かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

十日市場こども園(3回目受審)

対象事業所名 十日市場こども園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社こどもの森
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0025
緑区十日市場町848番地1
tel:045-82-8330
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 一般社団法人 アクティブ ケア アンド サポート
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
株式会社こどもの森が2006年4月に開設した、子ども数72人(定員60人)の保育園です。JR横浜線十日市場駅から徒歩7分にあり、周辺は静かな住宅地です。園舎は2階建てで、園庭はボール遊びやかけっこ、三輪車などの活動ができる広さです。近くの自然を利用した数か所の散歩コースを設定し、大きな遊具で遊んだり、樹木や草花、土と親しんだり、子どもたちは生き生きと生活を楽しんでいます。「快適な環境で十分な発育を促す。保護者の方をサポートする。子どもを理解し、いとしさに根差した保育、手作りの温かい園にする。」を保育方針として運営しています。

【特に良いと思われる点】
・一人一人の子どもに寄り添い、目標を持った温かい保育を実践しています
 保育方針に、「子どもを理解し、愛おしさに根差した保育。子どもが自ら考え、判断し、行動できる人間への成長を目指す。」を掲げています。月間指導計画には、養護と教育のねらいを定め、環境構成、配慮事項を記載しています。1歳児の指導計画の養護には、「手洗いやうがいをしっかり行う。友達の前で、楽器の演奏や運動遊び、発表を見てもらい、自信に繋げる。」をねらいにしていました。訪問調査の日、1歳児はトイレ後に、自主的に手洗いをしていました。職員が「もっとせっけんつけて洗ってね。」と声かけし、また、子どもの袖が濡れないようにまくっています。数人の子どもが電車を持ったり、人形をもったりして、職員と一緒に遊んでいます。小さな台に乗る子がいて、職員はすかさずその行為を見て、手作りマイクを向けました。「何歳ですか」、子どもが「2歳」と答えています。「好きな食べ物は?」、「パン」、「ありがとうございました」と職員、子どもは自信を持って生き生きと声をあげていました。一人一人の子どもに寄り添い一緒に遊ぶ中で、「ねらい」を意識した温かい援助を行っています。
・全ての子どもを対象に、連絡帳を通して保護者と日々細やかに連絡を取りあっています
 連絡帳は全てのクラスで使用し、4種類使っています。0歳児は複写式で、24時間のタイムテーブルに睡眠や食事などの家庭と保育園での状況を書き込み、子どもの1日の生活をきめ細かく把握することができます。1・2歳児には食事、機嫌、排便、入浴、睡眠、検温などの記入欄があり、家庭と保育園での様子を記入しています。3歳児は家庭・保育園ともに睡眠や食事、機嫌、体温をチェックとおねだりしていました。」と、職員がその日の子どもの様子を記入していました。連絡帳を通して保護者と職員との連携が日々密に図られ、子どもの生活の連続性やリズ方式とし、効率的に簡便な方法で子どもの様子を把握することができます。4・5歳児は小さいノートを使用し必要に応じて書くようにしています。家庭から「延長保育で、補食をお願いします。」、「お昼が食べられなかったらミルクをお願いします。」と書かれていたり、「滑り台が楽しそうで、何回も乗せてとおねだりしていました。」と、職員がその日の子どもの様子を記入していました。連絡帳を通して保護者と職員との連携が日々密に図られ、子どもの生活の連続性やリズムを維持しています。
・保護者が預けて良かったと思える保育園作りに、着実に取り組んでいます
【さらなる改善が望まれる点】
・園庭への不審者侵入を防ぐ対策の検討が期待されます
 玄関の扉は一定期間で更新する暗証番号方式の鍵を取り付け、出入りを制限し、外部からの不審者の侵入を防止しています。表門及び裏門の門扉は鍵を取り付けてはいますが、園庭へ容易に出入りができる状態と見られます。今回の利用者家族調査の結果にも不安を述べる意見がありました。今後、園庭への不審者侵入を防ぐ対策の検討が期待されます。
・保護者の保育園の方針・目標の理解は深まるようにさらなる努力が望まれます
 保育園の方針・目標は、入園時の説明、独自のアンケート、しおり、パンフレット、園内掲示などにより、保護者へ伝えています。しかし、今回の利用者家族調査の結果によれば、「どちらとも言えない」「あまり知らない」と答えた人が27%でした。やるべきことはやっていると見られますが、方針・目標に対する認知・理解は、保育園の存在意義につながるといえ、さらに効果的な方法によって保護者の理解を深める努力が望まれます。
・長期的な将来構想のもと、地域に根差す存在であることをより強く意識した取り組みが期待されます
