かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

鳩の森愛の詩瀬谷保育園(2回目受審)

対象事業所名 鳩の森愛の詩瀬谷保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 はとの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 246 - 0021
瀬谷区二ツ橋町83-3
tel:045-363-8006
設立年月日 1974(昭和49)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年04月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
鳩の森愛の詩瀬谷保育園は、相鉄線三ツ境駅から歩いて7分ほどの住宅街の中にあります。隣には、区役所、消防署、公会堂、地域ケアプラザなどが入る瀬谷区総合庁舎と二ツ橋公園があり、子どもたちの散歩コースとなっています。
鳩の森愛の詩保育園は、昭和49年(1974年)4月に横浜市立瀬谷保育園として開設され、平成17年(2005年)4月に、社会福祉法人はとの会に民間移管され鳩の森愛の詩瀬谷保育園という名称に変更されました。運営法人は、同じ瀬谷区内に1園、泉区に2園保育園を運営するほか、学童保育事業や乳幼児一時預かり事業を展開しています。
鉄筋コンクリート造り2階建ての園舎は、明るく広々としていて、芝生を養生した屋上には、畑とプールがあります。広々とした園庭には、保育士と保護者が手作りした遊具が設置されています。
定員は、100名(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時〜18時半です。
園は、子どもたちを真ん中に保育者と保護者が手をつなぎ合い、支え合い、成長し合うことを『共育て共育ち』と呼び、保育の原点としていて、保育目標として、「お互いを認め合う」「しなやかな身体をつくろう」「感性を豊かにしよう」「共育て共育ちの喜びを大きくしていこう」を掲げています。

◆高く評価できる点
1、子ども主体の保育が実践されています
園は、子どもが自分で好きな遊びを選んで主体的に遊びを広げられるよう環境整備に力を入れています。保育室には、ロフトで仕切られた、ままごとやブロック、絵本などのコーナーがあり、園庭にもタワーや小屋、スロープなどが設けられています。自由遊びの時間には、子どもたちは好きなコーナーを選び、友達と一緒にままごとやブロックをしたり、誰が長くコマを回せるかを競ったり、2人でおしゃべりしながら絵を描いたり、一人でくつろいで絵本を読んだりして過ごしています。保育士は、近くで見守り、子どもと一緒に遊んだり、子どものできたことを一緒に喜んだり、子どもの発見に共感したりしています。保育士にたくさん話しかけてもらい、話を聞いて受け止めてもらっているので、子どもたちはのびのびと自分の思いを言葉や態度で表現していて、乳児でもたくさんおしゃべりをすることが出来ます。幼児になると友達と話し合って行事の配役を決めたり、劇の物語を考えたりしています。
戸外活動も盛んで、雨でなければ毎日、園庭で遊んだり、散歩に出かけたりし、活発に身体を動かしています。観察日にも、ルールを自分たちで考えて斜面を登り降りしながら鬼ごっこをしたり、1歳児がスコップや雑巾を使おうと自分たちで工夫する姿を見ることが出来、子どもたちが主体的に遊びを広げながら身体能力を鍛え、様々なことを学んでいる様子を見ることが出来ました。
異年齢の活動も盛んで、4、5歳児は日常的に異年齢のグループを作り生活しています。園庭で一緒に遊んだり、散歩を異年齢合同で行ったり、年上の子どもが年下の子どもの手伝いをしたりと、日常的に交流する機会が多くあります。観察日にも、園庭でもっと遊んでいたいという乳児を幼児が保育室まで送り着替えを手助けしたり、目覚めが悪い乳児が5歳児の姿を見て機嫌良くトイレに行ったりする姿を見ることが出来、異年齢の関わりでお互いに育ち合っている様子を確認することが出来ました。
このように、子どもたちは遊びの中で身体を鍛え、自分たちで考え解決する力を養うとともに、友達と協力すること、年下の子どもを思いやることなど、様々なことを学び成長しています。

