かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

星川ルーナ保育園(3回目受審)

対象事業所名 星川ルーナ保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 あおい会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0006
保土ヶ谷区星川2−18−1
tel:045-348-1152
設立年月日 1939年06月01日
公表年月 2018(平成30)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 開設は平成14年6月1日で17年目を迎えました。平成26年8月1日、以前の法人から当園を含む3園が新規に発足した社会福祉法人あおい会に譲渡され、平成27年に新たに1園を加え、今日に至っています。相鉄線「星川」駅から徒歩5分ほどのところにあります。定員は120名(平成30年1月現在133名在籍)で、産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育を実施しています。園舎はロビーも広く明るい造りです。
 近隣の環境は、保土ヶ谷区役所や消防署、警察署、図書館、公会堂、小学校などが揃い、多くのマンションや住宅が広がっています。園の隣りに鯉などがいる川が流れ、近くを相鉄線が走り、公園がいくつもあり、子どもたちの散歩先はたくさんあります。こうした環境の中、子どもたちは伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○保育日誌の効率化や充実が保育の質の向上につながっています
 保育事務のICT化により、保育日誌の効率化や充実が図られています。日誌には詳細な項目が設定されており、保育の様子が細かく記録されています。出欠記録、保育のねらい・内容・評価などの基本項目をはじめ、その日の視点や感想も記入されています。例えば、保育内容において「2歳児ならではのルールのある遊びを取り入れられるようになる。勝ち負けを理解して悔しい気持ちや嬉しい気持ちを経験していけるようになる…」といった保育士の詳細な記録に対し、「2歳ではルール遊びが少しでもできたらほめてあげてください」と園長のふせんが貼られ、また、主任保育士の赤字でのコメントも添えられています。効率的に作られた詳細な日誌は、責任者のアドバイスも加えられることで充実し、保育の質の向上につながっています。

○給食委託会社と園との協力により、子どもが楽しく、さまざまな体験ができる食育活動を実施しています
 食育への取り組みとして食育計画があります。子どもたちが植物の栽培活動や収穫物を使ったクッキングなどを通じて、植物が育つ様子を知る、命を感じ感謝する、調理をして楽しむ、食事を楽しむ、旬の食べ物や行事食を知る、などを大切に考え、保育士と給食委託会社の栄養士が連携して食育を実施しています。例えば、行事食のメニューにある食材を実際に子どもたちに触ってもらい、その食材がどのように料理されるか、どのような料理として出てくるかなど子どもの食への興味を引き出しています。また、ピクニックデーではお弁当箱に詰めやすいおかずを保育士と栄養士が考え、子どもたちが自分でおにぎりを作り、おかずをお弁当箱に詰めて公園で食べるなど、さまざまな取り組みを実施しています。

○共有シートと自己評価シートを併用し、また系列保育園間の担当者交換研修などで人材育成を図っています
 職員の資質向上のため、年度初めに「共有シート」により目標設定と園長面談を行い、年度末に振り返り記入を行っています。また、保育士経験により4種類の「自己評価シート」により年度半ばと年度末に1から4までの4段階で基本行動と専門性を自己評価しています。年度末に「共有シート」に園長がコメントを記入し、「自己評価シート」とともに、園長と主任による面談を行い、職員一人一人の取り組みを評価、指導をして、次期につなげる仕組みがあります。 また、内部研修に力を入れ、本部の基本研修や各系列園に集合して行う子どものクラス別研修や1〜3日間の系列園同士で担当者を交換して学ぶ実地研修、見学研修により、系列園相互の人材のレベルアップに努めています。

《事業者が課題としている点》