 保育園は、運営会社(以下、「本部」という)傘下の保育園として、その将来構想のもとに運営されています。2006年4月開園以来11年、区の「みどりっこまつり」や「幼保小交流」などを中心に、近隣の老人ホームの訪問など、独自の努力を続けてきました。また、保育活動の中でボランティアの活用も図っています。こうした地域の資源を利用し連携することによって、地域とのつながりや良好な関係を築き子どもの生活を豊かにしています。今後、長期的な将来展望のもとに、地域に根差す存在であることをより強く意識した取り組み、例えば、日々の保育活動の中に園庭の植生に地域のボランティアの協力を得るなど、保育園の運営基盤をより強固なものとするとともに、子どもの生活の幅を広げ、より豊かにする取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・「手作りの温かい園づくりを目指す」ことを園方針とし、保育目標は「健康、やさしさ、挨拶、豊かな表現のできる子」を掲げています。方針・目標は、園内掲示やしおり等で保護者へ周知するとともに、職員にはミーティングの際に確認しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育課程は、子ども一人一人の発達段階を踏まえ、「家庭との連携、養護と教育が一体となった保育を展開する」としています。連絡帳や登降園時の会話、個人面談などから保護者の意向や希望を把握し、一人一人の子どもの姿を捉え、年齢別に年間指導計画、月案、週案を、また、乳児には個別指導計画を作成しています。
・毎日、「掃除チェックシート」で確認し、月1回「環境整備チェックシート」で清潔、整理、整頓、礼儀を点検するなど、常に清潔を維持するように努めています。保育室は、常に換気扇を回し、清掃時や午睡明けには窓を開放して空気を入れ替えています。各室に温度・湿度計を設置し、毎朝測定し、点検ボード及び日誌に記録しています。  
・0・1・2歳児及び特に配慮を要する子どもには、一人一人の発達状況に合わせた個別指導計画を作成しています。トイレットトレーニングや離乳食対応などを日々成長する子ども変化に沿って、保護者と連絡を取り合いながら段階的に進めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園後、保護者との面談記録、日々の連絡帳(控え)、健診状況表、歯科健康診査表、経過記録など成長記録を個別ファイルにまとめて管理しています。個別ファイルは、職員全員が閲覧でき、事務室の鍵付き書庫に保管しています。進級時、経過記録をもとに職員間の引き継ぎを行っています。
・特に配慮を要する子どもには、個別指導計画を作成しています。職員会議や昼ミーティングで、子どものその日の様子・動きを報告し、記録を残しています。子どもの特性について話し合い、日常の保育での留意点や工夫点を職員間で共有し、保育に生かしています。
・季節の食材や保育園での栽培した物を使用し、美味しく感じられる味付けや盛り付けを心がけています。クリスマスには、星形のニンジンやクリスマスツリー型のハンバーグ、子どもの日にはこいのぼり型のごはんなど特別メニューを取り入れています。食事の時は、静かな曲を流したり、友達との会話を楽しみながら落ち着いて食べるように声かけしたり、食事を楽しめる雰囲気づくりに配慮しています。
4 地域との交流・連携 ・園庭開放や育児相談、お話し会などを行い、地域の人々と交流を図っています。区の「みどりっこまつり」への参加及び「みどりっこカレンダー」の有効活用により、地域の保育ニーズを積極的に把握しています。把握されたニーズは、どのような支援が求められているかを職員に周知しています。
・園庭開放は、気軽に相談できるように週1回実施しています。夕涼み会など多くの人が集まる場合は、予め迷惑をかけることと併せて遊びに来園してもらえるように手紙を書いて、各戸にポスティングするなど近隣との良好な関係を維持できるように配慮しています。個別相談は園で対応することを基本としていますが、内容によって関係機関と連携が取れるようにしています。
・恒例行事としている夏の夕涼み会や秋の運動会へは、地域の多くの方が訪れています。年長児は、近隣の高齢者施設を訪問し交流したり、散歩時にはエコ活動の勉強を兼ね、ゴミ拾いを行っています。夕涼み会では、近くの公園の広場を借りて盆踊りを行うなど地域の資源を有効に活用しています。
・見学や園庭開放に来園された人には、園のしおりに沿って丁寧に説明しています。毎月発行されている区の「みどりっこカレンダー」等では、積極的に園の情報を提供しています。また、問合せや見学には、園長やリーダー及び担当職員が丁寧に対応しています。見学希望に対しては、見学者の都合に合わせた時間帯を設定し、園の設備や子どもの生活を見てもらうとともに、基本方針や利用条件・保育内容などを説明しています。
