かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市中丸子保育園(3回目受審)

対象事業所名 川崎市中丸子保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 川崎市
対象サービス 高齢分野 養護老人ホーム
事業所住所等 〒 211 - 0012
中原区中丸子1155
tel:044-411-5559
設立年月日 1970(昭和45)年05月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面での特色】
川崎市財政改革プログラムにより保育園の民営化が進む中、川崎市中丸子保育園は、川崎市営のブランチ園として中原区の保育の中核を支え、地域の保育園の円滑な連携、地域の子育て支援に尽力しています。中原区は5つのブロック(大戸地区、小杉地区、丸子地区、住吉地区、玉川地区)に分かれ、川崎市中丸子保育園は丸子地区に所属して支援しています。川崎市中丸子保育園は、多摩川の堤防下にあり、堤防上の道路を渡ると多摩川の河川敷が見え、見渡す景色や自然の環境が整っています。多摩川を少し下った小向には東芝の小向工場、以前は鹿島田に三菱ふそうトラックの工場があり、川崎の工業地帯のベッドタウンとして栄えた地域ですが、近年は武蔵小杉に南武線、横須賀線、東急東横線の合流地点として活性し、高層住宅も林立し、東京、川崎、横浜のベッドタウンとして脚光を浴び、中原区の出生率は全国で1〜2位にあり、発展が目覚ましい地域です。川崎市中丸子保育園は、定員120名の大規模園ですが、園舎は市営住宅との合築の1階部分で、2階以上は住宅部分となっています。保育室は9室、その内5歳児の保育室は園舎内のホールとしても活用しています。

【特に良いと思う点】
【1.ブランチ園としての機能の確立】
川崎市中丸子保育園は、ブランチ園としての機能を確立していくよう、様々な子育て支援に取り組んでいます。中原区の子育てニーズに対応し、平日月曜〜土曜まで園庭開放行い、子育て中の親子を迎えています。特に、月齢の低い子どものニーズが高く、土曜日に「ニコニコベビー」を開催し、ベビーマッサージや、実際に食材に触れながら「離乳食講座」等を実施して好評を得ています。また、「親子でランチ」や「体験保育」では、子どもと同年齢のクラスの保育を体験してもらい、拠点型の子育て支援を展開しています。

【2.公開保育の実施】
ブランチ園として、公開保育を常時受け入れ、民間保育園の保育士の学習の場として提供し、教材の貸し出しも協力しています。公開保育では、他園の保育士のための取り組みですが、自園の保育の振り返
りとしても受け止め、職員が研鑚する機会として相乗効果を得ています。また、近隣の小規模保育園(14ヶ所)に中原区役所職員と訪問し、ブランチ園の公開保育の当月予定を記載したチラシや、園庭開放の
案内等を精力的に行っています。

【3.一人ひとりの個性を大切にした保育】
川崎市中丸子保育園は、子ども一人ひとりの個性を大切にした保育を実践しています。川崎市の「子どもの権利に関する条例」を基に、子ども一人ひとりの権利を尊重し、子どもの個別を大切にし、一人ひ
とりに合った計画を立て、計画に沿って日々保育にあたっています。また、日頃より子どもの様子の観察に努め、個々の興味・関心を把握し、主体的に遊びを選択できるよう環境を整えています。職員は、子ど
もの意向を尊重し、一人ひとりと向かい合い、職員間で情報を共有しながら保育にあたっています。これらの取り組み姿勢が、障害を持った子どもへの対応につながっています。

【さらなる期待がされる点】
【1.園舎の補修について】
川崎市中丸子保育園は、設立が昭和45年であり、園舎の老朽化の課題は挙げられていることと思いますが、市営住宅との合築であることや、ブランチ園であることを踏まえ、園舎をどう補修していくか等、各難問はすぐに良い結論は出ないと思います。日頃から清掃に努め、玄関入口、事務室内もきれいに整頓し、歴史を感じさせない工夫がされています。安全を確保するための防災等の訓練も定期的に実施して日々危機管理に努めています。しかし、生活において、営繕面での近代的な快適さに向けた修繕は求められてくると思いますので、工夫に及ばない点の検討が望まれると思います。
【2.歯磨きの中止について、さらなる説明に向けて】
園での歯磨きを中止する方針について、衛生上の問題、食後の歯磨き時間の価値観、習慣付けという点に保護者の意見の賛否もある状況だと考えます。また、食後の口腔内の細菌除去の考えもあると思われますが、昼間は唾液が多く、細菌の要因となる酸を緩衝する作用もあり、逆に磨かない方が良いという歯科学会の見解もあります。心配されている保護者に対して、習慣として身に付いたものが変更される点にあるとすれば、昼間の「歯磨きの中止が即、虫歯につながることはない」という歯科的な見解からの説明や、フッ素に関しては既に歯科医院に相談するよう促していますが、他園でも取り組みが見られる、キシリトールを園で補う等、また、間食等の食生活のチェック表を作成して配付する等、具体的な取り組みを提示し、虫歯予防には大まかな原則しかないことを伝え、家庭での就寝前の歯磨き、口腔管理の意識づけを強化され、重ねて、理解の促しに取り組まれることを期待しています。
【3.ブランチ園としてさらなる地域への支援を】
ブランチ園の機能として、地域の保育園の指導の面と、地域子育て支援の2面性を持ち、地域子育て支援の面では、家庭に閉じこもりがちの母親等の把握と支援を課題とし、区役所の地域みまもりセンターの保健師との連携体制を整えることが、今後、期待されます。地域の保育園の指導に関しては、方向性が固まるまでまだ道のりがあるかと思われます。ブランチ園としての主機能は、川崎市とも協議が必要であると思いますが、基本的構想を川崎市と重ねて固めていく必要があると思われます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●川崎市の「子どもの権利に関する条例」に沿い、子どもの人権を優先して考え、一人ひとりの子どもの意向を尊重し、個人差、発達段階に応じた対応を心がけています。また、「保育方針」において、子どもの意思や意見の尊重を明確に示し、子どもの様子を観察し、個々の興味・関心の把握に努めています。遊びでは、子どもの意向・声に耳を傾け、子どもが主体的に遊べるよう遊具を適切に揃え、気持ち寄り添う保育を心がけています。

