かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

れいんぼう川崎(3回目受審)

対象事業所名 れいんぼう川崎(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人川崎市社会福祉事業団
対象サービス 障害分野 生活介護他
事業所住所等 〒 216 - 0002
宮前区東有馬5-8-10
tel:044-888-8601
設立年月日 1933年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 障害者支援施設「れいんぼう川崎」は、田園都市線鷺沼駅からバスで10分程度の閑静な場所にあります。平成8年の開設とともに川崎市社会福祉事業団が運営を受託し、3期目の指定管理者として現在に至っています。施設入所・生活介護事業(定員60人)、自立訓練事業(定員20人/日)、短期入所事業(定員10人)、ほかに在宅リハビリテーションサービス及び総合相談等の事業を運営しています。平成29年12月現在の入所利用者数は60人で、障害、支援区分6及び身体障害者手帳1級所持の重度の重複障害者が80%を超えています。自立訓練の利用者は40人です。利用者の90%は高次脳機能障害者で、障害者の困難事例に対応しています。
 法人の基本理念に「充実したサービスの提供」「地域に根差した施設運営」「職員の資質能力の向上」「法人の経営基盤の整備」を掲げています。法人は川崎市を代表する福祉サービス事業者として、誰もが地域社会において安心して快適な生活を営める福祉社会作りを目ざしています。4つの基本理念に基づき一人ひとりの命が大切にされ、尊厳が守られる「共生社会」の実現を目ざしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○目標管理制度を実施し、職員は個々に目的意識を持って自分の職務に取り組んでいます
 人事考課制度を実施しています。管理者(所長)は、年度ごとに「人事管理トータルシステム実施計画」を明文化し、目標管理制度において職員が何を目標とし、また、何をなすべきかを明確にし、全職員の自己統制マネジメントを推進しています。職員は、個々に目的意識を持って自分の職務に取り組んでいます。職員は年度初めに「目標管理シート」を作成し、年2回の上長面接を通して目標の達成度を評価しています。管理者は面接を通して職員の目標における実践の状況を確認し、障害者福祉の専門職員としての職員の育成を図っています。

○職員は自立訓練の目標達成に向けて、利用者の主体性回復の過程を支援しています
 自立訓練事業においては、利用者自らが主体的に生活を再構築できるように支援しています。支援にあたっては期間設定と目標設定、つまり「いつまでに、どのような生活を構築するか」を明確にして支援します。支援目標を本人・家族・支援サービスが共有することが大切です。また、この支援プロセスは「主体性回復の過程」ともいえます。支援プロセスを経て、目標となる生活イメージは少しずつ明確になります。復職・就労、地域での役割等その人らしい社会参加の在り方を見出すことで、元気に暮らしていくことができるよう支援しています。

○利用者は充実した余暇やレクリエーションを楽しんでいます
 ボランティアを積極的に受け入れ、充実した余暇やレクリエーションを展開しています。陶芸、革細工、紙漉き、パソコン、フラワーアレンジメント、生け花、スキルスクリーンなど、目を見張るような作品が施設内に展示されています。また、「みんなのボッチャ」活動などを展開しています。障害の有無にかかわらず、車いすの人、杖を突いた人、小さな子ども、高齢の人誰でもが「夢中になれる事」としてのボッチャの普及を推進しています。毎年6月にボッチャ大会を開催しています。今年度は地域の障害者施設等から50名程が参加しました。


《事業者が課題としている点》
 ・法人による配置計画が必ずしも職員に受け入れられず、異動後に退職する事態があり、以後は欠員補充が困難となることや、人事異動後に後任職員が配置されないなど、他の職員がその分を補完しなければならず、過剰労働になる事態が解消されないことが課題としてあります。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

権利擁護規定・権利擁護ガイドラインを策定し、利用者の意思を尊重し、固有のニーズを捉えることに力を入れています。言葉が出ないため50音表を指さしで自分の意思を伝える利用者がいます。うまく伝えられないと苛立ってしまう利用者には、職員間で連携し時間の取れる職員がゆっくりと利用者の話に耳を傾けます。また、アンケートを活用するなど、種々の方法で利用者の意見の把握に努めています。意思を表明することが困難な利用者には、家族から本人の気持ちを確認してもらうなど様々な方法を活用しています。

 個人情報管理規定を整備し、個人情報の取扱責任者や情報の管理方法を定めています。写真の掲載や本人の同意が必要な内容の場合もあり、同意書で利用者の意思を確認しています。利用者の個人情報に対する意識は高く、「個人情報の保護に関する基本方針」「当事業所が取扱いする個人情報の利用目的」の掲示には職員はよく目を通しています。わかりやすいように個人情報保護規定にルビを振るなどし、利用者が理解しやすいように配慮しています。