・園の行事などには、保育士を目指す学生ボランティアを受け入れています。受け入れ及び育成は園長が対応していますが、実習の際にはクラス担任が指導しています。ボランティア活動開始前には、「ボランティアマニュアル」に従って事前説明を行い、園の方針や子どもへの配慮事項等を伝え注意を促しています。活動終了後、感想などを聞き記録を作成しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・本部の理念「子育てしやすい社会に変えていく」に基づいた園方針が設定されています。保育目標としては「健康で丈夫な子、やさしい気持ちの子、挨拶のできる子、豊かな表現のできる子」の育成が目指されています。この方針及び目標は園内に掲示され、職員にはミーティング等の際に確認が行われています。保護者には、「園のしおり」や「園だより」に掲載するとともに、個人面談でも説明しています。また、見学や園庭開放に来園された人には、「園のしおり」や写真やパンフレット等により、園情報や保育内容の詳細を説明しています。
・職員研修や日々の保育から得た情報は、共通認識として深められるように「職員会議」等で話し合っています。職員全員が、保育理念や方針、約束事などを把握しているかを確認するため、職員会議で小テストも行っています。また、本部による「保護者アンケート」から得られた情報に取り組む過程で、職員間で意見や提案を出し合い、保育園の活性化と併せて質の向上を図っています。職員の自己評価を踏まえた園としての自己評価は、年度末に園長が行い公表しています。
・保育事業に従事する職員として、守るべき法・規範・倫理等は本部の入社前研修及び園内研修等で職員に周知しています。園運営の情報に変更等があった場合には、ミーティング等により職員に周知しています。必要な情報開示を積極的に行い、保護者への開示にも努めています。守るべき倫理観等を明記した「こどもの森のお約束」は、いつでも閲覧できるようにしています。
・「教育経営計画書」を全職員に配付し、本部の理念・方針を周知しています。園の方針・目標は、ミーティングや園長と職員との個人面談などを通して、周知・理解を促しています。年2回、園長は保護者と個人面談を行っています。運営委員会も年2回開催し、保護者代表が参加して出された意見・要望などを運営に反映しています。
・緑区内の園長会及び法人の園長会及びその他のセミナーや研修への参加及び地域交流の場を通して、各種情報を入手しています。重要な情報は、ミーティングや職員会議等で職員に周知し、重点改善課題として活用しています。自分の子どもを入れたい園にするために、子どもたちが多様な経験を積み重ねられるように計画を作成しています。園庭を生かした体力作り、絵画や保健・リトミックの導入、安全面を考慮した給食、乳幼児体動センサーの設置等に取り組んでいます。園の中・長期計画として、保育サービスの更なる充実を目指した計画が策定されています。
6 職員の資質向上の促進 ・職員の資質向上のためにも、実習生の受け入れが有効に活用されています。子どもや保護者及び職員に、事前に実習生が来園することを話したり掲示をしたりして、理解を求めています。受け入れは園長が行い、指導は実習生が入ったクラス担任が担っています。部分実習や1日実習など、実習の目的に合わせて対応し、助言や指導を行う意見交換の機会を、実習の成果があがるように指導に努めています。また、実習に入るに当たり、「実習生マニュアル」を活用してオリエンテーションを行い、保育園の方針や子どもに対する配慮事項を説明し、理解と遵守を求めています。
・園の運営に必要な人材は、本部が傘下の保育園の状況を考慮して一括して対応しています。園もまた、独自に適切な人材が確保できるように取り組んでいます。職員(非常勤含む)は、年2回「スタッフシート」(人事評価票)によって自己評価を行うとともに、園長評価を受けています。園長との個人面談等により、日々の保育を振り返るとともに、年度末の「振り返りシート」によって、年度初に設定した目標に対する達成度を評価しています。本部の人材育成研修(新卒・2年目・中堅・主任・リーダー・園長研修)は、各要件を満たした職員が受講しています。市や区主催の研修には、園長が職員の希望を考慮して参加を勧めています。受講後は、研修内容を「職員会議」等において周知・共有しています。また、研修担当を決め、園長と協議しながら研修計画を作成しています。
・行事を担当した職員は、保護者のアンケートで改善すべき点をまとめ、次年度に生かせるように引き継いでいます。また、他の保育園の行事見学から得た情報を職員全員に報告し、内容や質の向上に生かしています。職員は、年間指導計画・月案・週案などで養護及び教育のねらいを立て、日々の保育に生かすとともに、定期的な自己評価を通して、保育の見直しや改善に取り組んでいます。例えば、週案のねらいを達成できなかった場合は、翌週のねらいにつながるように反省点をまとめています。園長や経験のある職員にも相談し、保育の知識や技術の向上につながるように努めています。
・職員(非常勤含む)の経験年数や立場に応じて、必須研修(本部設定)を受講しています。各職員の得意な面を生かすとともに、更なる向上を目指すために必要な研修に参加し、モチベーションアップにつながるようにしています。報告・連絡・相談を前提とし、クラスの運営は担任に任せています。クラス担任は、子どもの生活が豊かになるような工夫やイベントの計画を立て、実行する役割・権限が与えられています。

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