●保育理念に「子ども一人一人の最善の利益を保障する」と明記し、新入園児には家庭環境、子どもの体調に配慮しています。子ども個々の状況は、職員会議で共有し、園全体で共通認識の基、保育にあたっています。虐待の早期発見については、虐待に関するマニュアルを完備し、登園時、着替え時の視診を大切にして子ども、保護者の変化等に留意し、早期発見に努めています。引き継ぎ簿では、傷等の位置を確認し、状況に応じて関係機関、児童相談所と連携体制を整えています。

●個人情報保護に関して重要事項説明書に明示し、保護者に説明を行い、就学や地域の関係機関への情報提供に関して同意を得ています。また、医療機関や療育センターに情報を提供する場合は、都度、保護者の了解を得ています。守秘義務に関しては、臨時職員含む全職員に周知徹底を図り、年2回、職員に服務チェックシートを実施し、中原区運営管理課長に提出しています。川崎市の自主考課においても個人情報等について話し合う機会を設けています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、行事ごとに保護者にアンケートを実施し、良い点、課題とする点を抽出し、職員間で共有を図り、次回に生かすようにしています。また、玄関にご意見ボックスを設置して意見等を述べられる環境作りを行い、保護者の個人面談を実施し、意見等を保育に反映させています。園全体に関する利用者満足については、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てていきます。

●職員は、送迎時に保護者との会話を大切にし、相談等を受けられるよう環境を整え、まるこルームを活用してプライバシーにも配慮しています。子どもの意向、意見は日々の保育の中で声に耳を傾け、保育に反映させるようにしています。苦情解決の仕組みについては、重要事項説明書、入園のしおりに掲載し、苦情解決窓口、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を掲示し、直接苦情を申し出ることができることを知らせています。苦情・相談等の内容は職員間で共有し、経過記録を行い、継続的にフォローするようにしています。

●子どもの発達状況の観察に努め、個々の発達に沿った関わりを大切にし、子どもの気持ちを汲み取り、理解するよう心がけています。日頃の保育、行事を通して子どもたちが自分で考え行動できるよう職員は側面から援助し、子どもが主体的に活動できるよう支援しています。異年齢活動の「なかよしDAY」では、子どもが好きな場所で遊んだり、食事では好きな場所で摂る等、自由に1日を過ごせる日を設定し、主体性を育んでいます。配慮が必要な子どもには個別指導計画を作成し、保育者間の連携を密に行い、きめ細やかな支援を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、園内掲示板で提供し、園見学者へはパンフレットを配付し、口頭で説明しています。サービス利用開始後は、慣らし保育を実施し、基本的に日程の目安を持ち、子ども、家庭の事情を考慮して臨機応変に対応しています。保護者とは、密に連携を図り、1歳、2歳児は連絡帳で双方の情報交換を行い、送迎時も子どもの様子を伝えて不安等の軽減に努めています。

●指導計画は、園独自の保育課程を基に、各年齢の年間保育指導計画を立て、計画に沿って月ごと、週ごとの指導計画を作成しています。作成時は、各年齢のつながりを考慮し、乳・幼児会議、全体会議で調整を図り、共有しています。計画の見直しは、課題を抽出して検討し、次期に生かしています。地域の子育て親子に対して、中原区公営保育園に遊びに来て登録すると「ミミケロノート」が配付される取り組みでは、川崎市中丸子保育園は、ハイハイ広場、ニコニコ広場、親子でランチ、園庭開放を実施し、身近な遊び場として支援しています。