2、保育士は、方向性を共有し、前向きに取り組んでいます
保育理念と保育の方針をまとめた「鳩の森愛の詩憲章」を玄関に掲示し、保育士がいつでも確認出来るようにするとともに、運営法人の研修や職員会議、園内研修などで取り上げ、職員に周知しています。カリキュラム会議や職員会議、毎日のミーティング(2時会)では子どもの「今」の姿について常に話し合いを重ね、職員間で目指す方向性を共有しています。
新任職員、中堅職員、指導的職員、管理職などそれぞれの求められる職員像や必要な研修などを明記した人材育成計画があり、保育士は運営法人の階層別研修を始めとし、横浜市や瀬谷区などの外部研修に参加しています。また、運営法人の多様な講師を囲んでの研修や、和太鼓、荒馬踊りなどの自主勉強会もあり、保育士は、自己研鑽の成果を保育の現場で生かしています。
園は、風通しの良い職場作りに力を入れていて、職員が運営の当事者としてモチベーションを持って職務にあたれるようにしています。昨年度の園庭改造では、異なる職種や階層の職員によるプロジェクトチームを編成するとともに、非常勤職員や若手職員の意見も積極的に吸い上げられるよう、異なるメンバーで複数回連絡会を開催するなど様々な取り組みをしています。また、職員は、年3回自己評価票を用いて自己の保育を振り返るとともに、職員間で自己以外の職員の良いところを見つける他己評価を行い、互いに報告し合い話し合っています。
このような、様々な取り組みを通し、目指す方向性を共有し、モチベーション高く保育に取り組んでいて、職員ヒヤリングの、自分たちの保育について熱く語る職員の姿からも、職員が保育に前向きに取り組んでいることを確認することが出来ました。

3、地域の施設として定着しています
 園は、地域での子育てする家庭を支援するためのサービスとして、一時保育、交流保育、園庭開放(毎週土曜日の午前中)、親子通園(平日10時〜12時)、「あそぼう会」、赤ちゃんの駅などを行っています。「あそぼう会」は登録制で、色水遊び、感触遊び、お芋掘りなどの企画で家庭で子育てする親子に遊びの場を提供しています。また、地域住民に対する子育て講演会を開催するとともに、他の福祉施設との共催で「手づくりおもちゃ」や「赤ちゃんの抱っこの仕方」などの講習会を行っています。
地域との交流も盛んで、保育士と子どもたちは、散歩時に出会う近隣の方々と挨拶をしたり、お泊り合宿やクッキングの時の食材を地域の商店で購入したり、消防出初式で荒馬祭りの踊りを披露したりするなどし、積極的に地域住民と交流しています。
また、就学に向けて小学校5年生と年長児の交流を行ったり、中学生、高校生の職業体験を毎年受け入れたりしています。特別支援学校の生徒も授業の一環として定期的に保育園を訪問し、子どもたちと交流を図っています。
このように、園は地域の施設として、地域に根ざしています。

◆独自に取り組んでいる点 
1、保護者と一緒に園庭改造に取り組むなど、子どもを真ん中にして連携しています
園は、「共育て共育ち」を理念に掲げ、子どもを真ん中にして園と保護者、保護者と保護者がお互いに手をつなぎ合うことを大切にしています。父母の会が結成されていて、全保護者が「役員会」「実行委員会」のいずれかに参加し、活発に活動しています。これらの実行委員会には職員も2、3人ずつ参加しています。父母の会役員会には、園長、副園長、主任、副主任が出席し、さまざまな意見交換をするほか、役員には父母からの要望提案を受け付ける窓口の役割をしてもらうなどしています。
今回の園庭改造では、父母の会役員が一緒に他園の見学に行くなど、計画段階から保護者も参加し、ワークショップには、保護者が多数参加し、築山や滑り台、タワー作りなどに、職員と一緒に取り組んでいます。このように、園は、子どものためにという思いを保護者と共有して一緒に作業をし、園庭で遊び成長する子どもの姿を共有することで、理念を具現化し、保護者が共に育ち合う喜びを実感できるようにしています。

◆改善や工夫が望まれる点
1、保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援のさらなる強化が期待されます
 園は、保護者が園の大切にしている「共育て共育ち」の理念を、父母の会や懇談会、園便り、連絡帳などで、常に伝え保護者が理解できるよう努めています。今回の園庭改造でも、説明会を開催し、保護者からの疑問や意見にも丁寧に答えるとともに、園庭での子どもの様子を伝える「子どもたちが紡ぐ園庭ものがたりの会」を行うなどしています。
保護者から寄せられた意見や要望、苦情などの記録ファイルは、「提案報告書」となっており、園が保護者からの要望・苦情をより運営に生かしていく姿勢の現れと伺われます。
新しい「保育所保育指針」では、社会状況の変化の中で、保育所が果たす社会的な役割が重視され、特に、保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援の必要性がうたわれています。
この様な中で、保育士等が保護者の置かれている状況を把握し、思いを受け止めること、保護者が保育所における保育の意図を理解できるように説明すること、保護者の疑問や要望には対話を通して誠実に対応することなどが求められています。
今後も、地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重し、当園の目指す「共育て共育ち」を生かした子育て支援の展開が期待されます。

