、有給休暇の消化バランスを確認し、月次のローテーションに配慮しています。パート職員に関しては、パート職員会議をパートの多い曜日に定期的に行い、意向の把握に努めています。小学館アカデミー保育園では、職員に対して半休制度を取り入れています。

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