 事業計画の冒頭に、利用者の権利を養護する立場から基本的人権と個人を尊重した支援を提供することを明記しています。 権利擁護委員会を月1回開催し身体拘束廃止や虐待防止の取り組みに問題がないことを確認しています。また、年に2回定期的に「セルフチェックシート」を用いて職員の人権意識の振り返りを行っています。セルフチェックの結果を月ごとに集計し職員間で情報を共有し、言葉がけやプライバシーの尊重等利用者の人権擁護についての注意を喚起しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

年1回法人全体で利用者満足度調査を実施しています。利用者への職員の言葉遣いや、職員同士の会話でも気になることがあるとの利用者アンケートの指摘があり、職員の日々の姿勢や話し方、話しの内容に配慮するよう職員に周知しています。外出や買い物の機会を増やしたい利用者の希望にも、限られた職員の対応だけにとらわれずタクシー券や有償ヘルパーなどの情報を提供し、地域の資源を活用することで利用者の余暇活動の拡大につなげています。アンケートや満足度調査及び対策の成果を4月の事業計画の説明会で利用者に周知しています。

 職員は相互に連携し、利用者の声に積極的に応じることを心がけています。利用者の担当職員に限らず時間の取れる職員が利用者の話をゆっくりと聞くようにしています。廊下に当日の職員シフト表を掲示し、利用者が話したいと思う職員を指名することができます。傾聴ボランティアや当事者委員の訪問は利用者の希望や声かけ、促しなどで利用者の気持ちを聞いてもらう機会になっています。利用者も自分が話しやすい人を選び、居室や食堂など思い思いの場所を使用し話をする機会にしています。

 ケアマニュアルにコミュニケーションに関する留意事項を明記し、聴覚・視覚障害、構音障害、失語症など、職員は個々の利用者の障害特性を理解して支援にあたります。自立訓練の失語症グルーブでは、利用者を職員がサポートしながら、利用者の積極性を引出し互いに目標を共有する機会としています。元気になり利用者の自立促進につながっています。リハビリテーションの一環として、「わくわくタイム」「いきいきタイム」を設け利用者がやりたいことに取り組み、また、日常活動に参加し自分にできることに取り組む機会にしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

 個別支援計画の見直しに合わせて6か月ごとにアセスメントを実施しています。「個人別支援計画策定の流れ」の手順に沿って担当職員がアセスメントを実施し、利用者の心身の状況や生活状況に関する支援ニーズを把握し個別支援計画に反映しています。自立訓練では定期的実施のアセスメントに加え、日々のリハビリテーション過程にかかわる全ての職種の、専門的視点から導き出される支援方針の共有が成否のカギになるため、毎日の職員ミーティングで利用者ニーズの変化を捉え、支援の時期を逃さないようにしています。

 記録システムを導入し、日々の利用者に関するケース記録等の支援情報を入力し職員間の情報共有を図っています。日勤・夜勤のリーダーが記録にもれがないことを確認しています。記録システムに関する職員向けのトレーニングを実施し、タブレット端末を活用し随時職員がデータ入力できる環境を整備しています。ケアマニュアルに記録システム活用の要領を明記し職員に周知しています。職員は、個別支援計画や利用者支援の記録、各種会議の記録等を記録システムを活用し、必要な時いつでも確認し統一した利用者支援を心がけています。

 ケアマニュアルを整備しサービスの標準化を図っています。利用者個々の障害状況による支援内容を「援助方法一覧」にまとめています。食事や排泄、入浴等生活支援で注意すべきことを明記し、職員に周知しています。年に一回、援助方法一覧の見直しを行い、利用者の状況の変化に応じて修正しています。ケアマニュアルは毎年9月に中間見直しを実施し、年度末に総括しています。援助方法一覧は毎年年度末に見直しを行い、利用者一人ひとりの状況の変化に対応し修正しています。

4 地域との交流・連携

 機関誌編集委員会が中心となり、施設のサービス支援の内容がわかりやすいようにパンフレットを更新しました。機会あるごとにパンフレットや広報紙、催し物のチラシ等を配布し、地域の人に施設のことを広く知ってもらうようにしています。区の社会福祉協議会や民生委員、行政等と連携し施設の役割を地域にしっかりと理解してもらうように努めています。集会室を民生委員や地区社会福祉協議会等に定期的に開放し、福祉啓発を目的にボランティア育成研修への協力や専門職向けの研修会を行っています。