●提供するサービスの実施方法については、運営方針等の明確化を図り、「運営管理の手引き」を全職員に配付し、周知徹底により保育を実践しています。運営方針等は、園のパンフレット等に記載し、毎年、見直しを行っています。提供するサービスの具体的な内容はパンフレットに記載され、職員全員に配付しています。標準的な実施方法については、昼の打ち合わせ、会議、研修会を昼夜に分け、昼の打合せでは、環境の室内・屋外プロジェクトが検討を図り、乳・幼児会議、全体会議、研修報告会は夜に実施して実施方法の標準化を図っています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報の提供では、川崎市のホームページや中原区の子育て情報誌「このゆびとまれ」にも園の情報を提供しています。また、ブランチ園としての活動を含め、園の入り口に掲示版を設置し、園の情報、川崎市・中原区の子育てに関する情報を掲載し、地域に発信しています、年4回、地域向けのお便り「ふれあいだより」も発行しています。園ではハイハイ広場(概ね1歳迄)、ニコニコ広場(1歳以上)を実施し、毎日の園庭開放、絵本貸出等も積極的に地域に提供しています。

●地域に対して、子育てグループや1歳半健診に保育士を派遣し、園の発達相談支援コーディネーターによる「おしゃべりほっとタイム」では子育て相談会を実施しています。ボランティアの受け入れでは、中原区の地域みまもり支援センターを通じて、ボランティア養成講座の修了者を受け入れ、事前にオリエンテーションを行い、守秘義務、プライバシー保護の説明を行い、誓約書を提出してもらっています。

●関係機関との交流、団体との連携では、年4回、園長(または園長補佐)は、中原区の幼保小の連絡会議、認可保育園園長会議、公営保育園園長会、幼保小連絡会の年長担当者会議、民生委員、主任児童委員との連絡会議等に出席し、情報の収集と協働の企画等を行っています。関係機関との会議への出席や、園庭開放時の参加者との会話、園見学者との話し合い、中原区児童家庭課の情報等を通じ、福祉ニーズの把握に努めています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●園の理念は、「子ども一人一人の最善の利益を保障すること」を基本に、心身共に健やかに育つ環境づくりに努め、保護者から信頼され、共に成長を喜び合い、地域や子育て家庭に対する支援をし、地域に根ざし愛される保育園を目指します」とし、保育理念、保育方針、保育目標を玄関、事務室、各保育室に掲示し、保育園のパンフレット、入園のしおりにも明記しています。年度初めの会議では、園長が作成した「平成29年度 中丸子保育園運営方針」を職員に配付し、保育園の運営について確認し、話し合い、共通理解を図っています。

●園長は、職務体制、業務分担表を作成し、各職種の業務内容、係分担、行事分担等を明確にし、サービスの向上に努めています。また、経営の合理化、保育環境整備等について取り組み、業務の効率化に向けてパソコンの増設を行い、業務の標準化では、「緊急マニュアル」、「健康マニュアル」を園に合ったマニュアルに改定して活用する等、改善に向けた運営に尽力しています。

●サービス内容は、定期的な会議、川崎市の人事評価、保護者のアンケート等を実施することにより組織全体で保育の質の維持・向上を目指しています。また、今年度は第三者評価を受審し、体質改善の一助としています。さらに、川崎市の「保育の質ガイドブック」を活用し、自らの質の向上を図ると共に、ブランチ園として地域の民間園にも配布しています。

6 職員の資質向上の促進

●人材の採用、人員体制については、川崎市の保育基準や職員配置基準に沿い、人材確保及び配置がされ、園での職務分担を明確にし、会議にて人員体制について全職員で確認しています。遵守すべき法令・規範・倫理等は、川崎市の公務員として研修を受け、職員は遵守しています。また、園内でも定期的に、服務規律の研修を行い、職員へ周知を図っています。人事考課については、公務員の服務チェックシート、自主考課を年2回作成し、報告を行う体制が整備されています。

●研修については、川崎市こども未来局運営管理課、中原区保育課主催の階層別研修や、課題別研修等の研修計画が示され、研修テーマによって、個々の職員に応じた研修(必須、任意、園指名)に参加し、職員の資質向上、専門性を高めています。研修受講後は、園長へ研修報告及び、研修報告書を提出し、会議等で研修報告会の機会を設け、一人ひとりの資質向上に役立てています。また、白峰学園主催の研修等、民間の研修にも参加し、職員のレベルアップを図っています。

●園長及び園長補佐は、職員の日々の様子を確認し、声かけを行う等、配慮に努め、休暇の取得状況、時間外労働時間を把握し、バランスを確認しています。また、「働き方改革」を推進し、一人ひとりが生き生きと働けるよう、職場環境の整備に努めています。福利厚生については、川崎市のイントラネットシステムや川崎市ガイドブックから、福利厚生の情報を入手し、川崎市職員として享受できる体制にあります。また、産業医による職場巡視も実施され、健康相談を受けることができる等、職員の心身の健康に配慮しています。

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