 職員一人一人の自己啓発の促進、職員間の円滑な情報共有、保育環境の充実、園庭・園舎の整備、綿密な防災計画の作成などを課題としています。例えば職員間の情報共有については具体的なケース会議や小規模ミーティングを実施する、保育環境の充実については系列園との交換保育や外部研修等、できるところから取り組んでいきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  日々の保育において「子どもが主体」となる保育の実践に努めています。子どもが自分の考えや意見を言うときには、真摯に耳を傾けじっくりと聴くようにしています。また、できないことを否定したり、注意すべき状況でもしかったりするのではなく、「〇〇したのはどうしてかな」と一緒に考え、「〇〇しましょう」と正しい理解を促すようにしています。日々の保育や研修、新聞などからの情報を通して子どもの人権や人格の尊重について学んだことを会議や打ち合わせのときに職員間で共有しています。
 1階のロビーの厨房前にある絵本&自由遊びコーナー「DEN(でん)」や、4歳児の保育室入り口の左側に棚で仕切られた「ままごとコーナー」などでは小集団で落ち着いて遊ぶことができます。また、1人になりたいときには柱の横や押し入れ下のスペースに入る子どももいます。職員と完全に1対1で向き合うことが必要なときは事務所の中や、1階ロビー、2階ホールのコーナーについたてなどを移動させてスペースを作ることができます。園では、臨床心理士のアドバイスも含め、自分だけの空間は4、5歳児にとってとても重要なものであることを学んでいます。子どもが1人になりたいときは、職員は1人だけの時間を妨げないようにしています。
 個人情報保護に関する基本方針を踏まえ、全職員に守秘義務の順守を徹底させています。職員の給与決定通知にも守秘義務の履行と違反についての説明が書かれています。また、実習生やボランティアについては、オリエンテーションで守秘義務の履行を説いています。個人情報は事務所の鍵のかかる棚に保管し、処理はシュレッダーと業者の溶解サービスを併用しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育理念に明示されている「子どもたち、一人ひとりの最善の利益を保障することを基本に」保育課程が作成されています。園は最寄り駅から徒歩5分という好立地にあります。周りには保土ヶ谷区役所、警察署、消防署、図書館、学校などがあり、鯉や亀が住む川に加え公園も多くあり、保育を行ううえで恵まれた環境にあります。これらを生かして小学校や大学との交流、さつま芋掘り、各種地域交流などのさまざまな課外授業が保育課程に反映されています。クラスごとの職員の意見をリーダー、主任、園長が検討して取りまとめています。保育課程は保護者に渡す園のしおりなどの資料に載せて入園時や進級説明会、全体懇談会などで説明し、変更時には口頭、プリントなどで周知しています。
 保育課程に基づいて年間指導計画、月案、週案を作成しています。例えば、4、5歳児の運動会や発表会の様子を見たり、異年齢交流をしたりする中で、4、5歳児へのあこがれが目標となって年下の子どもたちの自主性や主体性が育ち、その成長が指導計画の保育目標の達成につながるように努めています。職員は子どもたちとの日々の触れ合いのなかで、子どもたちの表情やしぐさ、言葉などから、子どもたちが何を感じ、どのように考えているのかについて学びを深め、定期的なミーティングで子どもの日々の様子について意見交換を行っています。
 0〜2歳児については、子ども一人一人について、先月の様子、当月の保育の内容や職員の配慮・援助などを記入した月ごとの個別指導計画を作成しています。3歳児以上については、特別な配慮を要する子どもについて個別指導計画を作成し、必要に応じて臨床心理士に子どもの様子を見てもらっています。臨床心理士が観察や保育士への聞き取りを通して得た見立てや見通しを「ひだまり」ノートに記録して全職員で共有し、保育に生かしています。また、個別指導計画の見直しについては、年間指導計画や月案に個別配慮を記入したり、アレルギーの有無、トイレットトレーニング、離乳食への移行などについて保護者に相談の上、同意をもらったりしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  保護者の状況や要望のもと、1週間を目安に個人差を踏まえた短縮保育を行っています。0、1 歳の新入園児については、できるだけ同じ職員が担当するように配慮しています。また、0歳児は保護者と親しい他者に信頼感を持つため、保護者とのコミュニケーションや信頼関係の構築に努めています。子どもの心理的よりどころとなるタオルやぬいぐるみの持ち込みは必要と考えています。保護者との連絡は、0歳児は複写式の乳幼児保育連絡帳、1〜5歳児は連絡帳で家庭と園との情報を交換し、コミュニケーションを深めています。園だよりには、園長から進級する園児たちにも「子どもの心によりそう保育に努めます」と配慮のメッセージを記載しています。