2、ヒヤリハット事例の収集・分析を行っていくことが期待されます
園は、年度初めの職員会議で、事故防止と安全対策、プールなどの安全対策マニュアルの読み合わせを行い、事故や災害に対する対応を職員に周知しています。また、園内のハザードマップを職員で作成し、事故や災害に適切に対応できるように努めています。
事故やケガはクラス日誌の特記事項に、医師の診察を受けた場合には事故報告書に記載し、毎日のミーティングや職員会議で対応について話し合っています。ただし、重大事故の発生防止のため、あと一歩で事故になるところであったという、ヒヤリハット事例の収集及び要因の分析を行い、必要な対策を講じるなど、組織的に取り組みを行い、職員の危険予知力を高め、安全性への配慮をしつつも子どもの主体的な活動をさらにすすめていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念として、「鳩の森は、子どもたちを真ん中に保育者と父母が手をつなぎ合い、支え合い、成長し合うことを『共育て共育ち』と呼んで、日々の暮らしの原点にしています。なかまといっしょにあそび、思い描いたことを実現していく力、お互いを思いやる心を、人間として生きていく大切な根っこと考えます。子どもたちは、平和な幸せな世の中をつくる担い手です。子どもたちのありのままの姿を受け入れ愛し、一人ひとりがかけがえのない存在として成長していくことを保障する保育園でありたいです。」と揚げ、子どもを中心に人との関わりの中で子どもの最善の利益を考慮していることが明文化されています。
・職員は「子どもの権利条約」についての研修を毎年受け、子どもに対して謙虚な姿勢で向き合うことを保育の姿勢としています。保育の場で、気になる場面が出てきた場合は職員同士で連携を取り、それぞれの保育士の気づきを受け止めることができるように配慮しています。
・職員は年に1度個人情報保護法についての研修に参加し個人情報の取り扱いについて学んでいます。ボランティア、実習生については、事前のオリエンテーションで守秘義務について伝えています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・子どもたちはコーナーやロフトを使い、ままごと遊びをしたり、買い物ごっこをしたり、ブロックを使い大きなタワーを作ったり絵を描いたりと集団で遊んだり、一人で落ち着いて遊んだりしています。保育時間内には保育士と子どもたち、子どもたち同士の話し合いの時間を頻繁にとり、荒馬踊りの先頭を決めたり、「ありがとうの会」で発表する劇の内容を決めたりするなど、子どもたちの発想を集団活動の中に取り入れています。
・子どもの表現力を培うため造形活動、荒馬踊りや歌などの保育活動を行っています。各年齢に合わせてできることを自由に表現できるように配慮しています。
・4、5歳児は日常的に異年齢のグループを作り生活しています。散歩を異年齢合同で行ったり、幼児が乳児クラスに行き、お手伝いをしたりと日々の生活の中で年下の子どもへの思いやりが持てるようにしています。
・子どもの発達段階や体力に応じて園庭で遊べるように園庭の整備を保護者とともに、随時行っています。タワー、すべり台、丸太階段、のぼり棒、せせらぎ、丸太橋などを設置し、子どもの体力や工夫で遊べるようになっています。
・野菜の栽培やクッキング、給食の下ごしらえ(皮むき、すじ取り、種取りなど)の手伝い、味噌作り、5歳児の毎日のご飯炊きなどを通して子どもたちが食に対して興味や関心が持てるようになっています。
・保護者会が積極的な自主活動を行っており、園も場所や機材、人員を積極的に提供しています。園と保護者の共同作業である園庭作り、保護者会主催の交流会、卒園に向けての出し物など様々な企画が実施されており、職員も積極的に参加しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・年間指導計画は、保育課程に基づき、年齢毎の保育目標を4期に分け、養護、教育、食育を大きな柱に、子どもの最善の利益を考慮して作成しています。乳児クラスや特別な課題がある場合には、幼児についても一人一人の発達の状況や課題に応じた個別指導計画を作成しています。
・カリキュラム会議で、複数の職員から見た子どもの発達や状況を基に、懇談会や連絡帳から受け止めた保護者の意向や子どもの声も反映し、指導計画の作成・評価・見直しを行っています。子どもの声からホタル観賞、始まりお泊り保育などへ展開した事例もあります。