 社会福祉協議会と連携し、区内の障害福祉の発展に力を入れています。在宅高齢者に対する車送迎の買物支援の委員になり、また、ボランティア研修や車いす体験、小中学校とのボッチャ体験交流や職場体験受け入れなど積極的に推進しています。入所施設のシーツ交換や傾聴、散歩付き添い、カラオケ、理美容等昨年度のボランティア受け入れは885名です。また、誕生会に市内のフラダンスや歌、腹話術などの団体を招致しています。市の音楽イベントや市民館ギャラリー等への参加、10月のれいんぼう祭りなど地域との交流を展開しています。

 在宅支援リハビリテーション専門職員はそれぞれの自立支援協議会など地域連絡会に参加し、デリバリー研修を開催するなど地域の啓発事業を展開しています。地域のイベントに当事者が参加することにより、自然に交流する機会を提供しています。障害者と健常者がふれあう時間を共有し、地域の中に障害者が活動拠点を増やす取り組みを推進しています。利用者が地域の店やイベントに出かけ、交通機関を利用して主体的に行動できるようアシストし、町会との防災協定や災害時などに施設を活用してもらえるよう地域交流を積極的に図っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

 人事考課制度を実施しています。管理者(所長)は、年度ごとに「人事管理トータルシステム実施計画」を明文化し、目標管理制度において職員が何を目標とし、また、何をなすべきかを明確にし、全職員の自己統制マネジメントを推進しています。職員は、個々に目的意識を持って自分の職務に取り組んでいます。職員は年度初めに「目標管理シート」を作成し、年2回の上長面接を通して目標の達成度を評価しています。管理者は面接を通して職員の目標における実践の状況を確認し、障害者福祉の専門職員としての職員の育成を図っています。

 年1回、利用者満足度調査を実施しています。満足度調査の結果を共有し、具体的改善や利用者支援の向上に向けた取り組みを行っています。職員は、「外出の時間をもっと長くしてほしい」といった利用者のアンケートへの対応を心がけ、また、毎年2月にアンケートへの取り組みの検証を行い、各係で課題を分析し対応を協議し改善に向けた取り組みを実施し「実施結果報告書」にまとめています。4月の利用者・家族向けの事業説明会で、利用者満足度アンケートの結果と対策について説明し利用者・家族の理解を得ています。

 「川崎市社会福祉事業団中・長期計画」を策定し、平成28年度から5年間の重点目標を明記しています。中・長期計画では、充実したサービス提供、職員の資質向上、法人基盤の整備等の目標を掲げ、対策を明示しています。また、中・長期計画の職員説明会を開催し職員に周知しています。 中・長期計画に基づき、単年度の事業計画を策定しています。事業計画は、前年度の課題を踏襲しています。平成29年度の事業計画に、入所者の次期ステージに向けた利用者セルフマネジメント支援、人材育成、等7項目を重点目標に掲げています。

6 職員の資質向上の促進

 入所・生活介護支援は、利用者の男女比に配慮した職員構成で同性介護を可能にしています。特に利用者の重度化・高齢化に向けて人が育つ職場作りを目標にしています。自立訓練支援では利用者の生活現場での体験を重視し、技術と経験を活かして安定した人材で支援しています。リハビリテーション理念に基づく利用者支援の実施では、利用者のニーズと高齢化や障害状況の変化に対応できる人材育成に取り組んでいます。リハビリテーション技術の向上や人員加配など、専門性を高め仕事への意欲を維持向上させることを念頭に置いています。

 法人の職務基準に基づき階層別に職員の育成に取り組んでいます。施設で実施している育成プログラムに加え、法人の業務管理シートを活用し各自の年度目標を明確にし、個々の職員の育成を図っています。施設の研修委員会が研修要綱に基づき研修計画を策定しています。施設に求められるリハビリテーションサービスの人材を継続的に育成し、症例報告を学会や研究会等で発表し高い専門性の向上を図っています。外部研修受講者は、研修報告書を提出し2月の伝達研修発表会及び随時の伝達研修を行い、研修成果の共有を図っています。

 利用者の安全安心な移乗介助と介護者の健康管理、安定した介護力の維持を目的として、利用者、支援員、リハスタッフが協働し床走行リフトを導入し定着を図っています。腰痛を訴える職員が多く、「持ち上げない、抱え上げない介護」は職員の負担軽減につながり、人による移乗より時間はかかるが利用者からは安定しているとの声が聞かれています。

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