 配慮の必要な子どもや気になる子どもについては、定期的に臨床心理士に来園してもらい、見立てや意見をもらい個別指導計画の見直しの必要について検討しています。臨床心理士の意見は「ひだまり」ノートに記録し、全職員で共有し、必要に応じて話し合いを行っています。本法人では放課後児童育成事業も運営していることから、卒園後の12歳までの子どもの成長や発達を見守って行こうと考えています。また、作業療法士の研修や発達障害、障がい児保育などの外部研修に参加して学んだ知識や技術をクラスミーティングやカリキュラム会議などで発表したり、研修報告書として残したりしています。研修報告書はファイリングされ、職員がいつでも閲覧できるようになっています。
 アレルギー対応マニュアルに基づき、アレルギー対応食の必要がある場合は、保護者から医師の指示による「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」と「食物アレルギー疾患届」または「食物アレルギー指示書」を提出してもらっています。園長および保育士は対応食を毎日の献立表で確認します。対応食を提供するときには、子どもの名前を確認し、栄養士、調理員、保育士で指差し、声出し確認を行い、「個別ファイル」に調理担当者名、受け取り時間、保育士名などを記入しています。対応食は個別の専用トレーや専用食器に配膳してラップし、トレーには子どもの名札を置いています。職員会議で調理担当から食物アレルギーについての留意点を聞いています。
4 地域との交流・連携  地域の子育て支援ニーズについては、年間指導計画の4半期ごとの振り返りや翌年度の計画作成の機会に職員会議などで話し合っています。地域の子育て支援の取り組みとして、園では「FunFunルーナ」と名付けた地域の未就園児の親子と園の1、2歳児が毎月交替で交流する会があり、調査訪問日にはビニールの前掛けとおにぎりを作り、1階ロビーでリズム遊びをしていました。1、2歳児の一時保育も提供しています。保土ヶ谷区が主催する「赤ちゃん教室」では区内の保育園が交代で講習などを行っています。園では6月に地域の親子に向けて「離乳食試食会」を開催し、講話と母親向けの試食会を実施しています。
 育児相談の内容によっては園だけでは解決できないこともありますので、事務室に医療機関や保土ヶ谷区役所こども家庭支援課、保土ヶ谷福祉保健センター、横浜市こども青少年局、横浜市西部児童相談所、横浜市西部地域療育センターなどの関係機関一覧を置き、職員にも周知し、速やかに連絡がとれる体制を取っています。関係機関との連絡は園長と主任が担当しています。園長と主任は関係機関の担当者に相談したり、情報を受けたりして日常的な連携ができています。
 将来の利用者のために、園のリーフレットやパンフレットを保土ヶ谷区こども家庭支援課や子育て支援の催し「合同育児講座」に置かせてもらっています。また、ホームページを通じて園の情報を提供しています。リーフレットには保育目標や定員、開園時間、産休明け保育、一時保育、園の一日、年間行事、園の外観写真と敷地面積、間取り図、案内図を、パンフレットには前記のほか職員構成などを、またホームページには前記の内容や最近の園の様子を多数の写真付きで紹介しています。園の情報は保土ヶ谷区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」などに進んで提供しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  利用希望者からの問い合わせには、園のリーフレットやパンフレット、「園のしおり(入園案内)」などを事務室に置き、こうした資料に基づいて、保育理念や保育方針、保育目標、施設概要、サービス内容などを説明しています。問い合わせには主任が対応しています。また、利用希望者には園の見学ができることも案内して、子どもの保育の様子がよく分かる、午前10時30分または午後3時30分の来園を勧めますが、都合がつかない場合には、日常の保育に支障をきたさない範囲で、見学希望者の要望する日時に応じています。見学者には園のリーフレットや園だより、給食献立などを渡して、園長または主任より園の理念や方針、目標、園での一日などを説明し、園内見学した後、質疑に応じています。