・保育園生活のしおり、年度初めに第三者委員や提案委員会の仕組みについてのお知らせを配布して周知するとともに、提案を入れるポストを設置しています。
・保健健康管理マニュアル、安全管理に関する事故防止と安全対策マニュアル、事故対応マニュアルなどの各種マニュアルがあり、年度初めの職員会議において読み合わせを行い、職員に周知しています。
・職員会議で事故や安全について話し合われる時には、園内のハザードマップを職員で作成し、事故や災害に適切に対応できるように努めています。  
4 地域との交流・連携 ・園長は地域の社会福祉協議会の理事評議員をつとめたり、自治会防災関係者との交流を持つなどして施設に対する要望などを把握するよう努めています。また、月1回行われる地域子育て支援の「あそぼう会」、「子育てフェスタ」などで行われる育児相談などで、地域の子育て支援ニーズを把握するよう努めています。
・地域に向けての子育て支援として、一時保育、交流保育、園庭開放、親子通園(平日10時〜12時)、「あそぼう会」、赤ちゃんの駅などを行っています。また、「あそぼう会」で地域住民に対する子育て講演会を開催したり、他の福祉施設との共催で「手づくりおもちゃ」や「赤ちゃんの抱っこの仕方」などの講習会を行うなどしています。
・就学に向けて小学校5年生と年長児の交流を行ったり、中学生、高校生の職業体験を毎年受け入れたりしています。また、特別支援学校の生徒も授業の一環として定期的に保育園を訪問し、子どもたちと交流を図っています。  
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・就業規則の服務規律に守るべき法、規則、倫理等が明文化されています。法人研修で子どもの権利条約学習会や個人情報学習会を実施するとともに、職員会議でも折りに触れて取り上げ職員に周知しています。      
・運営法人のホームページに、決算報告書、現況報告書、第三者評価結果などの情報を掲載し、公表しています。
・廃材を用いて手作りおもちゃを作ったり、制作の素材として用いたりしています。また、食事の際、食べ終わった食器はヘラで汚れを落とし、洗剤や水の量が少量で済むようにしています。園はよこはまECO保育所として認定を受けていてプレートを門の外に掲示し、保護者にもその旨を説明しています。
・保育理念と「鳩の森愛の詩憲章」を玄関に掲示し、運営法人研修や年度末の職員会議で保育理念、基本方針について周知するとともに、カリキュラム会議などでも折りに触れて取り上げ、保育内容が理念、方針に沿っているか確認しています。
・異なる職種や階層の職員によるプロジェクトチームを編成し、組織をあげて取り組む仕組みがあります。非常勤職員や若手職員の意見も積極的に吸い上げられるよう、異なるメンバーで複数回連絡会を開催するなど工夫しています。
6 職員の資質向上の促進 ・保育所の理念・方針をふまえた保育を実施するよう、職層別の研修計画を立て、人材育成の計画が策定や研修計画表を作成し、必要に応じて適切な研修が受けられるように配慮しています。
・内部研修が定期的に開催され、内容・回数も充実しており、職員・非常勤職員とも必要な職員が必ず受講できます。園内外の研修会が充実しており、園外の大会等への参加、他の福祉施設での実地研修等の成果は報告書を提出し、職員で共有し職場で生かす工夫がされています。さらに研修だけでなく、外部からの見学者が多く来園し、職員は説明を行うことで、自らの振り返りと保育内容の確認の機会となっています。
・保育の取り組みなどについて、職員は所定の用紙に年に3回の自己評価を行い、それをもとに園長、副園長が面談を行っています。自己評価は、指導計画に盛り込むほか、園の広報誌「おたより」を通して、保育の計画や保育実践について伝えることで、保育所としての振り返りとなっており、月案、週案では、子どもの育ちや意欲、取り組む過程などを重視して行っている姿勢がみられます。
・保育士間で、自分以外の職員3人の良いところを見つけ、他己評価を行い、互いに報告し合い、話し合うことで、保育所としての課題を明らかにし、専門性の向上や保育実践の改善に努めています。
・経験・能力や習熟度に応じた役割が「求められる職員像」として明文化するほか、職層別に職務内容を記載した表があり責任を明確化し、利用者の状況に応じ自主的な判断で、行事などの実行委員など、現場の職員が自らの判断で責任をもって業務を遂行できるようにしています。

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