 年度末に記入した「自己評価シート」と「共有シート」を基に職員は園長、主任と面談を行い、振り返りを行っています。保育課程に基づくクラスごとの年間指導計画などの自己評価結果についてミーティングなどで話し合っています。また、年末に保護者アンケートを実施し、その結果と職員の自己評価、振り返りから園長と主任は園としての課題、改善点を明らかにして「保育所の自己評価の結果について」の初めに保育方針と保育目標を記載し、これに沿って園の評価をまとめ、保育所の自己評価としています。「保育所の自己評価の結果について」は玄関に掲示し、公表しています。明らかになった課題、改善点はできるものから改善に努めています。
 「就業規則」の中の「服務規律」には守秘義務や個人情報保護など職員として守るべき法、規範、倫理を明記してあり、全職員は入職時に園長や主任から説明を受け、誓約書を提出しています。また、保育所保育指針の改定の勉強会でも「保育所の社会的責任」として、人権の配慮や守秘義務などを学び、全職員が行う自己評価でも、「基本行動」の初めの「規律性」の項目の「倫理」の細目で、子どもの人権への配慮や個人情報保護と守秘義務などの自己評価を求めています。経営の現況報告や決算状況は法人のホームページで情報公開しています。世間で発生した子どもの虐待事例などは、新聞記事などを基にすぐにミーティングなどで学び、早期発見や注意点の再確認をしています。
6 職員の資質向上の促進  園は職位に求められる職能基準としての保育士キャリアパス基準を作成し、それに応じた研修を明らかにしています。研修担当の主任は、横浜市や保土ヶ谷区などが主催する研修を中心に、職員の希望する研修に園が必要とする指名研修を加えて外部研修計画を作成しています。また、内部研修は法人研修としての職員基本研修や子どもの年齢別研修、系列園との1〜3日の交換研修、見学研修を行い、園内では外部講師による組み立てがん具や沖縄の太鼓などの実技研修などから常勤、非常勤職員とも必要な職員は受講できるようにしています。外部研修参加者は研修報告書を全職員に回覧し、内容によりミーティングなどで発表して研修内容の共有を図っています。園長と主任は受講者の研修内容の導入状況などから研修を評価し、次に生かしています。
 職員の資質向上のため、年度初めに「共有シート」により目標設定と園長面談を行い、年度末に振り返りを行い、園長のコメント記入と評価、指導を受けています。また保育士経験により4種類の「自己評価シート」により年度半ばと年度末に1から4までの4段階で基本行動と専門性を自己評価する仕組みがあります。外部研修で学んだことや系列園との担当者交換研修、見学研修などで参考になったことなどをミーティングなどで発表し、話し合い、園の保育に取り入れています。毎週1回リトミックや英語、体操に専任講師の指導を受けたり、育児相談などに臨床心理士の相談、指導を受けたりしています。横浜市西部地域療育センターに巡回を依頼し、配慮を要する子どもの指導、助言を受けています。
 園は職位や役職に求められる技能や経験、役割を期待水準として明記した「保育士キャリアパス(キャリアアップのモデル)基準」を作成し、事務室に掲示しています。日常の保育の業務は、現場の職員の自主的判断に任せています。しかし、事故や苦情、対外的な業務などの状況判断を必要とする突発的な出来事は、直ちに園長や主任に報告、連絡、相談することを徹底しています。また、職務分担表で研修や防災、環境、地域子育て支援など園の職務を分担し任せることで職員の意欲と責任感を引き出しています。園長は、秋の来年度の職員の勤務継続の意向調査のときなどに職員アンケートを実施して、職員の意見や要望、改善提案、悩みなどを把握し、相談にも応じています。

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